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嶋田 道也; Mukhovatov, V.*; Federici, G.*; Gribov, Y.*; Kukushkin, A.*; 村上 好樹*; Polevoi, A. R.*; Pustovitov, V. D.*; 仙石 盛夫; 杉原 正芳
Nuclear Fusion, 44(2), p.350 - 356, 2004/02
ITERの誘導運転において10以上のQを達成することの確実性をさらに向上させた。経験則による解析によると、ITERでは十分な裕度をもって10以上のQを達成できる。理論モデルを用いた解析によれば、10以上のQを達成するためには2-4keV以上の周辺ペデスタル温度が必要であるが、ペデスタルの比例則によると、この程度のペデスタル温度は達成可能である。タイプIのELMに伴う熱負荷は高密度運転によって許容範囲に低減できる可能性がある。もし必要であればダイバータ板をさらに傾斜させ、さらに熱流束密度を低減させることもできる。高密度側からペレット入射によってQを増加させELM熱負荷を低減できる可能性がある。また閉じ込め性能とベータ値への要求度がより少ない定常運転シナリオを開発した。このような運転領域で必要となる抵抗性壁モードの安定化は、真空容器が二重構造を持つことを考慮しても現有のコイル及び電源で実現可能であることを明らかにした。
嶋田 道也; Mukhovatov, V.*; Federici, G.*; Gribov, Y.*; Kukushkin, A. S.*; 村上 好樹*; Polevoi, A. R.*; Pustovitov, V. D.*; 仙石 盛夫; 杉原 正芳
Nuclear Fusion, 44(2), p.350 - 356, 2004/02
被引用回数:39 パーセンタイル:75.67(Physics, Fluids & Plasmas)ITERの誘導運転において10以上のQを達成することの確実性をさらに向上させた。経験則による解析によると、ITERでは十分な裕度をもって10以上のQを達成できる。理論モデルを用いた解析によれば、10以上のQを達成するためには3.2-5.3keV以上の周辺ペデスタル温度が必要であるが、ペデスタルの比例則によると、この程度のペデスタル温度は達成可能である。タイプIのELMに伴う熱負荷は高密度運転によって許容範囲に低減できる可能性がある。もし必要であればダイバータ板をさらに傾斜させ、さらに熱流束密度を低減させることもできる。高磁場側からペレット入射によってQを増加させELM熱負荷を低減できる可能性がある。また閉じ込め性能とベータ値への要求度がより少ない定常運転シナリオを開発した。このような運転領域で必要となる抵抗性壁モードの安定化は、真空容器が二重構造を持つことを考慮しても現有のコイル及び電源で実現可能であることを明らかにした。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Chujo, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
原型炉の経済性と環境適合性のさらなる向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉と同様に強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御を持ち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。JT-60の既存設備を最大限活用し、新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現を目指し、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という重要課題に取り組むことができるよう設計を行った。
村上 好樹*; 天野 恒雄*; 清水 勝宏; 嶋田 道也; 小川 雄一*
JAERI-Research 2001-049, 58 Pages, 2001/11
1.5次元輸送コードTOTALに任意アスペクト比及び衝突周波数での不純物の新古典粒子束を計算できるコードNCLASSを結合し、ITER-FEATプラズマ中での高Z不純物の挙動を解析した。種々の密度分布に対して、タングステン原子分布及び線輻射パワーを評価した。密度分布が平坦で温度勾配による遮蔽が効果的な場合には全線輻射パワーはコロナ・モデルの1/2程度になることがわかった。核融合出力が700MW(Q=10)の場合、プラズマ性能を大きく劣化させることなくプラズマ境界でのタングステン密度710/m(電子密度の0.01%,Zettの増加が0.39)程度まで許容可能で、このときの線輻射パワーは約90MWになる。この値は制動放射等を含めると全加熱パワーの半分以上になり、ダイバータ部流入パワーが大幅に低下でき、ITER-FEATにおける高出力運転の可能性を示している。
松本 宏; Barabaschi, P.*; 村上 好樹*
Fusion Technology, 40(1), p.37 - 51, 2001/07
被引用回数:3 パーセンタイル:27.1(Nuclear Science & Technology)1998年にITERの設計報告がなされた後、大幅なコストの低減化を図るため技術目標の再検討が行われた。新たに設定された技術要求目標を満たす装置のパラメーターのセットがコストを最小限にする制約のもとでシステムコードを用いていくつか求められた。この中から代表的な2つの候補としてIAM,LAMが選ばれた。1.5次元プラズマ輸送コードPRETORを用いてこれら2つの装置の運転特性を予測して比較した。この比較検討作業の結果、ITER-FEAT が最終的に決まった。これらの装置パラメーター決定の過程を明らかにすると共にITER-FEATのQ10の誘導運転が十分に保守的な物理仮定のもとに可能なこと、またQ=5での非誘導定常運転が可能なための条件が明らかにされた。
村上 好樹*; 仙田 郁夫; Chudnovskiy, A.*; Vayakis, G.*; Polevoi, A. R.*; 嶋田 道也
プラズマ・核融合学会誌, 73(7), p.712 - 729, 2001/07
国際熱核融合実験炉ITER-FEATの性能評価を0次元的コード及び1.5次元輸送コードを用いて行った。標準的な運転シナリオを作成し、密度限界、Hモード遷移しきい値パワーを考慮して運転領域を検討した。温度分布、ピンチ効果による密度分布、不純物量、イオン加熱の割合に対するサーベイを行い閉じ込め裕度を調べた。高Q運転(Q~50)のシミュレーションを行い、パルス的に加熱パワーを加えることで短時間の自己点火運動が可能であることを示した。閉じ込め改善係数が1割改善するか、ヘリウム蓄積が低下すれば持続的な自己点火も可能である。ハイブリッド運転では規格化値を2.5にできれば2000秒以上の運転ができることがわかった。定常運転モードに対する初期的な解析ではH=1.5ダイバータ条件と両立する解があることがわかった。また確率論的手法によりQ=10を達成する可能性を評価し、65~90%の値を得た。
西尾 敏; 牛草 健吉; 植田 脩三; Polevoi, A.*; 栗田 源一; 飛田 健次; 栗原 良一; Hu, G.; 岡田 英俊*; 村上 好樹*; et al.
JAERI-Research 2000-029, 105 Pages, 2000/10
本論文は、定常トカマク核融合原型炉SSTR、コンパクトで高出力の改良型定常トカマク動力炉A-SSTR及び環境適合性を高め稼働率向上を目指した大型核融合動力炉DREAM等の設計をベースに、高い経済性、稼働率を有し環境適合性に優れた小型で大出力の高効率核融合動力炉A-SSTR2のプラズマ物理の成立性を論じたものである。JT-60で得られている実験データをもとにこれからの炉心プラズマ研究の進展を予測して、主半径6.2m、小半径1.5mでプラズマ電流が12MAの高磁場トカマクとし、規格化値4で4GWの核融合出力とした。超伝導コイルは高温超伝導を用いた高磁場コイルとし、最大経験磁場を23Tとした。超伝導マグネット系の簡素化及び強い電磁力支持の観点から、中心ソレノイドコイル無しの設計とするとともに、分解・保守用大型水平ポートを想定して、ポロイダル磁場コイルを装置の上下に6個の設置することとした。このような著しく簡素化されたコイル系で、プラズマの平衡、形状制御性、着火、12MAまでの非誘導電流駆動立ち上げ、ダイバータを検討し、A-SSTR2概念の成立性が明らかにされている。
西尾 敏; 植田 脩三; 栗原 良一; 黒田 敏公*; 三浦 秀徳*; 迫 淳*; 高瀬 和之; 関 泰; 安達 潤一*; 山崎 誠一郎*; et al.
Fusion Engineering and Design, 48(3-4), p.271 - 279, 2000/09
被引用回数:17 パーセンタイル:72(Nuclear Science & Technology)将来の商用炉として環境安全性及び保守性に重点をおいたDREAM炉を過去にすでに提案した。そこでは材料開発の著しい進展が前提とされている。実験炉の次の原型炉の建設予定時期においては、材料は開発途上であることが想定され、そのことを前提として原型炉ドリームの概念構築を試みた。以下、検討の結果得られた主なパラメータを商用炉との比較をし、記述する。
西尾 敏; 植田 脩三; 青木 功; 栗原 良一; 黒田 敏公*; 三浦 秀徳*; 功刀 資彰; 高瀬 和之; 関 泰; 新谷 吉郎*; et al.
Fusion Engineering and Design, 41, p.357 - 364, 1998/00
被引用回数:51 パーセンタイル:95.41(Nuclear Science & Technology)トカマク炉は保守が困難であるとの指摘がなされており、その原因としては、以下の3つが考えられる。(1)プラズマ周辺機器に作用する電磁力。これは電磁力に耐える強固な支持機械と容易な着脱性を同時に満足することが困難なことによる。(2)保守作業中の高い放射線環境条件。このような環境下で実用に耐える材料および機器は極めて限られる。(3)トカマク装置の幾何形状の複雑さ。トカマク装置の主要機器は互いに交鎖しており、かつ機器配置が窮屈である。これを克ふくするために高アスペクトで、SiC/SiC材料を用いたトカマクを提案した。
村上 好樹*; 藤枝 浩文*; 常松 俊秀
JAERI-M 94-080, 151 Pages, 1994/06
ITER共同中央チームよりEDA版ITERが提案されているが、そこでは大半径約8m、楕円度1.6、核融合出力1.5GWなど、CDAと全く異なったプラズマとなっている。そこで本レポートではCDAの物理ガイドラインである0次元モデルを用いてEDA版ITERの性能評価を行なった。その結果EDA版ITERはヘリウム蓄積が10%の場合にはHモードで核融合出力1.5GWで自己点火可能であるが、ヘリウム蓄積が20%では出力が約4GW必要になることがわかった。ヘリウム蓄積が20%になるとHモードで核融合出力が1.5GWの場合には核融合利得Qが20まで低下することもわかった。一方、定常運転に対する解析では高安全係数時にHモードの1.5倍の高性能閉じ込めを仮定すると80MW程度の電流駆動パワーで定常運転が可能であることがわかった。このときのブートストラップ電流の比率は約60%である。
村上 好樹*; 杉原 正芳
Fusion Technology, 24, p.375 - 390, 1993/12
ダイバータ熱負荷の簡単な比例則を用いてITERの長時間および定常運転点の最適化を行なった。比例則としてITERガイドライン、ボーム型モデル、JT-60Uの実験則を用いモデルによる依存性を調べた結果、核融合出力が750MWのとき定常運転時の熱負荷はモデルによって約2倍異なることが分かった。実際に運転可能かどうかは閉じ込め性能の観点からだけでなくダイバータ熱負荷の許容レベルにもよるため、これはモデルによって運転可能領域が大きく異なることを意味している。従って今後ダイバータ熱負荷の比例則の精密化が重要になる。本研究ではヘリウム蓄積、閉じ込め、電流駆動効率の改善に対する効果も調べた。また長時間運転モードでも与えられた核融合出力と電流駆動パワーに対してダイバータ熱負荷を最小にする運転点を見い出し、工学試験で要求される条件のもとでの最適化を行った。
堀池 寛*; 黒田 敏公*; 村上 好樹*; 杉原 正芳; 松田 慎三郎
JAERI-M 93-208, 31 Pages, 1993/10
核融合開発の方向に関する議論の一に運転形態が定常かパルスかと言う議論がある。これはトカマクの電流励起についての原理的なものであるが今迄定量的に比較研究された事が無かった。本報はSSTRを定常炉のリファレンスとしてこれと同等技術ベースに則りこれに近いパルス炉の概念を決める事により相互の定量比較を試みた。内容は2部から成り、1つは疲労の効果の評価で、パルス炉は短時間で起動停止を繰返すため疲労が大でこれが炉寸法に与える効果を評価した。2はパルス的な熱出力の取り扱いで、電力網に送電する場合1日に何回も出力が零になる発電所は受け入れられないとすると、それを改良するのに蓄熱器が必要となるがその規模は炉の停止時間の函数となる。この点を他の要因-電源の規模に与える停止時間の影響と合わせて評価することによりパルス出力を補償するに必要な装置規模を評価した。以上の結果、炉の小型化の重要性が判った。
藤枝 浩文*; 村上 好樹*; 杉原 正芳
JAERI-M 92-178, 133 Pages, 1992/11
本稿は、トカマク型核融合炉の炉心プラズマのパワーバランスを0次元モデルを用いて解き、一定の条件を満たす核融合炉の運転点を得るための計算コード(TPCコード)の使用手引書である。本コードではプラズマの形状データ、トロイダル磁場、プラズマ電流、電子密度、不純物割合、補助加熱パワーなどの内の幾つかを入力データとして、核融合出力、プラズマ蓄積エネルギー、エネルギー閉じ込め時間、放射損失パワーを計算するほか、第一壁中性子負荷やダイバータ熱負荷なども計算する。また頻繁に用いる入力データは外部ファイルとして保存可能で必要に応じて読み込むことが可能である。なお本コードでは、電子温度とプラズマ電流(あるいは電子密度)の空間で各種の出力データの等高線図を得るためのメッシュ・データを自動的に反復計算することができ、この結果は等高線図作成用プログラムの入力データとして用いられる。
村上 好樹*; 藤枝 浩文*; 伊丹 潔; 杉原 正芳
JAERI-M 92-145, 46 Pages, 1992/09
国際熱核融合実験炉(ITER)における長時間及び定常運転モードでの運転点をダイバータ熱負荷の観点から最適化した。熱負荷はJT-60Uで得られた経験則を含めて3種類の簡単な比例則を用いて評価した。定常運転時のダイバータ熱負荷は核融合出力に比例して増加し、その傾向は比例則に依存しない。しかし熱負荷の値は750MWで約1.8倍異なるため、今後ダイバータ比例則の精密化が必要であろう。またヘリウム蓄積、閉じ込め、電流駆動効率の改善、不純物注入による熱負荷低減効果も調べ、物理R&Dの目標を明らかにした。長時間運転では2000秒燃焼時のダイバータ熱負荷を最適化した結果、比例則によらず電流駆動パワーが大きいほど熱負荷が小さくなることがわかった。また不純物添加を行わなくても閉じ込め時間を1割程度改善することで、熱負荷を自己点火運転と同程度にできることもわかった。
杉原 正芳; 多田 栄介; 下村 安夫; 常松 俊秀; 西尾 敏; 仲里 敏子*; 村上 好樹*; 小泉 興一; ITER設計チーム
JAERI-M 92-136, 43 Pages, 1992/09
ITERの概念設計では、低アスペクト比が採用されている。一方高アスペクト比の利点もある。そこで、自己点火に関して同等の性能を有するアスペクト比3と4の炉を定量的に比較検討した。その結果、高アスペクト比炉に顕著な利点がないことが明らかとなった。
村上 好樹*; 堀池 寛; 黒田 敏公*; 松崎 誼; 下村 安夫; 杉原 正芳
JAERI-M 92-056, 53 Pages, 1992/04
誘導電流のみからなるパルス炉の特性を明らかにし、代表的なトカマク型定常炉であるSSTRとの比較を行なった。パルス炉はSSTRに比べてトロイダル磁場を低くできること、トロヨン係数が小さいこと、エネルギー閉じ込めがよいことがわかったが、数千秒の燃焼時間を確保するためにはプラズマ大半径を1m程度大きくしなければならないことが明らかになった。パルス炉の運転領域は定常炉に比べて低温高密度となるためダイバータ熱負荷は軽減されるが、一方で熱的不安定性が重要な課題となることがわかった。本報告では定常電気出力を得るための蓄熱器および蓄電システムの検討も行なった。その結果、パルス炉の総合的効率は必ずしも定常炉より悪くないが、システムが大型化することが明らかになった。また熱サイクル疲労については応力レベルを定常炉の3分の1程度に低減する必要があることがわかった。