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笹本 広; 恩田 真吾*
Geological Society Special Publications, 482, 13 Pages, 2018/09
被引用回数:2 パーセンタイル:21.95コロイド濃度は、コロイドによる移行促進を扱うモデルにおいて重要なパラメータである。本研究の目的は、手法開発の一環として、幌延地下研究施設で採取した地下水中のコロイドを対象に、濃度や安定性に関わる特性を調べることである。幌延地下研究施設で得られた地下水中のコロイドは、数nm500nm程度の大きさで、コロイドサイズの中央値は、120nm程度であった。DLVO理論に基づくコロイドの安定性評価によれば、比較的大きなサイズのコロイド(直径100nmよりも大きいもの)は、より小さいサイズのコロイドよりも安定であることが示唆された。100nmよりも大きいコロイドの粒子濃度は、2.33101.1210pt/mLと見積もられ、重量濃度としては、451540g/L程度であると見積もられた。幌延の地下水中のコロイドは、諸外国におけるコロイド調査結果と比較すると、コロイドの安定性は低く、輸送性は中間的であると推定された。コロイドの安定性が低いのは、幌延の地下水のイオン強度がやや高めであること、輸送性が中間的であるのは、地下水中の溶存有機物濃度が他国の地下水と比べても同程度であるためと考えられる。