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松田 巌*; 中村 史一*; 久保 敬祐*; 平原 徹*; 山崎 詩郎*; Choi, W. H.*; Yeom, H. W.*; 成田 尚司*; 深谷 有喜; 橋本 美絵*; et al.
Physical Review B, 82(16), p.165330_1 - 165330_6, 2010/10
被引用回数:9 パーセンタイル:40.66(Materials Science, Multidisciplinary)一価金属の共吸着でSi(111)表面上に形成される超構造は、表面状態の電子数と吸着金属の原子数の割合が常に一定で形成される。このことは、超構造が電子化合物の特性を持つことを意味している。われわれは、二次元表面合金相である超構造の安定性を調べるために、Hume-Rothery型化合物における代表的な2つの理論、Jones model及びpseudopotential modelを用いて解析を行った。解析の結果、二次元表面合金相においてはJones modelが破綻しており、pseudopotential modelにおける二次元の表面状態電子を介した中距離原子間相互作用の重要性を見いだした。
深谷 有喜; 松田 巌*; 橋本 美絵; 成田 尚司*; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 7, p.432 - 435, 2009/04
Si(111)--Ag表面上に、微量のAgやAuなどの貴金属原子を吸着させると、電気伝導度の上昇を伴って、超構造が形成される。-Agと-(Ag,Au)超構造の原子配置は、これまでにさまざまな研究手法を用いて調べられており、これらの超構造はほとんど同一であると考えられる。最近、Si(111)-52-Au表面上へのAg原子の吸着によっても、超構造(-(Au,Ag))が発現することが見いだされた。この新しい超構造の原子配置は、現在のところ全く不明である。そこで本研究では、反射高速陽電子回折(RHEPD)を用いて、この新しい超構造の解明を行った。-(Au,Ag)超構造からのRHEPDパターンの強度分布とロッキング曲線の形状は、-(Ag,Au)超構造からのものに似ていることがわかった。これらの観測結果は、新しい-(Au,Ag)超構造が他の超構造に近い原子配置をとっていることを示唆している。詳細な原子配置を決定するために、動力学的回折理論に基づく強度計算を行い、他の超構造との比較から、今回の新たな-(Au,Ag)超構造を議論する。
河裾 厚男; 深谷 有喜; 橋本 美絵; 一宮 彪彦; 成田 尚司*; 松田 巌*
Materials Science Forum, 607, p.94 - 98, 2008/11
現在、われわれは反射高速陽電子回折による表面物性研究を行っている。反射高速陽電子回折の優位性は表面第一層での陽電子全反射の発現にある。報告では、幾つかの未知の表面構造と相転移について、最新の研究結果を報告する。
松田 巌*; 深谷 有喜; 橋本 美絵; 成田 尚司*; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
バルク固溶体の金属合金の中には、Cu-Zn系で知られているように、電子数と原子数の割合によって結晶構造が決まるものがあり、それらはHume-Rothery型化合物と呼ばれている。形成にはフェルミ球とブリルアン・ゾーン境界の接触が重要であることがわかっているもののその安定性は現在でも議論されており、最近では準結晶との密接な関係も指摘されている。本研究グループでは、半導体結晶表面上の金属単原子層についてこれまでのさまざまな系について研究してきた。Si結晶表面への金属吸着系には300以上も表面秩序相が存在する。その中でSi(111)基板上への一価金属(アルカリ金属,貴金属)の共吸着で形成する相は、吸着金属の原子数と表面状態の電子数の割合は常に一定であることに気が付いた。そこでこの2次元表面合金相について、角度分解光電子分光法でフェルミ面マッピングをしたところ、フェルミ面とブリルアン・ゾーン境界は効率よく交差しており、フェルミ準位近傍に擬ギャップが形成していることがわかった。すなわちこの合金相は、珍しい純粋な2次元系におけるHume-Rothery型化合物である。当日は光電子フェルミ面マッピングによる電子構造と回折やSTMなどによる原子構造に関する実験データを詳細に解説し、さらにJones model及びpseudopotential modelによる理論計算から安定化エネルギーについても議論する。
深谷 有喜; 松田 巌*; 橋本 美絵; 成田 尚司*; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
Si(111)--Ag表面上に微量のAgやAu原子を吸着させると、表面電気伝導度の急激な上昇を伴って、超構造が発現する。この超構造は、さまざまな手法を用いて調べられており、吸着原子種(Ag,Au)によらず同一の原子配置をとっていると考えられる。最近の研究では、Si(111)-52-Au表面上へのAg原子吸着によっても、超構造が発現することがわかった。この新しい-(Au,Ag)超構造の原子配置は、現在のところ全く不明である。本研究では、反射高速陽電子回折(RHEPD)を用いて、新たな-(Au,Ag)超構造の原子配置を決定した。-(Au,Ag)超構造からのRHEPDパターンの強度分布は、これまでの超構造からのものに似ていた。さらに、さまざまな入射方位でロッキング曲線を測定したところ、わずかなピーク位置のずれはあるものの、それらの形状もこれまでのものに似ていることがわかった。以上の結果から、新たな-(Au,Ag)超構造の原子配置は、これまでの超構造とほとんど同一であることが示唆される。
深谷 有喜; 松田 巌*; 橋本 美絵; 成田 尚司*; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
典型的な2次元金属表面であるSi(111)--Ag表面上に、AgやAuなどの貴金属原子を微量に吸着させると、表面電気伝導度の急激な上昇を伴って、超構造が発現する。最近、松田らの研究から、Si(111)-52-Au表面上へのAg原子吸着によっても、超構造が発現することがわかり、この超構造が二次元系のヒュームロザリー相である可能性を示唆している。この新しい-(Au,Ag)超構造の原子配置は、現在のところ全く不明である。本研究では、反射高速陽電子回折(RHEPD)を用いて、新たな-(Au,Ag)超構造の原子配置を調べた。観測した-(Au,Ag)超構造からのRHEPDパターンの強度分布は、これまでの-Agを下地として作成した超構造からのものに似ている。さらに、さまざまな入射方位でロッキング曲線を測定したところ、わずかなピーク位置のずれはあるものの、それらの形状もこれまでのものに似ていることがわかった。動力学的回折理論に基づく強度解析の結果、新たな-(Au,Ag)超構造の原子配置は、これまでの超構造とほとんど同一であることがわかった。