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論文

Heavy-ion induced anomalous charge collection from 4H-SiC Schottky barrier diodes

牧野 高紘; 出来 真斗; 岩本 直也; 小野田 忍; 星乃 紀博*; 土田 秀一*; 平尾 敏雄*; 大島 武

IEEE Transactions on Nuclear Science, 60(4), p.2647 - 2650, 2013/08

 被引用回数:18 パーセンタイル:79.79(Engineering, Electrical & Electronic)

SiCデバイスのイオン誘起破壊現象研究の一環として、逆方向電圧を印加したn型六方晶(4H)SiCショットキーダイオードへ重イオンを照射し、ダイオード内で収集される電荷量を測定した。その結果、イオンの飛程がエピタキシャル層厚と同等、もしくはそれ以上の場合に、本来、入射イオンがイオンダイオード内に生成する電荷量を越えた多量の電荷収集が発生することが観測された。解析の結果、ショットキーダイオードにおける過剰な電荷収集においては、イオンの飛程とエピタキシャル層厚の関係が重要なパラメータであり、エピタキシャル層と基板の界面付近で発生した電荷によりポテンシャルが変動し、基板側から電荷が流れ込むという描像で説明できることが見いだされた。

論文

Breakdown voltage in silicon carbide metal-oxide-semiconductor devices induced by ion beams

大島 武; 出来 真斗; 牧野 高紘; 岩本 直也; 小野田 忍; 平尾 敏雄*; 児島 一聡*; 富田 卓朗*; 松尾 繁樹*; 橋本 修一*

AIP Conference Proceedings 1525, p.654 - 658, 2013/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.05(Physics, Applied)

炭化ケイ素(SiC)半導体デバイスのシングルイベント現象(SEGR)を把握するため、SiCエピタキシャル膜に金属-酸化膜-半導体キャパシタ(MOS)を作製し、イオン入射によりMOSキャパシタの酸化膜から検出される漏れ電流を調べた。n型六方晶(4H)SiCエピタキシャル基板上に1100$$^{circ}$$C、60分間の水素燃焼酸化を行うことで60$$sim$$80nmのゲート酸化膜を形成し、Al金属蒸着によりMOSキャパシタを作製した。作製したMOSキャパシタのゲート電極に電圧を印加した状態で、18MeVの酸素(O)又はニッケル(Ni)イオンを照射し、照射中にゲート酸化膜から検出される漏れ電流を測定した。その結果、18MeV-Oイオン照射の場合、未照射試料でのゲート酸化膜絶縁破壊電界8.2MV/cmまで漏れ電流の急激な変化はないが、18MeV-Niイオンでは7.3MeV/cmの電界強度で漏れ電流の急激な上昇が観測されSEGRが発生することが明らかとなった。18MeV-Oの線エネルギー付与(LET)が7MeVcm$$^{2}$$/mgであるのに対し、Niは24MeVcm$$^{2}$$/mgであることから、Niの場合、Oに比べ高密度のエネルギーが付与されSEGRに至ったと結論できる。

論文

Suppression of heavy-ion induced current in SOI device

小倉 俊太*; 小宮山 隆洋*; 高橋 芳浩*; 牧野 高紘; 小野田 忍; 平尾 敏雄*; 大島 武

Proceedings of 10th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-10) (Internet), p.127 - 129, 2012/12

宇宙環境で半導体デバイスを使用する場合、重イオン照射誘起電流に起因したシングルイベント現象が問題となる。SOIデバイスは高い耐放射線性が予想されるものの、支持基板で発生した電荷の埋め込み酸化膜(BOX膜)を介した収集を示唆する報告があり、われわれはこれまでに、酸化膜を介した照射誘起電流の主成分は変位電流であることを明らかにしている。また、支持基板への電圧印加や、活性層と支持基板に逆性の半導体を用いることにより、重イオン照射誘起電流の抑制が可能となることも示した。本研究では実デバイスへの適用を目的に、支持基板の低抵抗化による照射誘起電流の抑制について検討を行った。実験は、SOI基板上にp$$^+$$nダイオードを作製して行った。活性層と支持基板がn形のn/nデバイス、及び低抵抗率の支持基板を有するn/n$$^+$$デバイスの2種類を作製した。イオン照射の結果、照射誘起収集電荷量が減少した。この結果より、支持基板の低抵抗化がSOIデバイスの放射線耐性向上において重要となることを確認した。本手法は活性層のデバイスのタイプ(MOSFETの場合はチャネルタイプ)によらず適用可能であり、実デバイスへの応用が期待できる。

論文

Relationship between soft error rate in SOI-SRAM and amount of generated charge by high energy ion probes

迫間 昌俊*; 阿保 智*; 増田 直之*; 若家 富士男*; 小野田 忍; 牧野 高紘; 平尾 敏雄*; 大島 武; 岩松 俊明*; 尾田 秀一*; et al.

Proceedings of 10th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-10) (Internet), p.115 - 118, 2012/12

Soft Error Rates (SERs) in Partially Depleted (PD) Silicon-On-Insulator (SOI) Static Random Access Memories (SRAMs) with a technology node of 90 nm have been investigated by hydrogen (H), helium (He), lithium (Li), beryllium (Be), carbon (C) and oxygen (O) ions, accelerated up to a few tens of MeV using a tandem accelerator. The SERs increased with increasing the amount of the generated charge in the SOI body by a floating body effect, even if the amount of the generated charge was less than the critical charge. The SERs with the generated charge in the SOI body more than the critical charge were almost constant. These results suggest that the floating body effect induces soft errors by enhancing the source-drain current and increasing the body potential.

論文

Novel thienyl-dibenzothiophene oligomers end-capped by hexylphenyl groups as potential organic semiconductor materials

Duan, Z.*; Yang, Z.*; 星野 大樹*; 平尾 敏雄; 田口 光正; 大内 啓邦*; 柳 雄一郎*; 西岡 泰城*

Molecular Crystals and Liquid Crystals, 567(1), p.28 - 33, 2012/09

 被引用回数:3 パーセンタイル:42.67(Chemistry, Multidisciplinary)

近年、有機発光素子(OLEDs)や太陽電池,有機電界効果トランジスターなどに適した光電気特性を有する$$pi$$共役系高分子やオリゴマーが注目されている。これまでの研究により、ジベンゾチオフェンオリゴマーの主鎖にフェニレン基を導入することでHOMO(最高被占分子軌道)レベルが下がることや、酸化反応に対する耐性が上がることがわかってきた。本研究では、ジベンゾチオフェンの両端、2,8位あるいは3,7位にチエニル基を結合させ、さらにその外側にフェニレン基を導入した2種類のオリゴマーを分子設計し、化学合成した。光吸収,発光,電気化学特性,熱安定性を測定した結果、合成した2種類のオリゴマーは、分子設計通り耐酸化性が増大し、HOMOレベルが-5.50あるいは-5.31eVまで低下した。本オリゴマーは、OLEDsにおける電子輸送物質として利用されることが期待される。

論文

$$gamma$$-ray irradiated organic thin film transistors based on perfluoropentacene with polyimide gate insulator

高柳 佑太郎*; 大内 啓邦*; Duan, Z.*; 奥川 孝紀*; 柳 雄一郎*; 吉田 哲*; 田口 光正; 平尾 敏雄; 西岡 泰城*

Journal of Photopolymer Science and Technology, 25(4), p.493 - 496, 2012/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Polymer Science)

有機薄膜トランジスタは軽量でフレキシブルなため、宇宙船や人工衛星への利用が期待されている。そこで、シリコン/ポリイミド/パーフルオロペンタセン/金構造を有するN型トランジスタを作製し、その耐放射線性を評価した。宇宙船に4年間積載した線量に相当する1200Gyの$$gamma$$線を照射したところ、ドレイン電流値は徐々に増加した。スレショルド電圧は400Gyの照射で33V程度から25V程度まで減少するものの、600Gy以上の照射で一時的に回復する傾向が見られた。一方、キャリアのモビリティは1200Gyまでほぼ一定であった。以上のことは、ポリイミド界面に蓄積した正孔の影響を考慮することにより説明できた。

論文

Effect of a body-tie structure fabricated by partial trench isolation on the suppression of floating body effect induced soft errors in SOI SRAM investigated using nuclear probes

阿保 智*; 増田 直之*; 若家 富士男*; 小野田 忍; 牧野 高紘; 平尾 敏雄; 大島 武; 岩松 俊明*; 尾田 秀一*; 高井 幹夫*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 269(20), p.2360 - 2363, 2011/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:19.86(Instruments & Instrumentation)

埋め込み酸化膜を有するSOIデバイスは、高い耐放射線性が期待されているが、SOIデバイス特有の基板浮遊効果の影響で、従来のバルクによるSEU発生と異なるソフトエラーが発生するという報告がある。現在はその対策としてボディー電位構造を採用し基板浮遊効果を抑制している。本研究では、この構造を有したSOI SRAMにヘリウム,酸素イオンマイクロビームを照射して、ボディー電位固定構造がソフトエラー耐性に与える影響を検証した。ヘリウムイオン照射ではボディー電位固定構造のため金属パットに近い位置でのソフトエラー発生は少なくなった。これは動作領域での過剰キャリアの生成量がしきい値電荷以下であり、基板浮遊効果を抑制したと考えられる。一方、酸素イオンでは、動作領域での過剰キャリア生成量がしきい値電荷よりも大きいため、ボディー電位固定構造に関係なくソフトエラーの発生が観測された。

論文

$$^{60}$$Co$$gamma$$-ray irradiation effects on pentacene-based organic thin film transistors

Cai, L.*; 平尾 敏雄; 矢野 博明*; Duan, Z.*; 高柳 佑太郎*; 植木 秀治*; 大島 武; 西岡 泰城*

Materials Science Forum, 687, p.576 - 579, 2011/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:81.92(Engineering, Electrical & Electronic)

無機材料を用いた電子デバイスに替わるものとして有機半導体を用いた電子デバイスが近年注目されている。特に誘電体材料としてベンゼン構造を有するペンタセンが見いだされ、GaAsに匹敵する移動度が得られるようになったことで有機デバイスの開発が盛んになっている。本研究では、有機デバイスの電気特性に及ぼす放射線の影響について評価を行った。実験にはトップコンタクト型のペンタセン/酸化膜/シリコン及びペンタセン/ポリイミド/シリコンから構成されたOTFTs(Organic thin films field effect transistor)を用いた。試料へコバルト$$gamma$$線を、照射線量率200Gy/hで全線量1200Gyまで照射した。その結果、両試料とも照射量の増加に伴い出力電流(ドレイン電圧ードレイン電流)が減少すること、さらにその減少が移動度の低下に依存することが明らかとなった。また、絶縁層として用いた酸化膜とポリイミドについては、ポリイミドの方の放射線による劣化が少ない傾向を示すことがわかった。

論文

Characterization of microdose damage caused by single heavy ion observed in trench type power MOSFETs

久保山 智司*; 丸 明史*; 池田 直美*; 平尾 敏雄; 田村 高志*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 57(6), p.3257 - 3261, 2010/12

 被引用回数:16 パーセンタイル:72.36(Engineering, Electrical & Electronic)

パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)は人工衛星等の電源機器を構成するうえで不可欠な電子デバイスである。最近のLSIの高集積化によって3.3V以下の低電圧電源が必要となっており、現在、この電圧範囲でより高効率な動作が可能なトレンチ型パワーMOSFETの宇宙適用が検討されている。トレンチ型パワーMOSFETでは、単発の重イオン入射によって特性が大きく劣化する現象が発見されているが、カクテルイオンを用いた照射試験を行い、パワーMOSFETの閾値電圧の変化を解析した結果、この現象が微細領域におけるトータルドーズ効果の結果として発生することが明らかとなった。

論文

DICE-based flip-flop with SET pulse discriminator on a 90 nm bulk CMOS process

丸 明史*; 新藤 浩之*; 海老原 司*; 槇原 亜紀子*; 平尾 敏雄; 久保山 智司*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 57(6), p.3602 - 3608, 2010/12

 被引用回数:12 パーセンタイル:62.3(Engineering, Electrical & Electronic)

近年の微細化プロセス用を用いて作製された半導体回路は、放射線に対して非常に敏感になってきている。この問題を解決するため、シングルイベント誤動作(SET)に対して特に強いとされているメモリ回路であるDICE(Dual Interlocked Storage Cell)を基本にしたSET対策付きフリップフロップを、90nmバルクCMOSプロセスを用いて設計し、SET耐性について、現行のTMR(Triple Modular Redundant)との比較を行った。その結果、DICE回路は、TMRと同等のSET耐性を維持しつつ、小面積化が図れるという特長があることが明らかとなった。また、同プロセスにてDICEベースのSET対策付きラッチ回路を搭載したTEGデバイスを製造し、耐性評価を実施した。TIARA施設のカクテルビームを用いて、イオン入射角度依存性を調べたところ、ある限定した角度照射において、放射線感度が非常に高くなるという新たな現象が見いだされた。

論文

Estimation of digital single event transient pulse-widths in logic cells from high-energy heavy-ion-induced transient current in a single MOSFET

牧野 高紘; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; 小林 大輔*; 池田 博一*; 廣瀬 和之*

Proceedings of 9th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-9), p.169 - 172, 2010/10

これまで、われわれは、ソフトエラーの一因となるLSI内で発生する放射線誘起ノイズパルスの時間幅の測定を行ってきた。この測定には、LSI内にノイズパルス時間幅測定用の特殊な回路を組み込む必要があった。今回われわれは、LSIを構成する最小単位であるトランジスタ一個に注目し、その単体トランジスタのイオン入射過渡応答を測定した。そして、その過渡応答とLSIを構成する他のトランジスタとの相互作用を考慮することでLSIで発生するパルス幅の導出に成功した。今回の実証によって、ノイズパルスの幅を測定する特殊な回路をLSIへ組み込むことなく、従来の手法に比べて高速かつ簡単にノイズパルス幅を推定することが可能となった。また、従来の組み込み回路での測定は、測定の時間分解能が回路の時定数(70ps)で決まっていたのに対し、本手法では、測定の時間分解能がオシロスコープの時間分解能(20ps)で決まるため、大幅に推定精度が向上した。

論文

Characterization of microdose damage caused by single heavy ion observed in trench type power MOSFETs

池田 直美*; 久保山 智司*; 丸 明史*; 平尾 敏雄; 阿部 浩之; 田村 高志*

Proceedings of 9th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-9), p.163 - 166, 2010/10

トレンチ構造パワーMOSFETは従来構造品よりも高性能であるが、1粒子の重イオンの入射によりマイクロドーズ効果に起因する大きな劣化がみられる。本研究では、重イオン照射実験を行ってマイクロドーズ効果を測定し、劣化を特徴付ける実験的パラメータを抽出した。マイクロドーズ効果は、溝型ゲートの壁面付近に壁面に沿って垂直にイオンが入射した際に影響が最大となることが判明した。複数の重イオンの垂直入射を行った試験データから、イオンの軌跡に沿って発生するマイクロドーズの影響範囲(等価的な幅及び長さ)及び等価ドーズ量を抽出することに成功した。その結果、イオンのLETが大きくなるとマイクロドーズ効果が影響を及ぼす等価長さがゲート酸化膜厚に近づき、1イオン粒子で大きな劣化が引き起こされることが判明した。また、これらのパラメータはシリコンの物性パラメータを用いてシミュレーションしたドーズプロファイルの結果とほぼ一致することがわかった。

論文

Heavy-ion induced current in SOI junction diode

高橋 芳浩*; 竹安 秀徳*; 岡崎 勇志*; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 大島 武

Proceedings of 9th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-9), p.173 - 175, 2010/10

SOI(Silicon on Insulator)上に作製したpnダイオードにおける重イオン照射誘起電流について検討を行った。逆バイアス印加時の試料に18MeV酸素イオンを照射した結果、理論的に活性層で発生する電荷に比べ多量の電荷が発生することが観測された。解析の結果、これは支持基板内で発生した電荷の収集(変位電流による)によるものと確認された。これより、SOIデバイスの放射線耐性向上のためにはBOXを介した変位電流抑制が重要であることが判明した。シミュレーションにより、支持基板のタイプや不純物密度が収集電荷量に及ぼす影響を評価した結果、支持基板を高不純物濃度化するなどの方法で支持基板表面の空乏層幅を減少させることにより、BOX層を介した電荷収集が抑制可能であることが見いだされた。

論文

Evaluation of soft errors using nuclear probes in SOI SRAM with body-tie structure fabricated by partial trench isolation

阿保 智*; 増田 直之*; 若家 富士男*; 小野田 忍; 牧野 高紘; 平尾 敏雄; 大島 武; 岩松 俊明*; 尾田 秀一*; 高井 幹夫*

Proceedings of 9th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-9), p.72 - 75, 2010/10

Partial Trench Isolation(PTI)技術を用いて作製したボディ電位固定構造の基板浮遊効果抑制力の影響を検証するため、SOI SRAMのソフトエラー発生率評価をHe及びOイオンで行った。また、同様の構造をTCAD上に再現し、SRAMではなく単体トランジスタにイオンが入射したときにドレイン電極に捕集される電荷量の計算も行った。Heイオンを用いた実験では、5.0及び6.0MeVのエネルギー領域で、ボディ電極から電極パッドまでの距離が遠くなるにつれてソフトエラー発生率が高くなった。解析の結果これは、基板浮遊効果抑制力がボディ電極と電極パッドの距離により変化することで解釈された。また、実験結果とTCADシミュレーション結果から、本実験で用いたSOI SRAMの実際のしきい値電荷は1.1-1.2fCであることがわかった。一方、酸素イオンを用いた実験では、13.5, 15.0, 18.0MeVの照射で、距離に関係なくソフトエラー発生率が一定となった。これは、ドレインで捕集される電荷量が距離にかかわらず、しきい値電荷よりも多くなるためである。以上より、PTIを用いて作製したボディ電位固定構造は、電極パッドからボディ電極までの距離により基板浮遊効果の抑制力に差があることを明らかにした。

論文

DICE based flip-flop with SET pulse discriminator on a 90 nm bulk CMOS process

丸 明史*; 久保山 智司*; 新藤 浩之*; 海老原 司*; 槇原 亜紀子*; 平尾 敏雄; 田村 高志*

Proceedings of 9th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-9), p.64 - 67, 2010/10

近年の微細化プロセスを用いて作製された半導体回路は、放射線に対して非常に敏感になってきている。この問題を解決するためシングルイベント誤動作(SET)に対して特に強いとされているメモリ回路であるDICE(DualInterlocked Storage Cell)を基本にしたSET対策付きフリップフロップを、90nmバルクCMOSプロセスを用いて設計し、従来のTMR(Triple Modular Redundant)技術と動作速度・面積について比較を行った。その結果、TMRとDICE回路を、同等のSET耐性を持つように設計した場合、DICEはTMRよりも動作速度・面積ともにアドバンテージがあることが明らかとなった。また、同プロセスにてDICEベースのSET対策付きラッチ回路を搭載したTEGデバイスを製造し耐性の放射線照射試験を実施した。TIARA施設のカクテルビームを用いてイオン入射角度依存性を調べたところ、ある限定した角度照射において、放射線感度が非常に高くなるという現象が見いだされた。

論文

Electrical characteristics of $$^{60}$$Co $$gamma$$-ray irradiated pentacene-based organic thin film field effect transistors

Cai, L.*; 平尾 敏雄; 矢野 博明*; Duan, Z.*; 高柳 秀治*; 植木 秀治*; 大島 武; 西岡 泰城*

Proceedings of 9th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-9), p.176 - 178, 2010/10

近年、有機デバイスは液晶ディスプレイをはじめ、さまざまな分野に利用展開が考えられている。本研究では、宇宙応用を見据え、酸化膜又はポリイミド上に作製したペンタセントランジスタの$$gamma$$線照射効果を評価した。照射線量率200Gy/hで総線量として1200Gyまで照射した。その結果、照射量の増加に伴い出力電流(ドレイン電圧-ドレイン電流)が減少すること、さらにその減少が移動度の低下に依存することが明らかとなった。また、絶縁材として用いた酸化膜とポリイミドについては、ポリイミド上のペンタセントランジスタの方が放射線による劣化が少ないという傾向を示した。

論文

Evaluation of soft error rates using nuclear probes in bulk and SOI SRAMs with a technology node of 90 nm

阿保 智*; 増田 直之*; 若家 冨士男*; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; 岩松 俊明*; 高井 幹夫*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 268(11-12), p.2074 - 2077, 2010/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:28.83(Instruments & Instrumentation)

バルクシリコンもしくはSOI(Silicon on Insulator)基板上に作製された技術ノード90nmのSRAM(Static Random Access Memory)素子のソフトエラー耐性評価を、0.8-6.0MeVのヘリウムイオンプローブ及び9.0-18.0MeVの酸素イオンプローブを用いて行った。ヘリウムを用いたバルクSRAMとSOI SRAMのソフトエラー発生率と照射エネルギーの比較では、バルクSRAMでは、2.5MeV以上のエネルギーのヘリウム照射でソフトエラー発生率が飽和することに対して、SOI SRAMではSOIボディで発生する電荷量が最大となる2.5MeVでソフトエラー発生率が最大となり、それより高いエネルギーでは減少することを明らかにした。SOI SRAMへのヘリウム照射では、SOIボディで発生する電荷量は臨界電荷以下であるため、ソフトエラーはSOI素子特有の基板浮遊効果で引き起こされていると考えられる。酸素を用いたSOI SRAMのソフトエラー発生率と照射エネルギーの関係では、ヘリウムと異なり、SOIボディで発生する電荷量が臨界電荷より多くなるため、ソフトエラー率は高いエネルギーのイオン照射であっても減少せず飽和することを明らかにした。

論文

Current transient effect in N-channel 6H-SiC MOSFET induced by heavy ion irradiation

Lee, K. K.*; Laird, J. S.*; 大島 武; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 伊藤 久義

Materials Science Forum, 645-648, p.1013 - 1016, 2010/04

六方晶(6H)炭化ケイ素(SiC)の電界効果トランジスタ(MOSFET)に対して重イオンを照射した際、ドレイン,ソース、及び背面電極において発生する過渡電流を計測した。その結果を、半導体デバイスシミュレータ(TCAD)を用いて解析した結果、MOSFETが動作していないOFF状態であっても、動作状態であっても、MOSFETのソース-ウェル-ドレインからなる寄生バイポーラトランジスタが原因となる両極性の過渡電流が発生することがわかった。

論文

Soft-error rate in a logic LSI estimated from SET pulse-width measurements

牧野 高紘; 小林 大輔*; 廣瀬 和之*; 高橋 大輔*; 石井 茂*; 草野 将樹*; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武

IEEE Transactions on Nuclear Science, 56(6), p.3180 - 3184, 2009/12

 被引用回数:13 パーセンタイル:64.74(Engineering, Electrical & Electronic)

論理LSIにおける放射線起因のソフトエラー率を、放射線によって論理LSIを構成する論理素子内に誘起されるシングルイベントトランジェント(SET)電圧パルス幅の測定結果より推定した。実験には0.2-$$mu$$m FD-SOI(Fully Depleted Silicon on Insulator)技術を用いたNOT回路又はNOR回路を用い、322MeV Krイオン照射により得られたSETパルス幅の実測を行った。測定結果と回路構成を考慮した理論解析を用い論理LSIにおけるソフトエラー率を推定した。その結果、論理LSIにおける放射線起因のソフトエラー率を直接測定した結果と一致し、本手法の妥当性を検証できた。

論文

Verification of soft-error rate estimation method in a logic LSI

牧野 高紘; 小野田 忍; 平尾 敏雄; 大島 武; 小林 大輔*; 廣瀬 和之*

Proceedings of the 28th Symposium on Materials Science and Engineering, Research Center of Ion Beam Technology Hosei University, p.35 - 40, 2009/12

これまで、論理素子で発生するSET(Single Event Transient)パルスの発生率とフリップフロップ(FF)のSetup-hold timeからソフトエラー率を推定式する手法を提案し実証した。だたし、この推定を行うためには、SETパルスの幅を測定する特殊な回路の設計、製作が必要であった。今回、論理素子を構成する複数個のトランジスタのうちの一つに注目し、その単体トランジスタのイオン入射過渡応答を測定した。そして、その過渡応答と論理素子を構成する他のトランジスタとの相互作用を考慮し、論理素子で発生するSETパルスの幅を導出した。今回の実証によって、SETパルスの幅を測定する特殊な回路の設計、製作が必要なく、従来の手法に比べて高速かつ簡単にソフトエラー率を推定することが可能となった。

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