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山崎 弥三郎; 岡崎 元昭; 新妻 泰
JAERI-M 82-014, 62 Pages, 1982/03
ATR及びJPDR-IIの模擬燃料体についてFAT-1ループを用いてボイド率及び圧力損失を空気-水系について測定した。実験範囲は水流量60t/hまで、系圧力3.5kg/cmボイド率10~50%である。ボイド率は燃料体全体の平均値を、圧力損失は直管部・スペーサー部・ベース部・タイプレート部にわけて測定した。ボイド率()と気体体積流量率()との比はATR(二次設計)で0.95、JPDR-IIでは0.7となった。直管部の摩擦圧力損失はの函数として示した。円管に関する二相流の知見から原子炉運転圧力における全圧力損失の推算方法を示した。全圧力損失の約1/2は直管部以外の損失が占める。流動状態観察の結果、両燃料体とも流路全体として全範囲に亘り気泡流が卓越している。
杉本 朝雄; 武田; 古橋 晃; 桂木 学; 引田 実弥; 内藤 奎爾; 近藤 靖子; 長崎 隆吉; 山崎 弥三郎; 黒井 英雄; et al.
JAERI 4018, 52 Pages, 1961/06
溶液炉心スラリーブランケット型を対象の中心として、水性均質炉の技術的問題点を検討した。水性均質炉は熱中性子増殖の最も高い可能性と多くの優れた点を有してはいるが、かなりの困難に直面しており、これらの困難は主として燃料の不安定性とスラリー技術の未熟さに帰することができる。燃料の不安定性はHRE-2で発生した炉心タンクの2つの孔の原因をなすものであって、これは二相分離といった相的不安定面が炉の運転領域の上に存在するため、ウランの沈着,過熱,溶融という自己触媒的な結果を生じたものと考えられる。スラリー技術に関しては、スラリーを使用した炉の運転実績がないことが最も大きい弱点であって、スラリーに対する放射線の影響が未だ十分には明らかでなく、また各種機器にも改良の余地が多く残されている。沸騰スラリーという概念は外部循環回路の省略によって、スラリー技術の開発に対する要求をある程度緩和するという点において有望であろう。今後研究を集中すべき主要な題目は、燃料の不安定現象が炉心の適当な流体力学的設計と材料改善によって克服できるか、スラリー炉で思わぬところへスラリーが蓄積することがないよう十分な制御が可能かということになる。