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平出 哲也; 鈴木 直毅*; 斎藤 文修*; 兵頭 俊夫*
Physica Status Solidi (C), 4(10), p.3714 - 3717, 2007/09
被引用回数:6 パーセンタイル:82.43(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)分子性固体中では、低温において捕捉電子と自由電子によるポジトロニウム形成が起こる。従来考えられてきた陽電子の運動エネルギーによる吸熱反応を伴うOre過程によるポジトロニウム形成,あるいは入射陽電子自体が引き起こすイオン化により生じる過剰電子がもたらすスパー過程によるポジトロニウム形成の機構は、いずれも「速い反応」である。しかし、最近、われわれが見いだした捕捉電子と自由陽電子から生じるポジトロニウムは、陽電子の入射後ある程度時間が経ってから生じることが予測され、われわれはこの遅延ポジトロニウム形成を、消滅寿命と消滅時の運動量の相関を測定することで実験的に検証した。今回、われわれは、測定で得られた寿命-運動量の相関に基づき、陽電子反応モデルの特定を試みた。すなわち、Ore過程やスパー過程による「速い」ポジトロニウム形成を逃れた自由陽電子が、その後でポジトロニウムを形成する場合には、自由陽電子の局在化を考慮するモデルが妥当との結果が得られた。これにより、寿命-運動量の相関をうまく説明できた。
鈴木 直毅*; 平出 哲也; 斎藤 文修*; 兵頭 俊夫*
Radiation Physics and Chemistry, 68(3-4), p.647 - 649, 2003/10
被引用回数:23 パーセンタイル:80.7(Chemistry, Physical)1980年台からいろいろな物質中で低温で陽電子消滅寿命測定を行うとポジトロニウム形成が増加する現象が見られてきた。1998年、平出らはこれを低温で陽電子の照射効果によって形成される捕捉電子と自由陽電子との反応であると説明し、予測されるいろいろな現象を実験で確かめ、従来の間違った解釈を改めた。われわれはさらに、今回、予測されていた、遅れて起こるポジトロニウム形成を、陽電子寿命-運動量相関測定(AMOC)により確認することに成功したので、その結果について報告する。
平出 哲也; 鈴木 直毅*; 斎藤 文修*; 兵頭 俊夫*
no journal, ,
低温域(-50C以下)では多くの物質中で分子運動が凍結され、電離の際に放出された電子は0.53eV程度で束縛され長時間安定に存在できる。このような物質中に入射された陽電子は通常のスパー(放射線がエネルギーを付与することで形成される活性種が集まった領域)内過程によってポジトロニウム形成するが、この過程を逃れた陽電子は、その後拡散する過程で弱く束縛された電子を捕まえることによりさらにポジトロニウム形成が可能となる。この過程は通常のポジトロニウム形成に比べ比較的遅く起こることを実験により示してきた。今回、これら実験データを物質中における陽電子の局在化も考慮し、解析を試みた。その結果、ポリエチレン中、20Kにおいて陽電子は数十ピコ秒程度で局在し、拡散できなくなることがわかった。