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志水 伸二; 谷口 航
PNC TN8410 95-099, 66 Pages, 1995/04
わが国のように地震の多い地質環境条件下における地層処分では、人工バリアシステムの健全性を保つために、地震等に対する人工バリアシステムの耐震性評価が必要である。本研究は、地層処分システムにおける人工バリアシステムの耐震性を、工学規模の人工バリア振動試験により確認評価するとともに、人工バリアシステムの耐震解析評価手法の確立を図るもので、科学技術庁・防災科学技術研究所(以下「防災研究所」とする。)と動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃事業団」とする。)が共同で実施しているものである。本報告書は、中間報告として現在までの研究成果の一部をまとめたものである。得られた結果の主な内容を以下に示す。(1)小型模擬緩衝材試験体を用いた振動試験から、シリコンゴムを用いた試験体は、非線形特性を示す要素がなく剛体に近い特性を示し、各地震波特有の周期に目立った応答はしないことが分かった。また、試験と解析との比較から、固有振動数はほぼ一致したが、実地震波による加速度応答に関しては、オーバーパック上の両結果が若干相違する結果が得られた。(2)小型緩衝材試験体を用いた振動試験から、ベントナイトを用いた試験体は、小型模擬緩衝材試験体と同様、非線形特性を示す要素がなく剛体に近い特性を示し、各地震波特有の周期に目立った応答はしないことが分かった。また、試験と解析との比較から、固有振動数に関して、両結果はほぼ近い値を示し、充填密度が増えるにつれ、固有振動数も増えることが推測された。また、試験結果の一部にベントナイト中の加速度が若干低下する点が見られたが、オーバーパックは、地震により特別増幅することなく、人工バリアは一体となって挙動しているものと推測された。
志水 伸二; 棚井 憲治; 谷口 航; 酒井 裕一*
PNC TN8410 95-027, 56 Pages, 1995/02
地層処分システムの設計研究においては、第二次とりまとめの目標である「人工バリア性能の定量的評価」のための評価対象の明確化を目標として、結晶質岩系及び堆積岩系それぞれに固有な地質環境特性を考慮して適用可能な処分場等の基本設計に必要な解析手法の検討を進めてきている。これらの結果は、第二次とりまとめに向けた今後の解析検討を進めていく上で、問題点や研究の方向性を導出するという観点からも重要なデータである。そこで本報告書は、これら過去に進めてきた解析検討について内容を把握するとともに、それぞれの検討において導出されてきた課題を整理し、今後の解析手法の検討に反映させることを目的として、特に1988年から1991年の第一次とりまとめを行うために検討された設計解析事例を調査し、まとめたものである。
志水 伸二; 菅野 毅
PNC TN8410 94-310, 42 Pages, 1994/01
わが国のように地震の多い地質環境条件下における地層処分では、人工バリアシステムの健全性を保つために、地震等に対する人工バリアシステムの耐震性評価が必要である。本報告書では、人工バリアシステムの耐震性評価に必要な緩衝材(ベントナイト)の動特性を動的三軸試験から求め、それを入力データとして有限要素法を用いた動的解析を行い、人工バリアシステムの振動挙動の基礎的傾向を考察することとした。なお、試験はベントナイトの乾燥密度で0.7、1.0、1.3g/cm3の3種類で行い、それから得られた物性を用い9ケースの解析を行った。検討の結果、主に以下のことが分かった。(1)動的三軸試験より、乾燥密度が0.7g/cm3のグループでの最大せん断剛性は1317Kgf/cm2と小さく、乾燥密度が1.0g/cm3のグループでの最大せん断剛性は45Kgf/cm2、乾燥密度が1.3g/cm3のグループでの最大せん断剛性は70100Kgf/cm2となっており、乾燥密度の増加に伴うせん断剛性の増加は顕著であった。一方、減衰定数hについて見ると、各乾燥密度グループでの有意な差はなかった。(2)試験結果を用いた動的解析より、オーバーパック周りで発生する最大相対変位が約1.2cmであり、地震時にオーバーパックがほとんど変位しないことが推測された。また、発生するせん断応力は、乾燥密度0.7g/cm3の場合を除き、ベントナイトのせん断強度より十分小さく、破壊しないことが推測された。また、入力地震波の加速度に比較して、オーバーパック周りの加速度は若干増幅されると思われるが、全体的に人工バリア内でオーバーパックは安定に存在すると推測された。