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論文

Anomalous vortex dynamics in the spin-triplet superconductor UTe$$_2$$

常盤 欣文; 酒井 宏典; 神戸 振作; Opletal, P.; 山本 悦嗣; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 柳瀬 陽一*; 芳賀 芳範; et al.

Physical Review B, 108(14), p.144502_1 - 144502_5, 2023/10

$$b$$-軸磁場下で$$a$$-軸方向の電流を用いて測定することで、スピン3重項超伝導体UTe$$_2$$におけるボルテックスダイナミクスを研究しました。驚くべきことに、超伝導状態の深部で、島状の臨界電流の低い領域を発見しました。この現象は、ボルテックスのピンニングが弱まった結果と考えられます。特筆すべきは、この領域が最近提案された中間磁場の超伝導相と一致していることです。我々は、中間磁場超伝導状態において非特異的なボルテックスが存在する可能性を検討しました。この中間状態では、複数の超伝導成分が混合するためボルテックスの中心部で超伝導の秩序パラメータが完全に消えない可能性があり、それがピニングが弱まる原因になっている可能性があります。

論文

Field induced multiple superconducting phases in UTe$$_2$$ along hard magnetic axis

酒井 宏典; 常盤 欣文; Opletal, P.; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範

Physical Review Letters, 130(19), p.196002_1 - 196002_6, 2023/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:90.46(Physics, Multidisciplinary)

$$T_{rm c}$$=2.1Kのウラン2テルル化物単結晶における超伝導相図を磁気困難軸である結晶$$b$$軸方向に磁場をかけて調べた。電気抵抗と交流帯磁率を同時に測定した結果、低磁場超伝導(LFSC)相と高磁場超伝導(HFSC)相が、対照的な磁場-角度依存性をもつことがわかった。結晶の純良性が上がったことにより、LFSC相の上部臨界磁場は上昇したものの、HFSC相が現れる特徴磁場$$H^{ast}$$は、単結晶の純良性に関わらず、15Tと一定であることがわかった。また、$$H^{ast}$$近傍のLFSC相内に、弱い渦糸ピン留め力で特徴づけられる中間超伝導相を示唆する新たな相線の形跡を捉えた。

論文

Change of superconducting character in UTe$$_{2}$$ induced by magnetic field

金城 克樹*; 藤林 裕己*; 北川 俊作*; 石田 憲二*; 徳永 陽; 酒井 宏典; 神戸 振作; 仲村 愛*; 清水 悠晴*; 本間 佳哉*; et al.

Physical Review B, 107(6), p.L060502_1 - L060502_5, 2023/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:92.2(Materials Science, Multidisciplinary)

UTe$$_2$$ is a recently discovered spin-triplet superconductor. One of the characteristic features of UTe$$_2$$ is a magnetic field ($$H$$)-boosted superconductivity above 16 T when H is applied exactly parallel to the $$b$$ axis. To date, this superconducting (SC) state has not been thoroughly investigated, and the SC properties as well as the spin state of this high-$$H$$ SC (HHSC) phase are not well understood. In this letter, we performed AC magnetic susceptibility and nuclear magnetic resonance measurements and found that, up to 24.8 T, the HHSC state has bulk nature and is quite sensitive to the $$H$$ angle and that its SC character is different from that in the low-$$H$$ SC (LHSC) state. The dominant spin component of the spin-triplet pair is along the $$a$$ axis in the LHSC state but is changed in the HHSC state along the $$b$$ axis. Our results indicate that $$H$$-induced multiple SC states originate from the remaining spin degrees of freedom.

論文

Bound spinon excitations in the spin-$$frac{1}{2}$$ anisotropic triangular antiferromagnet Ca$$_{3}$$ReO$$_{5}$$Cl$$_{2}$$

那波 和宏*; 平井 大悟郎*; 古府 麻衣子; 中島 健次; 村崎 遼*; 小金 聖史*; 木俣 基*; 野尻 浩之*; 廣井 善二*; 佐藤 卓*

Physical Review Research (Internet), 2(4), p.043121_1 - 043121_11, 2020/12

$$S$$=$$frac{1}{2}$$異方的三角格子反強磁性体Ca$$_{3}$$ReO$$_{5}$$Cl$$_{2}$$においてスピノンに類した磁気励起が存在するかを確かめるべく、中性子非弾性散乱実験を行った。得られた磁気励起は、スピノン束縛対の形成によって解釈できるものであった。また、Cs$$_{2}$$CuCl$$_{4}$$よりもRPA近似による解釈が良く合い、より朝永-ラッティンジャー液体に近い系であると考えられる。

論文

Strong suppression of the spin hall effect in the spin glass state

新見 康洋*; 木俣 基*; 大森 康智*; Gu, B.; Ziman, T.*; 前川 禎通; Fert, A.*; 大谷 義近*

Physical Review Letters, 115(19), p.196602_1 - 196602_5, 2015/11

 被引用回数:11 パーセンタイル:63.21(Physics, Multidisciplinary)

We have measured spin Hall effects in spin glass metals, CuMnBi alloys, with the spin absorption method in the lateral spin valve structure. Far above the spin glass temperature $$T_{g}$$ where the magnetic moments of Mn impurities are randomly frozen, the spin Hall angle of a CuMnBi ternary alloy is as large as that of a CuBi binary alloy. Surprisingly, however, it starts to decrease at about 4$$T_{g}$$ and becomes as little as 7 times smaller at 0.5$$T_{g}$$. A similar tendency was also observed in anomalous Hall effects in the ternary alloys. We propose an explanation in terms of a simple model considering the relative dynamics between the localized moment and the conduction electron spin.

口頭

UTe$$_2$$における磁気エントロピー

常盤 欣文; Opletal, P.; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; et al.

no journal, , 

UTe$$_2$$は、磁場中でのリエントラント超伝導やスピン3重項超伝導の可能性などにより、多くの注目を集めている。この物質において、b軸方向に磁場を印可すると、磁場により一旦Tcが減少するが、約16T以上の磁場下ではTcが上昇する。この磁場方向においては、34Tにメタ磁性転移が存在する。このメタ磁性とTcの異常増強の関係が議論されている。非従来型超伝導の多くは、常伝導相が異常な金属状態を示す。そして、その原因となる磁気揺らぎが超伝導電子対を生成していると考えられている。量子臨界点において、エントロピーが極大を示すように、エントロピーは揺らぎの直接的な指標である。このことから、常伝導状態におけるエントロピー測定により、揺らぎと超伝導の関係性を明らかにできる。本研究では、東北大学金属材料研究所の強磁場超伝導材料研究センターの無冷媒超伝導マグネットにより、2Kまでの温度、24Tまでの磁場で精密磁化測定を行い、熱力学的関係式を用いて、磁場-温度のパラメータ空間においてエントロピーをマッピングした。本講演では、メタ磁性揺らぎによるエントロピーの増加と超伝導の関係性を議論する。

口頭

UTe$$_2$$の高純度単結晶における上部臨界磁場

芳賀 芳範; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽; 木俣 基*; 中村 慎太郎*; 淡路 智*; et al.

no journal, , 

特異な超伝導体UTe$$_{2}$$が国内外で大きな注目を集め、盛んに研究されているが既存試料は純度が低くその詳細は不明であった。本研究では、従来より飛躍的に純良な単結晶を用いて測定した上部臨界磁場の特徴を報告する。

口頭

スピン三重項超伝導体UTe$$_2$$における磁化困難軸方向に対する磁場-温度相図

酒井 宏典; 常盤 欣文; Opletal, P.; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範

no journal, , 

常磁性超伝導体UTe$$_2$$では、磁化困難軸$$b$$軸方向に"正確に"磁場をかけると、15T以上の磁場に対して$$T_{rm c}$$が上昇する"磁場増強超伝導状態"が出現する。この強磁場超伝導相を調べるために、東北大学金属材料研究所強磁場超伝導研究所の無冷媒25T超伝導マグネット(25T-CSM)を用いて、超純良単結晶の磁場-温度相図を決定する試みを行った。本発表では、得られた結果について報告する。

口頭

重い電子系超伝導体UTe$$_2$$高純度単結晶の強磁場磁気抵抗

芳賀 芳範; 酒井 宏典; 常盤 欣文; Opletal, P.; 木俣 基*; 中村 慎太郎*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 神戸 振作; et al.

no journal, , 

重い電子系UTe$$_2$$の高純度単結晶について強磁場磁気抵抗測定を行った。強磁場領域でシュブニコフ・ドハース振動が観測され、$$H||c$$でのフェルミ面極値断面積及び有効質量を決定し、$$c$$軸方向にのびた2次元フェルミ面を観測した。また、フェルミ面に起因する横磁気抵抗が観測され、キャリアの易動度に関する情報が得られ、重い電子の挙動に関する新たな情報が得られた。

口頭

UTe$$_2$$のa軸磁場下メタ磁性による超伝導相内の一次転移誘起

常盤 欣文; Opletal, P.; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; et al.

no journal, , 

非従来型超伝導では、磁性が超伝導相互作用の起源と考えられており、磁性と超伝導の関係性は研究の中心的テーマとなっている。UTe$$_2$$は、磁場中でのリエントラント超伝導やスピン3重項超伝導の可能性などにより、多くの注目を集めている。この物質において、a軸方向に磁場を印可すると、6T付近でフェルミ面の不安定性による弱いメタ磁性が発生する。気相成長法で合成された初期の結晶では、$$T_c$$=1.6Kで上部臨界磁場$$H_{c2}$$=6Tであったため、メタ磁性が発生する磁場では超伝導が消失しており、超伝導に影響はなかった。溶融塩フラックス法により合成された純良単結晶では、$$T_c$$=2.1Kは当初のTcから25%増強であるのに対して、$$H_{c2}$$=12Tは2倍になっており、メタ磁性が超伝導に影響を与えうる。本研究では、このメタ磁性が$$H_{c2}$$を増強していることを明らかにした。

口頭

Single crystal growth and precise phase diagram of superconducting UTe$$_2$$

酒井 宏典; 常盤 欣文; Opletal, P.; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範

no journal, , 

最近、我々は溶融塩フラックス法により超伝導UTe$$_2$$の純良単結晶育成に成功した。これらの純良単結晶は、残留抵抗比が大きく、超伝導転移温度$$T_{rm c}$$以下の残留比熱も小さい。今回、純良単結晶を用いて、磁化困難軸である$$b$$軸方向に磁場をかけた時の超伝導相図を、電気抵抗率と交流帯磁率の同時測定により、正確に決定した。その結果、低磁場超伝導相と高磁場超伝導相が、全く異なる磁場角度依存性を示すことを明らかにした。また、高磁場超伝導相が現れる特徴磁場が、試料純良性によらず、約15Tと一定であること、低磁場超伝導相内にピン留め力の小さな中間超伝導相が新たに現れることなどを見出した。

口頭

Metamagnetism-induced first-order transition within the superconducting state of UTe$$_2$$ under magnetic field along the easy a-axis

常盤 欣文; Opletal, P.; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; et al.

no journal, , 

磁化と磁気熱量効果の測定から得られたエントロピーを分析することにより、磁気容易a軸に沿った磁場下でのUTe$$_2$$の超伝導とメタ磁性の間の関係性を調べた。超伝導転移温度$$T_c$$以上の常伝導状態では、エントロピーが弱いメタ磁性による異常な増強を示す。驚くべきことに、異常は超伝導状態の中でも持続し、鋭い異常に変化する。異常は磁場の増加に伴うエントロピーの段階的な増加であり、吸熱に対応する。このように、メタ磁性が超伝導状態で一次相転移を引き起こすという前例のない現象を発見した。本研究では、この相転移が同じ$$A_u^{2h}$$間の転移であり、相転移において$$B_{3u}$$超伝導成分の重みが階段状に増加すると考えると、観察と一致することを議論する。

口頭

Induced first-order transition inside superconducting state by metamagnetism in an easy-axis magnetic field on UTe$$_2$$

常盤 欣文; Opletal, P.; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; et al.

no journal, , 

非従来型超伝導では、磁性が超伝導相互作用の起源と考えられており、磁性と超伝導の関係性は研究の中心的テーマとなっている。UTe$$_2$$は、磁場中でのリエントラント超伝導やスピン3重項超伝導の可能性などにより、多くの注目を集めている。この物質において、a軸方向に磁場を印可すると、6T付近でフェルミ面の不安定性による弱いメタ磁性が発生する。気相成長法で合成された初期の結晶では、$$T_c$$=1.6Kで上部臨界磁場$$H_{c2}$$=6Tであったため、メタ磁性が発生する磁場では超伝導が消失しており、超伝導に影響はなかった。溶融塩フラックス法により合成された純良単結晶では、$$T_c$$=2.1Kは当初の$$T_c$$から25%増強であるのに対して、$$H_{c2}$$=12Tは2倍になっており、メタ磁性が超伝導に影響を与えうる。本研究では、このメタ磁性が$$H_{c2}$$を増強していることを明らかにした。

口頭

Induced first-order transition inside superconducting state by metamagnetism in an easy-axis magnetic field on UTe$$_2$$

常盤 欣文; Opletal, P.; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; et al.

no journal, , 

非従来型超伝導では、磁性が超伝導相互作用の起源と考えられており、磁性と超伝導の関係性は研究の中心的テーマとなっている。UTe$$_2$$は、磁場中でのリエントラント超伝導やスピン3重項超伝導の可能性などにより、多くの注目を集めている。この物質において、a軸方向に磁場を印可すると、6T付近でフェルミ面の不安定性による弱いメタ磁性が発生する。気相成長法で合成された初期の結晶では、$$T_c$$=1.6Kで上部臨界磁場$$H_{c2}$$=6Tであったため、メタ磁性が発生する磁場では超伝導が消失しており、超伝導に影響はなかった。溶融塩フラックス法により合成された純良単結晶では、$$T_c$$=2.1Kは当初の$$T_c$$から25%増強であるのに対して、$$H_{c2}$$=12Tは2倍になっており、メタ磁性が超伝導に影響を与えうる。本研究では、このメタ磁性が$$H_{c2}$$を増強していることを明らかにした。

口頭

Single crystal growth and precise phase diagram of superconducting UTe$$_2$$

酒井 宏典; 常盤 欣文; Opletal, P.; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 青木 大*; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範

no journal, , 

溶融塩フラックス法を用いて、報告されている中で最も高い超伝導(SC)転移温度を持つ高品質なUTe$$_2$$単結晶を育成した。この結晶は、残留電子比熱が小さく、残留抵抗比が大きい。UTe$$_2$$のSC相図を調べ、低磁場と高磁場のSC相が対照的な磁場角依存性を持つことを明らかにした。また、中間的なSC状態も見いだされた。結晶の質によって低磁場超伝導相の上部臨界磁場が増加するにも関わらず、高磁場相が現れる磁場は約15Tで変化しない。MSF法により、このスピン三重項超伝導体の量子振動の観測とフェルミ面研究の進展があった。

口頭

UTe$$_2$$における異常ボルテックス状態

常盤 欣文; Opletal, P.; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; et al.

no journal, , 

非従来型超伝導ではボルテックスが格子を組まず揺らいでいる液体状態を示す場合がある。ピン止めが強い場合にはボルテックスが動かないため、このような異常状態の形成には純良な結晶が必須となる。最近、溶融塩フラックスを用いたスピン三重項超伝導体UTe$$_2$$の純良単結晶の育成が報告された。本研究では、そのような純良単結晶を用いたUTe$$_2$$のボルテックスに関する研究を報告する。その結果、15T以上22T以下の磁場領域で、臨界電流が温度依存性において極大を持ち、超伝導状態の奥深くの低温において臨界電流の低い島状の磁場温度領域が観測された。通常、臨界電流は温度が下がるにつれて単調に増加するため、このような振舞は異常である。この島状の領域は、最近報告された中間磁場超伝導相の領域と一致している。これは、中間磁場超伝導相で、ピニング力が弱くなり臨界電流が低下していることを示している。本研究は、間接的ではあるが、中間磁場超伝導相の形成を支持する結果である。また、発表では中間磁場超伝導相でのピニング力低下の起源として分数量子ボルテックス状態の形成などを議論する。

口頭

スピン3重項超伝導体UTe$$_2$$の異常ボルテックス状態

常盤 欣文; Opletal, P.; 酒井 宏典; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; et al.

no journal, , 

非従来型超伝導ではボルテックスが格子を組まず揺らいでいる液体状態を示す場合がある。ピン止めが強い場合にはボルテックスが動かないため、このような異常状態の形成には純良な結晶が必須となる。最近、溶融塩フラックスを用いたスピン三重項超伝導体UTe$$_2$$の純良単結晶の育成が報告された。本研究では、そのような純良単結晶を用いたUTe$$_2$$のボルテックスに関する研究を報告する。その結果、15T以上22T以下の磁場領域で、臨界電流が温度依存性において極大を持ち、超伝導状態の奥深くの低温において臨界電流の低い島状の磁場温度領域が観測された。通常、臨界電流は温度が下がるにつれて単調に増加するため、このような振舞は異常である。この島状の領域は、最近報告された中間磁場超伝導相の領域と一致している。これは、中間磁場超伝導相で、ピニング力が弱くなり臨界電流が低下していることを示している。本研究は、間接的ではあるが、中間磁場超伝導相の形成を支持する結果である。また、発表では中間磁場超伝導相でのピニング力低下の起源として分数量子ボルテックス状態の形成などを議論する。

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