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勝田 長貴*; 梅村 綾子*; 内藤 さゆり*; 益木 悠馬*; 板山 由依*; 丹羽 正和; 城野 信一*; 吉田 英一*; 川上 紳一*
Spectrochimica Acta, Part B, 210, p.106817_1 - 106817_11, 2023/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Spectroscopy)湖成堆積物から過去の気候変動を読み取る上で、蛍光X線分析による化学組成マッピングは非常に有効な分析手法の一つとなっている。ただしその際、粒子径や鉱物組成がX線強度に及ぼす影響、すなわち「不均一効果」の評価が課題となっていた。本研究では、組成既知のいくつかの2種混合粉末試料、およびバイカル湖の湖成堆積物を対象とした走査型X線顕微鏡による分析を行い、X線強度や粒子径などとの関係を検証した。その結果、粒子径が小さい場合において、不均一効果の影響が大きくなることが分かった。
勝田 長貴*; 高野 雅夫*; 佐野 直美; 谷 幸則*; 落合 伸也*; 内藤 さゆり*; 村上 拓馬*; 丹羽 正和; 川上 紳一*
Sedimentology, 66(6), p.2490 - 2510, 2019/10
被引用回数:7 パーセンタイル:49.6(Geology)海や湖の堆積物の連続的な化学組成変化は、古環境の変化を推定する上で重要な情報となる。しかし、このような含水堆積物の化学組成をX線蛍光分析で測定する際は、吸着水がX線強度に及ぼす影響の評価が問題となる。本研究では、X線吸収・放出理論に基づきX線強度を補正する手法を検討し、含水堆積物に対して、-XRF走査型顕微鏡により化学組成の定量データを連続的に取得することを可能にした。
勝田 長貴*; 池田 久士*; 柴田 健二*; 國分 陽子; 村上 拓馬*; 谷 幸則*; 高野 雅夫*; 中村 俊夫*; 田中 敦*; 内藤 さゆり*; et al.
Global and Planetary Change, 164, p.11 - 26, 2018/05
被引用回数:10 パーセンタイル:43.77(Geography, Physical)バイカル湖ブグルジェイカサドルの堆積物中の化学組成を高分解能に分析することにより過去3.3万年以上の内陸シベリアの古環境及び古気候変動を復元した。完新世の気候は、6500年前に温暖、乾燥に変化し、氷期から間氷期の気候システムに遷移したことを示唆する。最終氷期においては、プリモールスキー山脈に起因する砕屑性炭酸塩の堆積がハインリッヒイベント(H3とH1)に伴って生じた。また、ハマル-ダバン山脈の氷河融解水がセレンガ川を通じて供給された。アレレード・ヤンガードリアス時に発生した無酸素底層水は、セレンガ川からの流水の減少とプリモールスキー山脈から供給された有機物の微生物分解で生じたものと考えられる。完新世初期の降水の減少は、8200年前の寒冷イベントに対応する。
早川 翼*; 勝田 長貴*; 國分 陽子; 長谷部 徳子*; 村上 拓馬; 宮田 佳樹*; 長谷川 精*; 長尾 誠也*; 川上 紳一*
no journal, ,
モンゴル北西部のテルヒンツァーガン湖(TR湖)と、西部のブンツァーガン湖(BT湖)で、放射年代測定法(土壌TOC・C-14、Pb-210・Cs-137)、粒子解析等を用いて、そこに記録される古気候・環境変動の解析を行った。TR湖底コアでは、堆積年代は約3000年と約6000年であり、生物起源シリカ(bioSi)濃度及び全有機炭素(TOC)濃度と、鉱物粒子径で顕著な変動が見られた。太陽活動指標との対比から、極小期にbioSiとTOCの低下と粒子径の減少、極大期でbioSiとTOCの上昇と粒子径の増加となった。また、1600年以降の太陽活動増加傾向期にbioSiとTOCの増加が見られ、周波数解析により、太陽活動周期に対応する約88, 約240, 約2400年の卓越周期を持つことが明らかとなった。一方、BT湖底コアでは、堆積年代は約150年であり、太陽黒点周期とおおよそ一致する数十年スケールの顕著な炭酸塩量の変動が認められ、太陽活動の静穏期に炭酸量の低下となり、約10-20年の卓越周期であった。したがって、アジア大陸半乾燥地域の気候は、太陽活動の影響を強く受けて変動していることが明らかとなった。