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論文

Crosslinking of polysaccharides in room temperature ionic liquids by ionizing radiation

木村 敦; 長澤 尚胤; 島田 明彦; 田口 光正

Radiation Physics and Chemistry, 124, p.130 - 134, 2016/07

 被引用回数:9 パーセンタイル:64.88(Chemistry, Physical)

天然多糖類は有用な資源循環型材料でありながら、溶媒に難溶であり反応性に乏しいため、放射線架橋を行うためには架橋剤の添加あるいは誘導化等の前処理を必要とした。我々はイオン液体を用いて天然多糖類の一種であるセルロースを溶液化し、放射線を照射することで新規ゲル材料の開発に成功した。本研究では、イオン液体中天然多糖類の架橋反応の挙動解明を目的として、セルロースの架橋反応を誘起する活性種およびゲルの化学構造を調べた。放射線照射によるセルロースゲルの収率は、含水率の増加に伴い増大することから、水添加に伴う放射線誘起活性種の増加により、架橋反応が促進したと考えられる。そこで、含水率の異なるイオン液体にOHラジカル捕捉剤であるフェノールを溶解して放射線照射を行った結果、フェノールのOH付加体の生成量が含水率の増加に伴い増加したことから、OHラジカルが架橋反応に寄与することが示唆された。また、XPSによるセルロースゲルの元素分析により、セルロースには含まれない窒素の存在を確認したことから、イオン液体が架橋反応に関与している可能性が考えられる。さらに、イオン液体にキチンを溶解し、放射線照射によりゲル材料を作製することに成功した。

論文

Direct measurement of nanoscale lithium diffusion in solid battery materials using radioactive tracer of $$^{8}$$Li

石山 博恒*; Jeong, S.-C.*; 渡辺 裕*; 平山 賀一*; 今井 伸明*; Jung, H. S.*; 宮武 宇也*; 小柳津 充広*; 長 明彦; 乙川 義憲; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 376, p.379 - 381, 2016/06

 被引用回数:8 パーセンタイル:60.26(Instruments & Instrumentation)

We have developed an in situ and nanoscale Li diffusion measurement method in Li battery materials using an $$alpha$$-emitting radioactive $$^{8}$$Li tracer. In this method, while implanting a low-energy (8 keV) $$^{8}$$Li beam, the $$alpha$$ particles emitted at a small angle (10$$^{circ}$$) relative to the sample surface were detected as a function of time. Measurement for Li diffusion coefficients in a spinel phase LiMn$$_4$$O$$_4$$ (LMO) thin film has been started, which is used as an electrode in a Li ion secondary battery. An obvious Li diffusion effect in LMO was observed at the sample temperature of 623 K, and the further measurement is underway.

論文

Nanoscale diffusion tracing by radioactive $$^{8}$$Li tracer

石山 博恒*; Jeong, S.-C.*; 渡辺 裕*; 平山 賀一*; 今井 伸明*; 宮武 宇也*; 小柳津 充広*; 片山 一郎*; 長 明彦; 乙川 義憲; et al.

Japanese Journal of Applied Physics, 53(11), p.110303_1 - 110303_4, 2014/11

 被引用回数:4 パーセンタイル:18.17(Physics, Applied)

We have developed a nanoscale diffusion measurement method using an $$alpha$$-emitting radioactive $$^{8}$$Li tracer. In this method, while implanting a pulsed 8 keV $$^{8}$$Li beam, the $$alpha$$ particles emitted at a small angle (10$$^{circ}$$) relative to the sample surface were detected as a function of time. The method has been successfully applied to measuring lithium diffusion coefficients for an amorphous Li$$_{4}$$SiO$$_{4}$$-Li$$_{3}$$VO$$_{4}$$ (LVSO) thin film with a thickness of several hundred nanometers, demonstrating that the present method is sensitive to diffusion coefficients down on the order of 10$$^{-12}$$cm$$^{2}$$/s, which is more sensitive by about two orders of magnitude than that previously achieved.

論文

Performance of a total absorption clover detector for $$Q_{beta}$$ measurements of neutron-rich nuclei far from the $$beta$$-stability line

林 裕晃*; 柴田 理尋*; 浅井 雅人; 長 明彦; 佐藤 哲也; 小泉 光生; 木村 敦; 大島 真澄*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 747, p.41 - 51, 2014/05

 被引用回数:10 パーセンタイル:60.98(Instruments & Instrumentation)

短寿命核分裂生成核種の$$beta$$崩壊エネルギー$$Q_{beta}$$を高効率かつ高精度に測定するため、全吸収クローバー検出器を新たに開発し、その性能を評価した。中央に貫通孔がある大型のクローバー型Ge検出器を使うことで、極めて高効率かつ高エネルギー分解能で$$beta$$線と$$gamma$$線の全吸収スペクトルを測定し、$$Q_{beta}$$$$pm$$30keVの精度で決定できることを示した。この装置を用いて$$^{166}$$Eu, $$^{165}$$Gdの$$Q_{beta}$$を初めて決定し、$$^{160-165}$$Eu, $$^{163}$$Gdの$$Q_{beta}$$の精度を向上させた。また、$$^{163}$$Gdの核異性体準位を初めて観測し、そのエネルギーと半減期を決定した。

論文

Recent progress in blanket materials development in the Broader Approach Activities

西谷 健夫; 谷川 博康; 野澤 貴史; 實川 資朗; 中道 勝; 星野 毅; 山西 敏彦; Baluc, N.*; M$"o$slang, A.*; Lindou, R.*; et al.

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.1331 - 1335, 2011/10

 被引用回数:14 パーセンタイル:71.96(Materials Science, Multidisciplinary)

幅広いアプローチ活動ではブランケット材料開発を中心としてR&Dを進めている。ブランケット構造材料開発では、低放射化フェライト鋼F82Hの5t溶解を実施し、2次溶解として電気スラグ溶解を用いることにより不純物制御ができることを確認した。欧州でもEUROFERの溶解を実施し3$$sim$$48mm厚の鋼板を製作した。SiC/SiC複合材の開発では、NITE-SiC$$_{f}$$/SiC複合材に対してダブルノッチ引っ張り試験を実施し、破壊強度がノッチサイズにあまり異存しないことを明らかにした。欧州では、SiCとLiPbの共存性試験の準備を実施した。先進中性子増倍材の開発では、BeとTiの粉末から直接Be-T金属間化合物を焼結することを試みた。また欧州では、30mm径のBe-T金属間化合物母材の製造に成功した。先進トリチウム増殖材の開発では、再処理法の確立を目指して、トリチウム増殖材微小球の溶解試験を行い、硝酸と過酸化水素水により90%以上溶解できることがわかった。

論文

Purification of gas using electron beam

広田 耕一; 箱田 照幸; 島田 明彦; 田口 光正; 木村 敦; 小嶋 拓治

Proceedings of 12th International Conference on Radiation Curing in Asia (RadTech Asia 2011) (Internet), p.108 - 109, 2011/06

電子線によるVOC処理において最も困難なプロセスに、VOCの電子線照射によって生成する副産物の処理がある。この副産物を完全に酸化するため、オゾン分解触媒である二酸化マンガン触媒を導入した。この触媒は、照射により生成するオゾンを分解して活性酸素を発生させ、これにより副産物を酸化することができる。そこで、ガス処理専用の電子加速器と二酸化マンガンを備えたハイブリットVOC処理装置用いてトルエンとキシレンの混合ガスを処理したところ、11kGyでVOCを完全に無機化することができた。また、電子線によるダイオキシン類分解に関する研究では、高浜クリーンセンターの実ガス1,000m$$^3$$/hを用いてパイロット試験を行った。その結果、14kGyで排ガスに含まれるダイオキシン類の90%以上を分解することができた。

論文

An Electron-beam irradiation/catalytic oxidation system for purification of aromatic hydrocarbons/air mixture under practical gas-flow condition

箱田 照幸; 島田 明彦; 木村 敦; 田口 光正; 須郷 由美; 荒木 浩史*; Dally, E. B.*; 広田 耕一

Industrial & Engineering Chemistry Research, 49(12), p.5517 - 5522, 2010/05

 被引用回数:11 パーセンタイル:39.03(Engineering, Chemical)

当グループでは、電子ビーム照射による分解と固体触媒による酸化を組合せたVOC含有ガスの浄化技術の開発を進めている。本研究では、この技術の実用化を目指して、従来の照射技術では利用されてこなかった低反応性のオゾン(O$$_{3}$$)に着目し、このO$$_{3}$$を分解して活性酸素を生成できるMnO$$_{2}$$を併用した実規模ガス流量のVOC分解装置を用いて、トルエンやキシレンを同時に含む500m$$^{3}$$/hの空気について分解処理を行った。その結果、初期濃度が5ppmvの場合では9.3kGyの電子ビーム照射で42%の無機化率をMnO$$_{2}$$併用により100%に、初期濃度が10ppmvの場合では11kGyの照射で40%の無機化率を81%に向上できることを明らかにし、電子ビームと触媒の併用システムは実規模ガス流量条件においてもVOCの無機化に有効であることを実証した。

論文

Octupole collectivity in $$^{94}$$Zr

藤 暢輔; 大島 真澄; 小泉 光生; 長 明彦; 木村 敦; 菅原 昌彦*; 後藤 淳*

AIP Conference Proceedings 1090, p.189 - 193, 2009/02

多くの球形核では低励起準位に3$$^-$$が存在する。陽子数=40と中性子数=50, 56のサブシェルにより$$^{90}$$Zrから$$^{96}$$ZrまでのZr同位体はほぼ球形であると期待されるが、陽子2$$p_{3/2}$$$$rightarrow$$1$$g_{9/2}$$と中性子2$$d_{5/2}$$$$rightarrow$$1$$h_{11/2}$$により大きな八重極集団性を持つ可能性がある。原子力機構タンデム加速器により$$^{94}$$Zrを380MeVに加速し、セルフサポートのPbターゲットによるクーロン場により励起し、放出される$$gamma$$線を多重$$gamma$$線検出装置GEMINI-IIにより検出し、反跳粒子を位置感応型粒子検出装置LUNA-IIにより検出した。得られた実験データをGOSIAを用いて解析し、E2及びE3マトリクスエレメントを得た。マトリクスエレメントより得られるB(E3)は$$^{94}$$Zrが大きな八重極集団性を持つことを示唆していた。

論文

An Automatic liquid-nitrogen filling system for multiple Ge detectors

小泉 光生; 大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 金 政浩; 古高 和禎; 村上 幸弘*; 長 明彦; 安藤 慎吾*

Review of Scientific Instruments, 80(1), p.016102_1 - 016102_3, 2009/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:12.53(Instruments & Instrumentation)

Ge検出器に液体窒素を補給するという日常作業を省力化するために、液体窒素製造装置を組み込んだ液体窒素自動補給システムを開発した。このシステムで、われわれのGe検出器システムは、ほとんどメンテナンスフリーにすることができた。この液体窒素自動補給システムは20台未満のGe検出器から構成される中規模のGe検出器アレイに有用である。

論文

Identification of a new band and its signature inversion in $$^{174}$$Re

Zhang, Y. H.*; Guo, S.*; Zhou, X. H.*; Ma, L.*; Guo, W. T.*; 大島 真澄; 藤 暢輔; 小泉 光生; 長 明彦; 木村 敦; et al.

Chinese Physics Letters, 24(5), p.1203 - 1206, 2007/05

タンデム加速器からの重イオン($$^{27}$$Al)ビームを用い、多重$$gamma$$線検出装置GEMINI-IIにより、重イオン核反応後の即発$$gamma$$線を測定し、$$^{174}$$Reの高励起状態の準位構造を調べた。$$gamma - gamma$$同時計数データを解析した。既知の$$pi 1/2^-[541] bigotimes nu 1/2^-[521]$$回転バンドとの結合関係から、新しい回転バンドが同定された。近傍核の系統性から、このバンドは$$pi 1/2^-[541] bigotimes nu 5/2^-[512]$$配位の上に立つ基底状態回転バンドであることを提唱した。新しいバンドは低スピン指標逆転現象を示し、新たな理論解析の必要性を示唆する結果となった。

論文

Analysis toxic elements by MPGA

藤 暢輔; 小泉 光生; 大島 真澄; 木村 敦; 初川 雄一; 長 明彦; 後藤 淳*

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 272(2), p.303 - 305, 2007/05

 被引用回数:6 パーセンタイル:42.5(Chemistry, Analytical)

核データ測定の応用研究として多重即発$$gamma$$線分析法の開発研究を実施している。即発$$gamma$$線分析は迅速・非破壊分析であり、試料の化学状態や形による影響を受けない。多重即発$$gamma$$線分析(MPGA)では、同時に放出される即発$$gamma$$線を2台以上の検出器を用いて検出し、2次元スペクトルを作成して解析を行う。これにより従来法に比べて分解能が飛躍的に向上する。MPGAでは元素の出す即発$$gamma$$線のエネルギーだけでなく、核構造データも必要となるが、即発$$gamma$$線のエネルギーに比べ原子核の励起状態は解明されていない領域が多く存在している。そのため、MPGAに必要な核構造に関するデータベース構築を行う予定である。MPGAの検出装置をJRR-3Mの中性子ガイドホールに設置した。この装置は3台のクローバー型Ge検出器及びBGOコンプトンサプレッサーで構成されており、1MeVの$$gamma$$線に対する絶対効率は8パーセント程度である。ADC-DSPによるデータ収集モジュール,液体窒素自動補給装置等を整備し、Cd, Auなどの即発$$gamma$$線による基本性能テストを行った。本研究は新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)産業技術研究助成事業の一部として実施された。

論文

JT-60共同研究の進展

木村 晴行; 犬竹 正明*; 菊池 満; 小川 雄一*; 鎌田 裕; 小関 隆久; 内藤 磨; 高瀬 雄一*; 井手 俊介; 長崎 百伸*; et al.

プラズマ・核融合学会誌, 83(1), p.81 - 93, 2007/01

JT-60公募型研究協力(以下、共同研究)は平成11年度から開始され、特に、平成15年1月にJT-60がトカマク国内共同研究の中核装置に位置づけられて以来、共同企画・共同研究の運営体制の構築とともに、研究課題数,研究協力者数が顕著に増加した。共同研究の成果の発表件数はJT-60全体の20-30%を占める。ブートストラップ電流による中心ソレノイド無し運転,電子サイクロトロン波によるMHD不安定性制御,プラズマ・壁相互作用,先進レーザー技術のプラズマ計測への応用,トカマクとヘリカルの比較研究などに、顕著な成果が上がっている。これらJT-60共同研究の全体像につき解説する。

論文

Search for signature inversion in the $$pi i_{13/2} bigotimes nu i_{13/2}$$ bands in $$^{182,184,186}$$Au

Zhang, Y. H.*; Zhou, X. H.*; He, J. J.*; Liu, Z.*; Fang, Y. D.*; Guo, W. T.*; Lei, X. G.*; Guo, Y. X.*; Ndontchueng, M. M.*; Ma, L.*; et al.

International Journal of Modern Physics E, 15(7), p.1437 - 1445, 2006/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:28.19(Physics, Nuclear)

タンデム加速器施設において多重$$gamma$$線検出装置GEMINI-IIを用いたインビーム$$gamma$$線核分光実験により、高スピン核構造が未知である陽子数,中性子数ともに奇数である奇奇核$$^{182,184,186}$$Auの$$pi i_{13/2} bigotimes nu i_{13/2}$$回転バンドにおける低スピン指標逆転現象を探索した。これら3つの核の$$pi i_{13/2} bigotimes nu i_{13/2}$$バンドを同定し、高スピン状態まで拡張することに成功した。特に、$$^{184}$$Auにおいて$$pi i_{13/2} bigotimes nu i_{13/2}$$バンドと基底状態回転バンドの間のバンド間転移が確立され、$$pi i_{13/2} bigotimes nu i_{13/2}$$バンドのスピン・パリティを決めることができた。この結果、これら3つの核の$$pi i_{13/2} bigotimes nu i_{13/2}$$回転バンドで低スピン指標逆転現象が見つかった。

論文

Analysis of cadmium in food by multiple prompt $$gamma$$-ray spectroscopy

藤 暢輔; 大島 真澄; 小泉 光生; 長 明彦; 木村 敦; 後藤 淳*; 初川 雄一

Applied Radiation and Isotopes, 64(7), p.751 - 754, 2006/07

 被引用回数:9 パーセンタイル:53.38(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

原子核科学研究グループでは核物理手法の応用研究として、高感度元素定量法開発研究を実施している。JRR-3Mのc-2ビームラインにおいて、多重$$gamma$$線検出法を即発$$gamma$$線分析に適用した多重即発$$gamma$$線分析の開発を行った。この手法を用いることにより食品等における主要妨害元素である水素の影響が低減されることを見いだした。食品中のカドミウムはコーデックス委員会食品添加物・汚染物質部会やFAO, WHOにおいて国際的なカドミウム基準値の検討が行われている。基準値原案として提案されているカドミウム濃度は$$0.2-1.0mg/kg$$と極微量であり対象となる食品数が多いため、迅速かつ高感度な測定法の開発が望まれている。多重即発$$gamma$$線分析によるカドミウム分析は食品中の水素の影響をほとんど受けないために高感度で行える。現在の検出器を高度化し高効率な検出器(効率10%)を用いて行うことにより、カドミウムの分析が1試料あたり10分程度で行えると見積もられた。また、GEANT4によって高効率検出器を用いた場合のシミュレーションを行った結果、実験によって見積もられた結果とほぼ同じ結果が得られた。

論文

Minor actinide neutron capture cross-section measurements with a 4$$pi$$ Ge spectrometer

小泉 光生; 長 明彦; 藤 暢輔; 木村 敦; 水本 元治; 大島 真澄; 井頭 政之*; 大崎 敏郎*; 原田 秀郎*; 古高 和禎*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 562(2), p.767 - 770, 2006/06

 被引用回数:6 パーセンタイル:43.85(Instruments & Instrumentation)

原子核科学研究グループにおいては、文部科学省公募型特会事業において、マイナーアクチニドの中性子捕獲断面積を測ることを目的として、4$$pi$$Geスペクトロメータを使った実験装置の準備を行っている。実験は、京大炉の電子LINAC施設で行う予定で、TOF中性子ビームラインの整備はほぼ完了している。4$$pi$$Geスペクトロメータの建設は進行中である。並行して、デジタル処理テクニックに基づく新しいデータ収集システムの開発を行った。以上この事業の現状について紹介する。

論文

Coulomb excitation experiments at JAEA Tandem facility for the study of nuclear structure

小泉 光生; 藤 暢輔; 長 明彦; 木村 敦; 宇都野 穣; 大島 真澄; 早川 岳人; 初川 雄一; 片倉 純一; 松田 誠; et al.

Proceedings of the International Workshop on Quark Nuclear Physics 2006, p.245 - 252, 2006/00

原子力機構では、多重クーロン励起実験法を用い基底状態に近い偶偶核の構造を系統的に研究している。これまで、Ge, Zn, Moなどの安定な原子核について、B(E2), Qモーメントなどの電磁気的物理量を測定してきた。われわれの実験の結果、$$^{70,74,76}$$Ge, $$^{98}$$Mo核で、変形共存していることが明らかになった。Ge原子核においては、質量が76-74-72と下がるに従い、球形侵入バンドの0$$^{+2}$$バンドヘッドのエネルギーが下がり、$$^{70}$$Geで基底状態のプロレイト変形0$$^+$$準位と入れ替わることがわかった。$$^{98}$$Moでは、プロレイトと3軸非対称変形の共存現象が見つかった。$$^{66,68}$$Znでは、3軸非対称変形していることが明らかになった。

論文

Simulation of 4$$pi$$ Ge spectrometer by Geant4

後藤 淳; 菅原 昌彦*; 大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 長 明彦; 小泉 光生; 水本 元治; 大崎 敏郎*; 井頭 政之*; et al.

AIP Conference Proceedings 769, p.788 - 791, 2005/05

マイナーアクチニド(MA)の中性子捕獲断面積は、ADSなどの革新的原子炉の研究開発で高精度な値が必要となる。しかし、現状では誤差が大きいものが多く、またデータ間で矛盾が生じているものもあり、より高精度な測定が望まれている。そこで、われわれは高精度なMA中性子捕獲断面積測定を目指し、全立体角Geスペクトロメータを開発している。全立体角Geスペクトロメータは、30個のGe結晶で測定試料を覆うことで、高効率,高エネルギー分解能で$$gamma$$線を検出する装置である。本研究では、シミュレーションプログラムGEANT4を用いてスペクトロメータのシミュレーションを行った。スペクトロメータに$$gamma$$線を入射させ、$$gamma$$線と物質との相互作用をシミュレーションすることで検出器の応答を調べた。その結果より、本スペクトロメータが15$$sim$$20%の絶対効率(1MeV$$gamma$$線に対して)であることがわかった。

論文

Development of a data acquisition system for a multiple $$gamma$$-ray detection method

木村 敦; 藤 暢輔; 小泉 光生; 長 明彦; 大島 真澄; 後藤 淳; 井頭 政之*

AIP Conference Proceedings 769, p.792 - 795, 2005/05

革新的原子炉や加速器駆動炉の設計研究に重要なマイナー・アクチニド(MA)の核データの整備を目的に、多重$$gamma$$線検出装置を用いたMAの断面積測定を行っている。本研究で使用する多重$$gamma$$線検出装置は、多数のGe半導体検出器及びコンプトンサプレッションを行うためのBGOシンチレーターからなる。従来、このような装置においてはNIM形式のモジュールを組合せてデータ収集系を構成していた。従来、このような装置においてはNIM形式のモジュールを組合せてデータ収集系を構成していた。このため、この方式では多くのスペースが必要となるだけでなく、1chあたり百数十万円以上の費用がかかる。そこで、本研究においては近年急速に発展しているADC技術とディジタル波形処理技術を用いて、省スペースで安価・高速の測定系を作成した。その結果、1chあたり25万円以下の低コストで、高密度のデータ収集系を作成することができた。

論文

Nuclear data for multiple prompt $$gamma$$-ray analysis

藤 暢輔; 大島 真澄; 小泉 光生; 長 明彦; 木村 敦; 後藤 淳; 海老原 充*

AIP Conference Proceedings 769, p.1666 - 1669, 2005/05

多くの原子核は、中性子捕獲反応において2つ以上の即発$$gamma$$線を同時に放出する。文科省公募型特会事業においては、中性子捕獲反応によって発生する即発$$gamma$$線を測定することにより中性子捕獲反応断面積測定を行うことを計画している。同時に放出される$$gamma$$線を2つ以上の$$gamma$$線検出器を用いて測定を行い、得られた事象ごとに2つのエネルギー軸を持つ2次元スペクトル上に加算する。2次元スペクトルを解析することによって、従来の1次元法に比べて高精度の断面積データ取得が可能になる。この解析においては、即発$$gamma$$線のエネルギーだけでなく、励起準位構造核データも必要とする。しかし、一般的にエネルギーのデータに比べてこれらの核データは乏しいため、その整備は重要である。JRR-3Mの冷中性子ビームラインを用いた核データ実験についての報告を行う。

論文

Multiple coulomb excitation experiment of $$^{68}$$Zn

小泉 光生; 関 暁之*; 藤 暢輔; 長 明彦; 宇都野 穣; 木村 敦; 大島 真澄; 早川 岳人; 初川 雄一; 片倉 純一; et al.

Nuclear Physics A, 730(1-2), p.46 - 58, 2004/01

 被引用回数:20 パーセンタイル:72.52(Physics, Nuclear)

原研タンデム・ブースター加速器施設で$$^{68}$$Znビームのクーロン励起実験を行った。実験の結果、新たに2つの$$E2$$マトリックスエレメント及び2$$_{1}$$$$^{+}$$の四重極モーメントを得た。$$^{68}$$Znの構造を理解するために、Nilsson-Strutinskyモデルでポテンシャルエネルギー表面(PES)の計算を行った。その結果、PESは、2つの浅い極小値を持つことがわかった。1番目の極小値は、フェルミ面の下に$$1g_{9/2}$$軌道を含まず、2番目の極小値は、それを含むことがわかった。殻モデル計算との比較より、基底状態バンド及び侵入バンドは、それぞれEPSの1番目及び2番目に関係していると考えられる。基底バンドの励起エネルギーや$$B(E2)$$の実験値は、3軸非対称モデル及びO(6)限界のIBMによって、ある程度再現できることがわかった。また、PESの浅い極小は原子核の形状がソフトであることを示唆している。以上より、基底状態バンドは、ソフトな三軸非対称変形していると考えられる。

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