Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
湯澤 厚輔*; 山本 利徳*; 黒田 真一*; 久保田 仁*; Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝
no journal, ,
光グラフト重合を利用した新規な燃料電池用電解質膜の作製を試み、得られた膜のイオン交換容量,プロトン伝導性及び耐久性などの特性を評価した。キトサンを塗布した膜厚の異なる(25, 50, 100m)ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜をスチレン-水/アセトン(1/5vol%)溶液中に入れ、液相系光グラフト重合を行った。次いで、このグラフト膜を、0.2Mのクロロスルホン酸を含むジクロロエタン溶液に浸漬し、スルホン化した。19.8%のグラフト率をもつ膜厚の異なるPVDF膜をスルホン化して得た電解質膜の膜厚方向と膜面方向におけるプロトン伝導性を測定したところ、膜厚によって双方のプロトン伝導性に差異が生じることがわかった。すなわち、25, 50, 100m厚さのPVDF膜の膜面方向におけるプロトン伝導性は、それぞれ0.052, 0.073, 0.080S/cmであったが、膜厚方向では0.085, 0.125, 0.142S/cmになり、すべての膜厚のPVDF膜において膜面方向より膜厚方向のプロトン伝導性が大きくなった。さらに、膜厚が大きくなるほど膜面方向と膜厚方向でのプロトン伝導性の差が広がることがわかった。
山本 利徳*; 黒田 真一*; 久保田 仁*; 浅野 雅春; Chen, J.; 前川 康成; 吉田 勝
no journal, ,
イオンビームを照射したエチレン・テトフルオロエチレン共重合体(ETFE膜)とポリフッ化ビニリデン(PVDF膜)へのスチレンの光グラフト重合を行い、次にスルホン化して得た電解質膜の特性を検討した。450MeVのXeイオンを照射したETFE膜(25m)にキサントンを塗布し、スチレン-水/アセトン(5/1vol%)溶液中に浸漬し、60Cで光グラフト重合を行った。その結果、310ions/cmのフルエンスでXeイオンを照射したETFE膜は、未照射ETFE膜に比べて、グラフト率が高くなることがわかった。たとえば、光グラフト重合開始から1時間後のグラフト率を比較した場合、未照射膜が6%なのに対し、イオン照射膜では15%にまで達した。これは、イオン照射により形成された損傷部(潜在飛跡)にスチレンが浸透しやすくなったためと結論した。しかし、グラフト率に対するプロトン伝導率の検討から、電解質膜の導電性はイオン照射による影響を受けないことがわかった。
吉田 勝; Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成; 山本 利徳*; 黒田 真一*; 久保田 仁*
no journal, ,
ポリテトラフルオロエチレンに代表されるフッ素系高分子の場合、紫外線によってフッ素原子が引き抜かれ、グラフト重合の開始に必要な炭素ラジカルを形成するだけのエネルギーを持たないため、光グラフト重合は不可能とされていた。しかし、水と溶媒の混合系に疎水性のビニルモノマーを懸濁させ、得られたモノマー溶液中にフィルムを浸漬した状態で紫外線を照射したところ、光グラフト重合が起こることがわかった。グラフト鎖が膜表面から膜断面を貫通したかどうかを確かめるため、グラフト膜をスルホン化し、電解質膜とした。この電解質膜の膜厚方向のプロトン伝導度を測定したところ、低グラフト率にもかかわらずナフィオンを凌駕するプロトン伝導性能を発現したことから、効率的にグラフト鎖が膜を貫通したことが確認できた。この結果は、膜内に分布しているスルホン酸基中の硫黄元素のX線マイクロアナライザーによる観察からも示唆された。さらに、比較のため、部分フッ素系高分子であるエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)やフッ化ビニリデン(PVDF)についても検討した。
木村 祥亮*; 山本 利徳*; 黒田 真一*; 片貝 良一*; 久保田 仁*; Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝
no journal, ,
イオンビームにより形成される潜在飛跡領域と基材表面層に選択的にグラフト鎖を導入することを目的に、基材表面にのみラジカル生成が可能な光グラフト(UV法)と基材内部にまでラジカル生成が可能な線グラフト(法)を利用することで、寸法変化を抑制した高プロトン伝導性電解質膜の作製を目指した。ETFE膜に129Xeイオン(3.5MeV/n)を照射した膜に、UV法と法によりStを後グラフト重合した後、スルホン化し電解質膜を作製した。同程度のを持つ電解質膜の含水率を尺度とした寸法変化に及ぼす影響を検討したところ、UV法に比べて法の含水率は約1/2にまで抑制された。法における電解質膜の含水抑制は、アルコール系溶媒が基材内部にまでラジカルが存在するにもかかわらず、表面化学修飾にのみ作用したためと結論した。一方、UV法の場合、グラフト鎖は基材全体に導入されるため高い含水率を示したと考えた。
吉田 勝; 浅野 雅春; Chen, J.; 前川 康成; 山本 利徳*; 黒田 真一*; 久保田 仁*
no journal, ,
光グラフト重合を利用した電解質膜の作製におけるフッ素系高分子基材の影響について検討した。光グラフト重合は、疎水性モノマー(スチレンなど)と水の両方に可溶な有機溶媒中にキサントンを塗布した高分子フィルムを浸漬し、高圧水銀ランプを用いて、窒素ガス雰囲気下、60Cで行った。グラフト膜をスルホン化して得た電解質膜の膜厚方向のプロトン伝導度から、グラフト鎖は、いずれの基材においても膜断面を貫通していることが確認できた。しかしながら、ナフィオン相当のプロトン伝導度(0.06S/cm)を得るために、グラフト率は基材によって異なり、PTFE, PVDF, ETFEに対し、7%, 18%, 26%のグラフト率が必要であることも判明した。これらの基材の結晶化度は、上述の順で、64%, 46%, 34%である。グラフト鎖は結晶領域に伸張しないことから、低グラフト率で高プロトン伝導度の機能発現の要因として、結晶構造の違いが考えられる。