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田中 伸幸; 澤田 真一*; 八巻 徹也*; 小平 岳秀*; 木村 壮宏*; 野村 幹弘*
Chemical Engineering Science, 237, p.116575_1 - 116575_11, 2021/06
被引用回数:0 パーセンタイル:6.37(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスでは、HI-I-HO (HIx)溶液のHI濃縮のため、イオン交換膜を用いた電解電気透析法(EED)が適用されている。本報では、放射線グラフト膜に対して架橋構造を導入することで、HI濃縮性能の改良を試み、導電率(),輸率(t),水透過係数()の性能指標を用いて、実験的及び理論的に性能評価を行った。架橋導入により、H及び水の透過選択性が改善されることが示された。また、EEDの数理モデルに基づく理論解析から、架橋導入による影響はHI吸収量及びH拡散係数にはほとんど影響を与えず、Iの拡散係数に影響することが明らかとなり、, tに対しては、その結果が反映されることで、Hの選択性が改善された。また、架橋の効果により、HI溶液の吸収に伴う膨潤が抑制され、その効果により、水の透過が抑制され、HI濃縮効果が高まることが示された。
澤田 真一*; 木村 壮宏*; 西嶋 陽之*; 小平 岳秀*; 田中 伸幸; 久保 真治; 今林 慎一郎*; 野村 幹弘*; 八巻 徹也*
International Journal of Hydrogen Energy, 45(27), p.13814 - 13820, 2020/05
被引用回数:2 パーセンタイル:7.04(Chemistry, Physical)熱化学水素製造法ISプロセスでは、カチオン交換膜を用いた膜ブンゼン反応が検討されている。しかし、従来のカチオン交換膜および電極材料では過電圧が高く、熱効率として採用できる段階ではなかった。本報では、高IECの放射線グラフト膜及び多孔質金電極を用いて、セルの過電圧を低下させることを目指した。放射線グラフト膜はプロトン透過に対する低い抵抗を示し、金電極はアノード極で生じるSO酸化反応を効率化した。この結果、膜ブンゼン反応で生じる過電圧が200mA/cmの条件で0.21Vまで削減された。本結果は、従来の商用カチオン交換膜及び非多孔質電極を用いた場合の1/3の値である。また、電流-電圧特性の解析結果から、放射線グラフト膜の方が金電極に比べて、より効果的に過電圧削減に貢献していることが明らかとなった。
田中 伸幸; 澤田 真一*; 八巻 徹也*; 小平 岳秀*; 木村 壮宏*; 野村 幹弘*
no journal, ,
高温ガス炉の熱利用法の一つである熱化学水素製造法ISプロセスでは、水素製造熱効率を向上させるため、イオン交換膜を用いた電解電気透析法によって、ヨウ化水素(HI-I-HO)溶液を濃縮する。これまで放射線グラフト重合法を用いてヨウ化水素濃縮用カチオン交換膜の開発を行い、導電率の向上に成功した。一方で、更なる濃縮性能の向上のために、カチオン(H)以外のI及び水の透過を抑制することでカチオン交換膜の分離性能を向上させる必要があった。本発表では、放射線グラフト膜に対して、架橋構造を導入することにより、分離性能の向上を図ることを目指した。HI濃縮試験の結果から、未架橋膜と比較して、架橋膜はI及び水の透過を抑制し、H及び水に対する選択性が向上することを明らかにした。