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論文

Latent ion tracks were finally observed in diamond

雨倉 宏*; Chettah, A.*; 鳴海 一雅*; 千葉 敦也*; 平野 貴美*; 山田 圭介*; 山本 春也*; Leino, A. A.*; Djurabekova, F.*; Nordlund, K.*; et al.

Nature Communications (Internet), 15, p.1786_1 - 1786_10, 2024/02

高い電子的阻止能領域の照射条件で高エネルギー重イオンを固体に照射すると、イオンの飛跡に沿って潜在イオントラックと呼ばれる柱状の損傷領域が形成される。イオントラックは、多くの物質中で形成されていることが知られているが、ダイヤモンドにおいて観察された例は皆無であった。高エネルギー(GeV)のウランイオンにおいてさえ、観察された例はない。本研究では、2-9MeV C$$_{60}$$フラーレンイオンを照射したダイヤモンドにおいて、初めてイオントラックが観察された。高分解能電子顕微鏡による観察により、イオントラックの内部がアモルファス化していることが示唆され、さらに、電子エネルギー損失分光法による分析によって、グラファイト由来の$$pi$$-結合の信号が検知された。分子動力学法に基づく計算シミュレーションで、上記の実験結果を再現することに成功した。

論文

Impact of the ground-state 4${it f}$ symmetry for anisotropic ${it cf}$ hybridization in the heavy-fermion superconductor CeNi$$_{2}$$Ge$$_{2}$$

藤原 秀紀*; 中谷 泰博*; 荒谷 秀和*; 金井 惟奈*; 山神 光平*; 濱本 諭*; 木須 孝幸*; 山崎 篤志*; 東谷 篤志*; 今田 真*; et al.

Physical Review B, 108(16), p.165121_1 - 165121_10, 2023/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

We report the ground-state symmetry of the Ce 4${it f}$ states in the heavy-fermion superconductor CeNi$$_{2}$$Ge$$_{2}$$, yielding anisotropic ${it cf}$ hybridization between the Ce 4${it f}$ states and conducting electrons. By analyzing linear dichroism in soft X-ray absorption and core-level hard X-ray photoemission spectra, the 4${it f}$ symmetry is determined as $$Sigma$$-type $$Gamma$$$$_{7}$$, promoting predominant hybridization with the conducting electrons originating from the Ge site. The band structures probed by soft X-ray angle-resolved photoemission indicates that the Ge 4${it p}$ components contribute to the band renormalization through the anisotropic hybridization effects, suggesting that the control of the electronic structures of Ge orbital gives an impact to achieve the exotic phenomena in CeNi$$_{2}$$Ge$$_{2}$$.

報告書

鉛ビスマス高温腐食ループ(OLLOCHI)の開発

斎藤 滋; Wan, T.*; 大久保 成彰; 北 智士*; 大林 寛生; 佐々 敏信

JAEA-Technology 2021-034, 94 Pages, 2022/03

JAEA-Technology-2021-034.pdf:5.91MB

長寿命放射性廃棄物の核変換を実現するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)が研究を進めている加速器駆動システム(ADS; Accelerator Driven System)では、核破砕ターゲット及び未臨界炉心冷却材として鉛ビスマス共晶合金(LBE; Lead-Bismuth Eutectic alloy)を採用している。ADSとともに、将来のADSの開発に向けて材料照射データベースを構築するためJ-PARCで検討を進めている陽子照射施設を実現するためには、LBEを安全に利用するために解決すべき課題が多い。特に、T91(改良9Cr-1Mo鋼)やSUS316LなどのADSの主要な鋼材に対して、400-550$$^{circ}$$Cの温度範囲におけるLBE流動下の腐食データは、ADSや陽子照射施設の設計に不可欠である。その際、鋼材の腐食抑制に大きく影響するLBE中酸素濃度も腐食データベースの重要なパラメータとなる。そこで、JAEAはLBEと鋼材の共存性試験並びにLBE取扱いに関連した技術開発を目的として、"OLLOCHI(Oxygen-controlled LBE LOop for Corrosion tests in HIgh-temperature)"と名付けた大型の腐食試験ループを新たに製作した。OLLOCHIはLBE中酸素濃度を自動調整する機能を有し、高温部及び低温部の最高使用温度はそれぞれ550$$^{circ}$$C、450$$^{circ}$$Cであり、ADSの設計値を包含するように設定している。2,000時間以上に及ぶループの特性試験の結果、設計通りの性能を発揮することが確認された。本報告書ではOLLOCHIの概要と各機器の詳細、特性試験結果ならびに今後の試験計画について述べる。

論文

Space weather benchmarks on Japanese society

石井 守*; 塩田 大幸*; 垰 千尋*; 海老原 祐輔*; 藤原 均*; 石井 貴子*; 一本 潔*; 片岡 龍峰*; 古賀 清一*; 久保 勇樹*; et al.

Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.108_1 - 108_20, 2021/12

 被引用回数:8 パーセンタイル:57.39(Geosciences, Multidisciplinary)

科研費新学術領域研究・太陽地球圏環境予測(PSTEP)の一環として、日本における宇宙天気災害の発生規模と頻度の関係を包括的に調査した。調査した情報は、国内における宇宙天気ユーザーが理解できる形で公開した。本論文では、その包括的調査の結果をまとめるとともに、宇宙天気災害が電力や航空業界に与える経済的損失に関して定量評価した結果も紹介する。

論文

PSTEP: Project for solar-terrestrial environment prediction

草野 完也*; 一本 潔*; 石井 守*; 三好 由純*; 余田 成男*; 秋吉 英治*; 浅井 歩*; 海老原 祐輔*; 藤原 均*; 後藤 忠徳*; et al.

Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.159_1 - 159_29, 2021/12

 被引用回数:6 パーセンタイル:51.19(Geosciences, Multidisciplinary)

PSTEPとは、2015年4月から2020年3月まで日本国内の太陽・地球惑星圏に携わる研究者が協力して実施した科研費新学術領域研究である。この研究枠組みから500以上の査読付き論文が発表され、様々なセミナーやサマースクールが実施された。本論文では、その成果をまとめて報告する。

論文

Status of LBE study and experimental plan at JAEA

斎藤 滋; Wan, T.*; 大久保 成彰; 大林 寛生; 渡辺 奈央; 大平 直也*; 木下 秀孝; 八巻 賢一*; 北 智士*; 吉元 秀光*; et al.

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011041_1 - 011041_6, 2021/03

原子力機構(JAEA)では、鉛ビスマス共晶合金(LBE)を核破砕中性子発生のターゲット並びに炉心冷却材として使用する、核変換用の加速器駆動システム(ADS)の研究をしている。中性子は、1.5GeVの陽子ビーム入射による核破砕反応によって生成される。ADS開発に重要な材料照射データを取得するため、J-PARCにLBE中性子生成ターゲットを備えた照射施設の建設を提案している。LBEターゲット実用化のためには多くの技術的な課題があり、JAEAでは様々な研究開発を行っている。腐食研究に関しては、OLLOCHIの調整運転と機能試験が開始された。LBE使用する上で重要な技術である酸素濃度制御技術の開発も行っている。大型LBEループ実験では、IMMORTALを使用して、定常および過渡状態の試験を行った。機器の分野では、LBEループシステムの重要な技術として、超音波流量計とフリーズシールバルブの開発を進めている。照射施設の設計に重要なLBE中の不純物挙動の研究も開始した。本論文では、JAEAにおけるLBE関連研究の現状と研究計画について報告する。

論文

Ion tracks in silicon formed by much lower energy deposition than the track formation threshold

雨倉 宏*; Toulemonde, M.*; 鳴海 一雅*; Li, R.*; 千葉 敦也*; 平野 貴美*; 山田 圭介*; 山本 春也*; 石川 法人; 大久保 成彰; et al.

Scientific Reports (Internet), 11(1), p.185_1 - 185_11, 2021/01

 被引用回数:12 パーセンタイル:75.03(Multidisciplinary Sciences)

シリコンへ6MeV C$$_{60}$$イオン照射すると直径10nmのイオントラック損傷が形成されることを見出した。これは、従来知られているイオンエネルギーしきい値(17MeV)よりもはるかに低いエネルギーである。従来知られているような電子的阻止能に由来したイオントラック形成メカニズムだけでは説明できず、それだけでなく核的阻止能に由来した効果も存在する可能性を示唆している。

論文

Insight into Kondo screening in the intermediate-valence compound SmOs$$_4$$Sb$$_{12}$$ uncovered by soft X-ray magnetic circular dichroism

斎藤 祐児; 藤原 秀紀*; 保井 晃*; 門野 利治*; 菅原 仁*; 菊地 大輔*; 佐藤 英行*; 菅 滋正*; 山崎 篤志*; 関山 明*; et al.

Physical Review B, 102(16), p.165152_1 - 165152_8, 2020/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:6.04(Materials Science, Multidisciplinary)

Through a high-precision soft X-ray magnetic circular dichroism (XMCD) study of the intermediate-valence compound SmOs$$_4$$Sb$$_{12}$$, we show our successful approach of revealing unprecedented details of Kondo screening below a characteristic temperature of $$ T_{0} sim$$ 20 K in the paramagnetic phase. The multiplet XMCD structure at the Sm $$M_{5}$$ edge sensitive to the 4$$f$$ configuration enabled us to observe a clear difference between the temperature evolution above and below $$T_{0}$$ with one- and two-component behavior, respectively. Our findings are in strong contrast to the conventional Kondo crossover that coincides with the valence transition, but are qualitatively accounted for by theoretical XMCD predictions combined with the two-fluid phenomenology recently proposed. This work contributes to the large context of Kondo physics that is closely related to quantum criticality in heavy fermion systems.

論文

Matrix-material dependence on the elongation of embedded gold nanoparticles induced by 4 MeV C$$_{60}$$ and 200 MeV Xe ion irradiation

Li, R.*; 鳴海 一雅*; 千葉 敦也*; 平野 優*; 津谷 大樹*; 山本 春也*; 斎藤 勇一*; 大久保 成彰; 石川 法人; Pang, C.*; et al.

Nanotechnology, 31(26), p.265606_1 - 265606_9, 2020/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:33.01(Nanoscience & Nanotechnology)

材料中に埋め込まれた金ナノ粒子に4MeV C$$_{60}$$イオンと200MeV Xeイオンを照射した時の伸長変形現象について、3つの材料(アモルファスカーボン,CaF$$_{2}$$,結晶酸化インジウムスズ(ITO))について調べ、その材料依存性を調べた。どの材料についても、イオン照射に伴って結晶性を失う傾向が見られた。ITOが、最も金ナノ粒子の変形が顕著であり、かつ照射後にもかかわらず結晶性を保っていた。結晶性の材料において金ナノ粒子の変形を報告する初めて報告例となる。

論文

Current Status of R&D and PIE Program for ADS Material Development in JAEA

斎藤 滋; 大久保 成彰; 大林 寛生; Wan, T.; 菅原 隆徳; 佐々 敏信; 前川 藤夫

JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.071003_1 - 071003_6, 2020/02

原子力機構は、加速器駆動システム(ADS: Accelerator-Driven Systems)の設計に必要な材料照射データベースを作成し、流動LBE中での照射効果について研究するため、J-PARCに陽子照射施設の建設を計画している。この照射施設では、鉛ビスマス共晶合金(LBE: Lead-Bismuth Eutectic)の核破砕ターゲットに250kWの陽子ビームを入射し、ADSの構造材候補材についてLBE流動下での照射試験を実施する。この照射施設を実現するために、様々な研究開発が行われている。LBEターゲットとターゲット台車の設計検討ついては概念設計を終えた。要素技術開発として大型のLBEループが製作され、本格運転へ向け準備中である。LBEループのための酸素濃度制御システムも開発された。遠隔操作によるターゲット交換試験も進捗している。照射試料の照射後試験フローは完成し、照射後試験技術について検討を進めている。その他、TEF-Tの実現に向けた現在の研究開発状況についても報告する。

論文

Revising the 4${it f}$ symmetry in CeCu$$_{2}$$Ge$$_{2}$$; Soft X-ray absorption and hard X-ray photoemission spectroscopy

荒谷 秀和*; 中谷 泰博*; 藤原 秀紀*; 川田 萌樹*; 金井 惟奈*; 山神 光平*; 藤岡 修平*; 濱本 諭*; 久我 健太郎*; 木須 孝幸*; et al.

Physical Review B, 98(12), p.121113_1 - 121113_6, 2018/09

AA2018-0352.pdf:1.16MB

 被引用回数:5 パーセンタイル:25.82(Materials Science, Multidisciplinary)

We present a detailed study on the $$4f$$ ground state symmetry of the pressure-induced superconductor CeCu$$_2$$Ge$$_2$$ probed by soft X-ray absorption and hard X-ray photoemission spectroscopy. The revised Ce $$4f$$ ground states are determined as $$|{Gamma_7}rangle=sqrt{0.45}|{J_{z}=pm frac{5}{2}}rangle - sqrt{0.55}|{mp frac{3}{2}}rangle$$ with $$Sigmamathchar`-{rm type}$$ in-plane rotational symmetry. This gives an in-plane magnetic moment consistent with the antiferromagnetic moment as reported in neutron measurements. Since the in-plane symmetry is the same as that for the superconductor CeCu$$_2$$Si$$_2$$, we propose that the charge distribution along the $$c$$-axis plays an essential role in driving the system into a superconducting phase.

論文

Rapid separation of zirconium using microvolume anion-exchange cartridge for $$^{93}$$Zr determination with isotope dilution ICP-MS

浅井 志保; 半澤 有希子; 今田 未来; 鈴木 大輔; 間柄 正明; 木村 貴海; 石原 量*; 斎藤 恭一*; 山田 伸介*; 廣田 英幸*

Talanta, 185, p.98 - 105, 2018/08

 被引用回数:8 パーセンタイル:31.98(Chemistry, Analytical)

放射性廃棄物処分場における長寿命核分裂生成物(LLFP)の被ばくリスクを評価するためには、LLFPの分析が不可欠である。本研究では、マイクロ陰イオン交換カートリッジ(TEDAカートリッジ)を用い使用済燃料溶解液からZrを分離してLLFPの一つである$$^{93}$$Zrの存在量をICP-MSで定量した。TEDAカートリッジは、同等の分離に必要な従来分離材料(陰イオン交換樹脂)の1/10以下の体積(0.08cm$$^{3}$$)であっても優れたZr分離性能を維持し、使用済燃料中のほぼ全ての共存元素を迅速に除去できることを確認した。また、従来材料の約10倍の流速で処理が可能であるため、1.2分で分離が完了した。得られた$$^{93}$$Zr定量値は、実測値による検証実績がなかった燃焼計算コードORIGEN2の正しさを実証する結果となり、ORIGEN2の信頼性も確認できた。

論文

Design of LBE spallation target for ADS Target Test Facility (TEF-T) in J-PARC

斎藤 滋; 大林 寛生; Wan, T.; 大久保 成彰; 菅原 隆徳; 遠藤 慎也; 佐々 敏信

Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '17) (Internet), p.448 - 457, 2018/05

原子力機構は、加速器駆動システム(ADS: accelerator-driven systems)の設計に必要なデータを得るために、J-PARC計画の中でADSターゲット実験施設(TEF-T: Target Test Facility)の建設を計画している。TEF-Tでは、鉛ビスマス共晶合金(LBE: Lead-Bismuth Eutectic)の核破砕ターゲットに250kWの陽子ビームを入射し、ADSの構造材候補材についてLBE流動下での照射試験を実施する。TEF-Tを実現するために、様々な研究開発が行われている。LBEターゲットとターゲット台車の設計検討は大きく進捗した。ターゲットループの保守と照射試料の照射後試験を行うホットセルについては概念設計を終えた。要素技術開発として、TEF-TターゲットのモックアップループとLBE流動下での材料腐食データを得るためのループが製作され、本格運転へ向け準備中である。LBEループのための酸素濃度制御システムも開発された。遠隔操作によるターゲット交換試験も実施中である。その他、TEF-Tの実現に向けた現在の研究開発状況についても報告する。

論文

Evidence for momentum-dependent heavy fermionic electronic structures; Soft X-ray ARPES for the superconductor CeNi$$_{2}$$Ge$$_{2}$$ in the normal state

中谷 泰博*; 荒谷 秀和*; 藤原 秀紀*; 森 健雄*; 鶴田 篤史*; 橘 祥一*; 山口 貴司*; 木須 孝幸*; 山崎 篤志*; 保井 晃*; et al.

Physical Review B, 97(11), p.115160_1 - 115160_7, 2018/03

AA2018-0003.pdf:1.65MB

 被引用回数:5 パーセンタイル:20.71(Materials Science, Multidisciplinary)

We present clear experimental evidence for the momentum-dependent heavy fermionic electronic structures of the 4${it f}$-based strongly correlated system CeNi$$_{2}$$Ge$$_{2}$$ by soft X-ray angle-resolved photoemission spectroscopy. A comparison between the experimental three-dimensional quasiparticle dispersion of LaNi$$_{2}$$Ge$$_{2}$$ and CeNi$$_{2}$$Ge$$_{2}$$ has revealed that heavy fermionic electronic structures are seen in the region surrounding at a specific momentum. Furthermore, the wave vectors between the observed "heavy spots" are consistent with a result of neutron scattering reflecting magnetic correlations, which could be a trigger of the superconductivity in CeNi$$_{2}$$Ge$$_{2}$$.

論文

接ぎ木高分子鎖に固定した核酸塩基及び抽出試薬によるレアメタルの回収

斎藤 恭一*; 浅井 志保

分析化学, 66(11), p.771 - 782, 2017/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:3.41(Chemistry, Analytical)

レアメタルは、高機能材料の原料として注目を集めているが、一般に、回収・精製が困難であることが多く、選択的かつ効率的に捕集できる材料が求められている。そこで、本研究では、高分子材料の改質法の一つである放射線グラフト重合法を適用して、レアメタルイオンを効率的に捕集する高分子吸着材を作製し、それらの実用性能を実証した。例えば、核酸塩基の一つであるアデニンを、ポリエチレン多孔性中空糸膜や6-ナイロン繊維に接ぎ木(グラフト)した高分子鎖に固定し、パラジウムやルテニウムのイオン種を特異的に捕捉する材料を作製した。また、希土類元素に選択性を有する抽出試薬であるリン酸ビス(2-エチルヘキシル)(略称: HDEHP)をポリエチレン多孔性シートにグラフトした高分子鎖に担持し、カラムに充填して、ネオジムとジスプロシウムの溶出クロマトグラフィーに適用した。HDEHP担持樹脂カラムに比べて、HDEHP担持繊維充填カラムは高速で分離できることを実証した。

論文

Experimental observation of temperature and magnetic-field evolution of the 4${it f}$ states in CeFe$$_{2}$$ revealed by soft X-ray magnetic circular dichroism

斎藤 祐児; 保井 晃*; 渕本 寛人*; 中谷 泰博*; 藤原 秀紀*; 今田 真*; 鳴海 康雄*; 金道 浩一*; 高橋 稔*; 海老原 孝雄*; et al.

Physical Review B, 96(3), p.035151_1 - 035151_5, 2017/07

AA2017-0611.pdf:0.36MB

 被引用回数:3 パーセンタイル:17.1(Materials Science, Multidisciplinary)

単結晶CeFe$$_2$$を用い、X線吸収(XAS)磁気円2色性(XMCD)の高精度実験により、その強磁性的秩序相におけるCe4$$f$$状態を調べた。Ce $$M_{4,5}$$ XMCDスペクトルは、温度及び磁場に依存した形状変化を示す一方、Ce $$M_{4,5}$$ XAS、Fe $$L_{2,3}$$ XAS及びXMCDスペクトルでは変化が観測されないという通常の強磁性体とは異なる現象が観測された。このような振る舞いは、Ce 4$$f^1$$配置の$$J=5/2$$基底状態と$$J=7/2$$状態が混ざり合ったことに由来すると解釈できる。外部摂動に対し非常に敏感なCe 4$$f$$状態は、本物質での強磁性相と反強磁相が隣接する磁気不安定性と関連付けることができる。我々の実験データは、混成の強い強磁性Ce化合物の物性に対して、貴重な情報を与える。

論文

Status of LBE corrosion test loop "OLLOCHI" and experiments at JAEA

斎藤 滋; 大久保 成彰; 大林 寛生; 佐々 敏信

NEA/CSNI/R(2017)2 (Internet), p.195 - 200, 2017/06

原子力機構において研究が進められている加速器駆動システム(ADS: Accelerator Driven System)では、核破砕ターゲット及び炉心冷却材として鉛ビスマス共晶合金(LBE; Lead-Bismuth Eutectic)が採用される。将来のADSやJ-PARCに建設が計画されている、ADSターゲット実験施設(TEF-T)の実現には、LBEに関する多くの解決すべき課題がある。特に、T91(改良9Cr-1Mo鋼)やSUS316Lなどの鋼材に関して、400-550$$^{circ}$$Cの温度範囲で酸素濃度制御下かつLBE流動下の腐食データは不可欠である。原子力機構では高温での腐食データを得るために、"OLLOCHI (Oxygen-controlled LBE LOop Corrosion tests in HIgh-temperature)"と名付けられた新しい腐食試験ループを設計・製作した。高温部配管はT91製で、加熱器や膨張タンク容器は2.25Cr-1Mo鋼製である。これら高温部の最高温度は550$$^{circ}$$Cである。低温部は配管、機器類ともにSUS316L製で、これら低温部の最高温度は450$$^{circ}$$Cである。2016年春までにOLLOCHIは、加熱器や試験片交換ボックスなどの改造と、LBE無しでの調整運転を終えた。酸素センサーと酸素濃度制御システムは間もなく導入され、その後LBE有りでの調整運転と酸素濃度制御試験を開始する予定である。さらに来春までに分岐した試験部それぞれにも流量計が付加される予定である。これらの試験や改造と平行して、試験片ホルダー内の流れの分布を明らかにするため、試験部の流動解析を行う予定である。

論文

微量放射性物質の測定前処理用固相抽出カートリッジの作製

浅井 志保; 斎藤 恭一*

Biomedical Research on Trace Elements, 28(1), p.1 - 10, 2017/04

放射性物質の定量分析には、一般に、放射線計測器あるいは質量分析計が用いられる。放射性物質のうち、透過力の強い$$gamma$$線放出核種は、非破壊測定が可能であり、化学分離などの前処理なしで測定できる。一方、アルファ線およびベータ線放出核種では、共存する放射性物質が放出するアルファ線やベータ線によって干渉を受けるため、測定前に化学分離によってそれらを除去する。また、質量分析においても、試料中に同重体やその他の干渉元素が共存する場合は、化学分離によって除去してから測定する。しかしながら、こうした化学分離操作は、しばしば煩雑で長時間を要するため、迅速かつ確実に化学分離できる分離材料が求められている。本稿では、放射性物質の測定前処理の迅速化を目的として作製した固相抽出カートリッジについて、その基本分離性能と適用例を紹介する。

論文

繊維に接ぎ木した高分子鎖に絡めた無機化合物を利用する放射性物質の除去

斎藤 恭一*; 小島 隆*; 浅井 志保

分析化学, 66(4), p.233 - 242, 2017/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:3.41(Chemistry, Analytical)

福島第一原子力発電所では、放射性セシウムおよび放射性ストロンチウムを含む汚染水が毎日多量に発生している。本研究では、汚染水を効率的に浄化するため、Cs $$^{+}$$およびSr$$^{2+}$$を捕捉する無機結晶が担持された繊維を作製した。担持する無機結晶には、それぞれ、Cs $$^{+}$$およびSr$$^{2+}$$に優れた選択性を持つ不溶性フェロシアン化コバルトおよびチタン酸ナトリウムを選んだ。これらの無機化合物の沈殿を、放射線グラフト重合法によって市販の6-ナイロン繊維に接ぎ木した高分子鎖(グラフト鎖)内で析出させることにより、繊維表面に担持した。得られた沈殿は、多点の静電相互作用に基づいてグラフト鎖に巻き絡まるため、安定担持が実現する。本研究で提案する不溶性フェロシアン化コバルトあるいはチタン酸ナトリウム担持繊維は、従来の粒子状吸着材、例えば、ゼオライトやSrTreat(チタン酸ナトリウム担持樹脂)に比べて、吸着速度が大きく、無機化合物重量あたりの吸着量も大きくなった。

論文

Safety evaluation of self actuated shutdown system for Gen-IV SFR

斎藤 裕幸*; 山田 由美*; 大山 一弘*; 松永 尚子*; 山野 秀将; 久保 重信

Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 10 Pages, 2017/04

自己作動型炉停止機構(SASS)は、冷却温度の過剰な上昇に応じて原子炉停止系の制御棒を切り離すことができる受動装置である。制御棒の切り離しを引き起こす切り離し温度および応答時間は、有効性解析の重要なパラメータとして同定される。この研究では、応答時間と切り離し温度の検証および低出力SASSの成立性を確かめるために安全性解析に着目する。このため、設計変更がなされ、応答時間が短縮した。また、応答時間を確認するために低出力運転での3次元熱流動解析が行われた。その結果、切り離し温度レベルは、以前の研究と比べて低く、安全性パラメータの改善につながった。改善されたパラメータに基づき、低出力SASSの成立性を確かめるために安全性解析が行われた。この安全性評価から、LOF型ATWS事象が発生した場合、フローコレクタを設置することでSASSが炉心損傷を防ぐことが確認された。

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