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田中 滋; 阿部 雄一; 川邊 勝; 沓掛 忠三; 荻沼 義和; 山田 正行; 鈴木 卓美; 山西 敏彦; 今野 力
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.338 - 341, 2010/08
日本原子力研究開発機構内で核融合中性子工学用中性子源(FNS)で使用している小型トリチウムターゲット製作のR&Dを行っている。トリチウムターゲットは銅基盤にチタンを蒸着し、そのチタンにトリチウムを吸着させたものである。チタンは酸素に活性であり、空気に触れると直ちに数mの酸化膜を形成する。最初はこの酸化膜がトリチウム吸着を妨げていると考え、アルゴンガスによるチタン表面の放電洗浄を行った。しかし数多くの重水素吸着テストを通して、トリチウム吸着を妨げているのは酸化膜というよりも空気中の水分であることがわかった。このため次の手順が必要である。(1)トリチウム吸着容器内のアウトガスを十分行うこと。(2)チタンが蒸着された基盤の取扱は湿度を3%以下に保つこと。(3)チタンが蒸着された基盤は真空中で保管すること。この方法で製作したトリチウムターゲットのFNS加速器の重陽子ビーム照射によるDT中性子発生量は、チタン表面を放電洗浄したものと同じであった。これにより小型トリチウムターゲットの製作条件は確立した。
佐藤 聡; 高倉 耕祐; 落合 謙太郎; 近藤 恵太郎; 立部 洋介; 大西 世紀; 和田 政行*; 沓掛 忠三; 田中 滋; 阿部 雄一; et al.
Fusion Science and Technology, 56(1), p.227 - 231, 2009/07
被引用回数:1 パーセンタイル:10.22(Nuclear Science & Technology)これまでにFNSで行ってきたブランケット核特性実験において、FNSのDT中性子線源の周囲に反射体を設置した実験等で、トリチウム生成率の計算結果は、実験結果を10%以上過大評価していた。これらの過大評価の原因として、鉄やベリリウムでの後方散乱中性子の計算に問題がある可能性を指摘してきた。本研究では、この問題が他の実験データでも現れるかどうかを調べるために、放射化箔法を用いて、ITERテストブランケットモジュールを模擬したベリリウム体系とSUS体系の2つの模擬体系を用いて、各々、反射体あり及びなしの条件でDT中性子照射実験を行い、体系内の金とニオブの反応率分布を測定した。実験の解析は、モンテカルロ計算コードMCNP-4C,核データライブラリーFENDL-2.1で行った。金の反応率の計算結果は、ほとんどの位置で実験結果と7%以内で一致した。反射体ありの実験での計算結果と実験結果の比は、反射体なしの実験での比に比べて、高くなる傾向を示した。ニオブの反応率に関しては、反射体ありの実験での計算結果と実験結果の比と、反射体なしの実験での比との間で、有意な違いは見られなかった。詳細な結果を、本会議にて発表する。
佐藤 聡; 高倉 耕祐; 落合 謙太郎; 和田 政行*; 大西 世紀; 飯田 浩正; 沓掛 忠三; 田中 滋; 阿部 雄一; 川邊 勝; et al.
no journal, ,
これまでにFNSで実施してきたブランケット核特性実験において、トリチウム生成率の計算結果はほとんどの実験結果と10%以内の高い精度で一致した。しかしながら、線源周囲に反射体を設置した実験等で、計算結果は実験結果を10%以上過大評価した。この過大評価の原因として、後方散乱中性子の計算に問題がある可能性が考えられる。本問題点を確認するために、反射体有り及びなしの条件で、DT中性子照射によるブランケット模擬体系内の金箔とニオブ箔の反応率分布測定を行った。高速中性子束の指標となるニオブの反応率に関しては、反射体有り及びなしの条件で有意の差はなく、計算は実験と10%以内で一致した。一方、低エネルギー中性子の指標となる金の反応率に関しては、反射体なしの実験では、計算は実験と10%以内で一致したものの、反射体有りの実験では、トリチウム生成率の結果と同様に計算は実験を10%以上過大評価しており、これまでの予測を確認できる結果が得られた。併せて、核データライブラリーの角度分布を変更して計算を行い、後方散乱中性子の影響を評価した。これらの後方散乱中性子に特化した実験と計算に関して、本学会にて発表する。