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片岡 一; 揃 政敏; 三次 岳志
サイクル機構技報, (11), p.39 - 50, 2001/06
高速実験炉「常陽」におけるオンライン計装照射装置の一つとして、高速炉燃料被覆管材の照射下内圧クリ-プ破断試験を行うことができる温度制御型の照射装置MARICOを開発した。MARICOでは、米国FFTF炉の照射装置MOTAと同様な制御原理により、照射試料の温度を4の制御幅で高精度に維持することができる。照射試験は、「常陽」の第29運転サイクル(1994年)から第32サイクル(1998年)まで行われ、約5,030時間の照射実績が得られた。また、照射後試験により48試料ある内圧クリ-プ破断試験用の試料のうち、23試料について破断が確認された。本報告では、MARICO1号機の開発成果と使用結果をまとめ、2号機での取り組みも含めて報告する。
安 哲徳; 寺門 誠一*; 揃 政敏; 片岡 一; 高津戸 裕司; 宮川 俊一
JNC TN9430 2000-001, 55 Pages, 1999/12
炉外材料照射装置(EXIR:Ex-Vessel Irradiation Rig)は、高速実験炉「常陽」の安全容器内において、原子炉容器等の構造材料の中性子照射下における単軸クリープ破断強度試験を行うことを目的に開発した、オンライン計測・制御型の照射装置である。EXIRを用いた照射試験は、平成6年8月の第29サイクルから開始し、平成9年3月の第30サイクルにおいて2つの試験片の破断が検出されたため、照射試験を終了した。照射試験において、試験片の温度、引張荷重、変位データを取得した。本照射試験を通じて、確認したEXIRの性能および試験片の変位データは、以下のとおりである。(1)温度制御原子炉運転中において試験片の温度を一定に保持することができた。試験片の温度は、設定温度2の範囲内に保持されており、目標とした制御精度3を十分満足する性能であった。(2)引張荷重制御荷重の負荷期間中における引張荷重の制御は、設定荷重値に対して8.8Nの範囲内に保持されており、制御精度29.4Nを十分満足する性能であった。(3)変位計測高速炉用構造材料であるSUS316FR鋼について、中性子照射下における単軸クリープ破断強度試験を行い、その変位データを取得した。変位データの解析は、今後実施される照射後試験結果と合わせ、別途報告される。
揃 政敏; 宮川 俊一
PNC TN9410 98-050, 57 Pages, 1998/05
本報は、高速実験炉「常陽」において、流量過渡事象下での燃料の破損限界試験を行うことを主な目的とした、流量制御型照射装置(FLORA:Flow Control Irradiation Facility)の開発の現状と課題について報告するものである。FLORAは、米国EBR-II炉の照射装置であるFPTF(Fuel Performance Test Facility)とBFTF(Breached Fuel Test Facility)を合体したような装置で、EBR-IIでの不具合情報を生かし、流量調節にナトリウム浸漬式のアニュラー型電磁ポンプ(A-LIP:Annular Linear Induction Pump)を採用したことを特徴としている。FLORAの基本的なシステムの成立性はMK-II炉心条件で確認しているが、今後の実用化のためには、MK-III炉心条件への見直しの他、幾つかの課題の解決と装置構造の詳細化を図って行く必要がある。FLORA開発におけるこれまでの主な成果と今後の課題は、以下のとおりである。(1)開発の主な成果1)破損燃料から放出される遅発中性子先行核に基づく中性子を、FLORAに装備した中性子検出器で十分な感度をもって検出可能であることを評価した。2)キーコンポーネントである流量調節用A-LIPの、長さ1/2サイズでの炉外ナトリウム中試験まで終えた。その結果、FLORA用ポンプの要求性能である550のナトリウム中で流量300l/min吐出圧力265kPaを達成できる見通しを得た。3)想定した試験用燃料体の冷却材流量を、A-LIPの流量調節機能によってオンパワー時に100%40%程度まで調節可能で、このことによって燃料被覆管温度を十分に制御可能であることも確認された。(2)今後の課題1)プロセス検出器の開発としては、遅発中性子検出器の小型化が必要な他、電磁流量計用永久磁石の使用環境(高温と中性子照射)による減磁の影響を確認する必要がある。2)A-LIPについては、中性子照射による影響が残された課題である。このため、短尺のポンプの照射を行い、特性や絶縁性能を確認する必要がある。3)装置の性能をより確実なものとするため、水流動試験を行い詳細な圧力損失データを得る必要がある。なお、今後のFLORA開発については当面凍結し、燃料開発の進展状況とMK-I
揃 政敏; 片岡 一; 宮川 俊一
日本原子力学会誌, 40(2), p.124 - 134, 1998/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)高速実験炉「常陽」での照射装置には、オンライン計装照射リグとオンライン照射リグとがあるが、前者は照射試験中に精度よく照射条件の変化が観測できることから、照射試験のためには理想とするリグである。このため、オンライン計装照射リグとして、今までに計装線付燃料集合体(INTA)、材料照射校正試験装置(INTA-S)、炉上部照射プラグリグ(UPR)、温度制御型材料照射装置(MARICO)、炉外材料照射装置(EXIR)を開発し、照射試験に供してきた。本技術報告では、MARICO、EXIR、その他のオンライン計装照射リグについて、各々の概要、開発上ポイントとなった技術、使用実績等を解説し、近年高まっている精密照射の要請に対して、「常陽」における照射技術をタイムリーに報告しようとするものである。
揃 政敏*; 瀬下 一郎*; 宮川 俊一
PNC TN9430 90-003, 42 Pages, 1990/12
本報告は「常陽」IV型特殊燃料要素に用いられる高速炉用フェライト系ステンレス鋼被覆管の物性及び特性評価結果について記述するものである。標記高速炉用フェライト系ステンレス鋼は従来のオーステナイト系ステンレス鋼に比し良好な諸性質,例えば耐エスリング,耐クリープ性,熱伝導度,熱膨張率を有するため,「常陽」にてIV型特殊燃料要素用被覆管として燃焼度約13万MWd/tまでの照射に用いることが可能であることが判った。
鈴木 利明*; 平田 豊*; 佐久間 孝志*; 鈴木 幸男*; 揃 政敏*
PNC TN941 80-153, 46 Pages, 1980/09
本緒は常陽の格納容器雰囲気調整換気設備(含むアニュラス部排気系/非常用ガス処理装面およびコンクリート遮蔽体冷却系)の系統設計についてまとめたものであり,試運転の段階で摘出された不具合点に関する設計の変更個所についても記哉している。
石川 真*; 遠藤 雅行*; 小沢 健二*; 佐久間 孝志*; 揃 政敏*; 関口 善之*
PNC TN941 79-179, 198 Pages, 1979/10
高速実験炉「常陽」出力上昇試験の一項目として実施された熱出力較正試験(PT―11)の結果について報告する。▲本試験は,低出力から50MW定格出力までの各段階において熱出力を測定し,核計装設備における出力系の較正を行なう事を目的とする。原子炉の熱出力は一次主冷系のNa出入口温度及び流量を測定する事によって求められ,出力系及び中間系はその指示値が熱出力に一致するように電子回路を調整した。▲本試験は1978年4月から8月まで実施され,この結果以下の主要諸点が確認された。▲1)出力系指示値と熱出力の間には,非常に良好な直線性がある。▲出力系と中間系は,3デカード以上の充分なオーバーラップを示す。▲3)出力系指示値は,原子炉の運転履歴に依存して変動する。▲起動直後の出力系指示値は,原子炉熱出力に対して小さめの値を示し,その後次第に増加して,起動後約1週間で安定する。その変動量は最大で約6%である。▲