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岩永 宏平; 山根 剛; 西原 健司; 岡嶋 成晃; 関本 博*; 朝岡 卓見*
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-11) (CD-ROM), 10 Pages, 2003/04
未臨界体系での動的手法による負の反応度測定実験において、未臨界度と中性子源強度Sを同時に決定できる逆動特性法のデータ処理手順の適用性について検討を行った。ここでは、FCAにおいて、未臨界体系(k=0.998)に反応度を約$-5.5投入した。このときの炉出力時系列データに対して、6つのデータ処理手順に基づいて、,Sを求め、相互比較を行った。その結果、最も計数率の高い検出器の場合、手法間においては2%以内、Sは0.6%以内で一致する。一方、最も計数率の低い検出器では、手法間でが最大で4%、Sは最大で7%の相違があった。この原因は、未臨界度が深くなると、検出器の計数率が低下し、係数のゆらぎが正規分布からずれることになると考えられる。特に、未臨界の高速炉体系では計数率が大幅に減少するため、$-6程度の反応度投入でも、従来のデータ処理手順に適否があることが判明し、十分計数率を与える検出器の選定が重要であることが示された。
伊勢 武治; 鈴木 友雄; 朝岡 卓見; 兵藤 知典*; 菊池 忍
原子力工業, 29(10), p.33 - 40, 1983/00
約5年毎に行われる放射線遮蔽に関する国際会議が去る5月16日から5日間東京で開かれた。本報ではこの会議で発表された、遮蔽研究の基礎分野としての遮蔽解析法と核データ、応用面である遮蔽設計及び遮蔽経験の3分野について、世界の遮蔽研究の現状と動向を解説する。
朝岡 卓見; 兵藤 知典*; 鈴木 友雄; 菊池 忍
日本原子力学会誌, 25(9), p.717 - 722, 1983/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.33(Nuclear Science & Technology)約5年毎に放射線遮蔽分野の各国の専門家が一堂に会し、研究成果の発表、意見の交換を行う遮蔽国際会議が、去る5月16日から5日間東京で開かれた。本稿では、まず本国際会議の開催状況を、日本開催に到るまでの経緯、会議の準備、会議の開催概況に分けて述べる。次いで、世界の遮蔽研究の動向について、本会議までの研究の歩みを概観した後、本会議での発表論文から窺えた動向を解説する。
朝岡 卓見
JAERI-M 8672, 89 Pages, 1980/02
多重層平板系中の中性子とガンマ線の多群エネルギーモデルでの輸送を、非等方散乱も考慮して記述するj法の基礎方程式が示された後、定常問題を、空間についてはj近似、散乱角に対してはP近似を用いて解くFORTRAN-IV計算プログラムJN-METD3が詳細に説明されている。この計算コードでは、境界に平面線源のある平板体系中の放射線線束が、空間、角度、エネルギーの関数として計算される。また、積分型輸送方程式の固有値、すなわち、平板状原子炉の有効増倍係数あるいは中性子の漸近減衰定数、及び固有関数、すなわち、空間、角度、エネルギー依存の中性子束分布も求められているようになっている。
中川 正幸; 朝岡 卓見
JAERI-M 8556, 40 Pages, 1979/11
モンテカルロ法を用いて、摂動計算により反応度を求めるプログラムを作成した。コードはMORSEを修正する形で作った。計算は、統計誤差で小さくするために、相関サンプリング法を用いており、Similar Flight Path法と、Identival Flight Path法の二つが選択できる。従来の摂動計算法では、一次摂動項のみ求めていたが、更に二次項まで計算できるように、改良した。本稿では、計算式の導出、反応度の評価法、プログラムの計算の流れ、主要なサブルーチンのフォートランリスト及び、出力例を示すと共に、入力方式が説明されている。
朝岡 卓見; 田次 邑吉; 筒井 恒夫; 中川 正幸; 西田 雄彦; 中原 康明
JAERI-M 8178, 126 Pages, 1979/03
固体材質が放射線照射を受けると、一般に1次たたき出し原子ができ、はじき出し原子のカスケードが起こる。このカスケード過程を扱う計算コードとしてCASCADE/CLUSTERがあるが、本報では、これをFACOM用に変換すると共に、結晶格子中に作られた欠陥の図形出力ルーチンを付加した。また、同様なMARLOWEコードも整備した。このカスケード過程に続き、原子の熱振動による欠陥の回復過程がある。これを取り扱うコードとして、体心立方晶系に対してDAIQUIRIがあるが、本報では、これを改造し、面心立方晶系も扱えるようにした。更に、この熱振動による回復も考慮して常温材質の重照射による損傷を取り扱えるようにCASCADE/CLUSTERとDAIQUIRIを結合して、CASCSRBシステムを作成した。また、カスケード過程をCASCADEコードの代りにMARLOWEで扱う重照射シミュレーション・コードシステムとして、CASCMARLも作成した。
中川 正幸; 朝岡 卓見
Journal of Nuclear Science and Technology, 15(6), p.400 - 410, 1978/06
被引用回数:18反応度を2次の摂動項まで計算できるように2種類の相関サンプリングモンテカルロ法(similar hight path methodとidentical flight path method)を改良した。非摂動系と摂動系の摂動領域を通過した中性子が核分裂により発生する第2世代の中性子も両体系間で相関がよくなるように、サンプリング法及び追跡法に工夫を行った。これらの方法は多目的モンテカルロコードMORSE中に組み込み、得られた反応度の統計的誤差も計算できる。これらの手法を用いて、FCAV-3体系の制御棒価値の解析を行い、その結果標準偏差内で測定値を予測することができた。ここで改良した2つの方法の内SFP法の方が制御棒価値の解析には、より有用であることがわかった。
朝岡 卓見
JAERI-M 7552, 61 Pages, 1978/03
実変数の非線形実関数の連立方程式の1つの解を、推定値から求める数値解法として、準Newtron法と射影法とを概観し、それによる計算プログラムの整備とベンチマーク・テストを実施した。ヤコビアン行列の微分形を与えなくてよいルーチンとしては、PowellのNSO1A、ヤコピアンが疎な系を対象としたReidのNSO3A、及びBrownのNONLINの3つが取り扱われた。これらはいずれも準Newtron法を用いているが、この中ではNONLINが最も安定したアルゴリズムをもっており、計算時間も短くて優れている。ヤコビアンの微分形を与えるルーチンとしては、Boggsのアルゴリズムによる準Newtron法のINTECHと、Georg&Kellerによる射影法のPROJA、及びNSO3Aの1つのオプション、の3つを取り扱った。この結果、射影法はまだ、最適なアルゴリズムを与えるには研究が必要だが、線形変数のみを別個に扱えるINTECHが、この中では一応計算時間の点でも優れていることが示された。
朝岡 卓見; 浅野 則雄*; 中村 久*; 水田 宏*; 千々 和洋*; 大西 忠博*; 宮坂 駿一; 瑞慶 覧篤*; 筒井 恒夫; 藤村 統一郎; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 15(1), p.56 - 71, 1978/01
被引用回数:7原子炉核計算あるいは遮蔽計算用の中性子・ガンマ線輸送計算コードが正確に作動していることを確認するためのテスト問題として、3つのベンチマーク問題の入力データと計算結果をまとめた。最初の1次元の小さな球形原子炉に関する問題は、1次元Snコード、DTF-IV,ANISN,更にはMORSEモンテカルロコードのテストにも用いられるであろう。2番目の2次元(x、y)での吸収媒質中の中性子伝播を扱う問題は、2次元Snコード、TWOTRAN-GG,TWOTRAN-II,DOT-3,TRIPLETに対するきびしいテスト問題となっている。最後の2次元(r、z)での放射線ストリーミングの問題も有限差分Snコード、TWOTRAN-II,DOT-3のテストに使えるが、有限要素法SnコードのFEMRZのテストにも用いられるようになっている。これらの計算に使用されるパラメータの計算結果、計算時間への影響の一般的傾向もまとめられている。
朝岡 卓見
JAERI-M 7335, 88 Pages, 1977/10
科学用サブルーチン・ライブラリの拡充整備の一環として、高次代数方程式の主な数値解法アルゴリズムを概観し、代表的な計算プログラムを整備し、既存のルーチンも含めてベンチマーク・テストを実施した。逆補間法のルーチンとしては、Muller法のプログラムを整備すると共に、これにChambersのアルゴリズムを取り入れたものも作成した。このMuller-Chambers法のルーチンは、3重根3つの近接根などを除けば、特に複素係数多項式の根の計算に有用である。Newton法の変形であるMadsenアルゴリズムによるルーチンも整備したが、低次多項式の根の算出には他より時間がかかるが、すべての場合に正確な解を与えており、標準的な計算プログラムとして用いることができる。実係数多項式に対する既存のBairston法ルーチンは、3重根などを除けば最も速いアルゴリズムになっていることも示された。なお求められた根の誤差限界の計算ルーチンを整備された。
朝岡 卓見; 宮坂 駿一
Journal of Nuclear Science and Technology, 14(8), p.603 - 609, 1977/08
被引用回数:0モンテカルロ法による隠蔽計算の実用的分散低減手法として、粒子飛行方法についての簡単なバイヤス法を新しく開発した。散乱された粒子のうち、進行方向が検出器へ向かっていないものは、その粒子の重みが最初の粒子源の重みに比べて十分小さくて、もはや重要でない場合にはkillされる。このようにして、検出器反応率を精度良く求めるために必要な粒子サンプル数を減らすのである。 この手法を多群中性子・ガンマ線輸送計算コードMORSEに組み込み、テスト計算を球状の高速中性子体系に対して行った。その結果、このバイヤス法は、中性子透過問題ばかりでなく、中性子倍増問題にも分散低減の機能を果すことが明らかにされた。すなわち原子炉の有効増倍率も中性子束も、path-length stretching法と比べ、同じ計算時間でより精度良く求められている。さらに、この粒子飛行方向バイヤス法は、他の分散低減手法と組み合わすことにより、より効果を現すことも示されている。
朝岡 卓見; 中原 康明; 堀上 邦彦; 西田 雄彦; 鈴木 忠和; 田次 邑吉; 宮坂 駿一; 弘田 実彌
Nuclear Science and Engineering, 59(4), p.326 - 336, 1976/04
被引用回数:3モンテカルロ法で原子炉体系の固有値を求める際の反復計算過程の収束加速のため、粗メッシュ再釣合法が導入された。1バッチの中性子ヒストリーについての計算終了毎に、原子炉の各粗メッシュ領域で中性子の釣合が保たれるように中性子束に掛けられる因子が計算される。この再釣合因子を、次のバッチ計算の最初に、各粗メッシュ領域の核分裂中性子源の重み(強度)に掛ける。この粗メッシュ再釣合法を使った計算例は、この方法が各粗メッシュについての中性子源とか損失を、通常のモンテカルロ計算より正しく求める、新しいサンプリング法であることを示している。
西田 雄彦; 堀上 邦彦; 鈴木 忠和; 中原 康明; 田次 邑吉; 朝岡 卓見
JAERI-M 6251, 36 Pages, 1975/09
原子炉系の固有値計算を行う場合の加速法の一つとして、汎用モンテカルロ輸送コード「MORSE」に粗メッシュ再鈎合い法を適用した。ここでは、モンテカルロ・ゲームから得られる情報の内、必要な量だけを集積・処理するルーチン「COARSE」と、これに引続いて再鈎合い係数を計算するルーチン「REBAL」を作成し、、「MORSE」を拡張した。これらのルーチンの詳細と共に、モンテカルロ法における粗メッシュ再鈎合い加速法のアルゴリズムについて報告する。
朝岡 卓見
原子力工業, 21(6), p.70 - 74, 1975/06
原子炉理論基礎講座の最終回として、原子炉炉心設計の仕様とか、燃料の経済性についてのデータを与える核計算コードの現状について解説した。まず核断面積計算用として熱中性子散乱核の代表的計算コードを述べ、次いで核断面積より中性子スペクトル計算を通して、熱中性子、あるいは高速中性子郡定数を与えるコードについて説明した。この郡定数を用いて原子炉の静力学的核特性、すなわち運転開始時の核特性が計算され、次いで運転に伴う特性の変動も求められる。又原子炉の安定性、制御性の解析のための動特性計算コードについても概略を述べた。
宮坂 駿一; 田次 邑吉; 岡田 高光*; 南 多善*; 井上 修二; 出田 隆士; 関 泰; 安藤 弘栄; 飯田 浩正; 藤村 統一郎; et al.
JAERI-M 5794, 71 Pages, 1974/07
原子炉構造体、遮蔽体中における放射線透過、発熱の計算を群定数作成から系統的に行なうことのできるコードシステムを開発した。本システムは、(1)中性子、ガンマ線の輸送・発熱群定数の作成、(2)2次ガンマ線生成定数の作成(3)中性子輸送計算、(4)中性子発熱計算、(5)ガンマ線輸送計算および(6)ガンマ線による発熱計算の6つの部分から構成されている。中性子、ガンマ線の輸送計算はSNコード(ANISN、DOT-2等)を用いて行なう。本コードシステムの機能および計算精度評価のため、FCA-V3集合体における実験結果を解析し、かなり良い結果を得た。
朝岡 卓見; 中原 康明; 伊勢 武治; 筒井 恒夫; 西田 雄彦; 堀上 邦彦; 藤村 統一郎; 出田 隆士; 鈴木 忠和
JAERI-M 5557, 32 Pages, 1974/02
原子炉計算コードの大型化、多様化に伴い、それらの適用性、有効性あるいは精度の評価のためベンチマーク・テストが要求されている。ベンチマーク・テストには、実験の解析による核断面積などのチェックのテストもあるが、本報では数値解析の立場からのテストのみを扱う。この際には誤差評価ずみのいわゆる厳密解を基準とするわけで、テストのためのベンチマーク問題もその観点からえらばれなければならない。当面の興味の対象として、中性子とガンマ線の輸送を扱うモンテ力ルロ、S、拡散近似、およびこれらの方法による空間依存動特性の代表的計算コードがえらばれた。そして、現在までに各国で実施された、これらコードの性能テストの総括と評価をした。特に1次元Sコードについては、計算に適している角度求積法とSの近似オーダー、および計算時間についての一般的結論を得た。
宮坂 駿一; 田次 邑吉; 井上 修二; 出田 隆士; 朝岡 卓見; 桂木 学; 弘田 実彌
第1回トピカルミーティング報文集; 高速炉物理, p.190 - 199, 1973/00
このコード・システムは、高速炉、高温ガス炉あるいは、核融合炉などの炉心内外で発生する放射線発熱量をシステマティックに計算するものである。中性子束とガンマ線束が、一次元Sn輸送コード(ANISN)で同時に計算される。発熱量は、これらの線束に、放射化断面積として中性子及びガンマ線発熱定数が掛け合わされて求められる。これらの計算のために、中性子輸送多群定数、ガンマ線輸送多群定数、二次ガンマ線生成定数、それに、中性子及びガンマ線発熱定数が作成された。計算結果は、FCA-V-3集合体におけるガンマ線束分布の測定結果と比較される。
斎藤 慶一; 中原 康明; 朝岡 卓見
日本原子力学会誌, 5(1), p.29 - 38, 1963/00
抄録なし
朝岡 卓見
JAERI 1031, 47 Pages, 1962/06
JRR-3は本年夏臨界になる予定であるが、その核計算は1958年以前のものが大部分である。最近臨界到達スケジュールが具体的になり、炉内に176本の燃料棒を挿入し、重水レベルを徐々に上げてゆく方法がとられることになった。ここではその際の臨界性につき、最新の核常数を使い、新しく筆者らが開発した3組理論に基づいて一通り考えた。計算結果は従来のものと比較し、炉の有効増倍率にして12%以下の差で一致しており、また、1961年3月に臨界に達した西独のFR-2についての実測値との比較も、12%程度の誤差内で有効増倍率を求めることができることを示している。これらから計算誤差として、有効増倍率に一応1.5%を見込むこととし、結局JRR-3の臨界は、重水レベルが管板上面から測って(2.0)mのときに到達することが算出された。これは形状バックリングにすれば(4.80.5)m、炉心内のUの量では(21.)kgとなる。
朝岡 卓見; 駒田 正興
JAERI 1019, 26 Pages, 1961/06
JRR-2は昨年秋に臨界に達したが、その際予期された臨界量,燃料要素8本に対し、実際には15本を必要とした。AMF及び原研での臨界量の計算は数年前に行われたものであり、その後組立途上で補強のためなどにより、若干構造が変わっている。本報ではこれらをすべて考慮して臨界量の再計算を行い、臨界量の差の原因を考え、併せて計算値と実測値との比較検討をした。臨界量の差の主な原因は、反射体中の制御棒,燃料要素延長部分,グリッド・プレートなどの影響である。すなわち初期の計算の際にはこれらを十分考慮に入れず、反射体は重水、あるいは軽水のみであるとして扱っている。本報では簡単に使用できる計算方法を使ったが、これによる15本炉心の有効倍増率の値は、実測値より2%程度大きくなった。計算誤差についても詳細に検討してある。