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鳴島 崇*; 服部 高典; 木下 智裕*; Hinzmann, A*; 辻 和彦*
Physical Review B, 76(10), p.104204_1 - 104204_8, 2007/09
被引用回数:25 パーセンタイル:68.43(Materials Science, Multidisciplinary)高圧下における液体Snの構造を19.4GPaの圧力まで放射光X線回折によって調べた。約3-6GPaまでの加圧において、局所構造の異方性を示す特徴の減少、つまりS()の第一ピークの右肩のこぶの現象,第一ピークに対する第二ピーク位置の減少,配位数の増大が見られた。これらの特徴は、液体の局所構造が加圧に伴い単純なものになることを示唆する。しかしながら、さらに高い圧力まで加圧したとき、これらの変化はもはや見られなくなった。その時の構造パラメータは、依然単純液体のものからずれている。このことは、これまでの予想と異なり、液体は単調に単純液体に近づくのでなく、比較的安定な異方的な局所構造を持つ液体を経由することを示している。液体Snの構造変化を液体Si, Geの結果と比較し、14族元素の液体の構造変化の系統性を議論する。
服部 高典; 多賀 尚仁*; 高杉 幸伸*; 木下 智裕*; 鳴島 崇*; 辻 和彦*; 亀卦川 卓美*
Photon Factory Activity Report 2005, Part A, p.42 - 43, 2006/11
放射光を用いたX線回折実験によって、液体III-V化合物の構造の圧力変化を約20万気圧まで系統的に調べた。得られた構造因子,二体分布関数から、高圧下における液体の構造は2つの局所構造(ベータスズ的構造とbcc的構造)によって記述でき、それらの割合が圧力とともに連続的に変化することがわかった。また、III-V化合物は、融解とともに金属的な伝導性を示すが、それにもかかわらず液体中においても広い圧力領域にわたって、共有結合的な構造を保持していることが明らかとなった。
服部 高典; 木下 智裕*; 鳴島 崇*; 辻 和彦*; 片山 芳則
Physical Review B, 73(5), p.054203_1 - 054203_9, 2006/02
被引用回数:23 パーセンタイル:68.23(Materials Science, Multidisciplinary)放射光を用いて、液体CdTeの構造を23.5GPaまで調べた。液体の構造因子S(Q)と二体分布関数g(r)は、配位数の増加とともに、2つの圧力領域1.8-3.0GPaと7.0-9.0GPaで急激に変わった。これは23.5GPaまでに少なくとも3つの安定な液体formがあることを示す。構造変化の起こる圧力幅は、他の四配位共有結合性物質の液体におけるものよりずいぶん小さい。得られたS(Q)とg(r)、他の参照物質のものと比べることにより、液体の最低圧formと中圧formの局所構造は、結晶相におけるもの(閃亜鉛鉱方構造と岩塩構造)であることがわかった。一方、最高圧formの局所構造はCdTe結晶相に見られないものであった。
斎藤 祐児; 菅 滋正*; 柿崎 明人*; 松下 智裕*; 今田 真*; 大門 寛*; 小野 寛太*; 藤沢 正美*; 木下 豊彦*; 石井 武比古*; et al.
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 78, p.329 - 332, 1996/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.03(Spectroscopy)強磁性体ニッケルの3pおよび3s内殻準位とMVVオージェ電子とスピン分解光電子分光で調べた。内殻準位については、多重項をとり入れた不純物アンダーソンモデルに基づき解釈することができた。オージェ電子については従来の予想に反して正のスピン偏極度が観測された。また、本構造により高エネルギー側にも正のスピン偏極度が観測された。主に3d終状態と考えられていた主構造は、3dと3d終状態が強く混成していることがわかった。主構造より高エネルギー側の正のスピン偏極度は、大きくスピン偏極した2次電子励起に由来するという解釈を初めて行った。