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田端 千紘; 金子 耕士; 芳賀 芳範; 今 布咲子*; 日比野 瑠央*; 太田 玖吾*; 松本 裕司*; 網塚 浩*; 中尾 裕則*
no journal, ,
ハニカム層状構造化合物UPtGaは、Uイオンが形成する擬六方対称のハニカム層が、乱れを伴って積層した結晶構造をとる。単位格子は面内方向に変位した2枚のハニカム層を含み、この変位によって六回回転対称が破られるため、結晶構造は直方晶で記述される。しかしながら、120ずつ回転した3ドメインが積層乱れを与える形で混在するために、バルクの単結晶は見かけ上の六回回転対称を有している。積層乱れに加え、2枚のハニカム層間の距離が比較的大きいことから、2次元的なハニカム磁性体の観点から興味が持たれる本系について、その低温磁気秩序を共鳴X線散乱と中性子回折によって調べた。実験の結果、六方晶表記においてq=(1/6, 1/6, 0)の伝搬ベクトルで記述される磁気反射をTN=26K以下で観測した。この磁気秩序は、積層方向の相関距離が短い異方的な磁気相関長で特徴付けられ、層間の磁気相関が比較的弱いことが示された。さらに、中性子回折強度の半定量的解析と群論的考察から磁気構造を決定し、ハニカム面内の交換相互作用のフラストレーションが主要な役割を担っていることを明らかにした。