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服部 高典; 佐野 亜沙美; 有馬 寛*; 小松 一生*; 山田 明寛*; 稲村 泰弘; 中谷 健; 瀬戸 雄介*; 永井 隆哉*; 内海 渉; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 780, p.55 - 67, 2015/04
被引用回数:75 パーセンタイル:99.01(Instruments & Instrumentation)PLANETは高温高圧実験に特化された飛行時間型の中性子ビームラインである。パルス中性子回折実験用に設計された大型の6軸型マルチアンビルプレスを用いることで定常的には高温高圧下約10GPa、2000Kでのデータ測定が可能性である。きれいなデータを取得するために、ビームラインには入射スリットと受光スリットが装備してあり、高圧アセンブリからの寄生散乱が除去可能である。/=0.6%の高い分解能、0.2-8.4の広いデータ取得可能レンジおよび高い寄生散乱除去性能により、高温高圧下での結晶および液体の高精度な構造決定が可能となっている。
佐野 亜沙美; 服部 高典; 有馬 寛*; 山田 明寛*; 田幡 諭史*; 近藤 真弘*; 中村 昭浩*; 鍵 裕之*; 八木 健彦*
Review of Scientific Instruments, 85(11), p.113905_1 - 113905_8, 2014/11
被引用回数:42 パーセンタイル:84.25(Instruments & Instrumentation)飛行時間法による中性子高温高圧実験のための6軸型マルチアンビルプレス"圧姫"を開発した。プレスは6つの独立した油圧ラムにより中心の立方体空間に荷重をかける。MA6-6セルを用いた試験では9.3GPa, 2000Kまでの温度圧力発生を確認し、MA6-8を用いた試験では16GPa, 1273Kの温度圧力発生を確認した。6軸プレスはガイドブロックをもたないため、試料まわりに空間が確保できることが特徴である。このため入射スリットやラジアルコリメーター、中性子カメラといった周辺機器を試料の近くに置くことが可能となった。6軸プレスとコリメーター機器の組み合わせにより、ヒーターや圧力媒体からの寄生散乱を取り除くことができる。試料からの回折パターンのみを取得することができ、高温高圧下における結晶や液体の構造解析に有効である。
渕崎 員弘*; 長谷 高貴*; 山田 明寛*; 浜谷 望*; 片山 芳則; 舟越 賢一*
Journal of Chemical Physics, 130(12), p.121101_1 - 121101_4, 2009/03
被引用回数:20 パーセンタイル:57.42(Chemistry, Physical)常圧ではSnI四面体分子からなるヨウ化錫の放射光X線回折その場観察測定を行い、融解曲線の傾きが急激に変化する1.5GPaを境として、液体に二つの異なった構造があることを明らかにした。この発見は、元素だけでなく、一般の化合物においても、熱力学的に安定な不規則構造の多形が存在する証拠を与えるものである。既に発見されている2つの非晶質構造を含む、擬2元正則液体モデルに基づいて考えられる相図を提案する。分子動力学シミュレーションによって、隣あう2つの分子間において、頂点と底面を向かい合わせた配置が、低圧液体相から高圧液体相への転移に重要な役割を果たしていることが示唆された。
佐野 亜沙美; 服部 高典; 有馬 寛*; 山田 明寛*
no journal, ,
J-PARC内MLF, BL11には高圧実験専用ビームライン"PLANET"が建設された。地球深部の温度圧力条件を再現するため、ビームラインには6軸型マルチアンビルプレス"圧姫"が導入されている。試料周辺をガイドブロックに覆われているDIA機に比べ6軸プレスは開口角が広いという利点がある。そのため、中性子実験に欠かせないラジアルコリメーターや入射スリットを試料近くに配することができる。プレスは、6つの独立した油圧ラムがフレームに固定された構造となっている。各油圧ラムは個別のプランジャーポンプによって前進・後退し、各アンビルのストロークが一致するように制御される。試運転の結果と合わせて、ビームを用いたコミッショニングの結果を発表した。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 塩家 正広; 山田 明寛*; 有馬 寛*; 井上 徹*; 稲村 泰弘; 伊藤 崇芳*; 小松 一生*; 鍵 裕之*; et al.
no journal, ,
PLANETは、BL11に建設された世界初の高温高圧専用の中性子分光器である。その最大の特徴は、高温高圧発生に優れたマルチアンビル型高圧発生装置を用いて、約20万気圧2000度にある物質の状態を中性子を用いて調べられる点にある。2008年度から建設が始められ、2012年4月よりビームコミッショニングを行った。本発表ではこれまでに明らかとなった装置の性能を紹介する。PLANETは、さまざまな高圧ユーザーの実験を想定し、結晶のみならず液体の構造解析が行える仕様となっている。分解能を実測した結果、d/d=0.6%が実現しており、ほぼ設計値(0.5%)に近い性能が出ていることがわかった。また、高圧実験において最も重要なバックグラウンド除去であるが、試料直近に配置されたミニ四象限スリット及びラジアルコリメータを用いて、視野を3mm角に限定することができ、被加圧体の中の試料のみ情報が取得できることを確認した。今後、2012年秋よりProjectメンバーによる使用が始められ、2013年度から一般ユーザーに開放される予定である。
佐野 亜沙美; 服部 高典; 有馬 寛*; 山田 明寛*; 内海 渉; 八木 健彦*
no journal, ,
水の存在は鉱物や岩石の物性を大きく変えるため、地球深部で重要な役割を果たしていると考えられている。J-PARC MLFの超高圧中性子回折装置BL11(PLANET)は、高温高圧条件下にある物質の中性子散乱実験によりこの役割を明らかにしようとするものである。高圧発生装置としては6軸型マルチアンビルプレス"圧姫"が導入された。プレスは1軸あたり最大荷重500トンの油圧ラムが6つ、フレームに取り付けられた構造で、アンビルストロークを精密に同期するように制御される。3つの実験モードが使用可能であり、(1)6つのラムを用いて中心部の試料を等方的に圧縮するモード、(2)上下のラムを用いて1軸圧縮するモード、(3)高荷重下で水平面内の向かい合った軸を前進させて圧縮応力を発生させる変形実験モード がある。通常の等方圧縮モードの場合、先端サイズ10mmの6-6アンビルを使用すると外径4mm,高さ4mmのサイズを稼ぐことができる。Biの電気抵抗測定による圧力発生試験では先端サイズ7mmの2段目6-6アンビルの場合644kNで、10mmの先端サイズの場合1390kNで7.7GPaの圧力発生が確認された。プレスの設計の詳細と試運転結果について発表する。
佐野 亜沙美; 服部 高典; 有馬 寛*; 山田 明寛*; 後藤 弘匡*; 岡田 卓*; 八木 健彦*
no journal, ,
BL11"PLANET"では、高温高圧下における中性子散乱実験によって、地球の上部マントルを構成する鉱物や岩石中で水素が果たす役割を明らかにすることを目指している。中性子実験が可能な大きな試料体積を稼ぎながら安定した加熱を行うために、高圧発生装置として6軸型マルチアンビルプレスが導入された。この装置は上下及び水平面内に配した6つの油圧ラムを、独立のプランジャーポンプにより精密に同期制御して、中心に置かれた試料体を加圧する高圧発生装置である。試運転の結果、実験中の各アンビルのストロークの差は数ミクロン以下に抑えられており、プランジャーポンプを用いた加圧制御に問題がないことが確認された。また金属ブロックを用いた加圧試験を行い回収後の面間隔を測定した結果、その差は最大60ミクロン程度で、高圧実験に必要とされる加圧精度を満たしている。電気抵抗の測定によりBiの相転移を検出する圧力定点法による試験では、2段目アンビルの先端サイズ10mmを用いた場合1軸あたり1390kN、7mmの場合は644kNにおいて7.7GPaの圧力発生を確認した。これらのアンビルを用いた場合、外径3mm高さ3mmの試料容積を稼ぐことが可能となる。
佐野 亜沙美; 服部 高典; 有馬 寛*; 山田 明寛*; 後藤 弘匡*; 岡田 卓*; 八木 健彦*; 内海 渉
no journal, ,
地球深部の条件に相当する高温・高圧下での中性子回折実験を目指して、J-PARC MLFの超高圧中性子回折装置PLANETには高圧発生装置6軸型マルチアンビルプレス(圧姫)が導入された。6軸形マルチアンビルプレスはフレームに取り付けられた6つの油圧ラムにより中心の試料を加圧する高圧発生装置であり、DIA機に比べて開口角が広いという利点がある。本件では装置の概要及び試運転の結果について報告する。ビームを用いたコミッショニングでは、ラジアルコリメーターやスリット等ビームラインに備えられた危機により、6-6用高温セル内の外径4mm,高さ4mmの粉末試料について、リートベルト解析に耐えうる品質のデータの取得に成功した。当日はその詳細についても発表予定である。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 有馬 寛*; 小松 一生*; 山田 明寛*; 永井 隆哉*; 片山 芳則; 井上 徹*; 内海 渉; 鍵 裕之*; et al.
no journal, ,
PLANETは、BL11に建設された世界初の高温高圧専用の中性子分光器である。その最大の特徴は、高温高圧発生に優れたマルチアンビル型高圧発生装置を用いて、約20万気圧2000度にある物質の状態を中性子を用いて調べられる点にある。2008年度から建設が始められ、2012年度上半期にビームコミッショニングが、下半期にはprojectメンバーによる本実験が行われた。2013年度からは共用ビームラインとして再出発し、現在それにふさわしい装置となるべく、装置の改良や実験方法の開発が行われている。本発表ではこれまでに明らかとなった装置の性能と、測定データ例を紹介する。PLANETは、さまざまな高圧ユーザーの実験を想定し、結晶のみならず液体の構造解析が行える仕様となっている。分解能を実測した結果d/d=約0.6%が実現しており、ほぼ設計値(0.5%)に近い性能が出ていることがわかった。また、高圧実験において最も重要なセルからの散乱の除去であるが、試料直近に配置されたミニ四象限スリット及びラジアルコリメータを用いて、視野を3mm角に限定することができ、被加圧体の中の試料のみ情報が取得できることを確認した。2013年度上半期のdevelopment終了後、下半期(2月)から、一般ユーザーに開放される予定である。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 有馬 寛*; 稲村 泰弘; 山田 明寛*; 小松 一生*; 永井 隆哉*; 片山 芳則; 井上 徹*; 鍵 裕之*; et al.
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PLANETは、J-PARCに作られた新しい高圧中性子ビームラインである。地球内部に及ぼす水の影響を明らかにすることを目的としている。その特徴は、10GPa, 2000Kの温度圧力を同時発生できる、1軸あたり500トンを印加できる6軸型のマルチアンビルプレスを持つことである。最新鋭の中性子回折及びイメージング技術を用いることで、高温高圧条件下にある物質の微視的及び巨視的な観察ができる。このビームラインは結晶のみならず、液体・非晶質の構造も解析できるように作られている。現在建設の資金源となった科研費のプロジェクトメンバーにより使用されているが、2014年2月より一般開放される予定である。
服部 高典; 佐野 亜沙美; 有馬 寛*; 稲村 泰弘; 山田 明寛*; 小松 一生*; 永井 隆哉*; 片山 芳則; 井上 徹*; 鍵 裕之*; et al.
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PLANETは大強度パルス中性子施設J-PARCに新しく建設された高圧ビームラインである。最大の特徴は、高温高圧発生に長けた一軸当り500トンの最大荷重を持つ6軸型マルチアンビルプレス圧姫を持つことである。飛行時間型の回折法及び中性子ラジオグラフィーの手法により物質の状態を10GPa, 2000Kの高温高圧下で調べられることができる点である。試料周りの物質からの散乱を除去するため、シビアな入射及び受光コリメータをもっており、約3mm角の領域の情報を取り出すことができる。この特徴は、高圧未知相の構造決定や、高精度の構造精密化に寄与する。