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松永 武; 都築 克紀; 柳瀬 信之; 半澤 有希子; 長縄 弘親; 井上 隆信*; 山田 俊郎*; 宮田 章史*
Proceedings of International Symposium on Environmental Modeling and Radioecology, p.243 - 246, 2007/03
森林集水域の小河川において、土壌から河川への元素流出を研究した。2003年から2005年にかけて福島県の小田川並びに岐阜県の伊自良川において降雨時観測を行った。この結果、試験集水域において降雨により溶存形態の河川流出が常に促進される元素としてCu, Sb, Al, Tiそして希土類元素を特定した。他の元素の溶存濃度は、河川流量増加に対応して減少するか(Na, Mg等)、あるいは複雑な増減(Pb, Cs等)を示した。これら2つの元素の降雨時河川流出は、(1)流量と同期した、可動性の高い成分による早い流出と、(2)必ずしも流量と同期しない、より緩やかな増加と減少を示す流出の2つの流出形式から構成されることがわかった。Si・溶存有機物・水素同位体比を指標とした河川水の供給経路解析の結果、後者の流出形式は土壌の表層からの有機物に随伴した流出であることが示唆された。また、大気降下物についての文献検討から、そのCuとSbは相当程度、人為利用に由来することが推定された。以上の知見は、大気から森林集水域に沈着する人為由来金属元素の流出モデルの構築に有用と考えられる。
山田 雄一*; 綾井 直樹*; 三雲 明浩*; 伊藤 睦*; 林 一彦*; 高橋 謙一*; 佐藤 謙一*; 小泉 徳潔; 安東 俊郎; 松井 邦浩; et al.
Cryogenics, 39(2), p.115 - 122, 1999/00
被引用回数:38 パーセンタイル:83.09(Thermodynamics)ITER-EDAの一環で、NbAl素線の大量生産用技術を開発した。製作した素線の臨界電流値は12Tの磁場にて600A/mm以上、3Tの磁場変動に対するヒステリシス損失は、600mJ/cc以下となった。また、NbAlフィラメントの配置を最適化することによって安定化銅の比抵抗を1.510m以下とすることができた。1500m以上の単長歩留は70%を達成することに成功しており、これは世界的にもNbAl素線の大量生産のはじめての成功である。
中村 博雄; 辻 俊二; 清水 勝宏; 平山 俊雄; 細金 延幸; 吉田 英俊; 飛田 健次; 小出 芳彦; 西谷 健夫; 永島 圭介; et al.
核融合研究, 65(SPECIAL ISSUE), p.261 - 285, 1991/03
本報告は、JT-60の外側ダイバータおよび下側ダイバータ実験で行なった、粒子閉じ込め特性とヘリウム灰排気輸送に関する結果をまとめたものである。外側ダイバータ実験で、粒子閉じ込め時間やリサイクリング率の測定を行なった。また、ポンプリミタやダイバータ室粒子排気装置により、粒子排気特性を実証した。電子密度610mの放電を行い、20MWのNBI加熱による補給粒子(3Pam/s)を、ダイバータ排気装置で排気可能であることを示した。下側ダイバータ実験では、ヘリウムNBによりプラズマ中心領域への粒子補給を行い、10MWのNB加熱放電で、ヘリウム灰排気特性を調べた。その結果、高密度放電によりヘリウム灰排気が軽減されることを明らかにした。ヘリウム輸送は、電子よりも異常な内側ピンチが大きいことを示した。
都築 克紀; 松永 武; 井上 隆信*; 宮田 章史*; 山田 俊郎*
no journal, ,
本研究は硝酸態窒素の河川流出機構を明らかにし、酸性化問題においてキーとなる集水域における窒素収支の理解に寄与することを目的としている。観測は、伊自良湖(岐阜県)への流入河川である伊自良川の上流(流域面積0.92km)で行った。観測により得られた流量を用い、分布型水文モデルのパラメータの同定を行った。河川水及び降水の水素同位体比の分析結果を用いた流量の流出成分分離結果により分布型水文モデルのパラメータの検証を行い、パラメータの妥当性を示した。また、分布型水文モデルにより計算された降雨の土壌との接触時間と観測された硝酸態窒素濃度から降雨時の硝酸態窒素の河川流出機構を考察した。
都築 克紀; 松永 武; 井上 隆信*; 山田 俊郎*
no journal, ,
本研究では、渓流河川における硝酸イオン濃度の変化機構を考察した。研究を行った地域は、岐阜県伊自良湖に流入する河川、伊自良川の上部である。自動採水装置を設置し、2006年11月の降雨時に河川水を連続採取して、その硝酸イオン濃度変化を詳細に追跡した。また、独自に開発した分布型の水流出モデルによる表面流出成分,地下水成分を分離した流出シミュレーションを実施した。このシミュレーションの合理性を観測された水素同位体比で分離したハイドログラフにより検証し、良好な結果を得た。また、この水流出モデルを用い観測6か月前からのすべての降水を対象として、研究集水域の水流動をシミュレーションした。この結果に基づいて、観測時の河川流出水の集水域内滞留時間を推定した。この結果、土壌最上層(06cm)における水の滞留時間が長い水の流出と硝酸イオン濃度の流出には正の相関が見いだされた。この結果は、滞留時間が硝酸態窒素の流出を決定する因子の一つであることを示唆している。また、集水域スケールでの水移動解析の有効性を示している。
山田 来樹*; 高橋 俊郎*; 長田 充弘; 植田 勇人*
no journal, ,
背弧拡大中の沈み込み帯火山活動の時間変遷とその役割を明らかにするため、西南日本弧富山堆積盆に分布する日本海拡大期火山岩類の地質学的および岩石学的研究を行った。本発表では、地質調査、ジルコンU-Pb年代、ジルコン化学組成(微量元素・Hf同位体組成)、および全岩化学組成(主要・微量元素、Sr-Nd同位体組成)を報告し、富山堆積盆で日本海拡大期に起きた火成活動の時間変遷を議論する。各分析の結果、約23Maのアルカリ系列の流紋岩は非常に肥沃的な全岩Sr-Nd同位体組成やジルコンHf同位体組成を示すため、大陸地殻を多く溶かし込んだマグマだと解釈される。続く18-17Maには非常に多様な安山岩~流紋岩質の火成活動があった。このマグマの多様性にはスラブ流体で飽和したマントルの溶融やスラブメルトに汚染されたマントルの部分溶融が関与していると考えられる。