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藤嶋 浩史*; 奥村 雅彦; 峰 真如*; 矢嶋 徹*
Journal of the Physical Society of Japan, 81(10), p.104003_1 - 104003_7, 2012/10
被引用回数:1 パーセンタイル:10.8(Physics, Multidisciplinary)原子物理学分野の最新の進展として、原子ガス集団をレーザー冷却することでボース・アインシュタイン凝縮を起こすことが見いだされており、その凝縮状態を制御することで原子レーザーへの応用等が提案され、多くの研究者の注目を受けている。本論文発表では、上記凝縮体に着目し、得られた研究成果を発表する。具体的な成果は以下の通りである。1次元凝縮系では、ソリトンが安定な存在形態であることが知られているが、そこからずれた初期状態を時間発展させた場合には、「輻射」と呼ばれる微小成分を放出して、最終的にソリトンになることが示唆されている。しかし、これまでこの輻射現象は実験で確認されていない。その理由の一つは、放出される輻射の振幅が小さすぎて観測が大変困難だからである。われわれは、ソリトンと輻射が波動であることに注目し、実空間での輻射自体の観測が難しい場合でも、輻射とソリトンの束縛状態との運動量空間での干渉が観測可能であることを示した。特に、中性原子気体のボース・アインシュタイン凝縮では、運動量分布が主な観測量となるため、運動量空間での干渉はこの系において容易に観測されることが期待される。また、本系において、この干渉を観測するための実験パラメータについても示した。
藤島 浩史*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 矢嶋 徹*
Journal of the Physical Society of Japan, 80(8), p.084003_1 - 084003_7, 2011/08
被引用回数:2 パーセンタイル:20.16(Physics, Multidisciplinary)現在、原子物理学の研究の最前線は、レーザー冷却により得られる超低温の原子ガスである。本研究では、その冷却原子ガス系において、量子多体系における非線形現象を正確に調べるため、ポテンシャル衝突問題における非線形効果を数値シミュレーションによって調べた。初期状態はガウシアンとし、相互作用は引力の場合を考え、ポテンシャルは箱形と井戸型を考えて、透過率と反射率を求めた。その結果、透過率と反射率は相互作用の大きさだけでなく、ポテンシャルの高さ(深さ)や幅に大きく依存することがわかった。加えて、井戸型ポテンシャルによる散乱問題において、井戸型ポテンシャル内部に長い時間波束が捉えられてしまう現象が観測された。なお、この結果は相互作用する量子多体系の情報伝達の基礎を調べたものであり、将来の機能材料開発にも資する成果と位置付けられる。
小林 恵太*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 山中 由也*
素粒子論研究, 116(2), p.B64 - B66, 2008/06
本発表は、これまで古典的な解析に終始していた光学格子中ボース・アインシュタイン凝縮体の動的不安定性について、量子場の理論による定式化を初めて行い、さらに数値計算によって崩壊の様子をシミュレートしているなど、完成度が高い。今後、開発した解析法をほかの系にも適用することで、成果が得られると大いに期待できる。
中村 祐介*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 山中 由也*
素粒子論研究, 116(2), p.B67 - B69, 2008/06
ボース・アインシュタイン凝縮の励起を記述するボゴリューボフ・ド・ジャン(BdG)方程式に複素固有値が現れる条件を解析的に導いた。その条件は、BdG方程式に現れるダブレットの固有値の縮退に起源を持ち、その縮退を解く摂動を加えることにより、導出できることが示された。その応用として、高次渦度を持つ量子渦の崩壊に関係する複素固有値の出現条件を、先行研究で用いられていた近似を用いずに導出することに成功した。
峰 真如*; 小出 知威*; 奥村 雅彦; 山中 由也*
素粒子論研究, 116(2), p.B110 - B112, 2008/06
ゆらぎ定理は近年の非平衡物理学の発展における最も顕著な結果の一つとして注目を集めている。この発表論文では、このゆらぎ定理をネルソン流の量子力学を用いることによって、量子論版のゆらぎ定理の関係式を導出した。現在は研究を進めている段階であり、今後数値シミュレーションによって導出したH関数の増減を調べたり、物理的意味の吟味などが残されているが、非自明な関係式の導出自体が興味深いといえる。
中村 祐介*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 山中 由也*
Physical Review A, 77(4), p.043601_1 - 043601_6, 2008/04
被引用回数:19 パーセンタイル:65.79(Optics)本研究では、ボース・アインシュタイン凝縮体の励起状態を記述するボゴリウボフ・ドジャン方程式の複素固有値の出現条件を、原子間相互作用の強さによらず、厳密に求めた。この複素固有値は実験で観測されている「動的不安定性」を引き起こす原因とされており、これまでに高次量子渦を持つ凝縮体の系や動いている光学格子中の凝縮体の系における凝縮体の崩壊として観測されている。先行研究では、それぞれの対象系について個別に考察されていたが、本研究は方程式の一般論を展開したため、対象系によらない議論である点が特長である。また、解析計算であるにもかかわらず、相互作用の強さによらない議論である点も特長である。
福山 絵里子*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 須永 知夏*; 山中 由也*
Physical Review A, 76(4), p.043608_1 - 043608_11, 2007/10
被引用回数:6 パーセンタイル:33.55(Optics)中性原子気体ボース・アインシュタイン凝縮系において、高次量子化渦を持つ凝縮体は不安定であり、その崩壊が実験で確かめられていた。一方、高次量子渦度を持つ凝縮体において複素励起モードが現れるという数値計算の結果が数例報告されており、それが高次量子化渦の崩壊率に関係しているのではないかと指摘されていた。しかし、複素励起モードに関する理論は発展途上であり、どのような条件下で複素励起モードが現れるのかもわかっていなかった。本論文は、複素励起モードの出現条件を相互作用定数が小さい場合に解析的に求め、さらに、凝縮体が2以上の任意の渦度を持つ場合に必ず複素励起モードが現れることを示した。
小林 恵太*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 山中 由也*
no journal, ,
光学格子中のボース・アインシュタイン凝縮体をとめたまま光学格子ポテンシャルを動かした場合、凝縮体が崩壊する現象が観測されており、その現象を量子場の理論による定式化によって記述し、数値シミュレーションによって凝縮体の挙動を記述した。先行研究で得られていた結果を再現し、さらに、崩壊が加速する場合があるという、新しい現象の発見も報告された。
中村 祐介*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 山中 由也*
no journal, ,
高次量子渦を持つ中性原子気体ボース・アインシュタイン凝縮における渦芯の分裂を記述すると考えられている複素モードの出現条件を、相互作用定数に関する摂動計算を用いて導出したことを報告した。これまで複素モードの関する解析的な計算は少なく、この解析によってこれまで明らかでなかった複素モードの出現条件についての理解が進んだといえる。
峰 真如*; 奥村 雅彦; 須永 知夏*; 山中 由也*
no journal, ,
不安定状態に関係する複素固有値の問題は以前から議論されているが、近年中性原子気体ボース・アインシュタイン凝縮における複素固有値が問題となっており、その量子場の理論による定式化について発表した。主な結果は、量子場の理論として矛盾のない定式化,高次量子渦を持つ凝縮体における量子渦の崩壊現象への応用である。量子論の枠組みでこの複素固有値を無矛盾に扱う枠組みはほかになく、量子論的に複素固有値を扱った現在唯一の結果である。
須永 知夏*; 福山 絵里子*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 山中 由也*
no journal, ,
高次量子渦を持つボース・アインシュタイン凝縮の励起状態には複素モードが現れ、凝縮体が不安定になることが知られているが、どのような場合に複素モードが現れるかは明らかにされていなかった。発表では、相互作用定数が小さい場合に2モード近似を行うことによって、どのような条件で複素モードが現れるかを解析的に求め、任意の高次量子渦を持つボース・アインシュタイン凝縮の励起状態に複素モードが現れることを示した。