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齋藤 雄也; 棚井 憲治; 菊池 広人*; 平井 卓*; 西村 繭果*
JAEA-Research 2008-010, 35 Pages, 2008/03
我が国の地層処分概念では、地震・活断層の影響等、地層処分システムに著しい影響を及ぼす可能性のある天然現象については、サイト選定によってその影響を避けることを基本としている。これに対し、万が一断層によるずれ変位が生じる場合を想定して、人工バリア性能の限界状態を把握することも重要であると考えられる。そのため、本研究では発生頻度,規模が小さいため事前調査で発見することが困難であるC級断層が人工バリアを直撃した場合を想定し、模型実験とシミュレーション解析を行い、人工バリアに及ぼす影響について検討してきた。本稿では、断層変位速度の影響を評価するため、速度を変えた実験を行い、実験データの拡充を図るとともに、シミュレーション解析の精度向上のための検討を行った。その結果、断層変位速度を100mm/sから1/10の10mm/sにした結果、緩衝材外周部で観測される土圧が20%程度減少することがわかった。また、数値解析においては、周辺岩盤の透水係数を適切に評価することが重要であることが明らかとなった。
齋藤 雄也; 棚井 憲治; 菊池 広人*; 平井 卓*; 西村 繭果*
no journal, ,
我が国の地層処分概念では、地震・活断層の影響等、地層処分システムに著しい影響を及ぼす可能性のある天然現象については、サイト選定によってその影響を避けることを基本としている。これに対し、万が一断層によるずれ変位が生じる場合を想定して、人工バリア性能の限界状態を把握することも重要であると考えられる。そのため、本研究では発生頻度,規模が小さいため事前調査で発見することが困難であるC級断層が人工バリアを直撃した場合を想定し、模型実験とシミュレーション解析を行い、人工バリアに及ぼす影響について検討してきた。本稿では、断層変位速度の影響を評価するため、速度を変えた実験を行い、実験データの拡充を図るとともに、シミュレーション解析の精度向上のための検討を行った。その結果、断層変位速度を100mm/secから1/10の10mm/secにした結果、緩衝材外周部で観測される土圧が10%程度減少することがわかった。また、数値解析においては、周辺岩盤の透水係数を適切に評価することが重要であることが明らかとなった。
西尾 太一郎*; 平井 雄也*; 清水 秀樹*; 小野 正雄; 岡安 悟; 緒方 裕大*; 真下 茂*
no journal, ,
超伝導体研究における究極の目的の一つは室温超伝導体の合成である。しかし銅酸化物高温超伝導体の発見から25年以上たつが、この目的が達成される見込みは未だに立っていない。われわれは、極限環境下での超伝導体の振る舞いが超伝導転移温度を上げるための一つヒントになるのではないかと考えている。多くの超伝導体では高圧下において結晶に歪が生じ、超伝導転移温度が上昇することが知られている。極限状態によって引き起こされた結晶の歪は、超伝導転移温度の上昇において重要な因子であると考えられる。力学的物質・スピン制御研究グループは、静水圧力と一軸圧力以外の第三の方法、つまり超重力場によって超伝導体の結晶を歪ませることに注目している。加熱した試料を10 G以上の超重力場の下に置くと、重い原子が重力方向に移動し、軽い原子が反対方向に移動する。そのまま試料を冷やすとその状態が凍結される。この方法によってこれまでと異なるタイプの歪を引き起こすことが可能である。「超重力場によって超伝導体を歪ませ、それによって超伝導特性にどのような変化が引き起こされるか」という研究内容について紹介する。