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平野 享; 中間 茂雄; 山田 淳夫*; 瀬野 康弘*; 佐藤 稔紀*
JAEA-Research 2010-002, 48 Pages, 2010/06
超深地層研究所計画の第2段階では「研究坑道の掘削を伴う調査・研究による地質環境モデルの構築」が成果目標の一つとして設定されており、そのための調査研究の一環として本調査を実施した。土岐夾炭累層に設けた深度100mの研究坑道からボーリング孔を掘削し、被覆層の力学的な地質環境(岩石の物理・力学的特性,岩盤初期応力)を把握した。その結果、岩石の物理・力学的特性はMIZ-1号孔の調査結果と同程度の値が示され、第1段階の調査で深度100mの物理・力学的特性がおおむね予測されていることを確認した。また、初期応力状態は、最大主応力の方向が、MIZ-1号孔の調査において土岐夾炭累層の下位に位置する土岐花崗岩で認められた方向と類似しており、また、広域ひずみ場とも調和していた。しかし、応力値は土岐花崗岩での値に外挿して得られるものとは異なり、土岐夾炭累層と土岐花崗岩の境界において初期応力が不連続的に変化する(応力のデカップリングが生じている)ものと考えられた。
平野 享; 中間 茂雄; 山田 淳夫*; 瀬野 康弘*; 佐藤 稔紀*
JAEA-Research 2009-031, 58 Pages, 2009/11
超深地層研究所計画の地上からの調査予測研究段階では深層ボーリング孔(MIZ-1号孔)による岩盤力学的な深部地質環境の把握とそれに基づく地質環境モデルの構築が課題の一つである。本報告書は2004年度に行ったMIZ-1号孔における岩盤力学調査の結果をとりまとめたものである。ボーリングコアを用いた室内試験では見かけ比重=2.62,一軸圧縮強度=173MPa等を示し、研究所用地の土岐花崗岩が正馬様用地の土岐花崗岩と似ていることを示した。また、ボーリングコアを用いた初期応力測定ではボーリング時の応力解放ひずみが微小のためDSCAを除いて信頼できる結果が得られなかった。DSCAの結果と水圧破砕法による初期応力測定では最大主応力がおおむね水平でNW-SE方向にあると示された。水平面内の主応力と鉛直応力の大小関係を比較すると、おおむね深度400mより浅いところでは逆断層型、深度600mより深いところでは正断層・横ずれ断層型の環境であった。以上を踏まえて、既往の地質構造モデルを基本に本調査の結果を解釈した地質構造モデルを作成した。
坂本 和幸*; 平山 雅章*; 園山 範之*; 森 大輔*; 山田 淳夫*; 田村 和久; 水木 純一郎; 菅野 了次*
Chemistry of Materials, 21(13), p.2632 - 2640, 2009/05
被引用回数:41 パーセンタイル:74.01(Chemistry, Physical)放射光を用いたX線回折とエピタキシャル薄膜電極を用いて、LiNiCoOの充放電過程における表面とバルク構造の変化を調べた。(110)面電極では、充放電に伴うバルク構造の変化が確認できたのに対して、(003)面電極では、35Vで(デ)インターカレーションが確認できなかったが3Vより負側で3次元的なリチウムの拡散が起こることが確認できた。このことから、電極表面近傍では、表面とバルクでは構造変化が異なることが明らかになった。
瀬野 康弘*; 中間 茂雄; 山田 淳夫*; 平野 享; 佐藤 稔紀*
JAEA-Research 2008-084, 35 Pages, 2008/11
岐阜県瑞浪市において日本原子力研究開発機構が実施している超深地層研究所計画では、平成17年3月に第1段階(地上からの調査研究)が終了し、現在、第2段階(地下施設建設時の調査研究)を進めている。第2段階においては、第1段階の成果との比較から、調査量と個別目標や課題に対する理解度や不確実性との関連性を評価する。そのうち、岩盤力学に関する分野では、深度100mごとの連絡坑道から岩盤力学調査ボーリングを行って、第1段階で構築したサイトスケールにおける岩盤力学モデルを評価し、地表からの調査手法を評価するとともに、そのモデルを新しい情報に基づいて更新したブロックスケールの岩盤力学モデルを構築することを目標としている。またそのほかに、重要な課題とされる力学的な掘削影響や長期挙動の評価に関する研究を実施する計画である。本報告書は、第2段階の調査研究のうち、2006年度に実施した岩盤力学に関する以下の成果を取りまとめたものである。(1)-100m連絡坑道における岩盤力学に関する調査研究,(2)三次元応力場同定手法の高度化に関する研究,(3)ボーリングコアを用いた岩盤応力評価手法の高度化に関する研究,(4)長期岩盤挙動評価に関する研究。
平山 雅章*; 坂本 和幸*; 平出 哲也*; 森 大輔*; 山田 淳夫*; 菅野 了次*; 園山 範之*; 田村 和久; 水木 純一郎
Electrochimica Acta, 53(2), p.871 - 881, 2007/12
被引用回数:44 パーセンタイル:67.69(Electrochemistry)X線を用いたリチウムイオン電池中の電極/溶液界面の構造変化を調べるための手法について検討を行った。電極は単結晶SrTiO基板上に、パルスレーザー堆積法により作成した。SrTiOの面方位を変えることで、堆積するLiNiCoO薄膜の方位を制御した。実験の結果、LiNiCoO(110)/溶液界面では、充放電第一サイクル目で固液界面で新たな薄膜が形成されるのに対して、(003)面/溶液界面では薄膜は形成されずに、ラフネスが増加することがわかった。
坂本 和幸*; 小西 宏明*; 園山 範之*; 山田 淳夫*; 田村 和久; 水木 純一郎; 菅野 了次*
Journal of Power Sources, 174(2), p.678 - 682, 2007/12
被引用回数:24 パーセンタイル:59.33(Chemistry, Physical)パルスレーザー堆積法を用い、エピタキシャル成長させて形成したリチウムイオン電池正極(LiNiMnO)の充放電過程をX線散乱法により追跡した。その結果、LiNiMnO(003)面では、2次元構造を取っている金属層を通してリチウムイオンが三次元的に拡散していることがわかった。
平山 雅章*; 園山 範之*; 安部 武志*; 箕浦 真知子*; 伊藤 真純*; 森 大輔*; 山田 淳夫*; 菅野 了次*; 寺嶋 孝仁*; 高野 幹夫*; et al.
Journal of Power Sources, 168(2), p.493 - 500, 2007/06
被引用回数:89 パーセンタイル:90.34(Chemistry, Physical)パルスレーザー堆積法により作成したLiCoOエピタキシャル薄膜を電極として、X線反射率測定により、電極/溶液界面の構造解析を行った。薄膜成長後に形成された不純物層が溶液に浸漬することで溶解し、新たなSEI層が形成されることがわかった。(110)面では、充放電によりラフネスが増加するが、(003)面では変化がないことがわかった。
平山 雅章*; 園山 範之*; 伊藤 真純*; 箕浦 真知子*; 森 大輔*; 山田 淳夫*; 田村 和久; 水木 純一郎; 菅野 了次*
Journal of the Electrochemical Society, 154(11), p.A1065 - A1072, 2007/00
被引用回数:96 パーセンタイル:95.4(Electrochemistry)面方位を制御してSrTiO上に作成したLiMnO薄膜電極を用い、リチウムイオン電池電極/溶液界面の構造をX線反射率により検討した。ex situでの実験では、電極表面に不純物層が堆積しており、この電極を溶液に浸漬するとこの不純物層は溶解することが明らかになった。その場測定を行った結果、反応性が薄膜の面方位に依存していることが明らかになった。
中間 茂雄; 山田 淳夫; 青木 俊朗; 佐藤 稔紀
サイクル機構技報, (26), p.77 - 86, 2005/03
本調査研究では、超深地層研究所計画第1段階(地表からの調査予測研究段階)において、研究坑道掘削前の岩盤の物理・力学的な特性、初期応力状態を調査した。また、研究坑道掘削に伴う坑道周辺岩盤の挙動予測に関する解析・検討を行った。調査の結果、研究所用地における岩盤は、一部風化変質などによる強度低下部がみとめられるものの、見かけ比重が2.302.65、一軸圧縮強度が64212MPa、ヤング率が2068GPaであり、我が国における一般的な花崗岩とほぼ同様の物性であることが確認された。また初期応力状態は概ね最大主応力方向が北北西方向であり、研究所用地周辺の測地学的な広域ひずみ場と同様の傾向が認められた。これらの結果に基づいて土岐花崗岩の力学物性および初期応力状態を設定し、第2段階以降の研究坑道の掘削による坑道周辺岩盤の挙動予測解析を実施した。予測解析では、掘削損傷領域を考慮する方法を検討し、その結果、既存き裂の伸長や新規き裂の発生により、変形や局所安全率、透水係数、き裂の開口量などの変化が坑道周辺に生じることが想定された。
中間 茂雄; 瀬野 康弘; 山田 淳夫; 佐藤 稔紀
no journal, ,
超深地層研究所計画における地表からの調査予測研究段階(第1段階)での岩盤力学に関する調査研究として、地表からのボーリング調査により、瑞浪超深地層研究所における岩盤の力学特性及び初期応力状態を把握するとともに、研究坑道掘削に伴う坑道周辺岩盤の影響について予測解析を行った。
羽柴 公博; 中間 茂雄; 山田 淳夫; 佐藤 稔紀
no journal, ,
地下構造物を設計するためには、岩盤物性値の分布特性を把握することが重要である。しかし、き裂や断層を含む岩盤の物性値の取得には、多大な手間と時間がかかる。そのため、岩石コアの力学的性質の分布特性に関する研究は数多く行われてきているものの、原位置岩盤を対象とした研究結果は少ないのが現状である。本研究では、音波検層結果とコアの室内試験結果を用いて、土岐花崗岩のヤング率の分布特性を検討した。まず、土岐花崗岩の場合、き裂や断層を含んだ原位置岩盤のヤング率が、音波検層結果から推定できることを示した。土岐花崗岩では、割れ目の頻度にかかわらず、推定した原位置岩盤のヤング率はほぼワイブル分布に従うことがわかった。原位置岩盤のヤング率のばらつきは、下部割れ目低密度帯では比較的小さいものの、断層周辺ではかなり大きくなることを、ワイブル分布の均一性係数を用いて定量的に示した。
及川 寧己*; 相馬 宣和*; 山口 勉*; 中間 茂雄; 山田 淳夫*
no journal, ,
AE(Acoustic Emission)/DRA(Deformation Rate Analysis)法は、ボーリングによって採取した定方位岩芯試料から切り出した試験片を使って繰返し一軸載荷試験を行い、試料の載荷軸方向の原位置の初期応力を評価する計測法である。現場から得られた岩芯試料を用いた応力計測については、応力情報の記憶メカニズム,測定精度に及ぼす環境条件の影響,岩芯採取から試験までの経過時間の影響を明らかにすることなどの課題があるものの、ほかの初期応力計測手法や地質学的に予想される初期応力状況と矛盾しない結果が報告されている。筆者らは、AE/DRA法を適用した場合の経過時間の影響について詳しく調べるために地下1000m程度から採取された、花崗岩の定方位岩芯試料を対象にAE/DRA法を適用した初期応力計測を採取後の経過時間を変えて複数回、約1年後まで行った。ここでは既報に続いて時間の経過に伴うDRA計測データの変化について報告する。
松井 裕哉; 平野 享; 中間 茂雄; 山田 淳夫*; 瀬野 康弘*; 佐藤 稔紀*
no journal, ,
本ポスターは、超深地層研究所計画における坑道掘削時の調査研究段階(第2段階)の成果について、岩盤力学の分野においてこれまで得られたものを概略説明するものである。主としてポスターは、2006年度に実施した研究坑道のGL.-100m深度(堆積岩)における初期応力測定及び岩石の力学・物理試験の結果とそこから得られた知見を説明し、また、実施予定であるGL.-200mでの調査研究項目を示している。そのほか、岩盤力学の分野における調査研究の位置づけと処分事業とのかかわりについて補足した。