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谷川 博康; 安堂 正巳; 加藤 雄大*; 広瀬 貴規*; 酒瀬川 英雄*; 實川 資朗; 香山 晃*; 岩井 岳夫*
Journal of Nuclear Materials, 297(3), p.279 - 284, 2001/09
被引用回数:34 パーセンタイル:89.95(Materials Science, Multidisciplinary)日本で開発が進められている、核融合炉構造材料の低放射化フェライト鋼: JLF-1及びF82Hについて、核融合炉環境(核変換ヘリウム生成環境)での重照射効果を調べるべく、ニッケルとヘリウムの同時イオン照射実験を最大100dpaまで723Kで行い、欠陥生成・相安定性・スウェリング特性についての評価を行った。透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行うにあたっては、マイクロサンプリング機構付き集束イオンビーム加工装置を利用してTEM観察用薄膜試料を作製する手法を確立した。これにより、フェライト鋼の強磁性がTEM観察に及ぼす影響をほぼキャンセルすることができたため、詳細な微細組織観察が叶になったほか、従来になく高精度のクロスセクション薄膜を作製できることにより、イオン照射損傷組織の深さ方向に関する情報を高い統計的精度でもって得ることが可能となった。
谷川 博康; 實川 資朗; 菱沼 章道; 安堂 正己*; 加藤 雄大*; 香山 晃*; 岩井 岳夫*
Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part.1), p.470 - 473, 2000/12
被引用回数:21 パーセンタイル:77.56(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉構造材料候補材料である低放射化フェライト鋼においては、核変換生成ヘリウムによる脆化や高温強度低下が重要な研究開発課題となっている。本研究では、特にヘリウム脆化に関する基礎的知見を得るべく、室温でヘリウムイオン注入された低放射化フェライト鋼及び純鉄に対して、超微小硬さ試験及び変形領域のTEM観察を行い、ヘリウムの硬化及ぼす影響について検討を行った。試料は高純度鉄及び低放射化フェライト鋼F82H(Fe-8Cr-2W-V-Ta)である。試験片形状はTEMディスクであり、機械研磨及び電解研磨により極めて平滑な表面に仕上げ、実験に供した。ヘリウムイオン注入実験は、東京大学原子力研究総合センター重照射設備(HIT)を用いて行った。実験ではヘリウムイオンを試料表面から600-800nmの領域に2000appmまで、室温で注入した。硬さ試験は、圧子の押し込みによる塑性変形領域の広がりが、押し込み深さの約3~5倍になることから、押し込み深さが約250nm程度になるような荷重条件で行われた。硬さ試験後、圧痕周辺部を集束イオンビーム(FIB)加工装置(日立HF-2000)により薄膜化し、TEM観察に供した。硬さ試験の結果、純鉄及びF82Hのいずれにおいても、ヘリウム注入により10%程度の硬化が計測された。さらに圧痕部周辺部のTEM観察により、圧子の押し込みによって導入された塑性変形の発達が、おもにヘリウムが注入された600-800nmの領域より浅い領域にのみ生じていたことが観察された。
関 修平*; 前田 兼作*; 国見 仁久*; 田川 精一*; 吉田 陽一*; 工藤 久明; 杉本 雅樹; 森田 洋右; 瀬口 忠男; 岩井 岳夫*; et al.
Journal of Physical Chemistry B, 103(15), p.3043 - 3048, 1999/00
被引用回数:47 パーセンタイル:77.92(Chemistry, Physical)シリコン系高分子の1つであるポリジノルマルヘキシルシラン(PDHS)の固相薄膜に対して、LETの異なる高エネルギーイオンビーム、電子線、コバルト60線を照射した。LETは0.2~1620eV/nmの範囲で変化させた。照射によって、PDHSには不均一な架橋及び主鎖切断反応が誘起される。分子量分布の変化及びチャールズビーピナー関係式より架橋の確率を算出したところ、LETの増大とともに0.042から0.91へと増大した。
左高 正雄; 石川 法人; 知見 康弘; 大久保 成彰; 園田 健*; 松村 晶*; 安田 和弘*; 安永 和史*; 椎山 謙一*; 阿部 弘亨*; et al.
no journal, ,
文部科学省受託研究である新クロスオーバ研究「照射・高線量領域の材料挙動制御のための新しいエンジニアリング」の進捗状況と今後の計画に関するシリーズ発表の一つとしての「加速器を用いた模擬実験技術の開発」についての発表を行う。軽水炉燃料の高燃焼度化に伴い発生するリム組織形成機構についての基礎的理解を得るため、原子力科学研究所タンデム加速器を用いて、原子炉内での核分裂による照射環境を模擬する技術・装置を開発しているが、その研究の進捗状況と今後の研究について報告する。
松村 晶*; 安田 和弘*; 安永 和史*; 椎山 謙一*; 園田 健*; 阿部 弘亨*; 岩井 岳夫*; 左高 正雄; 石川 法人; 知見 康弘; et al.
no journal, ,
文部科学省受託研究である新クロスオーバー研究「照射・高線量領域の材料挙動制御のための新しいエンジニアリング」の進捗状況と今後の計画に関するシリーズ発表の一つとして「燃料模擬物質の照射組織の微細観察と分析」についての発表を行う。軽水炉燃料の模擬材料としてのセリアへのイオン・電子線照射を行い、電子顕微鏡及び分光分析から微細組織変化に及ぼすさまざまな照射効果(照射欠陥蓄積過程,高密度電子励起過程,重畳効果、等)について検討を進めた結果について発表する。
片伯部 陽一*; 菅野 隆一郎*; 岩切 宏友*; 濱口 大; 岩井 岳夫*; 吉田 直亮*
no journal, ,
リップル・ロスによる高エネルギーアルファ粒子の放出は、プラズマ対向材料に局所的ながら強い照射損傷をもたらすことが予想される。この問題を解決するためには、まずアルファ粒子による照射損傷機構を明らかにし、それに基づいた寿命評価やアルファ粒子照射に強い材料の開発が必要である。本発表では、原子レベルでのアルファ粒子による損傷形成機構解明を目的としたヘリウムイオン照射をFe-9Crフェライト鋼に対して行い、表面からアルファ粒子の到達する深層までの損傷形態を明らかにするための断面組織観察を行った結果について報告する。
片伯部 陽一*; 菅野 隆一郎*; 岩切 宏友*; 濱口 大; 岩井 岳夫*; 吉田 直亮*
no journal, ,
核融合炉内プラズマ対向材料は、数MeVから数eVのアルファ粒子に曝される。エネルギーを持ったアルファ粒子に材料が曝されると材料内部に多種多様な照射欠陥(バブル,転位ループ等)が形成され、材料機能のさまざまな低下が懸念される。特に、リップル・ロスによる高エネルギーアルファ粒子の放出は、プラズマ対向材料に局所的ながら強い照射損傷をもたらし、材料特性の大幅な劣化が懸念される。この課題を解決するためには、アルファ粒子による照射損傷機構を明らかにし、それに基づいた寿命評価やアルファ粒子照射に強い材料の開発が必要である。本発表では、リップル・ロスに伴う高エネルギーアルファ粒子による照射損傷機構を解明することを目的として、低放射化フェライト鋼(F82H, Fe-9Cr)に高エネルギーヘリウムイオン照射実験を行った結果について報告する。
若井 栄一; 高田 文樹; 高屋 茂; 加藤 章一; 北澤 真一; 大久保 成彰; 鈴土 知明; 藤井 貴美夫; 吉武 庸光; 加治 芳行; et al.
no journal, ,
次世代炉設計の自由度を上げるために新しい評価指標として照射損傷パラメータを検討し、長寿命プラント炉の候補構造材料(SUS304, 316FR, 12Cr(P122)鋼)を対象に照射損傷管理技術を開発することを目的とした。材料強度特性に関する既存データと取得データ,微細組織観察結果及び計算科学による結果を解析したところ、材料強度特性は弾き出し損傷量(dpa)に強く依存して変化するとともに、He量やHe/dpa比にも依存して変化する傾向があることがわかった。また、照射損傷指標の評価に必要な微小試験片用のクリープ試験及びクリープ疲労試験装置の開発を行うとともに、照射損傷進行を適切に把握するための非破壊評価として磁気応答特性の変化及び表面弾性波応答変化を調べ、その有効性を示すことができた。
鬼塚 貴志; 安堂 正己; 實川 資朗; 岩井 岳夫*
no journal, ,
溶質原子が低合金鋼の照射硬化挙動に与える影響を明らかにするために、Fe-Ni系モデル合金を主たる対象とし照射硬化挙動の評価を行った。試料には純Fe及びFe-2%Ni, Fe-2%Ni-0.5%Cr、及び比較材としてFe-0.6%Cu合金を用い、原子力機構高崎1号電子線加速器を用いて200C, ecmまで照射を行い、照射後に超微小押し込み硬さ試験を用いて照射硬化の照射量依存性を調べた。本実験の照射量の範囲ではFe-0.6%Cuの硬化が最も顕著であり、これまでの結果と一致する結果を示した。Fe-Ni系合金では、Fe-2%Ni合金は純鉄とほぼ同程度の照射硬化を示した。一方Fe-2%Ni-0.5%Cr合金は、Crの添加量はごくわずかであるにもかかわらず、Fe-2%Ni合金の2倍程度の照射硬化を示した。これにより、Fe-Ni系合金の照射硬化においては、Ni単独の添加効果だけでなくNiとその他の元素の複合的な添加効果が重要であることが示唆される結果となった。
若井 栄一; 高田 文樹; 加藤 佳明; 加藤 章一; 平出 哲也; 高屋 茂; 松井 義典; 藤井 貴美夫; 青砥 紀身; 野上 修平*; et al.
no journal, ,
長寿命次世代炉の候補構造材料を対象に、照射環境効果を取り入れた設計評価手法に適用できる照射損傷評価指標(弾き出し損傷,He生成量など)の開発を進めている。機械的特性の劣化の進行と照射損傷指標との相関性を明らかにするため、受け入れ材,熱時効材(約550Cにて1,000h, 2,000h)及び、弾き出し損傷やHe生成量等をパラメータにした実炉照射材(JRR-3単独照射,常陽単独照射,JRR-3と常陽の組合せ照射)について硬さ試験,引張試験及びクリープ試験に関するデータを取得した。また、一定温度(約550C)下でサイクロトロンによるHe注入した試料の強度試験と微細組織構造分析等によるデータを併せて取得した。実炉照射材の硬さ及び引張試験の解析結果から、弾きだし損傷量は有望な損傷指標であることがわかった。また、クリープ強度特性では、非照射材と照射材の寿命比に関して、弾き出し損傷量,He生成量及び両者の比が重要な損傷指標であることを示すことができた。さらにサイクロトロン照射材の解析から、照射損傷進行を適切に把握するうえで、He量は1つの有効な損傷指標となりうることを併せて示すことができた。
角田 紫音*; 岩井 岳夫*; 門叶 冬樹*; 佐藤 達彦
no journal, ,
粒子線がん治療における照射精度を向上させる方法として、MRI(核磁気共鳴画像法)を用いた照射中リアルタイム人体イメージングの実現可能性が検討されている。従来は陽子線治療に対してのみ検討が行われていたが、本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて重粒子線治療に対する検討を実施した。具体的には、3.0Tの磁場をかけた状態の水ファントムに様々なエネルギーの炭素イオンを照射した際のビーム軌道をPHITSで計算し、Bethe-Blochの式とローレンツ力により近似したビーム軌道と比較した。その結果、両者はよく一致することが分かり、本検討にPHITSを用いる妥当性が確認できた。
後藤 辰希*; 岩井 岳夫*; 佐藤 達彦
no journal, ,
炭素線治療において、MRIを用いたリアルタイム画像誘導により腫瘍への線量集中性を高めることが検討されている。本研究では、その基礎検討として、PHITSを用いたモンテカルロシミュレーションにより炭素線を照射したときに生じるデルタ線や2次粒子に対するMRI磁場の影響を評価した。その結果、2次粒子もビーム軌道と同じく磁場によって変更され、陽子などの核破砕片は物質から真空領域へ飛び出すと磁場によって偏向され、大きな弧を描いて物質に戻りエネルギーを付与する様子が確認できた。発表では、その他の核破砕片やデルタ線による線量分布の変化についても紹介する。
若井 栄一; 高屋 茂; 永江 勇二; 鈴土 知明; 平出 哲也; 松井 義典; 野上 修平*; 長谷川 晃*; 阿部 弘亨*; 岩井 岳夫*; et al.
no journal, ,
オーステナイト鋼やフェライト鋼は様々な原子力材料や加速器ターゲット材料等に使用されている。これらの材料は照射によって微細組織や強度特性が変化し、DPAやHe生成量による影響を受けることが知られている。本研究は様々な照射手法を用いDPAとHe生成量に関する引張、クリープ特性等の変化を明らかにすることを目的とした。本研究の供用材には、316鋼, ボロン添加した316鋼, 304鋼、及びHCM12A鋼を用いた。500Cから600Cの温度領域で原子炉照射にJOYOとJRR-3Mの照射、東北大学サイクロトロンによるHe注入、東京大学HITイオン照射などを実施した。DPAの増加に伴って照射硬化量が増加し、He生成量の増加に伴い、その割合が増える傾向にあった。He量の増加に伴い、その寿命が低下すると共に、DPA増加によってもその低下が大きくなることが分かった。He生成量が増えた材料の破面では粒界割れの発生が見られた。一方、照射組織に関してはサイクロトロンでHe注入したこれらの鋼で空孔型クラスターに対するミクロ組織と陽電子寿命測定の結果では、フェライト鋼の方がより大きなクラスターが存在する正の相関を示す結果を得た。