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津田 修一; 佐藤 達彦; 佐藤 大樹; 高橋 史明; 佐々木 慎一*; 波戸 芳仁*; 佐波 俊哉*; 斎藤 究*; 高田 真志*
HIMAC-136, p.219 - 220, 2011/11
重粒子線に対する生物効果を実験的に評価するうえで、重粒子線の飛跡及びその近傍における詳細なエネルギー付与分布データは重要である。本研究では重粒子の飛跡沿いに生成される高エネルギー電子を含む線エネルギー分布(分布)の計算モデルの精度検証に必要なデータを取得するために、壁なし型の組織等価比例計数管を製作し、放射線医学総合研究所重粒子線がん治療装置HIMACの重粒子線を利用した実験を行った。最終年目の2010年度は、160MeV陽子線及び490MeV/uシリコンビームに対する分布データを取得し、原子力機構で開発された計算モデルによる結果と比較した。その結果、計算モデルはこれまでに報告したヘリウム及び炭素ビームに加え、阻止能の異なる陽子及びシリコンビームについてもエネルギー付与分布を再現することを示すとともに、分布の線量平均値は生物影響評価の指標として有用であることを示した。
寺井 恒太*; 吉井 賢資; 竹田 幸治; 藤森 伸一; 斎藤 祐児; 大和田 謙二; 稲見 俊哉; 岡根 哲夫; 有田 将司*; 島田 賢也*; et al.
Physical Review B, 77(11), p.115128_1 - 115128_6, 2008/03
被引用回数:15 パーセンタイル:54.78(Materials Science, Multidisciplinary)We have studied the electronic and magnetic properties of epitaxially grown CaMnRuO thin films ( = 1.0, 0.75, 0.5) by soft X-ray absorption (XAS), soft X-ray magnetic circular dichroism (XMCD) and hard X-ray photoemission spectroscopy (HXPES) measurements. The XMCD studies indicated that the spin moments of Mn and Ru are aligned in opposite directions. The valence-band HXPES spectra revealed that the Ru 4 states around the Fermi level and the Mn 3 up-spin states centered 2 eV below it, both of which showed systematic concentration dependences. From these results, we propose that the localized Mn 3 states and the itinerant Ru 4 band are antiferromagnetically coupled and give rise to the ferromagnetic ordering, in analogy to the mechanism proposed for double perovskite oxides such as SrFeMoO.
寺井 恒太; 吉井 賢資; 竹田 幸治; 藤森 伸一; 斎藤 祐児; 大和田 謙二; 稲見 俊哉; 岡根 哲夫; 有田 将司*; 島田 賢也*; et al.
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 310(2, Part2), p.1070 - 1072, 2007/03
軟X線磁気円二色性(XMCD)及び硬X線光電子分光(HXPES)を用いて、エピタキシャル成長させたCaMnRuO(x=1.0, 0.5)薄膜の電子,磁気構造を調べた。XMCD測定の結果RuとMnのスピン磁気モーメントが反並行の関係を持っていることがわかった。またHXPES測定の結果Ruの4d電子の構造がE近傍に存在し、一方Mn 3d電子の構造はEよりやや下の位置に存在することがわかった。以上結果より、SrFeMoOなどのダブルペロブスカイトと類似した機構により、局在的なMn 3d tと遍歴的なRu 4d tの間で反強磁性的な相互作用が起こり、その結果強磁性が現れるものと考えられる。
寺井 恒太; 岡根 哲夫; 竹田 幸治; 藤森 伸一; 斎藤 祐児; 吉井 賢資; 大和田 謙二; 稲見 俊哉; 有田 将司*; 島田 賢也*; et al.
no journal, ,
ペロブスカイト型偽2相混合結晶であるCaMnRuO(CMRO)は、それぞれのエンド組成の物質が強磁性を示さないにもかかわらず、混合することで強磁性を示すことが知られている。この物質の強磁性発現機構を理解することは、同様の遷移金属化合物を用いた新強磁性材料探索に有益な知見をもたらすものと考えられる。パルスレーザー堆積(PLD)装置を用いて作製したCMRO薄膜試料に対し、軟X線内殻吸収磁気円二色性(XMCD)測定を行った結果、MnとRuのスピン磁気モーメントが反並行の関係を持っていることが確認できた。この異なる遷移金属のスピンモーメント間の関係はSrFeMoOに代表される半金属物質と類似しており、この物質系で提案されているd電子のt軌道混成モデルをCMROに対して用いた結果、CMROの強磁性をよく説明できることがわかった。以上のことから、遷移金属間のスピンモーメントが物性に強く関与するとともに、この物質特有の電子構造がCMROの強磁性発現にとって重要であることが理解できた。
竹田 幸治; 藤森 伸一; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 山上 浩志; 小林 啓介*; 稲見 俊哉; 大和田 謙二; 有田 将司*; 島田 賢也*; et al.
no journal, ,
立方晶CeBiPtは、低温において約10meVの等方的エネルギーギャップが形成されるCe化合物近藤半導体の代表的物質である。一方、斜方晶CeNiSnは、斜方晶で低温において擬ギャップを生じる近藤半金属である。この両物質の電子構造(特にCe 4f電子状態)を比較することは、近藤半導体におけるエネルギーギャップ形成の理解に重要である。今回、われわれは、SPring-8 BL23SUにおいて高分解能Ce 3d-4f共鳴光電子分光スペクトルとCe 3d内殻スペクトルの温度依存性を調べた。またBL22XUにおいて3.5keVの励起光を用いた硬X線光電子分光測定も行った。試料表面は真空中で破断することにより得た。Ce3d-4f共鳴光電子分光スペクトルについて、結合エネルギー2eVの構造は4f0終状態に対応し、フェルミ準位(EF)直下のピークは4f1終状態に対応する。12Kでは、CeBiPtのEF直下のピーク幅が狭まりスピン軌道相互作用による300meVの肩構造が相対的に減少した。一方、CeNiSnでは低温にすると4f1ピークのウェイトは全体的に増すが、スピン軌道相互作用による肩構造はほとんど変化していない。また、Ce 3d内殻スペクトルの顕著な温度依存性も観測され、価数の温度変化することもわかった。
寺井 恒太; 岡根 哲夫; 竹田 幸治; 藤森 伸一; 斎藤 祐児; 稲見 俊哉; 山上 浩志; 小林 啓介*; 島田 賢也*; 有田 将司*; et al.
no journal, ,
CaMnRuO(CMRO)は、それぞれのエンド組成の物質が強磁性を示さないにもかかわらず、混合することで強磁性を示すことが知られている。これまでこの物質の強磁性発現機構を理解するため、PLD法を用いて作製したCMRO薄膜試料に対し、軟X線内殻吸収磁気円二色性(XMCD)や光電子分光(PES)測定を行ってきた。その結果、MnとRuのスピン磁気モーメントが反平行の関係を持っており、MnとRuの組成比に依存してE近傍の電子状態密度が系統的に変化していることが明らかになってきている。XMCDの測定結果に見られる、異なる遷移金属間のスピン磁気モーメントの関係はSrFeMoO に代表されるハーフメタル物質と類似している。この物質系で提案されているd電子の軌道混成モデルをCMROに対して用いると、MnとRuの軌道混成によりRu tのアップ・ダウンスピンの状態密度に偏りができると予想される。その結果、Mnのスピン磁気モーメントと逆向きのモーメントをRuが持つものと考えられる。これは、実験により得られたXMCD及びPESの結果とも矛盾がなくCMROの磁性をよく説明できている。
山崎 明義*; 神谷 富裕; 佐藤 隆博; 三間 圀興*; 藤田 和久*; 奥田 匠昭*; 佐和田 博*; 斎藤 俊哉*; Gonzales, R.*; Perlado, J. M.*; et al.
no journal, ,
For the development of advanced lithium (Li) ion batteries, precise diagnostics of Li in the electrode material is required. In order to obtain specific distribution of Li in Li ion battery materials, we have utilised the nuclear reaction analysis (NRA) and the particle induced -ray emission analysis (PIGE) with the micro-PIXE analysis, which characterises the heavier elements, in the proton microbeam system at TIARA. The Li distribution in real Li-ion batteries was analysed mainly in the cross-sections of fabricated electrode samples containing micro particles based on metal oxides. The objects of the analyses were extended to all-solid batteries as the candidate for the next generation Li ion battery. The obtained images show the distributions of the Li ions buried in the electrode materials varying with charging condition and other various factors. This paper describes the analysis system and results of the experiments.
斎藤 俊哉*; 山崎 明義*; 神谷 富裕; 藤田 和久*; 三間 圀興*; 加藤 義章*; 射場 英紀*
no journal, ,
All solid batteries (ASB) is one of the most promising candidates for post-Li-ion battery especially for large scale applications such as electric vehicle, plug-in hybrid vehicle and stationary use. On the other hand, one of the major drawbacks of ASB is the poor power density due to its large "interfacial resistance" of electrodes. The origin of interfacial resistance is cracks and/or resistive layer between active material and solid electrolyte. To figure out a quantitative view of the poor power density, the micro-PIXE/PIGE system was utilized to obtain 2D elemental images of transition metals and Li in samples of ASB with a spatial resolution of m level at the ion accelerator facility, TIARA. The result will be shown in the conference and the possibility of in-situ observation will be discussed.