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山根 崚*; 小松 一生*; 郷地 順*; 上床 美也*; 町田 真一*; 服部 高典; 伊藤 颯*; 鍵 裕之*
Nature Communications (Internet), 12, p.1129_1 - 1129_6, 2021/02
被引用回数:28 パーセンタイル:85.51(Multidisciplinary Sciences)氷は、非常に多彩な構造多形を示す。これまで報告されていない新しい相に関して実験・理論両面から研究がなされている。水素の秩序-無秩序相に関して、現在知られているような一つの無秩序相に一つの秩序相があるのか、いくつかの秩序相がありえるのかが議論の的になっている。今回の研究で、氷VI相の第2の水素秩序相となる新しい相(氷XIX)を発見した。これは、無秩序相から、いくつかの異なる水素秩序相ができることを示している。このような多重性は他のすべての水素無秩序相にも起こりえるもので、氷の構造探査に新しい視点を与えるものである。このことによって、これまで謎だった問題:水素秩序相の中心対称性の存在や、(反)強誘電性誘起が明らかになる可能性がある。また究極的には、氷の高温高圧相図を完全に解明することにつながる。
小松 一生*; 町田 真一*; 則武 史哉*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 山根 崚*; 山下 恵史朗*; 鍵 裕之*
Nature Communications (Internet), 11, p.464_1 - 464_5, 2020/02
被引用回数:45 パーセンタイル:87.08(Multidisciplinary Sciences)水は、0Cで六方晶積層をもった通常の氷Iに凍結する。一方、ある条件では、立方晶積層を持った氷Iになるが、積層欠陥のない氷Icはごく最近まで作れなかった。今回、我々は、氷Iと同じフレームワークを持った水素ハイドレートの高圧相Cから水素を脱ガスすることによって積層欠陥のない氷Iを作る方法を発見した。これまで同様の方法で作られたネオンハイドレートからの氷XVIや水素ハイドレートからの氷VXIIの生成と異なり、今回の氷Iは、Cハイドレートから中間非晶質相やナノ結晶相をへて形成された。得られた氷Iは、積層欠陥がないために、これまで得られているものに比べ高い熱安定性を示し、氷Iに相転移する250Kまで安定に存在する。積層欠陥のない氷Iの発見は、Iのカウンターパートとして、氷の物性に与える積層欠陥の影響を調べるうえで役立つことが期待される。
小松 一生*; 則竹 史哉*; 町田 真一*; 佐野 亜沙美; 服部 高典; 山根 崚*; 鍵 裕之*
Scientific Reports (Internet), 6, p.28920_1 - 28920_11, 2016/07
被引用回数:23 パーセンタイル:54.81(Multidisciplinary Sciences)氷には17種類もの多形があるが、高圧低温状態で現れるとされる氷XV相の構造と性質には多くの矛盾があり、氷の未解決問題の一つとなっていた。本研究では、氷XV相の低温高圧下で中性子回折の直接観察を行い、氷XV相が異なる水素配置を持つ複数のドメインからなる部分秩序相であることを明らかにした。この結果は氷XV相に関する過去の研究の矛盾点を解消でき、さらに、氷の多形において秩序相,無秩序相に加え、部分秩序相という第3の状態を考慮に入れる必要があることを示唆するものである。