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中嶋 秀夫; 島本 進*; 井口 将秀; 濱田 一弥; 奥野 清; 高橋 良和
低温工学, 48(10), p.508 - 516, 2013/10
原子力機構はITERプロジェクトにおいてトロイダル磁場(TF)コイルの構造物と中心ソレノイド(CS)のジャケットを調達している。構造物はほとんどが316LNステンレス鋼であるが、高い強度が必要な部分は原子力機構と日本製鋼が共同開発したJJ1鋼を使う。ジャケットは神戸製鋼と共同開発したJK2LB鋼が使われる。これら2つの鋼はその量産性と溶接性と使用する温度(4K)における機械的特性を確認し、既に市販品となっている。原子力機構は、日本機械学会(JSME)で発行された核融合設備規格「超伝導マグネット構造規格(2008年版)」の策定に貢献し、これに規定された材料仕様を構造物に採用した。また、JSME規格の発行をもって、30年に渡る構造材料の開発から製品化までの一連の活動が完結したと言える。これらのITERにおける超伝導コイルの構造物に関する構成と設計、実規模量の鋼の製作、及び品質管理と品質確認試験について紹介することにより、核融合装置における超伝導コイルの構造物の重要性について述べる。
島本 進*; 中嶋 秀夫; 高橋 良和
低温工学, 48(2), p.60 - 67, 2013/03
原子力機構は、30年前からトカマク型核融合炉用極低温構造材料の開発を行ってきた。当時は4Kで使える材料やデータが無かったので、原子力機構は超伝導コイル用構造材料の要求値を設定し、4Kにおいて実施できる引張試験や疲労試験装置を設置した。そして、極低温構造材料を鉄鋼メーカーと共同開発し、開発した材料を数多く4Kにおいて試験した。さらに、JIS規格のような4Kにおける機械試験の規格の確立に貢献した。また、日本機械学会において、核融合炉用超伝導コイルの構造材のための設計基準の確立にも貢献し、ITERでのトロイダル磁場コイルの製作に活用している。原子力機構における材料開発の30年間の歴史について解説する。
島本 進*; 高橋 良和; 奥野 清
低温工学, 41(12), p.542 - 552, 2006/12
磁気閉じ込め方式では、高磁界を発生する超伝導技術と核融合炉との関係は非常に密接であり、実験炉建設コストの四分の一強が超伝導コイルに費やされる。逆に、超伝導・極低温という専門分野においても、そこで核融合が占める割合は同じく四分の一強と見られる。この状況を見つめつつ日本原子力研究所(「原研」、現在は「日本原子力研究開発機構」)は長年にわたってトカマク炉のための超伝導・極低温の技術開発を、企業・大学と一致協力して推進してきた。そこには幾つかの独自のプロジェクト及び国際協力による作業があり、段階的に進展した技術が今日に至っている。本論分では、ITERの設計活動を概説し、ITERの内容について超伝導・極低温の側面から紹介する。次に、これまでの工学R&Dとして進められてきた成果とITERの設計との関係を記し、さらに国際協力による建設の作業分担の模様を示す。これによってITERの経緯と建設に立ち向かう姿について広範囲の読者に理解を得ることを目的としている。他方、ITERの最初の活動が始まってから20年近くを経過しており、担当者の世代交代も見られるので、その間の理解を図ることも目的の一つとしている。
島本 進*; 村瀬 暁*; 西井 憲治*; 内藤 文信*; 松井 邦浩; 高橋 良和; 辻 博史
電気学会論文誌,B, 122(1), p.58 - 63, 2002/01
国際熱核融合実験炉(ITER)の超電導マグネット用46kANbSn超電導導体の短尺サンプルのパルス磁場損失を、熱量法を用いて測定した。その結果、本導体は約1000本の素線から構成されているが、その素線間を流れる結合電流の時定数が30msであることが得られた。この結果をもとに、各素線の幾何学的解析を行い、実際の撚線のツイスト・ピッチより長い結合ループがあることを示した。これは、CSモデル・コイル実験結果の解析の基盤となるものである。
小泉 徳潔; 安藤 俊就; 高橋 良和; 辻 博史; 島本 進*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 11(1), p.2575 - 2578, 2001/03
被引用回数:2 パーセンタイル:23.34(Engineering, Electrical & Electronic)電流偏流のために過大な電流を流している超電導性が、常電導転移した後の挙動について解析した。計算で用いたパラメータは、電流偏流による不安定性を示したUS-DPCコイルのそれらを用いた。解析の結果、100m程度の長さを有する導体では、常電導転移後数秒間は、端部の影響がないことがわかった。これは、無限長のモデルを使用できることを示している。無限長モデルでは、電流の計算がより簡易になる。そこで、無限長モデルを、クエンチ・シミュレーションコードとあわせて使用して、解析を行った。解析の結果、常電導伝播が電流減衰に大きな影響を与えることがわかった。また、素線間のコンダクタンスが高い場合に導体は安定になるが、この場合でも、導体としての安定性が低くなければ、電流偏流によってクエンチが起こることが示唆された。
高橋 良和; 松井 邦浩; 西井 憲治; 小泉 徳潔; 布谷 嘉彦; 礒野 高明; 安藤 俊就; 辻 博史; 村瀬 暁*; 島本 進*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 11(1), p.1546 - 1549, 2001/03
被引用回数:29 パーセンタイル:77.42(Engineering, Electrical & Electronic)ITER用に開発されたNbS超電導体は、直径0.8mmの素線を約千本撚り合わせたもので、最大磁場13Tにおいて、46kAの運転電流値である。超電導導体の重要な特性の一つである変動磁場に対する損失(ACロス)を、冷媒ヘリウムが流れる空間が占める割合(ボイド率)をパラメータとした導体サンプルにおいて測定した。その結果、パルス・コイルにおける最適なボイド率は35~37%であることが示された。またCSモデル・コイルにおけるACロスの測定結果と導体サンプルの結果を比較検討した。その結果、導体サンプルの長さが十分でないことが明らかになった。しかし、コイルにおいては、ACロスは十分小さいことも示された。
安藤 俊就; 檜山 忠雄; 高橋 良和; 中嶋 秀夫; 加藤 崇; 礒野 高明; 杉本 誠; 河野 勝己; 小泉 徳潔; 布谷 嘉彦; et al.
電気学会論文誌,B, 120(3), p.449 - 456, 2000/03
国際熱核融合実験炉(ITER)のR&Dとして進められている中心ソレノイドモデル・コイル計画の13T-640MJ超電導パルス・コイルの設計と製作について紹介する。
小泉 徳潔; 高橋 良和; 加藤 崇; 辻 博史; 島本 進*
低温工学, 35(3), p.132 - 142, 2000/03
素線間にクロムメッキ等による高抵抗層を有する導体には、循環電流が誘起される。これと通電電流が重なり合って電流偏流が発生する。この循環電流の特性を解析した。その結果、素線間を横断して誘起される素線間横断型循環電流と端部を迂回するそれがあることがわかった。前者の減衰時定数は、数秒のオーダーである。このために、10s以内のパルス励磁でこの循環電流は誘起される。そして、励磁速度が速いほど大きくなる。この循環電流のために、素線をクロムメッキした導体が、励磁速度依存型の不安定現象を示す。
礒野 高明; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 杉本 誠; 吉田 清; 西 正孝; 高橋 良和; 安藤 俊就; 辻 博史; 島本 進*
電気学会論文誌,B, 119(11), p.1263 - 1269, 1999/00
ITERの工学設計活動で行った高性能のNbSn素線開発とその大型導体化について紹介する。特に、高性能NbSn素線開発では、従来に比べ、臨界電流密度では1.5倍、ヒステリシス損失では1/5といった大幅な性能向上を果たし、ITER仕様であるJc 550A/mm以上(12T,4.2K)、ヒステリシス損失200mJ/cm以下(3T)を満たす素線を量産することに成功した。ここでは主として素線開発方法について紹介する。
小泉 徳潔; 高橋 良和; 辻 博史; 島本 進*
低温工学, 34(8), p.395 - 403, 1999/00
素線間にクロムメッキ等による高抵抗層を有する撚線導体内では、電流偏流のために、一部の素線が過剰電流を流す。分布定数回路を用いて、この電流の常電導転移後の挙動を解析した。その結果、過剰電流は10-100msで減衰することがわかった。また、導体中心で常電導転移したときは、端部にその影響が伝わるまで数秒かかることもわかった。このため、導体中央部で常電導抵抗が減少すると、過剰電流が増加する。ゆえに、過剰電流を流す一部の素線からの常電導転移が、導体クエンチを起こしうることが確認できた。
高橋 良和; 安藤 俊就; 檜山 忠雄; 中嶋 秀夫; 加藤 崇; 杉本 誠; 礒野 高明; 押切 雅幸*; 河野 勝己; 小泉 徳潔; et al.
Fusion Engineering and Design, 41(1-4), p.271 - 275, 1998/09
被引用回数:4 パーセンタイル:38.68(Nuclear Science & Technology)原研において、ITER-EDAのもと、中心ソレノイド(CS)モデル・コイルを開発している。本コイル閉導体は、NbSnが用いられ、ほぼ完成しつつある。導体接続部、熱処理及び巻線技術のR&Dが行われ、それぞれの技術が確立された。これを踏まえて、外層モジュール(8層)の最初の1層の巻線が完成した。本コイルは、1998年に完成し、原研の試験装置において実験が行われる予定である。
小泉 徳潔; 安藤 俊就; 杉本 誠; 高橋 良和; 辻 博史; 島本 進; 山田 雄一*; 三雲 明*; 綾井 直樹*
Fusion Engineering and Design, 41, p.277 - 281, 1998/00
被引用回数:9 パーセンタイル:60.39(Nuclear Science & Technology)NbAlはNbSnに比してひずみに対して、臨界電流性能の劣化が小さいという性質を有する。このため、トロイダルコイルの製作には適した導体である。本利点に着目して、原研では1986年以来NbAlの開発を行ってきた。現在、NbSnと同等の臨界電流性能(600-700A/mm at 12T)を到達するに到った。また、大電流NbAl導体の試験結果から、12Tにて120kAの臨界電流性能を達成できることが実証された。これらの結果から、NbAl導体がトロイダルコイルへ応用できることが実証された。一方、現在、ITER-EDAのタスクとしてNbAlインサートコイルの製作を行っている。これによりNbAl導体をITER-TFコイルに応用できることを実証する。
石尾 光太郎*; 中嶋 秀夫; 川崎 勉*; 上原 聡明*; 辻 博史; F.Wong*; 島本 進*
Proc. of 15th Int. Conf. on Magnet Technology (MT-15), p.989 - 992, 1997/10
ITERのTFコイル構造材には、4Kにおいて高強度(0.2%耐力が1000MPa以上)及び高靱性(破壊靱性Kが200MPa√m以上)が要求される。このITERターゲットを立証するために、構造材料の特性を評価するための国際共同作業が現在進行している。日本原子力研究所はITERターゲットを満足するJJ1及びJK2鋼を開発し、それらの圧延材の製作性及び溶接性を証明するために、110mm厚圧延材及びTIG溶接継手の試作を行った。それらの結果、JJ1及びJK2鋼の強度及び破壊靱性が、溶接継手を含めて、ITERターゲットを満たすことが立証された。さらに110mm厚JJ1及びJK2鋼溶接継手は、完全オーステナイトであるにもかかわらず、非破壊検査からは、割れや有害な欠陥は見られなかった。
濱田 一弥; 中嶋 秀夫; 加藤 崇; 安藤 俊就; 山本 一生*; 辻 博史; 島本 進*; 平岸 政洋*; 佐々木 知之*; 稲垣 淳二*
Proc. of 15th Int. Conf. on Magnet Technology (MT-15), p.405 - 408, 1997/10
原研は、国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動の一環として、中心ソレノイド・モデル・コイルの設計・製作を行っている。本コイルは、内層コイルと外層コイルより構成されて、原研は外装コイル(内径:2.7m、外径:3.6m、高さ2mのレイヤー巻コイル)の製作を行う。このような大型で、46mm角の強制冷却式超伝導導体を使用したコイルの巻線はこれまでに例がなく、巻線技術の開発は重要である。そこで100mのダミー導体や短尺の導体による試巻線を行い、導体の曲げ特性などを調べた。その結果、これらのデータを一般化し、巻線条件を予測する手法を考察し、モデル・コイルの巻線をすべて無事終了することができた。本巻線方式は、ITER実機にも適用可能と考えられる。
杉本 誠; 寺澤 充水*; 礒野 高明; 小泉 徳潔; 中嶋 秀夫; 加藤 崇; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 高橋 良和; 安藤 俊就; et al.
Proc. of 15th Int. Conf. on Magnet Technology (MT-15), p.409 - 412, 1997/00
1992年より開始したITER-EDAの主要R&D項目であるCSモデルコイルの開発が進行中である。このCSモデルコイル開発のなかで、導体特性評価のためにCSインサートコイルが開発されている。CSインサートコイルの開発におけるR&D結果について報告する。ジョイント部開発やSAGBO(応力酸化割れ)回避のための熱処理要領開発について報告する。ジョイント開発においては、実機導体による抵抗測定結果について述べる。またNbSn生成のための熱処理基準について述べる。併せて試巻線の結果を報告する。
加藤 崇; 西田 和彦*; 濱田 一弥; 松井 邦浩; 本田 忠明*; 辻 博史; N.Michel*; 吉田 清; 島本 進
Fusion Technology, 30(3), p.1253 - 1257, 1996/12
ITER超電導コイルの安全評価として、超電導コイル群が設置されているITERクライオスタットの断熱真空が喪失するといった事故を想定し、この事故により超電導コイルが、どのような影響を受け、どのようにそれらの安全性が評価されるかについて解析を行った。その結果、断熱真空喪失により急激な対流熱伝達による大きな入熱が4Kに冷却されている超電導コイルに与えられるが、ITERクライオスタットの体積が非常に大きいため、入熱によりコイルがクエンチ等の緊急動作停止に至る時間が比較的長いことがコンピュータを用いた解析により判明した。
杉本 誠; 寺澤 充水*; 礒野 高明; 小泉 徳潔; 中嶋 秀夫; 加藤 崇; 西 正孝; 高橋 良和; 安藤 俊就; 辻 博史; et al.
IEEE Transactions on Magnetics, 32(4), p.2328 - 2331, 1996/07
被引用回数:6 パーセンタイル:50.83(Engineering, Electrical & Electronic)ITER工学設計段階(EDA)において、CSモデルコイル計画が遂行されている。CSモデル・コイルは4つの部材から構成されている。内層モジュール、外層モジュール、インサート・コイル、支持構造物である。このうちインサート・コイルの設計について報告する。CSインサート・コイルの内径は1.6mであり、巻線高さは1.7mである。CSインサート・コイルは、CSモデル・コイルの内側に設置して試験される。導体はCSコイル実機とまったく同じものを用いている。試験は磁束密度/3Tで行われ、導体の性能が評価できる。
安藤 俊就; 杉本 誠; 小泉 徳潔; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 西 正孝; 辻 博史; 島本 進
IEEE Transactions on Magnetics, 32(4), p.2324 - 2327, 1996/07
被引用回数:14 パーセンタイル:69.29(Engineering, Electrical & Electronic)NbAl導体を用い、リアクト・ワインド法でITERのトロイダル・コイルを設計した場合について考察した。コイルの性能評価については、NbSnを用いたワインド・リアクト法とほとんど同じであった。このことにより、製作性に非常に秀れているので、NbAlのITERコイルへの適用が有効となる。本内容について紹介する。
和田山 芳英*; 小泉 徳潔; 高橋 良和; 松井 邦浩; 辻 博史; 島本 進
IEEE Transactions on Magnetics, 32(4), p.2858 - 2861, 1996/07
被引用回数:2 パーセンタイル:31.06(Engineering, Electrical & Electronic)原研が次期核融合炉用超電導コイルの開発を目指して開始したDPC計画の中で製作したDPC-Uでは、導体内電流分布の不均一に起因する不安定性が発生した。その後の研究で、本不安定性の解消方法は確立された。今回、電流分布の不均一の安定性の影響をより詳細に調査したので、その結果について報告する。実験より、DPC-Uの不安定性が電流分布の不均一によることが確認できた。また導体がクエンチに至る機構がよく理解できた。
小泉 徳潔; 伊藤 智庸*; 小方 大成*; 高橋 良和; 杉本 誠; 中嶋 秀夫; 加藤 崇; 布谷 嘉彦; 安藤 俊就; 辻 博史; et al.
IEEE Transactions on Magnetics, 32(4), p.2236 - 2239, 1996/07
被引用回数:11 パーセンタイル:63.91(Engineering, Electrical & Electronic)NbAl超電導体は、NbAlに比して歪に対する臨界電流値の劣化が少ないという性能がある。本性能を用いることによりITER-TFコイルの巻線方式として、Recent-and-Wind法を用いることができる。これにより、製作性の信頼性の向上、および製作コストの低減がはかれる。本講演では、Recent-and-Wind法により製作し、その技術の実証をCSモデルコイル内で行うNbAlインサートの設計について報告する。