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論文

EBSD解析によるステンレス鋼の疲労損傷検出; EBSDパターンクオリティの適用性

黒田 雅利*; 釜谷 昌幸*; 山田 輝明*; 秋田 貢一

日本機械学会論文集(インターネット), 83(852), p.17-00072_1 - 17-00072_7, 2017/07

これまでに、電子後方散乱回折(EBSD)測定により得られる結晶方位データを解析することで得られる平均局所方位差(Averaged Local Misorientation, Mave)(Kamaya, 2009)とオーステナイト系ステンレス鋼の低サイクル疲労の損傷量との間に相関があることを報告している。ここでは、実用上の観点から、Maveと、市販ソフトウエアで得られるイメージクオリティ(Image Quality: IQ)とを比較することで、IQの疲労損傷評価に対する適用性について検討し、各パラメータの有用性と特徴を明らかにした。また、X線回折(X-Ray Diffraction: XRD)測定も実施し、得られたXRDデータとIQ値分布とを比較することで、疲労損傷の蓄積に伴うIQ値分布の変化はすべり変形によりもたらされたことを示した。

論文

Structure of a highly acidic $$beta$$-lactamase from the moderate halophile ${it Chromohalobacter}$ sp.560 and the discovery of a Cs$$^{+}$$-selective binding site

新井 栄揮; 米澤 悌*; 岡崎 伸生*; 松本 富美子*; 柴崎 千枝; 清水 瑠美; 山田 貢*; 安達 基泰; 玉田 太郎; 河本 正秀*; et al.

Acta Crystallographica Section D, 71(3), p.541 - 554, 2015/03

 被引用回数:7 パーセンタイル:50.76(Biochemical Research Methods)

蛋白質を利用した希少・有害金属捕集材料の研究開発の一環として、中度好塩菌Chromohalobacter sp.560由来・高酸性$$beta$$-Lactamase(HaBLA)のX線結晶構造を解明するとともに、X線異常分散測定により、HaBLA分子上のCs$$^{+}$$, Sr$$^{2+}$$結合部位の抽出を試みた。PFのNW3AにてHaBLAのX線結晶構造を解明した後、Cs吸収端($$lambda$$=2.175${AA}$)近傍のX線を利用できるSAGA-LSのBL7やPFのBL17A、及び、Sr吸収端($$lambda$$=0.770${AA}$)近傍のX線を利用できるSPring-8のBL38B1やPFのBL5Aなどを使用して、HaBLA分子に結合したCs$$^{+}$$及びSr$$^{2+}$$を同定した。その結果、HaBLA分子上に少なくとも1ヶ所のCs$$^{+}$$結合部位、3ヶ所のSr$$^{2+}$$結合部位を発見した。特に、今回発見したCs$$^{+}$$結合部位は、Na$$^{+}$$がCs$$^{+}$$の9倍量存在する条件下(Na$$^{+}$$/Cs$$^{+}$$ = 90mM/10mM)でもCs$$^{+}$$を選択的に結合できることが明らかになった。このCs$$^{+}$$選択的結合部位は、Trp側鎖のベンゼン環によるカチオン-$$pi$$相互作用、および、主鎖の2つの酸素原子によってCs$$^{+}$$を結合していた。本研究で得たCs$$^{+}$$結合部位の立体構造情報は、原発事故によって放出された放射性Cs$$^{+}$$を捕集する蛋白質材料の設計(人工的Cs$$^{+}$$結合部位の設計)の土台として利用できる。

論文

Elucidations of the catalytic cycle of NADH-cytochrome $$b$$$$_{5}$$ reductase by X-ray crystallography; New insights into regulation of efficient electron transfer

山田 貢*; 玉田 太郎; 竹田 一旗*; 松本 富美子*; 大野 拓*; 小杉 正幸*; 高場 圭章*; 正山 祥生*; 木村 成伸*; 黒木 良太; et al.

Journal of Molecular Biology, 425(22), p.4295 - 4306, 2013/11

 被引用回数:21 パーセンタイル:50.76(Biochemistry & Molecular Biology)

NADHシトクロム$$b$$$$_{5}$$還元酵素(b5R)はNADHドメインとFADドメインの2つのドメインからなるフラボタンパク質で、NADHから二個の電子を受け取り、二分子のシトクロム$$b$$$$_{5}$$(Cb5)に一電子ずつ伝達する反応を触媒する。今回、ブタ肝臓由来b5Rの還元型および酸化型の両状態における結晶構造解析に成功した。嫌気環境下で作製した結晶を用いて1.68${AA}$分解能で解析した二電子還元型b5Rの構造は、酸化型と比較して2つのドメインの相対配置がわずかに変化しており、その結果、FADの溶媒露出面積が増大し、FADのイソアロキサジン環のN5原子と、FADからのプロトン放出に関わっていると考えられているThr66の側鎖の水酸基間に水素結合が形成していた。一方、イソアロキサジン環の平面性は、還元型においても酸化型と変わらず保持されており、NAD$$^{+}$$のニコチンアミド環とスタッキングしていた。また、0.78${AA}$分解能で解析した酸化型b5Rの構造から、Thr66を介したFADとHis49間の水素結合ネットワークが水素原子の位置情報と共に明らかになった。これらの構造的特徴は、b5Rの触媒サイクルにおいて、電子の逆流を防ぎ、Cb5のような電子受容体への電子移動を促進するものであった。さらに、クライオトラップ法により還元型結晶の大気暴露時間を制御し作製した結晶を用いた解析により、還元型から酸化型への再酸化反応は二段階を経ることが示唆された。

論文

The Role of ${it Deinococcus radiodurans}$ RecFOR proteins in homologous recombination

佐藤 勝也; 菊地 正博; Ishaque, A. M.*; 大庭 寛史*; 山田 貢; 手島 光平; 小野寺 威文; 鳴海 一成

DNA Repair, 11(4), p.410 - 418, 2012/04

 被引用回数:24 パーセンタイル:59.83(Genetics & Heredity)

放射線抵抗性細菌の相同組換え機構におけるRecFORタンパク質の役割を明らかにするために、${it recF}$, ${it recO}$及び${it recR}$遺伝子破壊株を作製し、分子遺伝学及び分子生物学的解析を行った。${it recR}$遺伝子破壊株では、形質転換効率の著しい低下が見られたことから、RecRタンパク質は、細胞内に取り込んだ外来DNAの安定性に関与していることがわかった。また、${it recF}$遺伝子破壊株は、他の遺伝子破壊株に比べて、$$gamma$$線,紫外線及びマイトマイシンCに非常に感受性を示した。これらの高い感受性は、RecFタンパク質が、組換え修復タンパク質RecAの活性化に重要な役割を担っていることに起因していることがわかった。以上のことから、放射線抵抗性細菌の効率的なDNA鎖切断修復を担うextended synthesis-dependent strand annealing(伸長合成依存的DNA鎖対合)経路の初期段階として、RecF及びRecRタンパク質は、RecAタンパク質の活性化とDNAの安定性にそれぞれ関与していることを明らかにした。

論文

Purification, crystallization and preliminary X-ray diffraction analysis of DNA damage response A protein from ${it Deinococcus radiodurans}$

山田 貢; 佐藤 勝也; 鳴海 一成

Acta Crystallographica Section F, 66(12), p.1614 - 1616, 2010/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:16.09(Biochemical Research Methods)

放射線抵抗性細菌${it Deinococcus radiodurans}$由来のDNA損傷応答タンパク質(DdrA)は、一本鎖DNAの3'末端に結合し、DNA分解酵素からDNA末端を保護することで、DNA修復過程に関与していると考えられている。本研究では、タンパク質構造情報に基づいてDdrAタンパク質の生理的役割を明らかにする目的で、N末端から157残基のアミノ酸配列からなるC末端欠損DdrAタンパク質の結晶を作製し、KEK-PFのBL5ビームラインにてX線結晶回折実験を行った。その結果、最高2.35${AA}$の分解能の回折像を得ることに成功した。結晶は、擬欠面双晶の非対称ユニット中に14分子を含んでおり、7量体リングが2つ重なった高次構造を有していると考えられた。

論文

熱外中性子を用いた中性子捕捉療法のための基礎的・臨床的研究

能勢 忠男*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 柴田 靖*; 吉田 文代*; 阿久津 博義*; 安田 貢*; 松下 明*; 中井 啓*; 山田 隆*; et al.

UTRCN-G-29, p.114 - 123, 2001/00

JRR-4は熱中性子ビーム(Thermal beam mode II; TNB-II)、熱及び熱外中性子の混合ビーム(Thermal beam mode I; TNB-I)並びに熱外中性子ビーム(Epithermal beam mode;ENB)を供給できるような新しく開発された研究用原子炉である。本報告はJRR-4のそれぞれのビームに対する基礎的放射線生物学的研究と熱及び熱外中性子の混合ビームを用いた術中ホウ素中性子捕捉療法のPhaseI/II Studyについて報告する。生物学的基礎研究において、ENBでは速中性子線量を減衰させながら、深部に熱中性子を補えることが細胞生存率曲線から明かとなった。また、2000年5月までに5名の患者に対してTNB-Iを用いた術中BNCTを実施した。外部照射と比較して、術中BNCTは皮膚反射とボイド効果のために高い治癒線量を与えることができる。

論文

Intraoperative boron neturon capture therapy for malignant gliomas; First clinical results of Tsukuba phase I/II trial using JAERI mixed thermal-epithermal beam

松村 明*; 山本 哲哉*; 柴田 靖*; 阿久津 博義*; 安田 貢*; 松下 明*; 中井 啓一*; 山田 隆*; 高野 晋吾*; 水谷 太郎*; et al.

Proceedings of 9th International Symposium on Neutron Capture Therapy for Cancer, p.29 - 30, 2000/10

1999年10月から新しいBNCT試験は術中BNCTの状態で混合熱-熱外ビームを用いてJRR-4医療照射設備で開始された。これまでに5名の患者はこの試験に参加した。最大表面B(n,$$alpha$$)線量は第一グループにおいて正常脳内10.4Gyと計画され、重大な障害がなければ13Gyへ10%の線量増加を行う。すべての患者は明白な腫瘍の可能性となく、1~7ヶ月間の観察中であるが存命している。しかし過剰線量を受けた放射線損傷の1例がある。ほかには軽い脳神経障害が2例観察された(1例は脳神経麻痺、1例は構語障害)。純熱ビームモードと比較するとIOBNCTでのTMIの強い浸透度と2次$$gamma$$線のために注意深く線量増加は計画されるべきである。(構語障害とは少し喋りづらい症状で、ろれつがまわりにくいようなものである。)

報告書

深部地下水調査(DH-5号孔)

山田 毅*; 新宮 和喜*; 高橋 英一郎*; 中嶋 敏秀*; 山下 貢*; 山本 延彦*; 鈴木 高志*

PNC TJ7187 97-002, 586 Pages, 1997/11

PNC-TJ7187-97-002.pdf:47.21MB

岐阜県土岐市の動力炉・各燃料開発事業団東濃地科学センター土岐分室敷地内において、孔長500mのDH-5号孔が深部地下水調査を目的として掘削された。本報告書は、地表から下部深部までの地質構造、地質環境の有する水理学的・地球化学的特性を把握するため、このDH-5号孔の深部地下水調査結果をまとめたものである。主な調査項目は以下の通りである。1)岩芯の採取・記載2)物理検層(一般検層項目、フローメータ検層、レーダー法シングルホール測定)3)ボアホールテレビ観察4)透水試験(透水試験、揚水試験)5)原位置における物理化学パラメータ測定6)地下水の採水7)地下水の化学分析以上の調査を行った結果、以下のことが明らかになった。・調査区間全体の地質は花崗閃緑岩であり、深度約410mに断層がある。深度約310mよりも深い位置では断層に近づくにつれ風化や変質が激しくなっている。・断層よりも上部では、深度約150m付近に破砕部があり、この付近を境に上下の岩盤で岩相が異なる。・深度約150mから断層までの間には、亀裂沿いに酸化した部分がある。これは地下水の流動を示唆するものであり、フローメータ検層、温度検層で水の流入が確認された。また、この酸化帯付近では透水係数が高く、卓越する亀裂の方向性も破砕部の上部と異なる。・深度323.8$$sim$$330.8mの地下水特性は、物理化学パラメータの測定から還元性で弱アルカリ性である。また、地下水の年代は同位体分析による数十年程度と判定され、水質はCa(HCO3)2型を判断された。

口頭

放射線抵抗性細菌由来DNA修復促進タンパク質PprAの構造機能解析

山田 貢; 安達 基泰; 佐藤 勝也; 玉田 太郎; 由良 敬*; 黒木 良太; 鳴海 一成

no journal, , 

PprAは放射線抵抗性細菌デイノコッカスラジオデュランスより単離された放射線誘導性DNA修復促進蛋白質であり、DNAに生じた単鎖切断部位及び二本鎖切断部位を認識して結合し、DNA末端再結合反応を促進する。大腸菌発現系を用いて調製した組換えPprAを精製し、PprAの結晶化を行ったところPprAの結晶化にはタンパク質表面に露出しているリジン残基の化学修飾が有効であることを見いだした。放射光を用いた予備的なX線回折実験を行ったところ、低分解能ながら回折点が確認され、a=b=c=285${AA}$, $$alpha$$=$$beta$$=$$gamma$$=90$$^{circ}$$のprimitive cubicであることが明らかになった。またPprA及び化学修飾を施したPprAとDNAとの相互作用をアガロースゲルシフトアッセイとゲル濾過により検討したところ、化学修飾の前後でDNAに対する結合特異性に変化が生じていることを見いだし、その結果をもとに部位特異的変異法を用いて各種変異体PprAを創出し、DNAとの相互作用を解析した。本発表では構造決定に向けた結晶解析の進捗状況並びにDNAとの相互作用実験によって得られた知見を報告する。

口頭

放射線抵抗性細菌の相同組換え機構におけるRecFORタンパク質の重要性

佐藤 勝也; 菊地 正博; 大庭 寛史*; 山田 貢; 手島 光平; 小野寺 威文; 鳴海 一成

no journal, , 

放射線抵抗性細菌の相同組換え機構におけるRecFORタンパク質の役割を明らかにするために、RecF, RecO及びRecR欠損株を作製し、分子遺伝学及び分子生物学的解析を行った。欠損株の$$gamma$$線,紫外線及びマイトマイシンCの各変異原に対する耐性は、いずれもRecF欠損株$$<$$RecO欠損株$$<$$RecR欠損株の順であった。このことは、各変異原によって誘発されるDNA損傷の修復には、RecFORの中でRecFタンパク質の機能が最重要であることを示している。また、欠損株における遺伝子交換反応の頻度は、RecF欠損株$$>$$RecO欠損株$$>$$RecR欠損株の順であった。このことから、遺伝子交換反応には、RecFORの中でRecRタンパク質の機能が最重要であることがわかった。以上の結果から、DNAに損傷がある場合の相同組換えとDNAに損傷がない場合の相同組換えではRecFタンパク質とRecRタンパク質の重要度が逆転しており、それぞれの反応で相同組換えのメカニズムが異なるということを明らかにした。

口頭

放射性液体廃棄物を輸送した配管の撤去作業における放射線管理

高橋 照彦; 新沼 真一; 二川 和郎; 大塚 義和; 武藤 康志; 酒井 俊也; 梅原 隆; 清水 勇; 海野 孝明; 山田 悟志; et al.

no journal, , 

過去に放射性液体廃棄物を輸送していた配管(以下、「廃液輸送管」という。)は、原子力科学研究所のホットラボ施設,ラジオアイソトープ製造棟などの原子力施設から発生した放射性液体廃棄物を放射性廃棄物処理場へ輸送するためのものである。廃液輸送管は、土中に直接埋設又はU字溝内に敷設された状態で、1964年から1987年まで使用した。その後、廃液輸送管内を洗浄し、閉止措置を施し、使用を停止して管理してきた。2008年度から撤去作業が行われ2012年度までに撤去する予定である。本報告は、2008年度から2010年度までに行われた廃液輸送管の撤去作業時における放射線管理について報告する。

口頭

ブタ膵臓エラスターゼの高分解能中性子構造解析

玉田 太郎; 木下 誉富*; 山田 貢; 栗原 和男; 大原 高志; 安達 基泰; 多田 俊治*; 黒木 良太

no journal, , 

エラスターゼは、蛋白質の立体構造に基づく薬物設計(SBDD)研究の代表的な題材として用いられてきたセリンプロテアーゼである。エラスターゼの全原子構造情報取得によってセリンプロテアーゼの触媒機構解明を目指すとともに、SBDD研究に供するため、ブタ膵臓由来のエラスターゼ(PPE)の単独及び阻害剤複合体での中性子結晶構造解析を実施した。中性子回折実験はJRR3に設置された生体高分子用回折計BIX-3において実施し、同一結晶を用いた取得したX線回折データを相補的に用いた構造精密化により高精度の全原子構造情報を取得した。PPE単独(1.9${AA}$分解能)、及びエラスターゼの基質を模倣したペプチド様の阻害剤との複合体状態(1.65${AA}$分解能)での中性子構造解析に成功した。今回取得した阻害剤結合前・後の水素原子を含む全原子構造情報は、これまでにセリンプロテアーゼの触媒機構において議論されてきた反応開始時の活性化制御機構や遷移状態における低障壁水素結合の存在や酸素陰イオンホールの形成について重要な知見を与えると同時に、活性部位の水和構造の変化についても重要な知見を与えた。

口頭

X-ray crystallographic analysis of $$beta$$-Lactamase derived from ${it Chromohalobacter}$ sp.560

新井 栄揮; 徳永 廣子*; 玉田 太郎; 米澤 悌; 安達 基泰; 山田 貢; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

no journal, , 

好塩性蛋白質は、表面に存在する多くの酸性アミノ酸残基によってさまざまな無機イオンを結合することができる。好塩性蛋白質はレアメタルや放射性金属イオンの捕集材料として用いることができる可能性があるため、分子構造・機能研究グループでは好塩性蛋白質の分子構造を研究している。最近、分子構造・機能研究グループでは、中度好塩菌${it Chromohalobacter}$ sp.560由来$$beta$$-Lactamase(HaBLA)のX線結晶解析に成功した。Photon FactoryのNE3Aビームラインにより、3.0${AA}$分解能の回折データを収集し、構造解析を行った結果、HaBLAの主鎖構造は非好塩性$$beta$$-Lactamaseと類似した構造をとるが、HaBLAの分子表面は大部分が負電荷で占められることが判明した。このような構造学的情報は、CsやSrのような金属の特異性を向上させるために有効となる。

口頭

クライオ温度におけるタンパク質中性子回折データ測定

玉田 太郎; 栗原 和男; 山田 貢; 大原 高志; 黒木 良太

no journal, , 

原子力機構では研究用原子炉(JRR-3)に設置した2台の生体高分子用中性子単結晶回折装置(BIX-3,4)を用いたタンパク質を主とした生体高分子の水素・水和構造決定、及びこれらの装置の高度化に取り組んでいる。これまでにPDBに登録された生体高分子の中性子構造48例のうち16例がこれら2台の装置を用いて解析されたものであるが、さらなる解析数の向上及び回折データの高分解能化を目的として、22年度に窒素吹付け低温装置を導入した。23年度は本装置を用いて、実際に大型結晶からのクライオ温度における回折実験を実施した。数種の大型結晶において、クライオ温度まで安定に移行する不凍条件を見いだすことに成功し、引き続き中性子回折実験を行った。薬剤耐性大腸菌から検出された基質特異性拡張型$$beta$$-ラクタマーゼToho-1の大型結晶から、従来の常温での実験結果に基づいた格子状数と結晶体積から予想される分解能を上回る1.5${AA}$分解能の回折データ収集に成功した。さらに、同一結晶から同じく低温下でX線回折データを収集し、両データを相補的に用いた構造精密化を終了した。1.5${AA}$分解能における本解析結果はPDBに登録されたタンパク質中性子構造の中での最高分解能に並ぶ解析例である。今後は、クライオ温度で収集した回折データを用いた高分解能中性子構造解析例を増やし、同一条件で取得したX線の超高分解能データとの詳細な比較から、タンパク質のかかわるさまざまな生命反応をより深く理解したいと考えている。

口頭

Cryogenic measurement in neutron protein crystallography

栗原 和男; 玉田 太郎; 山田 貢; 大原 高志; 黒木 良太

no journal, , 

We are working on several technical developments for the promotion of neutron protein crystallography. In this report, we show the installation of cryogenic systems into BIX-3 and 4 diffractometers at JAEA. Since the space around the sample position of BIX type diffractometers is too narrow to install the available cryogenic system, we designed the suitable arrangement for a cryostat equipped with a new sample goniometer. Neutron protein crystallography requires relatively large crystals with the volume of 1-10 mm$$^{3}$$. Therefore, neutron crystallography at cryogenic temperature needs reliable cooling techniques. To overcome this problem, cryoprotectant condition was optimized for flash-cooling procedure, and we succeeded in cooling the large crystals of $$beta$$-lactamase with the volume of 8.7 mm$$^{3}$$. By using cryogenic system 1.5${AA}$-resolution neutron data of the $$beta$$-lactamase crystal has been collected successfully at BIX-4. High resolution neutron analysis of $$beta$$-lactamase will provide useful information to understand the function of $$beta$$-lactamase, such as the protonation state of active site and substrate recognition scheme.

口頭

ハイスループット, リモート測定に対応したWebベースの分散型アプリケーションLeafPieの開発

岡崎 伸生; 平田 邦生*; 玉田 太郎; 栗原 和男; 山田 貢; 熊坂 崇*; 山本 雅貴*; 若槻 壮一*; 黒木 良太

no journal, , 

近年、構造生物学ビームラインにおいては、多数の試料を短時間で測定するハイスループット化や施設に出向かずにホームラボから遠隔で測定するリモート化が進んでおり、複数の施設を利用した測定は今後増えていくものと推測されるが、実験データが各施設に分散し測定結果の確認が煩雑になると考えられる。その問題を解消するため、本研究では構造生物学研究者が外部から複数の施設にある測定結果を閲覧する手法について検討を行った。今回開発したWebアプリケーションLeafPieは各施設に分散した測定結果を閲覧するためのものであり、異なった施設でも、統一されたインタフェースを利用できる環境の構築を目指している。また、現在ではリモート測定の際、施設(PF, SPring-8)ごとに外部からのデータの閲覧方法や測定ログの書式が異なるが、統一したインタフェースを用いることで利用者の初期学習コストを抑制することができる。本研究は、現在J-PARCに建設提案中の構造生物学用中性子ビームラインと、放射光ビームラインとの連携も視野に入れている。本発表では実装内容及び試験的に各施設(PF, SPring-8)に分散したデータを閲覧した際の状況などを報告する。

口頭

シトクロム${it b$_{5}$}$還元酵素反応中間体のX線結晶構造解析

山田 貢; 玉田 太郎; 松本 富美子; 竹田 一旗*; 木村 成伸*; 黒木 良太; 三木 邦夫*

no journal, , 

シトクロム${it b$_{5}$}$還元酵素(以下${it b$_{5}$}$R)は2ドメインからなり、ドメイン間に1個のFADを含み、NADHから電子を2つ受け取りシトクロム${it b$_{5}$}$に伝達する酸化還元酵素である。本研究は還元型${it b$_{5}$}$Rの結晶解析及び還元型${it b$_{5}$}$Rから再酸化型${it b$_{5}$}$Rへの時分割結晶解析によって${it b$_{5}$}$Rの酸化還元サイクルの詳細を解明することを目的とした。還元型${it b$_{5}$}$Rの構造において、2つのドメインの相対位置が大きく変化していた。FADのイソアロキサジン環部位は折れ曲がらずに平面構造をとっておりNAD$$^{+}$$とスタッキングしていたが、N10窒素は${it sp$^{3}$}$型の幾何配置をとっていた。また、時分割解析の結果、${it b$_{5}$}$Rはニコチンアミド部位を押し出す動きと、ADPリボース部位を押し出す動きの2つの動きによってNAD$$^{+}$$を放出していことが明らかになった。上記の結果から、${it b$_{5}$}$Rは(1)ドメインの相対位置変化によってシトクロム${it b$_{5}$}$相互作用部位を作り出す機構、(2)FADH$$^{-}$$とNAD$$^{+}$$の電荷移動相互作用によって共鳴構造が壊れたFADH$$^{-}$$が安定化する機構、(3)電荷移動相互作用の消失に伴いニコチンアミド部位を活性中心から放出した後、ADPリボース部位を放出する機構の存在が示唆された。

口頭

大型単位格子を持つタンパク質結晶の測定を可能にするJ-PARC中性子回折装置の設計

栗原 和男; 玉田 太郎; 山田 貢; 大原 高志*; 黒木 良太

no journal, , 

膜タンパク質やタンパク質複合体などの立体構造解析に基づくタンパク質間相互作用の解明は、現代の生命科学研究における重要な領域であり、中性子解析から得られる水素原子や水和水の情報を含む立体構造は、タンパク質の機能解明や高機能化に大きく寄与するが、ここで対象となるタンパク質は高分子量であるため、試料結晶の単位格子体積も大きくなり、従来の中性子回折装置では対応できていなかった。そこで、われわれは学術・産業界に広く利用可能な装置として、J-PARC(大強度陽子加速器施設)に大型の単位格子を持つ結晶を測定可能にするタンパク質専用の中性子回折装置の建設を提案し、2つの目標を掲げる。第一に、格子長が250Aを超えるタンパク質結晶の測定を可能にする。第二に、中性子線源の弱さを補うため、高い測定効率を実現する。第1の目標には、反射スポットの分離が鍵となる。そこで、カメラ半径を長くし(800mm)、線源には中性子パルス時間幅が短い減速材(非結合型)を選択する。第二の目標のため、大型楕円中性子スーパーミラー集光系を採用する。さらに、ビームラインを分割し小型格子用の装置(格子長$$<$$120$AA)$を設置する。以上を実現するために必要な大面積検出器(500mm$$times$$500mm)と楕円集光系については、J-PARCセンター・中性子基盤セクションと連携して開発・製作を行う。本装置では、原子力機構・研究用原子炉JRR-3の生物用回折計(BIX-3, 4)に比べて、20倍以上の測定効率が期待される。

口頭

中性子構造解析によるタンパク質の水素原子の決定

玉田 太郎; 栗原 和男; 山田 貢; 黒木 良太

no journal, , 

生命活動を担うタンパク質の機能を解明するには、タンパク質の構成原子の半数を占める水素原子の位置や特徴を知る必要がある。中性子の原子核による散乱は、原子の種類に依存するという特徴を有するので、中性子をプローブとする結晶回折法では、タンパク質を構成する水素原子の位置を容易に決定できる。原子力機構の研究用原子炉JRR-3に設置された2台の生体高分子用中性子単結晶解析装置(BIX-3, 4)は、PDBに登録された中性子構造(58件)の約1/3の解析に寄与しており、われわれが初めて中性子解析に成功した創薬標的タンパク質(HIV-プロテアーゼやブタ膵臓エラスターゼ)と医薬品候補分子(阻害剤)複合体の全原子構造決定の成果も含まれる。これらの解析では、創薬標的タンパク質の触媒残基の解離状態を明らかにするだけでなく、阻害剤との相互作用様式を、水素原子の寄与を含めて明らかにすることができた。また、われわれは京都大学や兵庫県立大学と共同で、大強度陽子加速器施設(J-PARC)へのタンパク質解析専用のビームラインの建設を提案している。このビームラインは構造生物学研究者の共同利用を目的としており、従来の回折計では対応できなかった250${AA}$を超える大型結晶格子を持つタンパク質解析専用の中性子回折計を設置することにより、膜タンパク質やタンパク質複合体の中性子構造解析が可能となり、タンパク質の機能発現機構の原子レベルでの解明に大きく貢献すると考えられる。

口頭

シトクロムb5還元酵素反応中間体のX線結晶構造解析

山田 貢; 玉田 太郎; 松本 富美子; 竹田 一旗*; 木村 成伸*; 黒木 良太; 三木 邦夫*

no journal, , 

シトクロムb5還元酵素(以下、b5R)は、立体構造を構成する2つのドメイン間に1分子のFADを含み、NADHから二個の電子を受け取り、二分子のシトクロムb5に一電子ずつ伝達する酸化還元酵素である。二電子還元型b5R及び再酸化型b5Rの結晶解析によってb5Rの酸化還元サイクルにおける立体構造変化を解明する。二電子還元型b5Rの構造において、2つのドメイン配置が酸化型と比較して大きく変化し、FADのイソアロキサジン環は、平面のままNAD+とスタッキングしていた。さらに、b5Rの触媒サイクルにおいて重要な役割を果たすThr66は酸化型構造では、イソアロキサジン環のN5と水素結合を形成していないが、二電子還元型においては水素結合を形成可能な位置に移動していた。一方、再酸化型b5Rではニコチンアミド部位の電子密度が一部不明瞭な構造(再酸化型1)と、完全に消失した構造(再酸化型2)の2つを決定した。このことは、再酸化反応によってまずニコチンアミドが放出され、次いでADPリボースが放出される機構を示唆する。得られた還元型及び再酸化型b5Rの構造学的情報は、b5Rの機能を理解するうえで有用な知見である。

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