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日浦 寛雄*; 山浦 高幸; 本橋 嘉信*; 小檜山 守*
日本原子力学会和文論文誌, 1(2), p.202 - 208, 2002/06
原子炉燃料中の酸素ポテンシャルの炉内測定を可能とする酸素センサの開発を行った。本センサは、CaOで安定化したジルコニア電解質の両側に標準極と測定極を接触させて酸素濃淡電池を構成し、発生する起電力から測定極となる燃料中の酸素ポテンシャルを推定する。本開発試験では、センサ標準極にNi/NiO, 測定極には燃料の代わりにFe/FeOを用いることとし、さらに長寿命化対策を考慮してセンサを設計・試作して、その起電力特性を炉外試験及びJMTRでの照射下その場試験において調べた。炉外試験では、700 1000間の温度変化に対する起電力の温度依存性は理論値とほぼ一致し、起電力経時変化は800一定の下で980hにわたり4%以内であった。照射下その場試験では、高速中性子(E1 MeV)照射量8.010 m(照射時間1650h)までの700 900間の温度変化に対する起電力の温度依存性は炉外試験時に得られた結果とよく一致し、800一定下での起電力経時変化は理論値の6%以内であった。以上のことから、中性子照射下における燃料中の酸素ポテンシャルの測定が本センサにより可能であることがわかった。
日浦 寛雄*; 遠藤 泰一; 山浦 高幸; 松井 義典; 新見 素二; 星屋 泰二; 小檜山 守*; 本橋 嘉信*
JAERI-Conf 99-006, p.343 - 348, 1999/08
軽水炉の高燃焼度燃料の健全性確認には、燃料内の酸素ポテンシャル変化を把握することが重要なファクタとなっている。この変化を把握するためには高温度及び高照射量で使用可能と考えられるジルコニア固体電解質を用いた酸素センサが有力である。また、Ni/NiOを固体標準極として使用することによりセンサの小型化が可能となり燃料棒への内蔵が容易になると期待される。そこでこのセンサをJMTRで中性子照射し、中性子照射下における起電力特性を調べた。この結果、YOで安定化したジルコニア固体電解質(YSZ)を用いたセンサは、中性子フルエンス(E1MeV)1.510mまで照射しても、未照射センサとほぼ同じ起電力特性を示した。しかしながら、この起電力は計算値より低い値であった。この原因は固体電解質と標準極の密着性が不十分であったためと判明し、このため、この密着性を改善した結果、センサの起電力特性を著しく改善した。
日浦 寛雄*; 遠藤 泰一; 山浦 高幸; 星屋 泰二; 新見 素二; 齋藤 順市; 相沢 静男; 大岡 紀一; 小檜山 守*
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.2041 - 2045, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:49.22(Materials Science, Multidisciplinary)MgO,CaO,YOで各々安定化したジルコニア固体電解質(MSZ,CSZ,YSZ)を用いた酸素センサをJMTRで中性子照射し、照射下及び照射後測定においてその起電力特性等について評価した。その結果、照射下では、YSZ試料の起電力は、110mの中性子照射量(E1MeV)までの範囲で、照射量とともに低下した。910mの中性子照射量(E1MeV)まで照射したMSZ試料の起電力は理論値とほぼ同じ値を示した。また、照射後のMSZ,CSZ,YSZ試料の起電力は理論値より低い値を示すが、CSZ試料はMSZ,YSZ試料に比べ起電力の低下が少ないことが判明した。
日浦 寛雄*; 遠藤 泰一; 山浦 高幸; 新見 素二; 星屋 泰二; 齋藤 順市; 相沢 静男; 大岡 紀一; 小桧山 守*
JAERI-Research 97-028, 46 Pages, 1997/03
原研大洗研究所材料試験炉部では、軽水炉等で照射された高燃焼度燃料内部の化学的挙動を解明することを目的に、燃料棒内酸素ポテンシャル測定技術の開発を行っている。本試験においては、MgO,CaO,YOで各々安定化したジルコニア固体電解質(MSZ,CSZ,YSZ)を用いた酸素センサを材料試験炉(JMTR)で中性子照射し、照射下及び照射後測定においてその起電力特性等について評価した。その結果、照射下測定ではYSZ試料の起電力は照射量の増加にともない徐々に低下した。また照射後測定ではMSZ,CSZ,YSZ試料で照射とともにセンサ起電力は低下するが、CSZ試料はMSZ,YSZ試料に比べ起電力の低下が少ないことが判明した。