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論文

Neutron-production double-differential cross sections of $$^{rm nat}$$Pb and $$^{209}$$Bi in proton-induced reactions near 100 MeV

岩元 大樹; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 八島 浩*; 西尾 勝久; 杉原 健太*; $c{C}$elik, Y.*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 544, p.165107_1 - 165107_15, 2023/11

入射陽子エネルギー200MeV以下の中性子生成に関する二重微分断面積(DDX)データの不足は、加速器駆動核破砕システム(ADS)の研究開発などの技術応用における核破砕モデルの検証を妨げている。本研究では、このエネルギー領域におけるADS核破砕ターゲット材料のDDX実験データを取得し、解析予測との比較を通じて核破砕モデルに関する課題を明らかにすることを目的とした。実験は、京都大学のFFAG加速器を用いて行った。100MeV領域の$$^{rm nat}$$Pbと$$^{209}$$Biの陽子入射核反応に対するDDXを飛行時間法を用いて30$$^{circ}$$から150$$^{circ}$$の角度範囲で測定した。得られたDDXをモンテカルロ法に基づく種々の核破砕モデル及び評価済み核データライブラリによる計算結果と比較した。DDXの測定値と核破砕モデル及び評価済み核データライブラリに基づく解析値を比較した結果、CEM03.03モデルが実験値に最も近い一致を示した。さらに、100MeV領域における陽子入射中性子生成DDXの再現性向上のために対処すべき複数の課題を明らかにした。

報告書

Optimized phase-field modeling using a modified conservative Allen-Cahn equation for two-phase flows

杉原 健太; 小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 山下 晋

JAEA-Research 2023-006, 47 Pages, 2023/10

JAEA-Research-2023-006.pdf:3.28MB

本報告書では、気液二相流シミュレーションのためのフェーズフィールドモデルに基づく新しい界面捕獲法を提案する。従来のフェーズフィールドモデルでは、界面補正強度パラメータは計算領域内の最大流速から決定されていたが、界面補正は空間全体に一様に適用されているため、補正を必要としない位置にも適用されていた。新手法では、フェーズフィールド変数あるいはフェーズフィールドモデルの強度に空間分布を持つように拡張し、局所的な流速場に応じた最適なパラメータを設定できるようにした。また、界面移流試験や気泡上昇計算の誤差解析を用いた系統的なパラメータスキャンに基づき、最適なフェーズフィールドパラメータを導出する手法を提案する。気液二相流のベンチマークテストを通じて、提案モデルを検証し、提案モデルが従来のフェーズフィールドモデルよりも高精度であることを示す。

論文

Measurement of double-differential neutron yields for iron, lead, and bismuth induced by 107-MeV protons for research and development of accelerator-driven systems

岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太*; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.

EPJ Web of Conferences, 284, p.01023_1 - 01023_4, 2023/05

加速器駆動システム(ADS)の核特性予測精度の向上と京都大学臨界集合体実験装置(KUCA)におけるADS炉物理実験で用いる中性子源情報の取得を目的として、京都大学の固定磁場強集束(FFAG)加速器を用いた核データ測定実験プログラムを開始した。このプログラムの一環として、鉄,鉛及びビスマスに対する陽子入射二重微分中性子収量(TTNY)及び断面積(DDX)を測定した。測定では、真空チェンバ内に設置された標的試料に107MeVの陽子ビームを照射し、核反応によって標的から発生した粒子の信号を、小型の中性子検出器を用いて検出した。検出信号とFFAGキッカー電磁石の信号の時間差から飛行時間(TOF)を求め、ガンマ線の事象を波形弁別法によって除去して中性子事象をカウントすることで中性子のTOFスペクトルを求めた。得られた中性子のTOFスペクトルから、相対論的運動学によりTTNY及びDDXを求めた。実験で得られたTTNY及びDDXを、モンテカルロ輸送計算コードPHITSによる計算と比較し、PHITSに組み込まれた核反応モデル及び評価済み核データライブラリJENDL-4.0/HEの妥当性を検証するとともに、PHITSによる計算の予測精度を評価した。

論文

Measurement of 107-MeV proton-induced double-differential thick target neutron yields for Fe, Pb, and Bi using a fixed-field alternating gradient accelerator at Kyoto University

岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.435 - 449, 2023/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:71.05(Nuclear Science & Technology)

加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学臨界実験装置(KUCA)におけるADS未臨界炉物理の基礎研究を目的として、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用いて107MeV陽子による鉄、鉛及びビスマス標的に対する二重微分中性子収量(TTNY)を測定した。TTNYは8個の中性子検出器(各検出器は小型のNE213液体有機シンチレータと光電子増倍管より構成される)からなる中性子検出器システムを用いて飛行時間法により得られたものである。測定で得られたTTNYを、粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に組み込まれたモンテカルロ法に基づく核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM, JQMD/SMM/GEM)及び評価済み高エネルギー核データライブラリ(JENDL-4.0/HE)による計算結果と比較した。JENDL-4.0/HEを含む比較対象のモデルは、検出器角度5度における高エネルギーピークを再現しないなどの特徴的な不一致が見られた。測定で得られたTTNYとPHITSによって評価した20MeV以下のエネルギー及び角度積分中性子収率を比較した結果、INCL4.6/GEMがKUCAにおけるADS炉物理実験のモンテカルロ輸送シミュレーションに適していることが示された。

論文

Free-surface flow simulations with floating objects using lattice Boltzmann method

渡辺 勢也*; 河原 淳*; 青木 尊之*; 杉原 健太; 高瀬 慎介*; 森口 周二*; 橋本 博公*

Engineering Applications of Computational Fluid Mechanics, 17(1), p.2211143_1 - 2211143_23, 2023/00

津波氾濫や大雨の斜面災害では、多くの浮遊物や流木、丸太などが流れに含まれる。剛体衝突による構造物の被害は、水圧による被害よりも深刻である。浮遊物体を含む自由表面流れを研究するためには、大規模計算が可能で高性能な自由表面流のシミュレーションコードの開発が必要となる。本研究ではキュムラント格子ボルツマン法と粒子ベースの剛体シミュレーションを組み合わせた単相自由表面モデルを提案する。剛体間の接触相互作用は個別要素法で計算される。解析精度の向上と計算の高速化のために8分木ベースの局所細分化格子法を導入し、自由表面や固体表面近傍には高解像度の格子を割り当てた。提案モデルの精度検証のために、八戸工業大学と神戸大学の15m水槽と70m水槽で2種類の津波実験を行った。シミュレーションの結果、漂流速度、捕捉木片数、積層角について実験と良い一致を示した。

論文

Recent improvements of the Particle and Heavy Ion Transport code System; PHITS version 3.33

佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松谷 悠佑; 松田 規宏; 平田 悠歩; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 9 Pages, 2023/00

放射線挙動解析コードPHITSは、モンテカルロ法に基づいてほぼ全ての放射線の挙動を解析することができる。その最新版であるPHITS version 3.31を開発し公開した。最新版では、高エネルギー核データに対する親和性や飛跡構造解析アルゴリズムなどが改良されている。また、PHIG-3DやRT-PHITSなど、パッケージに組み込まれた外部ソフトウェアも充実している。本論文では、2017年にリリースされたPHITS3.02以降に導入された新しい機能について説明する。

論文

マルチフェーズフィールド法を用いた気液二相流解析

杉原 健太; 小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 山下 晋

第36回数値流体力学シンポジウム講演論文集(インターネット), 5 Pages, 2022/12

本報告ではConservative Allen-Cahn型のMulti-Phase Field(MPF)法をベースに、個別の相の保存性も保証する保存型MPF法を提案し、2次元の界面移流計算による保存性検証テストを実施し保存できていることを確認した。保存型MPF法を水平に配置された2つの気泡上昇計算に適用し、Duineveldらの実験における気泡の反発現象をZhangらの計算の1/50の解像度で再現可能であることが分かった。

論文

気液二相流問題におけるフェーズフィールド変数の最適化

杉原 健太; 小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 山下 晋

計算工学講演会論文集(CD-ROM), 27, 5 Pages, 2022/06

フェーズ・フィールド法は気液界面の追跡手法として様々な多相流問題に適用され、成功を収めている。しかしながら、フェーズ・フィールド法の精度は、問題に応じて経験的に調整されたハイパーパラメータに依存する。フェーズ・フィールド法は移流項の数値粘性と拡散・逆拡散項による界面修正のバランスによってシャープな界面を維持する。この点に着目し、界面移流の基本的な誤差解析を行うことによって非経験的に最適なハイパーパラメータを決定する手法を提案する。

論文

レーザー加工のシミュレーション

山田 知典; 山下 晋; 杉原 健太; 村松 壽晴

プラズマ・核融合学会誌, 89(7), p.500 - 506, 2013/08

レーザー加工プロセスには、時間,空間スケールの異なる多くの物理機構が存在するため、複雑さや計算の難しさから、十分に解明されているとは言い難い。本章では、こうしたレーザー加工時の複合物理現象の解明に向けて開発されてきたシミュレーションモデルを紹介する。さらに、筆者らが開発を行った数値シミュレーションコード(SPLICE)を用いたレーザー溶接・切断の数値シミュレーション結果と、放射光高輝度単色X線を用いた高精度実験やレーザーによる厚板鋼材切断試験の結果との比較対比を通じて得られた知見・課題等について紹介する。

論文

Numerical simulation of thermohydraulic characteristics of dross ejection process in laser steel cutting

杉原 健太; 中村 保之; 小川 剛充; 村松 壽晴

Proceedings of 20th International Conference on Nuclear Engineering and the ASME 2012 Power Conference (ICONE-20 & POWER 2012) (DVD-ROM), 7 Pages, 2012/07

厚板鋼材レーザー切断の適切化及び制御に向けて、多相の熱流体モデルに基づいた数値シミュレーションコードを開発し、アシストガスや加工ヘッド移動速度が切断性能に与える影響を調べた。切断フロント形状や温度分布を解析した結果以下の知見が得られた。アシストガス噴射によって溶融金属排出を促さなかった場合、レーザー光は溶融金属に吸収されてしまい固相表面に直接吸収されず板裏の温度上昇が遅れてしまう。ヘッドの移動速度が速すぎる場合には、加工ヘッド位置に対する熱伝導の遅れによって、切断開始位置の板裏に切り残しが生じるという実験結果を数値シミュレーションによって定性的に裏付けた。以上の結果から、切断溝の形成にはアシストガスによる溶融金属排出が厚板レーザー切断において非常に重要であるといえる。

口頭

原子炉構造材へのレーザ切断技術適用に向けた研究開発,2; レーザ切断時におけるアシストガスの流動特性評価

小川 剛充; 杉原 健太; 中村 保之; 村松 壽晴; 社本 英泰*

no journal, , 

アシストガス噴流ノズルの形状及びその内部表面仕上げにより変化する噴流乱流強度がノズル流出後の流動特性に及ぼす影響を評価する。レーザ切断時に溶融金属をアシストガス噴流によって効率よく除去するためには、アシストガス噴流の運動量拡散を抑制可能な噴流ノズル形状及びノズル内面で発生する乱流強度を抑制可能な表面仕上げの検討が重要である。

口頭

レーザー溶接中の溶融池内流動場の評価

山田 知典; 菖蒲 敬久; 山下 晋; 小川 剛充; 杉原 健太; 西村 昭彦; 村松 壽晴

no journal, , 

原子力施設をはじめ一般産業プラントに展開可能なレーザー溶接技術として、溶接後の残留応力の評価及び制御を目的とした研究を進めている。このためには、溶接中の加熱,溶融,対流,凝固,固相変態といった複雑な現象を定量評価する必要がある。このうちの対流現象は、大型放射光施設(SPring-8)からの高強度X線を利用した実験と、数値シミュレーションを相補的に利用して評価している。アルミニウム合金にレーザーをスポット照射した際には、溶融池内を移動するトレーサー粒子(タングステン)により、流れの可視化に成功した。さらに、実験において観察された溶融池内の流れは、計算でも再現できていることを確認した。実験及び数値シミュレーションを用いた溶融池内流動場の評価は、レーザー溶接複雑現象の定量化に非常に有効であり、今後はさらなる観察技術の向上,計算コードの開発を行う。

口頭

厚板金属のレーザ切断シミュレーション

杉原 健太; 小川 剛充; 中村 保之; 村松 壽晴

no journal, , 

厚板鋼材のレーザ切断制御に向けて、多相の熱流体モデルに基づいた数値シミュレーションコードを開発し、アシストガスや加工ヘッド移動速度が切断性能に与える影響を調べた。固・気・液界面形状と温度場の発達の様子を解析した結果、以下の知見を得た。アシストガスによって溶融金属排出を促さなかった場合、レーザ光は溶融金属に吸収・入熱されてしまい、固体表面への入熱を阻害してしまう。そのため固体金属には溶融金属を介して伝熱することになり、レーザ切断のメリットである高出力密度を十分に活用できてはいない。さらに、切断速度を過大に速めると切断深さが板の裏まで到達する前にレーザ加工ヘッドが進むことになり、凹面に溶融金属が滞留するために切断フロントの形成が遅れてしまう。以上よりレーザ切断による切断フロント形成にはアシストガスによる溶融金属排出が重要であることが数値シミュレーションにより裏付けられ、カーフ形成だけでなく固相表面への局所的な入熱効果を促すことが定性的に明らかになった。

口頭

レーザー溶接補修技術の標準化に向けた研究開発,8; レーザー溶接中の溶融池内流動場の特性評価

山田 知典; 山下 晋; 杉原 健太; 小川 剛充; 菖蒲 敬久; 村松 壽晴

no journal, , 

原子力機構では、原子力施設をはじめ一般産業プラントに展開可能なレーザー溶接技術の標準化を進めており、これまでに大型放射光施設(SPring-8)からの高輝度単色X線と溶融池内対流現象観察装置を利用して、直接観察することが難しいレーザー溶接中の溶融池内部の現象把握を行ってきた。本研究では、溶融池内を移動するトレーサー粒子の挙動を詳細に観察することで、各場所における流れの方向や速度を評価した。溶融池内現象の観察はSPring-8のビームラインBL19B2を使用した(研究課題番号: 2011B1975)。X線のエネルギーは30keVである。試験片はアルミニウム合金であり、試験片上部よりファイバーレーザーを集光照射し、試験片表面に塗布したトレーサー粒子の溶融池内過渡流動挙動を吸収コントラスト法により計測した。溶融池内部では、固液界面近傍では下降流が、中央部では上昇流が形成された。溶融池内部に気泡が発生した場合、上昇流や自身の浮力で浮上したが、レーザー照射時間の経過とともに気泡の数は増大し、凝固時に溶融池内部に取り残され溶接欠陥となった。したがって、溶接部の信頼性向上には気泡の抑制や、凝固速度の制御が非常に重要となることがわかった。

口頭

レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発,1; レーザー切断プロセスの概要と研究全体計画

村松 壽晴; 杉原 健太; 小川 剛充; 中村 保之; 佐野 一哉

no journal, , 

原子力機構では、レーザー光を熱源とした鋼材切断技術の高度化を目指した研究を進めている。本研究では、レーザー切断性能を左右するドロス流動,アシストガス流動などの支配因子の適切化に向け、高精度実験と計算科学を有機的に組合せ、発生する複合物理過程の現象論に立脚した観点からこれを推進する。

口頭

レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発,3; 数値解析によるレーザー切断時溶融金属排出挙動の現象論的評価

杉原 健太; 中村 保之; 小川 剛充; 佐野 一哉; 村松 壽晴

no journal, , 

本報告では、レーザー切断における熱流動現象の現象論的解明及び適切化を目指し、気液固3相の熱流体力学モデルに基づく数値シミュレーションモデル及びコードを開発し、溶融金属排出がレーザー切断に与える影響を現象論的に評価した。気固液の界面形状と温度場の発達の様子を解析した結果、アシストガスによる溶融金属排出には切断フロントの形成だけでなく、固相表面への局所的な入熱を促進する効果があることが明らかになった。切断開始位置の裏側に切り残しがあるような実験結果が得られているが、切断初期の熱伝達不足が切断残りの原因となることが数値シミュレーションによって裏付けられた。切断条件の適切化にはアシストガスによる溶融金属排出だけでなく切断途中の熱伝達挙動の把握も重要であるといえる。

口頭

Real-time observation of laser heated metals with high brightness monochromatic X-ray techniques at present and future prospects

大道 博行; 山田 知典; 山下 晋; 杉原 健太; 西村 昭彦; 村松 壽晴; 菖蒲 敬久

no journal, , 

レーザー溶接,切断技術に関するX線撮影手法について報告する。SPring-8のエネルギー60キロボルトのアンジュレーター等を用いてファイバーレーザーを照射することにより溶融する金属の挙動をリアルタイムで観測できるようになった。この結果は計算機シミュレーションの結果と比較することによりレーザー照射による溶融現象の詳細な物理モデルの構築が可能になる。またレーザー照射後の凝固過程のリアルタイム観測から溶接品質を左右する溶接欠陥の発生、残留応力生成などの知見も得られる。これらをまとめるとともに、X線自由電子レーザーを用いた実験への展望にも触れる。

口頭

レーザー溶接標準化に向けた放射光X線による溶融池内流動場のその場観察

山田 知典; 山下 晋; 菖蒲 敬久; 西村 昭彦; 小川 剛充; 杉原 健太; 社本 英泰*

no journal, , 

原子力施設をはじめ一般産業施設に展開可能なレーザー溶接技術開発を進めている。溶接構造物の健全性を担保するには、残留応力などに影響される機械的特性を溶接中の複合物理過程と合わせて評価する必要がある。残留応力が溶接時の温度分布に関連するため、温度と関連する溶融池内の流動現象の高精度把握を行った。大型放射光施設(SPring-8)からの高輝度単色X線を利用して、レーザー照射部で形成した溶融池内部のトレーサー粒子の挙動を吸収コントラストイメージング法によってその場観察した。放射光高輝度単色X線を利用した吸収コントラストイメージング法により、レーザー光照射時の溶融池形状の時間変化と対流挙動のリアルタイム同時観察を世界に先駆けて成功し、溶融池近傍における熱流動特性を定量化するとともに、照射時間と溶け込み深さの関係、内部欠陥を発生させる影響因子なども明らかにした。今後は数値解析結果も援用し、残留応力評価・制御に繋げる。

口頭

レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発,5; 狭隘部内アシストガスの流動特性評価

羽成 敏秀; 杉原 健太; 小川 剛充; 村松 壽晴

no journal, , 

レーザー切断はレーザー光の熱エネルギーで切断対象を溶融し、溶融金属をアシストガスにより排出する工法である。このため、レーザーの照射条件だけでなく、アシストガスの噴射条件も合わせて適切化する必要がある。切断溝深部での溶融金属の排出過程にはアシストガスの運動量、溶融金属の粘性や表面張力といった流体物性が大きく寄与していると考えられている。本研究では溶融金属排出制御による切断能力の向上を目的とし、噴射距離(スタンドオフ)が切断溝内でのアシストガス噴流の中心流速に及ぼす影響を評価する模擬試験を行った。L=14mmはそれ以下のスタンドオフと比較して、狭隘部流入直後から噴流中心流速は小さく、ほぼ線形に減少していく様子が確認できた。これより、スタンドオフを大きくとりすぎると、狭隘部内へのアシストガスの流入量が減少し、溶融金属の排出の効率が低下するものと考えられる。

口頭

レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発,4; 厚板レーザー切断時の伝熱挙動の評価

杉原 健太; 小川 剛充; 山田 知典; 村松 壽晴

no journal, , 

厚板鋼材に対するレーザー切断条件の適切化・制御に向け、これまでに原子炉廃止措置に向けたレーザー切断の適用性確認試験やアシストガス噴流ノズルの適切化を目的とした噴流可視化試験などを実施してきた。厚板切断では主に、カーフ(切断溝)深部へのレーザー入熱及びアシストガスの運動エネルギーの輸送が重要であると考えられる。そのため、カーフ内の入熱量や熱流動場の定量化が求められている。本報告ではレーザー切断時の試験体内部の温度データを取得し、厚板切断時の伝熱挙動を評価した。熱電対を用いて取得した温度データから、300度を超えるような高温領域はレーザー照射部の8mm以内に集中し、急峻な温度勾配を示すことを確認した。また、切断溝深部の方が表面よりも高温であった。レーザー切断にかかわる熱量の試算により、溶融除去に最低限必要な熱量はレーザー照射エネルギーのわずか8%程度であり、熱拡散などによるエネルギーロスがほとんどであった。以上の結果から、厚板切断ではカーフ深部に熱や溶融金属が溜まりやすいため、アシストガスを適切に制御して溶融金属を効率よくカーフ深部から除くことが重要となると考えられる。

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