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阿部 弘亨; 園田 健*; 木下 智見*; 楢本 洋
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 127-128, p.176 - 180, 1997/00
被引用回数:11 パーセンタイル:65.49(Instruments & Instrumentation)770K~1070K程度の高温でイオン照射により転位ループが形成された。電子照射の場合と比較して、低線量で転位ループが観察され、密度は照射量と共に増加し、高線量で一定値をとる傾向を示した。また転位ループ径は、照射時間に対して1/2~2/3乗(900K以上)、1/4乗(900K以下)に比例し、電子照射と比較して成長速度が小さいことがわかった。カスケード内部あるいはその周辺部では点欠陥が密集しているため、転位ループの核形成頻度が高くなり、そのために転位ループの成長に寄与する点欠陥密度が減少し、成長速度は低くなると考えられる。
阿部 弘亨; 楢本 洋; 岩瀬 彰宏; 木下 智見*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 127-128, p.681 - 684, 1997/00
被引用回数:27 パーセンタイル:87.76(Instruments & Instrumentation)数100K程度までの温度において、イオン照射により黒鉛の非晶質化が誘起された。非晶質化線量の温度依存性から400Kを境にして2つのステージの存在が明らかになった。400K以下では非晶質化線量はイオン種・エネルギーに依存せず、約0.2dpaで非晶質化した。400K以上では非晶質化線量はイオン種・エネルギー・線束密度に依存して増加し、ある温度(T)以上では非晶質化しなかった。Tは入射粒子質量の増加、エネルギーの減少、線束密度の増加に伴い高くなるが、質量数20以上の重イオン照射では次第に飽和傾向を示した。860K以上では照射条件によらず非晶質化は観察されなかった。黒鉛中のカスケードは原子配列の乱れた領域を形成し、その蓄積によって非晶質化が進行する。また400K以上のステージは黒鉛のC面間に蓄積した炭素分子クラスターが分裂し空孔と再結合する温度に相当し、このクラスターの生成速度、空間分布、安定性が非晶質化や再結晶化を律速すると考えられる。
野田 健治; 中沢 哲也; 大山 幸夫; 前川 洋; 金田 潤也*; 木下 智見*
Fusion Engineering and Design, 29, p.448 - 454, 1995/00
被引用回数:9 パーセンタイル:66.34(Nuclear Science & Technology)核融合炉には多くのセラミックス絶縁体が使用される。核融合炉の運転中、これらの絶縁体は14MeVまでのエネルギーをもつ中性子にさらされ、照射誘起電気伝導(RIC)によりその絶縁抵抗が低下する。本研究では、原研の核融合中性子工学用14MeV中性子源(FNS)を用い、世界で初めて、アルミナの14MeV中性子照射下における絶縁抵抗の挙動をその場測定した。本発表では、測定に用いた測定用照射チェンバーの概要を述べるとともに、これを利用して測定した室温における最初の予備的測定結果を示す。
木下 智見*; 阿部 弘亨; 前田 真一*; 福元 謙一*
Journal of Nuclear Materials, 219, p.152 - 160, 1995/00
被引用回数:13 パーセンタイル:76.26(Materials Science, Multidisciplinary)共有結合性およびイオン結合性結晶中の照射欠陥形成過程に対する、カスケード、点欠陥、イオン化の相乗効果について理解するために、イオン・電子同時照射実験を行い、解析した。共有結合性結晶では、イオン照射に伴いカスケードのコントラストが電子顕微鏡にて観察された。そして同時照射によるコントラストの消滅がみられ、点欠陥の照射誘起または励起拡散によるものであることが判った。一方、イオン結晶ではカスケードのコントラストは観察されなかったが、重照射により転位ループが観察された。転位ループ形成過程に対するイオン・電子同時照射効果はみられず、材料内に均一にイオン化を引き起こすような照射は、転位ループの核形成・成長過程に重要ではないことが解った。
阿部 弘亨; 木下 智見*; 傅田 康貴*
Mater. Res. Soc. Symp. Proc. Vol. 373, 0, p.487 - 492, 1995/00
加速器結合型電子顕微鏡内にて、Geにイオン・電子照射を行った。イオン照射によりカスケード損傷に対応するコントラストが出現し、その密度は照射時間の1.2~1.4乗に比例して増加した。これはカスケードが直接あるいはオーバーラップによって、コントラストを呈することを意味する。またカスケードの蓄積は、同時電子照射により抑制されることが判った。さらにイオン照射後の電子照射によってカスケードのコントラストは収縮・消滅した。原子のはじき出しを生じないような低エネルギー電子照射による、カスケードコントラストの収縮・消滅も観察された。以上の結果をもとに、カスケードのオーバーラップによるコントラスト出現、電子照射によるカスケードの消滅を記述する速度論を構築し、実験結果を解析し、カスケードの安定性について考察した。
阿部 弘亨; 楢本 洋; 木下 智見*
Mater. Res. Soc. Symp. Proc., Vol. 373, 0, p.383 - 388, 1995/00
高崎研イオン照射研究施設内の加速器結合型電子顕微鏡を用いた、グラファイトの照射誘起非晶質化過程に関する研究。電子照射誘起非晶質化の臨界線量の温度依存性、電子線束密度依存性に関する実験より、非晶質化が原子のはじき出しによる空孔の蓄積に因ることが判った。さらに臨界線量の電子エネルギー依存性から室温での原子のはじき出ししきいエネルギーを27eVと評価した。また100Cでのしきいエネルギーは28eVであった。イオン照射誘起非晶質化に必要な損傷量を、200~600keVのHe、Ar、Arイオンについてさらに求めた。本実験範囲内では損傷量は約0.2dpaであり、照射条件には依存しなかった。これよりエネルギー密度10~10eV/atomの範囲内では、カスケード損傷内部での熱スパイク効果が非晶質化に影響しないことが判った。
阿部 弘亨; 木下 智見*
Ionics, 20(7), p.39 - 48, 1994/07
加速器結合型超高圧電子顕微鏡を用いた、イオン・電子同時照射効果についての研究概説。SiおよびGeについて、イオン照射によるはじき出しのカスケードの蓄積過程と、その結果誘起される非晶質化に着目し、これらの現象に及ぼす同時電子照射効果について論じた。
阿部 弘亨; 木下 智見*; P.R.Okamoto*; L.E.Rehn*
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.298 - 302, 1994/00
Siのイオン照射誘起非晶質化に及ぼす同時電子照射効果について明らかにした。イオン・電子同時照射により、非晶質化は抑制され、抑制のために必要な臨界電子線束密度が求められた。それはイオン照射によるエネルギー付与密度、イオン線束密度、電子エネルギーに依存する。これより、イオン照射誘起非晶質化は、本質的に、イオン照射により生じるカスケードのオーバーラップによって生じることが判明した。さらに、同時電子照射による非晶質化の抑制効果は、カスケードが点欠陥の照射誘起拡散や電子励起によって不安定化することに起因することが明らかになった。
阿部 弘亨; 木下 智見*; 傳田 康貴*; 園田 健*
Annu. Rep., HVEM LAB., Kyushu Univ., 0(17), p.17 - 18, 1993/00
原子炉内照射により、材料中には様々な欠陥が導入され、相乗して照射損傷が形成される。この相乗効果の理解には、加速器結合型電子顕微鏡は有用である。本研究では、九州大学の加速器結合型超高圧電子顕微鏡を用いて、SiとGe中のカスケード損傷蓄積過程の観察、および蓄積過程に及ぼす電子照射効果について明らかにした。イオン照射により、Si,Ge中には、白いドット状コントラストが観察された。これは、カスケード損傷に対応するものと考えられる。照射初期には、カスケード損傷は互いにオーバーラップすることにより、コントラストを呈することが判明した。また、同時電子照射により、カスケード損傷の蓄積は抑制されることが判明した。これは、電子照射により形成された点欠陥や、それらの照射誘起拡散などによるものであると考えられる。
阿部 弘亨; 木下 智見*; P.R.Okamoto*; L.E.Rehn*
Annu. Rep., HVEM LAB., Kyushu Univ., 0(17), p.19 - 20, 1993/00
Siはイオン照射により非晶質化するが、電子照射によっては非晶質化しない。この現象には、カスケード損傷の蓄積と安定性が寄与していると考えられるが明らかではない。本研究では、アルゴンヌ国立研究所のタンデム加速器結合型超高圧電子顕微鏡を用いて、Siのイオン照射誘起非晶質化に及ぼす、同時電子照射効果を明らかにした。イオン・電子同時照射により、照射誘起非晶質化が抑制された。抑制に必要な臨界の電子線束密度を測定した結果、軽イオンほど臨界電子線束密度がイオン線束密度に依存することが判明した。これは照射誘起非晶質化が、カスケード(サブカスケード)のオーバーラップにより進行することを示している。また、サブカスケードは電子同時照射に対して不安定であり、主として点欠陥の照射誘起拡散及び電子励起によって不安定化することが明らかになった。
阿部 弘亨; 木下 智見*; 傳田 康貴*; 園田 健*
Proc. Jpn. Acad., Ser. B, 69(7), p.173 - 178, 1993/00
原子炉材料の照射損傷を評価するために、加速器結合型超高圧電子顕微鏡を用いた、イオン・電子同時照射を行い、カスケード損傷と点欠陥との相乗効果について明らかにした。イオン照射により、Si,Ge中には、カスケード損傷に対応した白いドット状コントラストが観察された。その密度は、照射時間とともに増大し、そしてある飽和値に達した。速度方程式を用いた解析により、カスケードはオーバーラップすることによりコントラストを呈すること、電子照射によってカスケードの蓄積が抑制されること、が判明した。同時電子照射により形成された点欠陥やその照射誘起拡散によって、カスケードが消滅することが示された。