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Islam, M. A.*; 海老原 充*; 藤 暢輔; 村上 幸弘*; 原田 秀郎
Applied Radiation and Isotopes, 70(8), p.1531 - 1535, 2012/08
被引用回数:1 パーセンタイル:10.14(Chemistry, Inorganic & Nuclear)本研究においては、MPGA装置の地質及び宇宙化学的試料の非破壊・多元素同時定量分析に対する特性を調べた。MPGAにおける同時計数データの3つのソーティングモードにおいて、アッドバックモードが高感度であり、最も低い検出限界を示した。MPGA装置はSm, Gd, Cdに対して感度が高い。MPGAの検出限界を他施設の装置と比べると、MPGAのMg, K, S, Clの検出限界は、クローバー検出器8台とBGO検出器から構成される現在の実験条件の下で他施設のそれを1桁程度凌駕していた。MPGAとPGAによるOrgueil水素含有隕石の解析は、MPGAが元素分析として十分な精度で使用できることを示した。Sm, K, Mgなどはスペクトル上の干渉や感度の低さからPGAによっては定量できなかったが、MPGAでは最高3%程度まで精度よく決定できることがわかった。
大島 真澄; 金 政浩*; 中村 詔司; 本間 道雄*; 湊 太志; 早川 岳人; 原 かおる; 木村 敦; 小泉 光生; 原田 秀郎; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(8), p.084201_1 - 084201_15, 2012/08
被引用回数:2 パーセンタイル:19.28(Physics, Multidisciplinary)濃縮Ni試料の冷中性子捕獲により生成された線を核分光法で調べた。272本の新しい線を含む315本の線がNiの準位構造に組み込まれた。30本の新準位を含む62本の準位に対して、0.2-0.8keVの精度の励起エネルギーと線分岐比を決定した。Ni (n,) Ni反応のQ値は6837.75(18)keVであった。大規模殻模型計算を行った結果、Niの低励起状態のエネルギーがよく再現できた。Hartree-Fock + BCS法と統計計算の間の自己無撞着相互作用を用いた平均場統計模型計算も行い、Niの準位密度の実験値と矛盾しないことを示した。
藤 暢輔; 村上 幸弘*; 古高 和禎; 木村 敦; 小泉 光生; 原 かおる; 金 政浩; 中村 詔司; 原田 秀郎
Applied Radiation and Isotopes, 70(6), p.984 - 987, 2012/06
被引用回数:4 パーセンタイル:31.96(Chemistry, Inorganic & Nuclear)即発線分析に多重線検出法を適用した分析手法を多重即発線分析(MPGA)と呼ぶ。本手法では水素からの妨害を低減することができる。そのため、シグナルノイズ比が改善され、重金属の迅速スクリーニング分析法として用いられる。8個のクローバーGe検出器から構成されるMPGA装置をJRR-3のC2-3-2ビームポートに開発してきた。タンパク質は食べ物で重要な栄養素である。一般に用いられる総タンパク質定量法はケルダール法であるが、時間がかかり、簡便でない。生体試料中の総タンパク質定量の簡便な方法として、MPGAを適用した場合の実現可能性に関する研究を行った。幾つかの標準試料に適用して得られた結果は認証値と良い一致を示した。つまり、MPGAは生体試料中における総タンパク質の迅速・非破壊定量として用いることができる。
小豆川 勝見*; 松尾 基之*; 佐野 有司*; 藤 暢輔; 村上 幸弘*; 古高 和禎; 小泉 光生; 木村 敦; 原 かおる; 金 政浩; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 291(2), p.341 - 346, 2012/02
被引用回数:3 パーセンタイル:24.98(Chemistry, Analytical)高いエネルギー分解能を持つ多重即発線分析(MPGA)を浅海熱水マウンドからの堆積物に適用した。マウンド近辺の海底表面試料は、日本の南西部に位置し熱水系が他の浅海熱水マウンドとは異なる鹿児島湾の若尊カルデラより採取された。すべての試料は脱塩された後、MPGA測定を4,500秒間行った。実験データは8台のクローバーGe検出器によって得られた。MPGAによってS, Mn, As, Gd, K, Sm, Fe及びRbの濃集が高精度で得られた。さらにS, Rb及びMnはこのマウンドでのみ特異的に濃集されており、このマウンドにおいてマグマ性流体によって堆積物が硫酸化されたことが示唆される。
大浦 泰嗣*; 渡部 良*; 海老原 充*; 村上 幸弘*; 藤 暢輔; 木村 敦; 小泉 光生; 古高 和禎; 大島 真澄; 原 かおる; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 291(2), p.335 - 339, 2012/02
被引用回数:4 パーセンタイル:31.96(Chemistry, Analytical)多重即発線分析(MPGA)を地球化学及び宇宙化学試料に適用し、シグナルノイズ比(S/N),感度,検出限界に関する分析能力を評価した。MPGA装置による測定で得られたS/NはJRR3における通常の即発線分析(PGAA)に比べて大きい値が得られた。幾つかの元素に関して、そのS/Nは10倍以上も改善していた。また、PGAAで検出されない元素も幾つかMPGAで検出された。今回の実験では地球化学及び宇宙化学試料に含まれる主成分元素と中性子捕獲反応断面積が大きい微量元素の濃度がMPGAによって精度よく決定された。最適化と改良によってさらに多くの微量元素に適用できると期待される。
大島 真澄; 藤 暢輔; 村上 幸弘*
ぶんせき, 2009(7), p.362 - 368, 2009/07
多重線検出法は放射性核種分析において高分解能,高感度を実現する。この手法を中性子放射化分析,即発線分析に適用することにより、これらの分析法を高度化することができた。本展望では、多重線検出法及びそれを利用した分析法を紹介し、その可能性を論ずる。
小泉 光生; 大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 金 政浩; 古高 和禎; 村上 幸弘*; 長 明彦; 安藤 慎吾*
Review of Scientific Instruments, 80(1), p.016102_1 - 016102_3, 2009/01
被引用回数:2 パーセンタイル:12.53(Instruments & Instrumentation)Ge検出器に液体窒素を補給するという日常作業を省力化するために、液体窒素製造装置を組み込んだ液体窒素自動補給システムを開発した。このシステムで、われわれのGe検出器システムは、ほとんどメンテナンスフリーにすることができた。この液体窒素自動補給システムは20台未満のGe検出器から構成される中規模のGe検出器アレイに有用である。
大島 真澄; 藤 暢輔; 小泉 光生; 古高 和禎; 金 政浩; 木村 敦; 村上 幸弘*; 後藤 淳*
Proceedings of 9th International Conference on Applications of Nuclear Techniques (CD-ROM), 8 Pages, 2008/06
原子核構造研究用に用いられてきた-同時計数測定を核種分析法に応用することにより、高感度分析が可能であることがわかった。すなわち、核種分析法として、原子力機構研究用原子炉JRR-3の炉内照射で試料を放射化し、その壊変線を測定する機器放射化分析法、また、原子炉から外部に取り出された中性子ビームを試料に当て、同時に放出される即発線を測定する即発線分析法について、それぞれに-同時計数測定法を組合せることにより、これらの核種分析法をより高感度化した分析を可能とした。
大島 真澄; 藤 暢輔; 村上 幸弘*; 小泉 光生; 古高 和禎; 金 政浩; 木村 敦; 後藤 淳*
no journal, ,
検出器とエレクトロニクスに関する世界最大規模の国際会議である2007IEEE Nuclear Science Symposium (NSS) and Medical Imaging Conference (MIC)に参加し、微量元素分析法開発のために、当グループで世界で初めて開発した多重即発線実験装置を紹介する。多重線検出法は従来の核種分析法に比べ、高分解能かつ高感度が達成される。この方法を、中性子ビームを試料に照射した際に発生する即発線測定に応用して、迅速,非破壊,高確度,多元素同時分析が可能になることが期待される。多重即発線実験装置は大型のゲルマニウム検出器とBGO検出器の12セットを中心に、高速データ収集システム,液体窒素自動補給システム,自動試料交換システムなどからなる。従来行ってきた2次元マトリクス解析に加え、3次元解析により高度化の可能性について紹介した。
藤 暢輔; 大島 真澄; 村上 幸弘*; 木村 敦; 小泉 光生; 古高 和禎; 初川 雄一
no journal, ,
日本原子力研究開発機構の研究3号炉中性子ガイドホールC-2ラインに多重線を用いた即発線装置を開発しており、核データ測定及びその応用研究として多重即発線分析(MPGA)を行っている。本発表ではおもにMPGAに関する研究開発について報告する。従来法であるPGAが1台の即発線検出器を用いるのに対し、MPGAでは2台以上の線検出器を用いて2本以上の同時に放出される即発線を検出する。これにより、他元素の影響を受け難い、元素の同定が容易になる等のメリットが得られる。MPGAにおいても、シグナル/ノイズ比(S/N比)が検出限界を向上させるために最も重要である。これまではバックラウンドを減らすことによりS/N比を改善してきた。さらにS/Nを改善するためには、シグナルの強度を上げることが有効である。そのため、中性子強度の増強を行った。スーパーミラーを用いた中性子導管や中性子ベンダー等の改良により、中性子強度が約9.3倍となった。また、スクリーニング分析において有用な補正法開発についても報告する。
大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 村上 幸弘*; 小泉 光生; 古高 和禎
no journal, ,
試料に原子炉から取り出した中性子ビームを照射し、同時に発生する即発線を測定することにより定量する即発線分析に、線同時計数測定を組合せた新たな多重即発線分析法の原理と分析装置について紹介する。
藤 暢輔; 大島 真澄; 小泉 光生; 古高 和禎; 木村 敦; 村上 幸弘*
no journal, ,
研究用原子炉3号炉C2ラインに多重即発線分光装置を開発している。これを即発線分析に適用し得られた結果を報告する。従来法であるPGAが1台の即発線検出器を用いるのに対し、MPGAでは2台以上の線検出器を用いて2本以上の同時に放出される即発線を検出する。多重即発線分光装置は立体角が大きいため、ビームラインに存在する空気(窒素)からの即発線も検出され、バックグラウンドとなる。ビームラインの改良を行い、ヘリウム及び炭酸ガスによる空気の置換効率を高めた結果を報告する。また、PGAとMPGAスペクトルの比較やMPGAによる農産物等のスクリーニング分析のための補正法の検証結果、MPGAにおける元素同定等についても報告する。
大島 真澄; 藤 暢輔; 古高 和禎; 村上 幸弘*; 木村 敦; 小泉 光生
no journal, ,
新たな分析法である多重即発線分析法(MPGA)を実現するために開発してきた多重線検出装置(STELLA)が、平成20年7月にJRR-3の中性子ガイドホールC2-3-2ビームラインにおいて完成したので、その概要について報告する。NEDO外部ファンド,JST地域イノベーション育成研究などにより、平成20年7月にBGOサプレッサー付Ge検出器の12セットが揃った。高速データ収集装置の開発を合わせて行い、従来と同程度の分解能で、処理時間6秒という10倍以上の高速化が図られた。また、自動測定を可能にする液体窒素供給装置とオートサンプラーを整備した。迅速線エネルギー較正ソフト,定量ソフト及び核種ごとの線データベースの開発を進めている。これらは現在試用を進めており、来年度末に完成する。STELLA装置の完成により、東京大学原子力専攻,東レリサーチセンターと原子力機構の共同研究である連携重点研究(平成18年度より約10の研究機関が参加)のメンバーによるMPGAの利用を平成20年7月より開始したので、MPGA装置の現状、またJ-PARCでの装置開発についても紹介する。
大島 真澄; 金 政浩; 木村 敦; 中村 詔司; 藤 暢輔; 小泉 光生; 村上 幸弘*
no journal, ,
中性子捕獲断面積測定のために、われわれは即発線法の1種である基底遷移法の高度化を行っている。これまでに、中性子捕獲反応生成核の高励起準位構造を迅速・高精度で構築する手法の開発を行った。この手法により、Ni-63の高励起状態の情報を得、新たに5本の基底遷移を同定した。今回、原子力機構研究用原子炉JRR-3にて即発線シングル測定を行い、Ni-62の熱中性子断面積解析を行った。誤差の範囲で、既報告値との一致が得られ、本断面積導出法の妥当性を検証することができた。
大島 真澄; 村上 幸弘*; 小泉 光生; 藤 暢輔
no journal, ,
これまでに、線同時計数法(多重線検出法)が核種分析において、高エネルギー分解能と高S/N比を実現する有効な手段であることを実証した。この手法の発展型としてX線同時計数法(多重X線検出法)を提案し、原子の励起手段として標準線源を使用して、元素分析に適用した結果について報告する。線源を用い、発生したX線を2台の低エネルギー線分析器(LEPS)で同時計数測定を行った。K-X線とL-X線の同時計数ピークが観測され、同時計数測定が可能であることを示し、またS/N比の改善効果を実証した。
渡部 良*; 大浦 泰嗣*; 海老原 充*; 大島 真澄; 藤 暢輔; 木村 敦; 小泉 光生; 古高 和禎; 村上 幸弘*
no journal, ,
即発線分析(PGA)は高感度な非破壊多元素同時定量法であるが、各元素から放出される即発線の数が多いため、放出する線強度が小さい微量元素は主要元素の線の妨害により検出が困難になることが多い。多重線検出法を利用したPGAである多重即発線分析(MPGA)ではカスケード即発線の同時計数により、ピークの分解能が向上する。よって、MPGAでは線の重畳が減少するため従来のPGAで測定困難な微量元素の定量や定量値の確度向上が期待される。本研究ではMPGAで宇宙地球化学的試料を正確に定量するために再現性,S/N比,試料重量などについて検討を行った。照射と測定は日本原子力研究開発機構のJRR-3M冷中性子ビームラインに設置されたMPGA装置STELLAで行った。数種の重さのJB-1aとJB-1を照射・測定し、2次元マトリクス上の線ピークのS/N比と計数率を比較した。Si, Fe, Ti, K, Ca, Mn, Coのピークを確認できた。Si, Fe, Tiの定量を試みた結果、Fe, Siは文献値と3%以内でよく一致し、Tiは系統的に15%程低かった。これらの結果と考察について報告する。
大島 真澄; 藤 暢輔; 村上 幸弘*; 初川 雄一; 金 政浩; 木村 敦; 中村 詔司; 小泉 光生; 古高 和禎
no journal, ,
当グループにおいては核データ測定の応用研究として、即発線分析及び中性子放射化分析による微量元素分析法の開発研究を実施している。これまでは2重線同時計数で得られる2次元マトリクス解析により、高感度分析を実証した。今回、新たに3重同時計数法を適用することによる定量限界の改善を試みた。現状のJRR-3に設置された多重即発線分析装置による測定・解析の結果、S/N比は改善するものの、統計ロスによる効果により、3次元法での定量限界は2次元法とほぼ同等になるという結論を得た。今後STELLA装置の高効率化,バックグラウンド除去により、高感度化を図る。
大島 真澄; 藤 暢輔; 小泉 光生; 金 政浩; 原 かおる; 木村 敦; 古高 和禎; 中村 詔司; 村上 幸弘*; 須志田 一義*; et al.
no journal, ,
国民健康被害を予防するためには、土壌や農産物など環境物質中の、多元素を、迅速に分析する必要がある。このためにわれわれは原子炉から外部へ取り出した中性子ビームを利用する即発線分析に、原子力機構が原理開発した「多重線検出法」を組合せて、迅速・非破壊・高感度の多重即発線分析法を開発した。当該分析法において感度の高い元素(ホウ素, Cl, Brなどのハロゲン元素、Ir, Pt, Rhなどの貴金属元素)に着目した分析は注目度も高い。現在連携重点研究(産学官連携9機関、平成2123年度)において主として、宇宙化学,地球化学,環境化学,材料科学,農産物分析などの学術研究を実施している。講演においてはこれまでの成果を中心に紹介する。
藤 暢輔; 古高 和禎; 原 かおる; 原田 秀郎; 木村 敦; 金 政浩; 北谷 文人; 小泉 光生; 中村 詔司; 大島 真澄; et al.
no journal, ,
即発線分析(PGA)が1台の線検出器を用いてシングルス測定によって元素定量を行うのに対し、多重即発線分析(MPGA)では複数の線検出器を用いた同時計数測定を行い、エネルギー軸を2本持つ2次元線スペクトルを解析することにより定量を行う。一般的に、PGAに比べてMPGAは高いシグナル・ノイズ比(S/N)が得られ、2つの線の同時計数を用いるためにピークの同定が容易であり、妨害元素等の影響が少ない(もしくは評価が容易)等の特長を持つ。しかし、2本以上の線を同時に検出するため、高い検出効率を持つ線検出装置が必要となるほか、そのピーク・トータル比,中性子遮蔽能,データ収集系等も高い性能が求められる。本発表においてはMPGAの現状としてJRR-3におけるこれまでの研究開発を述べ、将来計画としてJ-PARCにおける展望を述べる。
大島 真澄; 金 政浩; 原 かおる; 中村 詔司; 木村 敦; 小泉 光生; 湊 太志; 原田 秀郎; 本間 道雄*; 後藤 淳*; et al.
no journal, ,
原子力機構研究用原子炉JRR-3に設置された多重即発線検出装置STELLAを用い、Ni-62の中性子捕獲反応から放出される即発線を測定した。Ni-63核において中性子分離エネルギー6838keV以下で、35本の新準位を見いだし、さらに272本の新遷移を含む高励起準位構造を明らかにした。実験で得られた準位構造と殻模型・平均場理論計算による準位構造を比較議論した。
大島 真澄; 金 政浩; 湊 太志; 中村 詔司; 原 かおる; 木村 敦; 小泉 光生; 原田 秀郎; 本間 道雄*; 後藤 淳*; et al.
no journal, ,
原子力機構研究用原子炉JRR-3Mにおいて、冷中性子ビームをNi-62金属濃縮同位体試料に照射し、中性子捕獲反応からの即発線を多重即発線検出装置STELLAを用いて測定した。即発線強度から、Ni-62の熱中性子捕獲断面積を導出した。この値は、おもに放射化法による文献値をもとにしたJENDL4.0の評価値と誤差の範囲内で一致し、本断面積導出法の妥当性が確かめられた。