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論文

Recent progress in ionic liquid extraction for the separation of rare earth elements

岡村 浩之; 平山 直紀*

Analytical Sciences, 37(1), p.119 - 130, 2021/01

 被引用回数:30 パーセンタイル:77(Chemistry, Analytical)

本総説は、抽出溶媒としてイオン液体(IL)を用いた希土類元素(REE)の溶媒抽出における最近の進展をまとめたものである。これらのイオン液体抽出系は、従来の有機溶媒抽出系とは異なり、荷電疎水性種と無電荷疎水性種の両方に対して親和性を有することが大きな利点である。本稿では、イオン液体を用いた希土類元素抽出研究を抽出系の種類に基づいて分類し詳述する。イオン液体抽出系では、有機溶媒系とは異なる抽出錯体が形成されやすく、希土類元素の抽出効率および分離効率が大幅に向上することが多い。イオン液体協同効果抽出は、希土類元素の抽出能および分離能を向上させるための効果的な方法である。イオン液体抽出系に適した新しいTSIL (task-specific ionic liquid)の開発も希土類元素分離に有効である。

論文

Synergistic enhancement of the extraction and separation efficiencies of lanthanoid(III) ions by the formation of charged adducts in an ionic liquid

岡村 浩之; 水野 正義*; 平山 直紀*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*

Industrial & Engineering Chemistry Research, 59(1), p.329 - 340, 2020/01

 被引用回数:15 パーセンタイル:57.71(Engineering, Chemical)

本研究では、イオン液体1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N])において2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)とトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を用いたランタノイド(III) (Ln(III))イオンのイオン液体協同効果抽出と抽出平衡を検討した。[C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N]においてHttaとTOPOを併用すると重Ln(III)イオン選択的な協同効果が発現し、Ln(III)イオン間の分離能が向上した。Htta-TOPO系におけるLn(III)の抽出種と抽出定数を三次元抽出平衡解析により求めた。その結果、Htta-TOPO系における重Ln(III)イオン選択的な協同効果は、[C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N]中におけるLn(tta)$$_{2}$$(TOPO)$$_{3}$$$$^{+}$$, Ln(tta)(TOPO)$$_{3}$$$$^{2+}$$などの疎水性の荷電付加物の形成に起因することが示された。

論文

Specific cooperative effect of a macrocyclic receptor for metal ion transfer into an ionic liquid

岡村 浩之; 池田 篤史*; 斉藤 拓巳*; 青柳 登; 長縄 弘親; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 下条 晃司郎

Analytical Chemistry, 84(21), p.9332 - 9339, 2012/11

 被引用回数:23 パーセンタイル:62.46(Chemistry, Analytical)

An intramolecular cooperative extraction system for the removal of strontium cations (Sr$$^{2+}$$) from water by use of a novel macrocyclic receptor (H$$_{2}$$$$beta$$DA18C6) composed of diaza-18-crown-6 and two $$beta$$-diketone fragments in ionic liquid (IL) is reported, together with X-ray spectroscopic characterization of the resulting extracted complexes in the IL and chloroform phases. The covalent attachment of two $$beta$$-diketone fragments to a diazacrown ether resulted in a cooperative interaction within the receptor for Sr$$^{2+}$$ transfer, which remarkably enhanced the efficiency of Sr$$^{2+}$$ transfer relative to a mixed $$beta$$-diketone and diazacrown system. The intramolecular cooperative effect was observed only in the IL extraction system, providing a 500-fold increase in extraction performance for Sr$$^{2+}$$ over chloroform. Slope analysis and potentiometric titration confirmed that identical extraction mechanisms operated in both the IL and chloroform systems. Extended X-ray absorption fine structure spectroscopy revealed that the average distance between Sr$$^{2+}$$ and O atoms in the Sr$$^{2+}$$ complex was shorter in IL than in chloroform. Consequently, Sr$$^{2+}$$ was held by H$$_{2}$$$$beta$$DA18C6 more rigidly in IL than in chloroform, representing an important factor dominating the magnitude of the intramolecular cooperative effect of H$$_{2}$$$$beta$$DA18C6 for Sr$$^{2+}$$.

論文

Laser-induced fluorescence and infrared spectroscopic studies on the specific solvation of tris(1-(2-thienyl)-4,4,4-trifluoro-1,3-butanedionato)europium(III) in an ionic liquid

岡村 浩之; 坂江 広基*; 木谷 径治*; 平山 直紀*; 青柳 登; 斎藤 拓巳*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*

Polyhedron, 31(1), p.748 - 753, 2012/01

 被引用回数:28 パーセンタイル:87.66(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

The extraction constant and the two-phase stability constant of tris(2-thenoyltrifluoroacetonato) europium(III) between 1-butyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide ([C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N]) as an ionic liquid and an aqueous phase were determined by considering the extraction equilibria. Specific solute-solvent interactions between the neutral Eu(III) chelate and [C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N] molecules were revealed from the relationships between the distribution constant of the enol form of 2-thenoyltrifluoroacetone (Htta) and the distribution constant ($$K$$$$_{rm D,M}$$) of the neutral Eu(III) chelate. The coordination environment of Eu$$^{3+}$$ in the neutral Eu(III) chelate in [C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N] was investigated by time-resolved laser-induced fluorescence spectroscopy and infrared absorption spectroscopy. Both methods consistently indicated that not only the Eu(III)chelate extracted but also Eu(tta)$$_{3}$$(H$$_{2}$$O)$$_{3}$$ synthesized as a solid crystal were almost completely dehydrated in [C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N] saturated with water. Consequently, the higher $$K$$$$_{rm D,M}$$ or extractability of the neutral Eu(III) chelate in the [C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N] system can be ascribed to the dehydration of the Eu(III) chelate, which is caused by the specific solvation with [C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N] molecules.

論文

Synergistic effect of 18-crown-6 derivatives on chelate extraction of lanthanoids(III) into an ionic liquid with 2-thenoyltrifluoroacetone

岡村 浩之; 平山 直紀*; 森田 耕太郎*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*

Analytical Sciences, 26(5), p.607 - 611, 2010/05

 被引用回数:54 パーセンタイル:85.17(Chemistry, Analytical)

The synergistic effect of 18-crown-6 derivatives, such as 18-crown-6 (18C6), ${it cis}$-dicyclohexano-18-crown-6 (DC18C6) and dibenzo-18-crown-6 (DB18C6), on the extraction of trivalent lanthanoids (Ln$$^{3+}$$) into an ionic liquid, 1-butyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide, with 2-thenoyltrifluoroacetone (Htta) was investigated. The extractability of lighter Ln$$^{3+}$$ was enhanced by adding 18C6 or DC18C6, whereas no enhancement of the extractability was observed by adding DB18C6. Moreover, the synergistic effect by the crown ether (CE) was increased along with the decrease in the atomic number of Ln. In the synergistic extraction system, Ln$$^{3+}$$ was extracted as cationic ternary complexes Ln(tta)$$_{2}$$(CE)$$^{+}$$ and Ln(tta)(CE)$$^{2+}$$, and it was suggested that the formation of the Ln(tta)(CE)$$^{2+}$$ complex as an extracted species results in the large synergistic effect. This synergistic effect originated in a size-fitting effect of CE on complexation to Ln$$^{3+}$$.

論文

Cooperative intramolecular interaction of diazacrown ether bearing $$beta$$-diketone fragments on an ionic liquid extraction system

下条 晃司郎; 岡村 浩之; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 長縄 弘親

Dalton Transactions, 2009(25), p.4850 - 4852, 2009/07

本研究では、$$beta$$-ジケトン部位を2つ有するクラウンエーテル(H2$$beta$$DA18C6)を新規に合成し、イオン液体及びクロロホルムへのストロンチウムイオン(Sr$$^{2+}$$)の抽出挙動について検討した。また、$$beta$$-ジケトン(HPMBP)単独系,ジベンジルジアザクラウンエーテル(DBzDA18C6)単独系及び両者を単に混合させた系においても同様に検討を行い、配位子の性能評価を行った。クロロホルムを用いた場合HPMBP単独系及びDBzDA18C6単独系ではSr$$^{2+}$$の抽出は起こらないが、両者を混合した場合において協同効果が働き、定量的な抽出が可能となった。またH2$$beta$$DA18C6系においても定量的な抽出が可能であったが、混合系との抽出挙動に大きな違いは見られなかった。一方、イオン液体を用いた場合、HPMBP単独系では抽出が起こらないがDBzDA18C6単独系ではpHの増加とともに抽出が進行した。両者の混合系は、DBzDA18C6単独系と同様の抽出挙動を示したことから、Sr$$^{2+}$$の抽出においてHPMBPは関与していないことが示唆された。しかし、H2$$beta$$DA18C6の抽出能は混合系と比較して劇的に向上し、より酸性側でSr$$^{2+}$$の抽出が可能になった。これは、イオン液体系を用いることでH2$$beta$$DA18C6の分子内協同効果が発現し、Sr$$^{2+}$$に対する抽出能が向上したものと考えられる。

口頭

$$beta$$-ジケトンとクラウンエーテルを用いるランタノイドのイオン液体協同抽出系の構築

岡村 浩之; 平山 直紀*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*

no journal, , 

$$beta$$ジケトン(HTTA)とクラウンエーテルを抽出剤に用いてランタノイドのイオン液体への抽出を行った。それぞれ単独の抽出剤を用いた場合、それほどランタノイドに対する抽出能は高くないが、両者の抽出剤を混合することにより協同効果が働き、大幅に抽出能が向上した。さらに、選択性も大きく変化し、$$beta$$ジケトン単独系では重希土に選択性があるものの、協同効果系では軽希土に高い選択性を示した。

口頭

大環状化合物を用いるイオン液体へのランタノイドの協同抽出

岡村 浩之; 平山 直紀*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*

no journal, , 

$$beta$$ジケトンとクラウンエーテルを抽出剤に用いてランタノイドのイオン液体への抽出を行った。それぞれ単独の抽出剤を用いた場合、それほどランタノイドに対する抽出能は高くないが、両者の抽出剤を混合することにより協同効果が働き、大幅に抽出能が向上した。さらに、選択性も大きく変化し、$$beta$$ジケトン単独系では重希土に選択性があるものの、協同効果系では軽希土に高い選択性を示した。

口頭

金属イオンのイオン液体抽出系における分子内協同効果の発現

岡村 浩之; 下条 晃司郎; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 長縄 弘親

no journal, , 

大環状化合物クラウンエーテルに金属結合能の大きい配位子を結合した新規抽出剤を合成した。この抽出剤を用いてストロンチウムの抽出をイオン液体及びクロロホルム系で行い、比較検討した。その結果、クロロホルム系では余り大きな抽出能を示さないが、イオン液体系では高い抽出能を示した。これは新規に合成した抽出剤がイオン液体系でのみ分子内協同効果を発揮するためである。また、逆抽出操作を行った結果、弱酸性水溶液を用いることで容易に抽出された金属の回収が可能であった。

口頭

$$beta$$-ジケトン部位を有するクラウンエーテルの分子内協同効果を利用したイオン液体抽出系

岡村 浩之; 下条 晃司郎; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 長縄 弘親

no journal, , 

本研究では、$$beta$$-ジケトン部位を2つ有するクラウンエーテル(H2$$beta$$DA18C6)を新規に合成し、イオン液体へのストロンチウムイオン(Sr2+)の抽出挙動について検討した。また、比較のためにクラウンエーテル(DBzDA18C6)単独系,$$beta$$-ジケトン(HPMBP)単独系及び両者を単に混合させた系、さらにクロロホルムを抽出溶媒に用いた系についても検討した。クロロホルムを用いた場合、DBzDA18C6単独系及びHPMBP単独系ではSr2+の抽出は起こらないが、DBzDA18C6+HPMBP混合系において協同効果が働き、定量的な抽出が可能となった。またH2$$beta$$DA18C6系においても定量的な抽出が可能であったが、混合系との抽出挙動に大きな違いは見られなかった。一方イオン液体を用いた場合、HPMBP単独系では抽出されないが、DBzDA18C6単独系ではpHの増加とともに抽出が進行した。DBzDA18C6+HPMBP混合系はDBzDA18C6単独系と同様の抽出挙動を示したことから、Sr2+の抽出においてHPMBPは関与していないことが示唆された。しかし、H2$$beta$$DA18C6の抽出能はDBzDA18C6+HPMBP混合系と比較して劇的に向上し、より酸性側でSr2+の抽出が可能になった。これは、イオン液体系においてH2$$beta$$DA18C6の分子内で効率的に協同効果が発現し、Sr2+に対する抽出能が向上したものと考えられる。

口頭

B-ジケトン結合クラウンエーテルの分子内協同効果とイオン液体抽出系の新展開

下条 晃司郎; 岡村 浩之; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 長縄 弘親

no journal, , 

本研究では、$$beta$$-ジケトン部位を2つ有するクラウンエーテル(H2$$beta$$DA18C6)を新規に合成し、イオン液体及びクロロホルムへのストロンチウムイオン(Sr$$^{2+}$$)の抽出挙動について検討した。また、$$beta$$-ジケトン(HPMBP)単独系,ジベンジルジアザクラウンエーテル(DBzDA18C6)単独系及び両者を単に混合させた系においても同様に検討を行い、配位子の性能評価を行った。クロロホルムを用いた場合HPMBP単独系及びDBzDA18C6単独系ではSr$$^{2+}$$の抽出は起こらないが、両者を混合した場合において協同効果が働き、定量的な抽出が可能となった。またH2$$beta$$DA18C6系においても定量的な抽出が可能であったが、混合系との抽出挙動に大きな違いは見られなかった。一方、イオン液体を用いた場合、HPMBP単独系では抽出が起こらないがDBzDA18C6単独系ではpHの増加とともに抽出が進行した。両者の混合系は、DBzDA18C6単独系と同様の抽出挙動を示したことから、Sr$$^{2+}$$の抽出においてHPMBPは関与していないことが示唆された。しかし、H2$$beta$$DA18C6の抽出能は混合系と比較して劇的に向上し、より酸性側でSr$$^{2+}$$の抽出が可能になった。これは、イオン液体系を用いることでH2$$beta$$DA18C6の分子内協同効果が発現し、Sr$$^{2+}$$に対する抽出能が向上したものと考えられる。

口頭

クラウンエーテルを用いたイオン液体協同抽出系におけるランタノイドの抽出平衡解析

岡村 浩之; 平山 直紀*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*

no journal, , 

イオン液体(IL)を抽出溶媒に、2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)を抽出剤に用いてランタノイドを抽出する際、クラウンエーテル(CE)を共存させると、軽希土の抽出が選択的に増大し、中・重希土よりも酸性側で抽出されるようになる。本研究では、ランタン(La)について抽出平衡解析を行い、IL協同抽出系における協同効果創出のメカニズムを調べた。スロープ解析の結果から、La$$^{3+}$$はおもにカチオン性三元錯体La(tta)$$_{2}$$(CE)$$^{+}$$及びLa(tta)(CE)$$^{2+}$$として抽出されていることが示された。どちらの錯体においてもCEが1分子配位しており、また、この抽出増大効果が中・重希土では見られないことから、CEの空孔とLa$$^{3+}$$とのサイズ適合が抽出増大に寄与していると考えられる。さらに、この結果より、抽出化学種であるカチオン性三元錯体は、CEの内部にLa$$^{3+}$$が結合し、さらに垂直方向からtta$$^{-}$$が1$$sim$$2分子配位したような構造であると予想される。また、さまざまなHtta及びCE濃度範囲における抽出で、五つの全抽出化学種La(tta)$$_{4}$$$$^{-}$$, La(tta)$$_{3}$$, La(tta)$$_{2}$$(CE)$$^{+}$$, La(tta)(CE)$$^{2+}$$, La(CE)$$^{3+}$$が確認できた。

口頭

イオン液体抽出系における$$beta$$-ジケトン結合クラウンエーテルの分子内協同効果

岡村 浩之; 下条 晃司郎; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 長縄 弘親

no journal, , 

本研究では、$$beta$$-ジケトン部位を二つ有するクラウンエーテル(H$$_{2}$$$$beta$$DA18C6)を新規に合成し、イオン液体へのストロンチウムイオン(Sr$$^{2+}$$)の抽出挙動について検討した。また、比較のためにクラウンエーテル(DBzDA18C6)単独系,$$beta$$-ジケトン(HPMBP)単独系及び両者を単に混合させた系、さらにクロロホルムを抽出溶媒に用いた系についても検討した。クロロホルムを用いた場合、DBzDA18C6単独及びHPMBP単独では抽出されなかったが、両者を混合させると協同効果が働き定量的な抽出が可能になった。また、H$$_{2}$$$$beta$$DA18C6を用いても抽出されたが、DBzDA18C6+HPMBP混合系に対する優位性はあまり見られなかった。これに対し、[C$$_{2}$$mim][Tf$$_{2}$$N]を用いた場合には、DBzDA18C6単独でもpHの増加とともに抽出されるようになった。DBzDA18C6+HPMBP混合系はDBzDA18C6単独系と同様の抽出挙動を示したことから、HPMBPは関与していないことが示唆された。さらに、H$$_{2}$$$$beta$$DA18C6の抽出能はDBzDA18C6+HPMBP混合系と比較して劇的に向上し、より酸性側での抽出が可能になった。これは、イオン液体系においてH$$_{2}$$$$beta$$DA18C6の分子内で擬似的な協同効果が発現し、Sr$$^{2+}$$に対する抽出能が向上したものと考えられる。

口頭

X線吸収分光法によるイオン液体中での抽出錯体の構造解析

岡村 浩之; 下条 晃司郎; 池田 篤史; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 長縄 弘親

no journal, , 

本研究では、大型放射光を用いるX線吸収分光法によってイオン液体とクロロホルムに抽出されたSr錯体の構造を解析し、イオン液体系で抽出能が向上する原因について検討を行った。動径構造関数スペクトルにおいて、類似したピーク形状を示すことから、基本的にはSr2+周囲の配位環境は同じであり、クラウンエーテル部位からの酸素が4個、窒素が2個、$$beta$$-ジケトン部位からの酸素が2個、溶媒からの酸素が1個Sr2+に配位していることが示された。イオン液体中で形成されている錯体は、クロロホルム中と比較すると、原子間距離がかなり短くなっており、このことは、H2$$beta$$DA18C6の配位がイオン液体中では強固になっていることを示唆している。つまり、イオン液体中ではSr2+と強く結合し、安定な錯体が形成されるため、クロロホルム系と比較して抽出能が向上したと考えられる。

口頭

$$beta$$-ジケトン結合クラウンエーテルを用いたイオン液体抽出系における分子内協同効果の発現

下条 晃司郎; 岡村 浩之; 池田 篤史; 斉藤 拓巳*; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 長縄 弘親

no journal, , 

本研究では、$$beta$$-ジケトン部位を2つ有するクラウンエーテル(H2$$beta$$DA18C6)を新規に合成し、イオン液体及びクロロホルムへのストロンチウムイオン(Sr$$^{2+}$$)の抽出挙動について検討した。また、$$beta$$-ジケトン(HPMBP)単独系,ジベンジルジアザクラウンエーテル(DBzDA18C6)単独系及び両者を混合させた系においても同様に検討を行い、配位子の性能評価を行った。クロロホルムを用いた場合HPMBP単独系及びDBzDA18C6単独系ではSr$$^{2+}$$の抽出は起こらないが、両者を混合した場合において協同効果が働き、定量的な抽出が可能となった。またH2$$beta$$DA18C6系においても定量的な抽出が可能であったが、混合系との抽出挙動に大きな違いは見られなかった。一方、イオン液体を用いた場合、HPMBP単独系では抽出が起こらないがDBzDA18C6単独系ではpHの増加とともに抽出が進行した。両者の混合系は、DBzDA18C6単独系と同様の抽出挙動を示したことから、Sr$$^{2+}$$の抽出においてHPMBPは関与していないことが示唆された。しかしH2$$beta$$DA18C6の抽出能は混合系と比較して劇的に向上し、より酸性側でSr$$^{2+}$$の抽出が可能になった。これは、イオン液体系を用いることでH2$$beta$$DA18C6の分子内協同効果が発現し、Sr$$^{2+}$$に対する抽出能が向上したものと考えられる。

口頭

2-テノイルトリフルオロアセトンによるユウロピウム(III)の抽出に対するイオン液体の特異な溶媒効果

岡村 浩之; 森田 耕太郎*; 平山 直紀*; 下条 晃司郎; 長縄 弘親; 井村 久則*

no journal, , 

本研究では、2-テノイルトリフルオロアセトン(Htta)を用いるイオン液体抽出系において、Eu(III)イオンの抽出定数を決定し、さまざまな溶媒に抽出されたEu(III)-tta錯体中のEu(III)の水和数との関係について議論した。log D - log [tta$$^{-}$$]$$_{aq}$$プロットを解析し、Eu(tta)$$_{3}$$及びEu(tta)$$_{4}$$$$^{-}$$の抽出定数(K$$_{ex,3}$$, K$$_{ex,4}$$')を求めたところ、log K$$_{ex,3}$$の値は、メチルイソブチルケトン(MIBK)に近い値であり、ベンゼンや1,2-ジクロロエタンよりも大きい値を示した。次に、抽出されたEu(III)-tta錯体中のEu(III)の水和数を調べた。MIBKを用いた場合、水和数は0.8であった。[C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N]中では、Eu(tta)$$_{4}$$$$^{-}$$は予想通り無水錯体であり、Eu(tta)$$_{3}$$も無水であることが明らかになった。[C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N]中でもEu(III)が8あるいは9配位構造をとるのであれば、MIBKと同様に[C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N]が溶媒和している可能性が示唆された。

口頭

Effective extraction of strontium(II) into an ionic liquid by cooperative intramolecular interaction

岡村 浩之; 下条 晃司郎; 池田 篤史*; 斎藤 拓巳*; 青柳 登; 平山 直紀*; 梅谷 重夫*; 井村 久則*; 長縄 弘親

no journal, , 

We recently reported that diaza-18-crown-6 bearing two $$beta$$-diketone fragments (H2$$beta$$DA18C6) provides a considerably high extractability of Sr$$^{2+}$$ due to a cooperative intramolecular interaction in the ionic liquid (IL) extraction system. In the present study, we have investigated the extraction capability of H2$$beta$$DA18C6 for Sr$$^{2+}$$ into 1-ethyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide ([C$$_{2}$$mim][Tf$$_{2}$$N]) and chloroform in detail. From the p$${it K}$$$$_{a}$$ measurements and the slope analysis, the transfer of Sr$$^{2+}$$ with H2$$beta$$DA18C6 into [C$$_{2}$$mim][Tf$$_{2}$$N] proceeds via a proton exchange reaction, which is identical to the extraction mechanism in the chloroform system. The superior extraction performance in the IL system is not attributed to the difference in the extraction mechanism between IL and chloroform systems. Extended X-ray absorption fine structure measurements showed that the Sr coordination environment of the Sr$$^{2+}$$-$$beta$$DA18C6 complex in [C$$_{2}$$mim][Tf$$_{2}$$N] is similar to that in chloroform. However, the distance between Sr$$^{2+}$$ and O atom in the Sr$$^{2+}$$-$$beta$$DA18C6 complex in [C$$_{2}$$mim][Tf$$_{2}$$N] was shorter than that in chloroform. This result reveals that the shortening of the distance causes remarkably high extractability of Sr$$^{2+}$$, and is ascribable to the cooperative intramolecular interaction of this ligand in IL.

口頭

8-キノリノール結合クラウンエーテルを用いたイオン液体抽出系の構築と分子内協同効果

岡村 浩之; 下条 晃司郎; 平山 直紀*; 井村 久則*; 長縄 弘親

no journal, , 

イオン液体(IL)は、イオンのみから構成され室温でも液体状態として存在する塩のことであり、イオンの組合せによって、溶媒特性を自由に調節することが可能である。このようにILは、従来の液体とは大きく異なる特殊な溶媒特性を有することから、これまでにない機能性溶媒として期待されている。そこで本研究では、ILを用いた環境調和型抽出分析法を開発し、有害金属イオンの高効率抽出除去と発光検出を同時に行うシステムを構築することを目的としている。今回は、ジアザクラウンエーテルに協同効果を示す発光性の5-クロロ-8-キノリノール(HClQ)を結合した抽出剤(H$$_{2}$$ClQDA18C6)を用いて、ILへのCd(II)の抽出について検討した。クロロホルムを用いた場合、HClQ-DBzDA18C6混合系に対するH$$_{2}$$ClQDA18C6の優位性は小さかった。また、HClQ-DBzDA18C6共存による協同効果は観測されなかった。これに対し、ILを用いた場合、HClQ-DBzDA18C6混合系ではクロロホルムの場合と比較して抽出性に大きな変化は見られず、HClQ-DBzDA18C6共存による協同効果も観測されなかったが、H$$_{2}$$ClQDA18C6の抽出能はHClQ-DBzDA18C6混合系と比較して劇的に向上し、より低pH側での抽出が可能になった。これは、IL系でのみH$$_{2}$$ClQDA18C6の分子内協同効果が発現したためと考えられる。その結果、IL系ではCd(II)の抽出効率が大幅に向上した。

口頭

イオン液体を用いたカドミウムの高効率抽出系の構築

岡村 浩之; 下条 晃司郎; 平山 直紀*; 井村 久則*; 長縄 弘親

no journal, , 

イオン液体(IL)は、イオンのみから構成され室温でも液体状態として存在する塩のことであり、イオンの組合せによって、溶媒特性を自由に調節することが可能である。このようにILは、従来の液体とは大きく異なる特殊な溶媒特性を有することから、これまでにない機能性溶媒として期待されている。そこで本研究では、ILを用いた環境調和型抽出分析法を開発し、有害金属イオンの高効率抽出除去と発光検出を同時に行うシステムを構築することを目的としている。今回は、ジアザクラウンエーテルに協同効果を示す発光性の5-クロロ-8-キノリノール(HClQ)を結合した抽出剤(H$$_{2}$$ClQDA18C6)を用いて、ILへのCd(II)の抽出について検討した。クロロホルムを用いた場合、HClQ-DBzDA18C6混合系に対するH$$_{2}$$ClQDA18C6の優位性は小さかった。また、HClQ-DBzDA18C6共存による協同効果は観測されなかった。これに対し、ILを用いた場合、HClQ-DBzDA18C6混合系ではクロロホルムの場合と比較して抽出性に大きな変化は見られず、HClQ-DBzDA18C6共存による協同効果も観測されなかったが、H$$_{2}$$ClQDA18C6の抽出能はHClQ-DBzDA18C6混合系と比較して劇的に向上し、より低pH側での抽出が可能になった。これは、IL系でのみH$$_{2}$$ClQDA18C6の分子内協同効果が発現したためと考えられる。その結果、IL系ではCd(II)の抽出効率が大幅に向上した。

口頭

8-キノリノール結合クラウンエーテルによるイオン液体への金属抽出における分子内協同効果

岡村 浩之; 下条 晃司郎; 平山 直紀*; 井村 久則*; 長縄 弘親

no journal, , 

イオン液体(IL)は、室温でも液体の塩であり、イオンの組合せによって物性を調節することが可能な機能性溶媒である。最近、$$beta$$-ジケトンを結合したジアザ-18-クラウン-6を用いたSr(II)の抽出において、IL系でのみ分子内協同効果が発現し抽出能が高くなることを見いだした。そこで本研究では、ジアザ-18-クラウン-6に発光性の5-クロロ-8-キノリノール(HClQ)を結合した抽出剤(H$$_{2}$$ClQDA18C6)を合成し、IL 1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド([C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N])-水間の分配特性及び有害金属イオンであるCd(II), Pb(II)の抽出挙動について検討した。[C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N]-水間での抽出剤の分配を調べたところ、幅広いpH範囲において、抽出剤は見かけ上IL相に分配しており、ILへの親和性が高いことが示された。また、pH$$<$$8.0ではカチオンの状態で存在していることが明らかになった。次に、Cd(II)の抽出挙動を調べた。クロロホルムを用いた場合、HClQ-DBzDA18C6混合系に対するH$$_{2}$$ClQDA18C6の優位性は小さかったが、[C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N]を用いた場合、H$$_{2}$$ClQDA18C6の抽出能は混合系と比較して劇的に向上し、より低pH側での抽出が可能になった。これは、IL系でのみH$$_{2}$$ClQDA18C6の分子内協同効果が発現したためと考えられる。[C$$_{4}$$mim][Tf$$_{2}$$N]を用いたPb(II)の抽出においても、H$$_{2}$$ClQDA18C6の分子内協同効果が観測され、高い抽出能を示すことがわかった。

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