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山本 一良*; 西谷 健夫; 相良 明男*
Fusion Science and Technology, 52(3), p.347 - 356, 2007/10
被引用回数:2 パーセンタイル:18.73(Nuclear Science & Technology)日本における核融合工学に関する最近の成果と今後の計画についてまとめたものである。ITERテストブランケットモジュール計画では、日本は水冷却固体増殖ブランケットのリード極となるとともに、ヘリウム冷却固体増殖ブランケット,リチウム鉛ブランケット,液体リチウムブランケット等の方式のブランケットに対しては、パートナーとして参加することを想定して研究開発を進めている。ITERに関しては、トロイダル磁場コイルの超伝導ケーブルの試作に成功し、実機製作の見通しをつけた。高周波加熱技術では、原子力機構において、170GHzのITER用ジャイロトロンの600kW,3600秒の運転に成功した。LHDでは、イオンサイクロトロン加熱と電子サイクロトロン加熱を計1.6GJ入力してほぼ1時間の長パルスプラズマ運転を達成した。また「幅広いアプローチ」活動として、ITERサテライトトカマク(JT-60SA), IFMIF-EVEDA, 国際核融合エネルギーセンターの活動を那珂市と六ヶ所村で実施する計画である。
鈴木 義規; 南川 卓也; 尾崎 卓郎; 大貫 敏彦; Francis, A. J.*; 榎田 洋一*; 山本 一良*
Journal of Nuclear Science and Technology, 44(9), p.1227 - 1232, 2007/09
被引用回数:16 パーセンタイル:72.04(Nuclear Science & Technology)シュウ酸,マロン酸,コハク酸,アジピン酸,リンゴ酸又は酒石酸の存在下におけるウラニルイオンの酸化還元反応をサイクリックボルタンメトリーにより調べた。各有機酸水溶液においてUO/UOの酸化還元反応及びU(IV)の酸化反応が観測された。UOの還元ピーク電位は、1:1 UO-有機酸錯体の錯形成定数の対数値に比例して減少することがわかった。また、マロン酸又はシュウ酸の存在下におけるUO/UOの酸化還元電位のpH依存性を調べ、pHによる酸化還元反応の変化を明らかにした。
鈴木 義規; 南川 卓也; 吉田 崇弘*; 尾崎 卓郎; 大貫 敏彦; Francis, A. J.; 津島 悟*; 榎田 洋一*; 山本 一良*
Radiochimica Acta, 94(9-11), p.579 - 583, 2006/11
被引用回数:20 パーセンタイル:78.89(Chemistry, Inorganic & Nuclear)クエン酸存在下、pH2-7におけるUOの還元挙動をカラム電極電解法を用いて調べた。UOは、pH2で1段階の還元反応により、pH3-5で2段階の還元反応によりU(IV)まで還元された。UOの還元電位は、pHが2から7に増加するのにしたがって低電位にシフトした。pH6-7では、-0.8V以下の電位でもUOは完全に還元されなかった。紫外可視吸収スペクトル分析及び化学種計算から、クエン酸存在下におけるUOの化学種は、pH2-3ではおもにUO, pH3-5でおもに[(UO)Cit], pH5-7では3量体以上の化学種であった。これらの結果から、UOは中性pH付近でクエン酸と多量体を形成し、還元されにくくなることがわかった。
鈴木 義規; 南川 卓也; 吉田 崇弘*; 尾崎 卓郎; 大貫 敏彦; Francis, A. J.*; 津島 悟*; 榎田 洋一*; 山本 一良*
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 6(1), p.91 - 93, 2005/07
Eu(III)のPseudomonas fluorescensへの吸着に及ぼすクエン酸の影響を調べた。2MのEu(III)をクエン酸濃度0, 100, 1000M, pH3-9で細胞と接触させた。クエン酸を含まない溶液では、pH7以下でほぼ100%のEu(III)が細胞に吸着した。pH7以上ではpHの増加とともにEu(III)の吸着量が減少した。アルカリ性溶液でのEu(III)の吸着量が時間とともに減少していたことから、P. fluorescensがEu(III)と錯体を形成する有機物を分泌している可能性が示唆された。クエン酸が存在する溶液では、クエン酸濃度の増加に伴ってEu(III)の吸着量が減少した。これはEu(III)-クエン酸錯体の形成とEu(III)-細胞表面錯体の形成が競合しているためであると考えられる。クエン酸によるEu(III)の吸着量の減少はアルカリ性溶液で顕著であった。
目黒 義弘; 富岡 修; 今井 智紀*; 藤本 成孝*; 中島 幹雄; 吉田 善行; 本多 忠*; 高野 文夫*; 北村 昶*; 和田 隆太郎*; et al.
Proceedings of International Waste Management Symposium 2004 (WM '04) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/03
硝酸-TBP錯体を反応剤として含む超臨界二酸化炭素を用いる超臨界二酸化炭素リーチング(SFL)法を、放射性固体廃棄物からのウランの除去に適用した。海砂,焼却灰,アルミナ製多孔質ブロックを母材とする模擬試料及び、実焼却灰試料,実耐火レンガ試料を用いた。模擬試料及び実廃棄物試料からウランを高効率に除去することができた。実廃棄物からの除染効率の方が、模擬試料からのそれよりも小さかった。10gの実焼却灰試料及び37gの実耐火レンガ試料からそれぞれ1g及び37mgのウランを回収した。
渡辺 武志*; 津島 悟*; 山本 一良*; 富岡 修; 目黒 義弘; 中島 幹雄; 和田 隆太郎*; 長瀬 佳之*; 福里 隆一*
Proceedings of 2nd International Symposium on Supercritical Fluid Technology for Energy and Environment Applications (Super Green 2003), p.363 - 366, 2004/00
乾式再処理において使用される固体陰極に付着した溶融塩(LiCl-KCL)を分離,回収する方法を開発することを目的とし、メタノール,エタノール,TBPなどをモディファイヤーとして用いる超臨界二酸化炭素リーチング(SFL)法による海砂-アルカリ金属塩の混合試料からのアルカリ金属の分離挙動を調べた。抽出剤として、ジシクロヘキサノ-18C6, 18C6, 15C5を用いた。メタノールをモディファイヤーとして用いるSFL法によってLiClを分離,回収できた。クラウンエーテルを抽出剤として用いることによってKとSrを高効率に分離できることを見いだした。分離効率は15C518C6DC18C6の順に大きくなった。
長瀬 佳之*; 増田 薫*; 和田 隆太郎*; 山本 一良*; 富岡 修; 目黒 義弘; 福里 隆一*
Proceedings of 2nd International Symposium on Supercritical Fluid Technology for Energy and Environment Applications (Super Green 2003), p.254 - 257, 2004/00
超臨界二酸化炭素リーチング(SFL)法を用いた放射性廃棄物の除染法を開発している。これまでに以下のことを明らかにした。(1)ウランの分離にはTBP-HNO錯体が、アルカリ金属の分離にはクラウンエーテルが有効な抽出剤であること。(2)SFL操作条件の中で4080Cの温度範囲においては高温であるほど、1540MPaの圧力範囲では低圧であるほどウランの分離効率が高いこと。(3)抽出剤であるTBP-HNO錯体を含む超臨界二酸化炭素中においてステンレス鋼(SUS316)が腐食せず安定であること。
榎田 洋一*; 山本 一良*; 小林 登*; 富岡 修*; 宮原 幸子; 駒 義和; 青嶋 厚
JNC TY8400 2002-004, 115 Pages, 2002/05
核燃料再処理や放射性廃棄物の除染への将来における適用を想定し、リン酸トリブチル(TBP)の硝酸錯体を超臨界二酸化炭素に溶解して用いることにより、ランタニド酸化物と他の金属酸化物の混合物からランタニドだけを選択的に、また、二次廃棄物発生量を最小化し、かつ、大きな処理速度で回収することが可能であることを示すことを本研究の目的とした。粉末もしくはバルクのGd2O3等のランタニド酸化物とTBP硝酸錯体をn-ドデカンで希釈した有機流体と反応させ、ランタニド酸化物の溶解抽出速度を明らかにした。また、ランタニド酸化物に金属酸化物または金属単体を混合した試料に対しても同様の実験を行い、ランタニド酸化物の選択的な溶解抽出が可能であるかどうか、また、その反応機構を検討した。さらに、同様の試料を超臨界二酸化炭素中でTBP硝酸錯体と反応させ、超臨界二酸化炭素中でのランタニド酸化物の溶解抽出速度を明らかにするとともに、ランタニド酸化物の選択的な溶解抽出が可能であることを示した。また、TBPの超臨界二酸化炭素に対する溶解度を分子シミュレーションを用いて定量的に評価することが可能であることを確認した。さらに、得られた基礎データを見かけの速度定数を算出するとともに、溶解抽出過程を解析するための化学工学モデルを作成した。本報告書は、核燃料サイクル開発機構の核燃料サイクル公募型研究により実施した業務成果に関するものである。
山本 一良*; 榎田 洋一*; 小林 登*; 高梨 光博*; 青嶋 厚*; 野村 和則; 柴田 淳広
JNC TY8400 2002-003, 81 Pages, 2002/05
経済性の革新的向上と廃棄物発生量の大幅低減を実現するために提案されている先進的核燃料再処理分離プロセスは、晶析法を採用する等により、従来と異なるプロセスパラメタ(重金属負荷度、除染係数、流量率等)で運転されることになるため、実用プロセス条件の選定に先立ち、化学プロセスフローシートに関して十分な変動範囲にわたったさまざまな視点からの基礎検討が必要である。本研究では、先進的核燃料再処理分離プロセスの化学プロセスフローシートに関して、さまざまな変動の及ぼす影響を理論・計算解析により把握し、より経済性の向上と廃棄物発生量の低減を実現するプロセスとして高い完成度を目指すものである。本研究では、まず、化学プロセスフローシートの定常分離特性に関する研究を行い、溶媒抽出分離プロセスでウラン、プルトニウム及びこれらに混入する主要な不純物の定常状態における分離特性(回収率、廃液発生量等)をプロセス計算解析によって明確にした。次に、化学プロセスフローシートの変動後の分離特性に関する研究で、ウラン、プルトニウム及びこれらに混入する主要な不純物の分離特性(回収率等)がプロセスパラメタ(重金属負荷度、流量率等)の変動によってどのように変化するかをプロセス計算解析の観点から明確にした。最後に、分離プロセスシステムの微小変動が分離特性に与える影響に関する研究で、現実の化学分離プロセスで生じる可能性があり、通常の計算機解析では考慮されないような比較的微小な変動が再処理分離プロセスに与える影響の大きさをプロセス計算解析によって明確にした。本報告書は、核燃料サイクル開発機構の先行基礎工学研究協力制度により実施した業務成果に関するものである。
有田 忠明*; 山西 敏彦; 岩井 保則; 西 正孝; 山本 一良*
Fusion Science and Technology, 41(3), p.1116 - 1120, 2002/05
深冷壁熱拡散塔の分離係数をH(水素)-D(重水素),H-T(トリチウム)系で測定した。塔は高さ1.5m,内径0.03mである。塔の中心に同心状に設置するヒーターとして、径0.05mmのタングステン線と、径11mmのシースヒーター型のものを使用し試験した。塔の分離係数は、ヒーター温度の増加とともに増大する。また塔への供給流量の増加に対して、分離係数は減少し最適圧力は増大する。タングステン線使用時の全還流操作時の最大分離係数は、温度1273Kで、H-D系では49.2,H-T系の条件では284であった。供給流量10cm/min,温度1273K,H-T系の条件で、タングステン線ヒーター使用の場合、最大分離係数は55であったが、シースヒータ使用の場合には温度が763K以外は同条件で、2660の高い分離係数を得た。これは、ヒーター径が大きくなることで、塔内の温度分布勾配が大きくなることによるものである。
富岡 修*; 目黒 義弘; 磯 修一; 吉田 善行; 榎田 洋一*; 山本 一良*
Proceedings of International Solvent Extraction Conference 2002 (CD-ROM), p.1143 - 1147, 2002/00
ウラン酸化物で汚染した固体廃棄物からウランを除去するための新しい方法を開発した(超臨界COリーチング(SFL)法と称する)。本法は硝酸-TBP錯体を含む超臨界CO中へのウラン酸化物の溶解反応を原理とする。UO及びUOの粉末がともに60,20MPaの条件で超臨界CO中に完全に溶解することを明らかにした。固体廃棄物中のウランの除染法としてのSFL法の適用性を、模擬試料(海砂約50gとUOまたはUO約120mgの混合物)を用いて実証した。UO及びUOの除染係数としてそれぞれ100及び10000を得た。
富岡 修*; 目黒 義弘; 磯 修一; 吉田 善行; 榎田 洋一*; 山本 一良*
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(6), p.461 - 462, 2001/06
被引用回数:27 パーセンタイル:85.72(Nuclear Science & Technology)超臨界二酸化炭素(SF-CO)を媒体として用いて、ウラン酸化物を含む固体廃棄物からウランを選択的に溶解して回収する除染方法を開発した。模擬汚染試料として、約100~200mgのUOあるいはUOを均一に混合した砂(平均直径~1mm)約50gを用いた。試料をステンレス鋼製の容器(内容積約50ml)に採取し、これに、200気圧に加圧したSF-COと硝酸-リン酸トリブチル錯体溶液(HNO-TBP錯体,モル比: 4.8:3)との混合流体を50~60で圧入する(流速: 3ml/min CO,0.3ml/min HNO-TBP)。一定時間放置後、SF-COを流しながら洗浄し、ウランを含むCO流体を回収した。溶解処理した後に試料中に残存するウランは、1mg以下(UO)あるいは0.01mg(UO)であり、砂中のウランを100~10000分の1以下に除染できた。
宮原 幸子; 船坂 英之; 榎田 洋一*; 山本 一良*
ATALANTE2000, 0 Pages, 2000/00
超臨界二酸化炭素にTBP-硝酸錯体をエントレーナとして添加した流体により、使用済燃料から直接U,Puの回収を行う超臨界直接法の開発を行っている。臨界直接抽出法の再処理工程への適用性を評価するため、Uと模擬FPを用いた超臨界試験及びMOX燃料の溶解・抽出試験を実施し、超臨界直接抽出法のU酸化物への適応性評価及び技術的課題の摘出を試みた。U及びSr,Zr,Mo,Ru,Pd,Ce,Ndの酸化物を用いた超臨界試験では、Uのみが選択的に抽出されたことから、超臨界直接抽出法による選択的なU抽出の可能性が示唆される。このほか大気圧条件下で実施したMOX燃料の溶解抽出試験の結果について報告する。
有田 忠昭; 山西 敏彦; 奥野 健二; 山本 一良*
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.1021 - 1026, 1998/09
被引用回数:16 パーセンタイル:76.34(Nuclear Science & Technology)熱拡散法による水素同位体の分離は、インベントリが少ない,構造が簡単,運転が容易などの点で優れており、核融合炉におけるトリチウム製造システム等での同位体分離法として有望視されている。従来熱拡散法では水で冷却していたが、液体窒素を用いて冷却するとより高い分離が得られることが指摘された。それに基づきH-D系で実験が行われ、水冷却方式よりより高い分離が行われることが確認された。今回、運転圧,流量,ヒータ温度を変数とした実験をH-D系,H-T系について実施した。流量が増えると分離係数は小さくなり、最適圧力は高い領域へ移行することがわかった。最大の分離係数は流量25cm/minの条件でH-D系では16.4,H-T系では26.0が得られた。また、最大分離係数を示す圧力はH-T系がH-D系よりわずかに高いことがわかった。
有田 忠昭; 山西 敏彦; 岩井 保則; 奥野 健二; 小林 登*; 山本 一良*
Fusion Technology, 30(3), p.864 - 868, 1996/12
ITERの設計では廃水からのトリチウムの回収が要求されている。このため水蒸留法,極低温蒸留法が考えられている。しかし、水蒸留法では分離系数が小さいため装置が大きくなる。一方、極低温蒸留法では液体水素を扱うためインベントリーが大きくなる。廃液からのトリチウム回収方法としてCECEと深冷熱拡散法を提案する。CECEは既に構成要素について試験が行われ、多段方式では良好な結果が得られている。水蒸留方式に比べ分離系数が大きいので装置を小型化できる。CECEからのガスは深冷熱拡散筒で最終処理される。これは熱拡散筒壁を液体窒素で冷却し分離系数を大きくしたもので、ガス状態で運転するのでインベントリーは小さい。また、深冷熱拡散筒単独の運転も行われている。今回の発表はCECEと深冷熱拡散装置の大きさ,インベントリー,制御における主な変数等についてである。
山本 一良*; 小池 進; 青木 英二
PNC TY8603 96-001, 38 Pages, 1996/03
回収ウラン等の多成分系混合ガスの分離特性を評価するため、多成分系分離理論に関する研究を実施した。(1)分離理論研究・多成分分離理論について基礎的検討を行い、研究方針及び研究課題を摘出した。1.多成分系での物性値、特に拡散計数の調査2.多成分分離パワーの評価(2)応用解析研究・多成分混合ガスの分離特性を解析するために必要な基礎的解析手法を開発し、 eガス(9成分)の試計算を実施した。
山井 英樹*; 小西 哲之; 原 正秀*; 奥野 健二; 山本 一良*
Fusion Technology, 28(3), p.1591 - 1596, 1995/10
LPCE(液相触媒交換)法はトリチウム水からのトリチウム濃縮・除去に有効である。この処理法では水-水素の相交換器が必要であり、従来法では電解漕でのトリチウムインベントリと電力消費が問題となる。原研においてトリチウム水分解のために広範な研究を行ってきている固体電解質セルは、この問題を解決しうる。このセルでの反応は自発的に起こり、したがって原理的にはほとんどエネルギーを消費しない。内外表面に白金を塗布したジルコニアセラミックを用いて実験を行った。相変換の効率は、電極間の電気化学ポテンシャルの函数である。相変換効率の実験結果はほぼ理論値と一致した。またトリクルベッドに基づく疎水性触媒充填の向流接触水-水素交換塔は現在研究中である。白金を担持したスチレンジビニルベンゼン共重合体を充填した比較的短い塔を用いて予備実験を行った。今後は長尺化した塔と固体電解質セルとの結合を計画している。
山本 一良*; 山西 敏彦; 西川 正史*
プラズマ・核融合学会誌, 71(3), p.202 - 211, 1995/03
核融合炉燃料サイクルの同位体分離システムとして、大流量の連続処理が可能であり、高い分離係数を持つ深冷蒸留塔は、最も有望視されており、現にITERの同位体分離システムとして採用されている。深冷蒸留法とは、水素同位体間の気液平衡比の差、すなわち相対揮発度の差を利用した分離法であり、例えばHとHTの分離係数は約1.9に達し、水蒸留法等と比較して大きな分離係数を持つ。この深冷蒸留塔の基礎実験データの取得とシミュレーションコードの開発が原研トリチウム工学研究室で行われ、設計に必要なデータの蓄積と、コード開発が終了した。更に、米国ロスアラモス研究所と原研の間で実施された協力研究により実規模の深冷蒸留塔の分離実証試験も完了した。その結果、トリチウム工学研究室で取得した基礎実験データにより、塔のスケールアップが可能であること、解析コードが妥当であることが証明された。
平田 一弘*; 松本 昭*; 山西 敏彦; 奥野 健二; 成瀬 雄二; 山本 一良*
Fusion Technology, 21(2P2), p.937 - 941, 1992/03
被引用回数:26 パーセンタイル:88.97(Nuclear Science & Technology)トリチウムを含む水素同位体の分離において、熱拡散法は、装置ならびに運転方法の簡便さやトリチウムインベントリーが少ない等の利点を持ち、将来の核融合装置などへの適用が期待されている。しかしその反面、インベントリーが少ないということは、処理量が少なく大量の分離操作には難点がある。深冷壁熱拡散塔は、冷壁の温度を従来の水冷からより低温にすることにより、分離係数が飛躍的に向上されるというものである。このことは最近理論的に示され、実験による確認も徐々になされている。本報告では、外壁の冷却材として液体窒素を用いた実験装置での、全還流による性能を調べ、深冷壁の効果を確認すると共に、処理量の増大のために連続処理運転方法の確立を念頭に置き、処理ガスの供給位置における熱拡散塔の性能を中心に調べたものである。
三井 靱*; Okada, Y.*; Sakai, F.*; 井出 隆裕*; 平田 一弘*; 山西 敏彦; 奥野 健二; 成瀬 雄二; 山本 一良*; 金川 昭*
Fusion Technology, 19(3P2B), p.1646 - 1650, 1991/05
水素同位体分離を行う熱拡散塔では、塔壁を極低温に冷却する(深冷壁を採用する)ことで、分離係数を大幅に増大しうることが解析研究により示されている。本研究では、上記深冷壁の効果を実証するために、液体窒素冷却の熱拡散塔でH-D系の分離を行い、通常の水冷却による実験結果との比較を行なった。用いた熱拡散塔は、内径29.4mm熱線有効長920mmであり、熱線と冷壁の温度差を1000Kとした。その結果、水冷却の塔では、最高操作圧力が100kPaであるのに対し、深冷壁の塔の最適操作圧力は26kPaであり、分離係数が6.6倍にまで増大することが認められた。深冷壁効果は、熱線温度を低くしHDの生成を抑えることでより顕著となり、温度を473Kにした場合、分離係数は水冷却の塔の(T=1000K)18.3倍に達した。