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瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典; 鈴木 政浩; 有満 直樹*; 吉田 英人*; 福井 国博*
Advanced Powder Technology, 26(3), p.983 - 990, 2015/05
被引用回数:8 パーセンタイル:27.86(Engineering, Chemical)使用済み燃料の再処理工程において、マイクロ波加熱直接脱硝法による硝酸ウラニル・硝酸プルトニウム混合溶液から混合酸化物粉末(MOX原料粉末)への転換が行われている。マイクロ波加熱法に対する酸化物添加法と断熱材の効果を明らかにするため、マイクロ波加熱法による硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO)・6HO)の水溶液の脱硝について研究を行った。Ni(NO)・6HO水溶液はマイクロ波吸収性が低く、マイクロ波照射により300C以上に昇温することができず、脱硝生成物(NiO)の最終生成物をこれまで得ることができなかった。そのため、コンタミネーションを伴わない新たなNiOの合成法として、マイクロ波アクセプターとしてNiO粉末を添加する手法を開発した。さらに、反応容器周辺に断熱材を設置することにより試料温度の均一性が向上し、NiOへの脱硝率を大幅に改善することができた。数値シミュレーションにおいて断熱材を設置した場合の電界分布は顕著に変化し、温度分布の不均一性が低下することが明らかとなった。シミュレーションによる温度分布を基に算出したNiOへの脱硝率は、実験結果と概ね一致する傾向にあることを確認した。
福井 国博*; 井川 友介*; 有満 直樹*; 鈴木 政浩; 瀬川 智臣; 藤井 寛一*; 山本 徹也*; 吉田 英人*
Chemical Engineering Journal, 211-212, p.1 - 8, 2012/11
被引用回数:13 パーセンタイル:41.13(Engineering, Environmental)核燃料サイクルにおいて使用済み核燃料を硝酸で溶解し、マイクロ波加熱脱硝法により混合酸化物(MOX)原料粉末に転換している。マイクロ波加熱脱硝特性の異なる複数の硝酸金属溶液からの金属酸化物粉末の生成プロセスについて明らかにするために、硝酸ニッケル水溶液と硝酸銅水溶液を用いたマイクロ波加熱脱硝特性の研究及び数値シミュレーションによる温度分布の解析を行った。マイクロ波加熱脱硝法により、硝酸銅水溶液から酸化銅を容易に得ることができる一方、硝酸ニッケル水溶液は270C以上に加熱することができなかった。マイクロ波加熱による脱硝反応過程は、外部加熱によるものと同じ過程をとることが確認でき、マイクロ波加熱により脱硝を行う上では、中間生成物と酸化物のマイクロ波吸収性だけでなく、中間生成物から酸化物に転換する温度が重要であることが示された。また、シミュレーションにより、反応容器内において中心部で最高温度となる半径方向に不均一な温度分布を形成することが明らかとなり、中心部から酸化物の生成が進行すると考えられる。
福井 国博*; 有満 直樹*; 山本 徹也*; 吉田 英人*; 山本 琢磨*; 石井 克典; 鈴木 政浩
no journal, ,
現在、原子力発電におけるウラン資源の有効利用を図るため、高速増殖炉サイクルの実用化に向けた研究開発が進められている。軽水炉の使用済燃料を再処理して得られる硝酸プルトニウムと硝酸ウラニル溶液を混合後、マイクロ波脱硝法により酸化物に転換され、原子力発電所の燃料として再利用される。マイクロ波脱硝法の利点として、活性度の高い酸化物粉末が得られることや主な装置構造が簡易であり、操作性に優れること等が挙げられる。その一方、脱硝時の投入エネルギーが大きいという問題点も存在する。そこで、本研究では、脱硝反応機構を解明し、エネルギー効率を向上させるためのコールド試験を行ったところ、加熱源となる酸化物粒子を添加することが有効であること、また断熱材を用いることが有効であることがわかった。
瀬川 智臣; 鈴木 政浩; 藤井 寛一; 井川 裕介*; 有満 直樹*; 山本 徹也*; 福井 国博*; 吉田 英人*
no journal, ,
マイクロ波加熱法による硝酸ニッケル水溶液を用いた脱硝反応プロセスにかかわる研究を実施した。硝酸ニッケル水溶液の中間生成物のマイクロ波吸収性が低いことから、マイクロ波加熱法により硝酸ニッケル水溶液から酸化ニッケルを得ることはできない。本研究では、マイクロ波吸収体として6.0gの酸化ニッケルを加えたマイクロ波加熱により、硝酸ニッケル水溶液を酸化ニッケルに転換することができることを示した。酸化ニッケル粉末は脱硝反応を促進し、酸化ニッケル粉末の量が増加すると必要な反応時間は減少した。さらには、溶液内の温度分布を均一化するために、容器周囲に断熱材を設置した。容器の中心部が同じ温度の場合では、硝酸ニッケル水溶液から酸化ニッケルへの脱硝効率が向上することがわかった。