Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
木村 敦; 田口 光正; 大谷 仁己*; 平塚 浩士*; 小嶋 拓治
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 61, 2007/02
水環境保全に関する研究の一環として、実排水中の内分泌撹乱化学物質(EDCs)の放射線照射による無害化処理技術の開発を行った。EDCsの中でも最も活性が高く人畜由来の女性ホルモンである17-エストラジオール(E2)、及び工業目的として人工的に作られ、環境中の存在量が最も多いEDCsの一つとして挙げられる-ノニルフェノール(NPs)を放射線照射し、その分解挙動を明らかにするとともに、ヒト及びメダカレセプターを用いたYeast two-hybrid assayによってそれらの分解生成物を含めた毒性を評価した。この結果から、夾雑物の指標となる総有機炭素量(TOC)と無害化に必要となる線量の相関関係を明らかとした。さらに、これに基づき、実際にEDCsを含む実排水を電子ビームを用いて分解するモデルプロセスについて、コスト評価を行った。
田口 光正; 善如寺 芳弘*; 瀧上 真知子*; Baldacchino, G.*; 木村 敦; 平塚 浩士*; 南波 秀樹; 小嶋 拓治
Radiation Physics and Chemistry, 75(5), p.564 - 571, 2006/03
被引用回数:6 パーセンタイル:41.49(Chemistry, Physical)室温大気圧下において、濃度1040mMのフェノール水溶液に2MeVの電子線及びCo線を照射した結果、白濁が観測された。この試料溶液の分析により、OHラジカルの付加した生成物と直径100-800nm程度の微粒子の生成が認められた。微粒子の直径は高線量になるに伴い増大し、また、同一線量では、フェノールの初期濃度が高いほど粒径が大きくなった。さらに、線量率を変えて照射した場合、線量率が高くなるに伴い平均粒径が小さくなり、かつ分布幅も狭くなった。また、微粒子は分子量1.910程度の分子から構成されていることがわかった。
木村 敦; 田口 光正; 大谷 仁己*; 瀧上 眞知子; 島田 好孝*; 小嶋 拓治; 平塚 浩士*; 南波 秀樹
Radiation Physics and Chemistry, 75(1), p.61 - 69, 2006/01
被引用回数:13 パーセンタイル:65.92(Chemistry, Physical)Co線照射により、水中濃度1mol dmの水中-ノニルフェノール(NPs)は吸収線量が高くなるに従い指数関数的に減少した。OH付加体と推定される分子量236を有する2つの分解生成物が、LC-MS分析により検出された。5000Gy(J kg)におけるNPsとその照射生成物のエストロジェン活性の消失を、イーストツーハイブリッド法により確認した。これらの結果はNPs処理の放射線利用の基礎データを提供するものである。
木村 敦; 田口 光正; 小嶋 拓治; 平塚 浩士*; 南波 秀樹
JAERI-Research 2004-018, 49 Pages, 2005/01
毒性が高くかつ難分解性である内分泌撹乱化学物質は動物に対して悪影響を及ぼすといわれている。その一つである-ノニルフェノールは、プラスチック及び合成洗剤の原料に用いられ、広く水環境中に排出されている。Co-線照射によって水分子から生成するOHラジカルは非常に高い酸化力を有し、オゾン等の他の処理法では分解が困難な化学物質の分解を可能とする。近年、このOHラジカルを用いた処理法は水環境の保全において非常に注目を集めている。本研究は、水中汚染化学物質の処理法の開発の一環として、線誘起OHラジカルによる-ノニルフェノールの分解の機構解明を行った。-ノニルフェノール,-クレゾール及び4-エチルフェノールをOHラジカルによって酸化分解し、アルキル鎖の長さの違いによる分解機構の差異について考察した。
木村 敦; 田口 光正; 新井 英彦*; 平塚 浩士*; 南波 秀樹; 小嶋 拓治
Radiation Physics and Chemistry, 69(4), p.295 - 301, 2004/03
被引用回数:26 パーセンタイル:82.85(Chemistry, Physical)水中に微量存在している17-エストラジオール(E2)のCo線分解挙動を調べた。フェノールを用いた比較実験からE2とOHラジカルの反応速度定数を1.610mol dmsと求めた。LC-MS及びELISAによってそれぞれ求めたE2濃度及びE2-等価濃度はともに線量の増加に対して減少した。すなわち線照射によりE2は指数関数的に濃度減少し、10Gyで完全に分解した。一方、E2等価濃度は10Gyでは残存し、30Gyで環境に影響を及ぼさないレベル以下まで減少した。
田口 光正; 森山 正洋*; 南波 秀樹; 平塚 浩士*
Radiation Physics and Chemistry, 64(2), p.115 - 122, 2002/05
被引用回数:4 パーセンタイル:29.29(Chemistry, Physical)数百MeVの重イオン照射によりポリビニルアルコールフィルム中に生成するアクリジンC-ラジカルの生成G値は各イオン種について線エネルギー付与(LET)の増加に伴い減少した。また、ラジカル収量は照射イオンのフルエンスに依存した。この結果を、ケミカルトラックモデルを用いて解析したところ、その半径は、照射イオン種が同じ場合には入射イオン速度の増加に伴い減少すること、さらに同じ速度ならばイオンの原子番号の増加に伴い増加することがわかった。
田口 光正; 早野 一樹*; Xu, Y.; 森山 正洋*; 小林 泰彦; 平塚 浩士*; 大野 新一*
Radiation Physics and Chemistry, 60(4-5), p.263 - 268, 2001/03
被引用回数:15 パーセンタイル:73.28(Chemistry, Physical)フェニルアラニン水溶液へNeイオン照射を行い、OHラジカルとフェニルアラニンとの反応によって生成する3種類のチロシンをHPLCによって定量分析した。イオンが止まるまでの全チロシン生成量と、入射エネルギーとの関係から微分G値(イオンのエネルギーとともに連続的に変化するG値)が求められた。微分G値は300~500eV/nmのLETでは線よりも大きな値を示すが、LETの増加に伴いその値が減少することがわかった。
平塚 浩士*; 岡本 貴博*; 黒田 聡*; 奥津 哲夫*; 前岡 裕徳*; 田口 光正; 吉永 鉄大郎*
Research on Chemical Intermediates, 27(1-2), p.137 - 153, 2001/02
被引用回数:9 パーセンタイル:18.52(Chemistry, Multidisciplinary)凝縮相においてベンジルクロライドの光分解を行い反応中間体について分光学的に研究を行った。ベンジルクロライドを含むエタノールを77Kで紫外線照射し、分光測定したところ2種類の反応中間体(塩素がオルト位に転移したベンジルクロライドの異性体と、ベンジルラジカル)が確認された。また、これら2種類の中間体の生成は、室温において紫外線レーザー光照射直後の過渡吸収測定によっても確認された。これら中間体は、励起状態のベンジルクロライドが溶媒かご中でベンジルラジカルと塩素原子となったものが、かごを抜けきれずに塩素がオルト位に再結合した、あるいはかごを抜け出した結果生じたと考えられる。
田口 光正; 松本 裕一*; 森山 正洋*; 南波 秀樹; 青木 康; 平塚 浩士*
Radiation Physics and Chemistry, 58(2), p.123 - 129, 2000/04
被引用回数:6 パーセンタイル:42.69(Chemistry, Physical)1,2,4,5-tetracyanobenzene(TCNB)をドープしたPVAフィルムに数百MeVのC及びNe,Arイオンを照射した。照射後の吸収スペクトル測定によりTCNBラジカルアニオンの生成が確認された。吸光度は低フルエンス領域において増加し、高フルエンスでは減少した。このフルエンス依存性はラジカルの生成及び消滅を示しており、円筒状のケミカルトラックモデルを用いて解析したところ、トラック半径が見積もられた。トラック半径はイオンの核子あたりのエネルギーつまり比エネルギーの増加に伴い小さくなった。さらに同じ比エネルギーでは照射核子が大きいほど半径も大きくなることがわかった。また、吸光度とESR測定の結果から求められたラジカル生成のG値は線照射と比べて小さかった。
田口 光正; Xu, Y.; 小林 泰彦; 森山 正洋*; 平塚 浩士*
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.25 - 27, 1999/10
L-フェニルアラニンを超純水に濃度13mMで溶解させ、Heガスで飽和し207MeV Cイオンを照射した。HPLC測定したところ、フェニルアラニン自身、さらにp-,m-,o-チロシンのシグナルが観測された。クロマトグラム上のピーク面積からチロシンの生成量を求めたところ、チロシン生成のG値は線、イオン照射ともに0.300.03と見積もられた。つまり無酸素状態では、線でもCイオンでもOHラジカルは同程度生成したと考えられる。次にNOガスを飽和した試料に放射線照射し、同じくチロシンの生成量を調べた。NOは水和電子を素早くスキャベンジしほぼ同量のOHラジカルを生成する。そこでチロシン生成のG値とOHラジカル、水和電子のG値とは次の関係式が成り立つ; G(Tyr)=fG(OH)f(G(OH)+G(e))。fは生成した全OHラジカルのうちチロシン生成で消費される割合を示す。NO飽和した試料へ線及びCイオン照射した場合、チロシン生成のG値は0.580.04及び0.390.02と見積もられた。線照射した場合のOHラジカル及び水和電子のG値は2.8及び2.7であることから、fは0.105と求められた。この値を用いることによりCイオン照射での水和電子のG値は0.9(0.39=0.105(2.8G(e)))と見積もられた。
田口 光正; 松本 裕一*; 南波 秀樹; 青木 康; 平塚 浩士*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 134(3-4), p.427 - 430, 1998/00
被引用回数:5 パーセンタイル:73.79(Instruments & Instrumentation)1,2,4,5,-テトラシアノベンゼン(TCNB)をドープしたPVAフィルムに330MeV,Ar及び220MeV,Cイオンを照射したところ、340-480nmにTCNBアニオンラジカルに相当する吸収スペクトルが得られた。その生成量は両イオン照射において共に低フルエンス領域で増加、高フルエンス領域で減少することが分かった。1個のイオンによって引き起こされる領域をケミカルトラックとして、ラジカル生成量のフルエンス依存性をシミュレーションしたところ、Arでは50nm、Cでは20nmの半径を持つことが分かった。
田口 光正; 青木 康; 南波 秀樹; 渡辺 立子*; 松本 裕一*; 平塚 浩士*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 132(1), p.135 - 141, 1997/00
被引用回数:8 パーセンタイル:56.75(Instruments & Instrumentation)TIARA内のサイクロトロンに接続した垂直ポートに時間分解発光測定を行うためのシングルフォトンカウンティングシステムを構築した。高分子フィルム中のナフタレンにArイオン照射したところ、S励起状態からの発光が観測された。さらに発光減衰を測定したところ早い成分が観測され、LET依存性を示すことが分かった。これはシミュレーションの結果、LETの増加にともない励起される分子の数が相対的に増えることが原因であることが分かった。
田口 光正; 木村 敦; 大谷 仁巳*; 嶋田 好孝*; 平塚 浩士*; 南波 秀樹; 小嶋 拓治
no journal, ,
実排水中では共存する有機化合物によって、Co-線による内分泌撹乱化学物質(EDCs)の分解反応阻害が予測されるため、あらかじめ排水にEDCsを添加した模擬排水を調整して、EDCsの分解率と排水中の全炭素濃度の相関関係から、実排水の処理に必要な線量を求めた。この結果、実排水中に含まれるEDCsは模擬排水結果から得られた予測に整合して減衰し、約1kGyで活性が消失することがわかった。またYeast two hybrid assayにより、17-エストラジオールなどの天然由来の女性ホルモンとアルキルフェノール類などの人工のEDCsの存在比を見積った。以上から、あらかじめ行う成分分析により、実排水中のEDCsの処理プロセスにおける必要線量の推測が可能となった。
木村 敦; 田口 光正; 大谷 仁己*; 平塚 浩士*; 小嶋 拓治
no journal, ,
水環境保全に関する研究の一環として、実排水中の内分泌撹乱化学物質(EDCs)の放射線照射による効率的な無害化処理を行った。分解生成物を含めたいわゆる環境ホルモン毒性の評価や排水中の夾雑物の影響を調べた。EDCsの中で最も活性が高く、人畜由来の女性ホルモンである17-エストラジオール(E2)、及び工業目的として人工的に作られEDCsの一つとして挙げられる-ノニルフェノール(NP)を放射線分解し、その分解挙動を明らかにするとともに、ELISA及びYeast two-hybrid assayを用いてそれらの分解生成物を含めた毒性を評価した。この結果、TOCと無害化に必要となる線量の関係を明らかとした。さらに、これに基づき、実際にEDCsを含む実排水を電子ビームを用いて分解するプロセスについて、コスト評価を行った。
木村 敦; 田口 光正; 永石 隆二; 平塚 浩士*; 小嶋 拓治
no journal, ,
新規環境保全技術として、放射線とイオン液体(IL)を組合せた有機ハロゲン化合物の分解に関する研究を行った。対象物質には、不揮発性の有機ハロゲン化物の典型的な化学構造を持つクロロフェノール類(CP)を用いた。para, meta, ortho-CPを異なる化学構造のカチオンとアニオンからなる10種類のILに溶解して10mMとし、窒素ガスを飽和して試料とした。各試料は線照射により脱塩素反応し(G値=0.74)、分解生成物としてフェノールが高い収率(70%)で得られた。極性溶媒に溶解したCPの放射線分解では、CPの分解率及びフェノールの収量は、para, meta, orthoの順に増加した。したがって、IL中では、CPの塩素置換位置による立体障害の影響を受けることなく、脱塩素反応が進行すると考えられる。また、ILの粘性の増加に伴い、CPの分解率及びフェノールの収量が増加した。
木村 敦; 田口 光正; 平塚 浩士*; 小嶋 拓治
no journal, ,
新規環境保全技術の開発として、放射線とイオン液体(IL)を組合せた有機ハロゲン化合物の還元処理に関する研究を行った。対象物質には、不揮発性の有機ハロゲン化物の典型的な化学構造を持つクロロフェノール(CP)を用いた。カチオンとアニオンの化学構造に系統性を持たせた約10種類のILに、塩素の置換位置の異なるo-CP, m-CP, p-CPを濃度10mMで溶解したものを試料とした。各CPは線照射により脱塩素反応し(G値=0.74)、還元反応生成物としてフェノールが高い収率(70%)で得られた。メタノールなど極性溶媒に溶解したCPの放射線分解では、CPの分解率及びフェノールの収量は、p-, m-, o-の順に増加した。一方、IL中では、CPの還元,フェノールの生成収率ともに塩素置換位置による影響は観測されなかった。また、両収率はILの極性に対し相関性は見られないものの、粘度に対しては正の相関性が見られた。
木村 敦; 田口 光正; 大谷 仁己*; 平塚 浩士*; 小嶋 拓治; 広田 耕一
no journal, ,
生物のし尿や工業排水の影響により、河川や湖沼には、極低濃度にもかかわらず水生生物のホルモン作用に重篤な影響を与える物質(内分泌かく乱化学物質: EDCs)の存在が報告されている。現在、下水処理場では活性汚泥処理法によって有害物質を除去しているが、この方法では難分解性であるEDCsの除去は困難である。この問題を解決するため、高い酸化力を有するOHラジカルを利用した高度酸化処理法が考案され、盛んに研究されてきた。その一つである放射線照射法は、排水の濁度の影響を受けないことや化学薬品を使用しないなどの特長を有する。本研究では、最初に代表的な水環境中EDCsとして挙げられる17-エストラジオール(E2)、及び-ノニルフェノール(NPs)について、化学的・生物学的な評価法を取り入れて、放射線分解挙動に関する研究を行った。続いて河川より実排水を採取し、その分解挙動を明らかにするとともに、電子線加速器を使った場合のコスト評価を行った。