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中西 貴宏; 佐藤 成二; 松本 卓巳*
Radiation Protection Dosimetry, 184(3-4), p.311 - 314, 2019/10
被引用回数:8 パーセンタイル:66.68(Environmental Sciences)福島県では未除染山地森林から輸送される放射性セシウムの堆積による生活圏での被ばく線量増加が懸念されている。本研究では、事故後数年間における福島県内河川敷における放射性セシウムの堆積履歴を調査した。河川を流下する懸濁物質中の放射性セシウム濃度と河川敷の空間線量率も継続観測した。多くのケースで、河川敷への年間土砂堆積量はわずか数kg mで、表層堆積物の放射性セシウム濃度は懸濁物質中の放射性セシウム濃度と同じ減少傾向を示した。それに同調して、河川敷の空間線量率も時間とともに低下していた。大規模出水があった2015年には、上流にダムをもたない河川で数百kg mの土砂堆積と空間線量率の急激な減少が観測された。逆に言えば、ダムによって河川敷への放射性セシウムの堆積が顕著に減少することを示した。
中西 貴宏; 片寄 優二*; 遅塚 孝治*; 萩野谷 卓未*; 松本 卓巳*
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所事故により陸域に沈着した放射性セシウムは、事故から7年以上経過した現在も河川を通じて流域を移行している。事故直後に比べて河川水の放射性セシウム濃度は著しく低下したが、その傾向は緩やかになりつつある。河川における放射性セシウムの動態を理解することは、淡水生態系や農作物への放射能汚染の影響評価のみならず、水循環や流域環境の評価の指標になり得る。本発表では、福島県浜通り地方を流れる河川における放射性セシウム濃度の経時変化を報告するとともに、放射性セシウムの動態に寄与する環境要因について議論する。
尾崎 宏和*; 吉村 和也; 片寄 優二*; 松本 卓巳*; 朝岡 良浩*; 林 誠二*
no journal, ,
本研究は、下水道への人為起源汚染物質放出に関し、特に知見の少ない元素のレベルを把握することを目的として、福島県郡山市の合流式下水道より試料を採取し、下水中元素濃度を測定した。下水中の溶存Cu, Zn濃度は数数十g/L, Mo, Pd, Ag, In, Biは数十数百ng/Lで、懸濁態はこの10倍オーダーだった。本研究におけるCu, Znの最大値は先行レベルと同等だった。また、Agを除くこれら元素の下水への負荷は、降雨時における路面等からの排水が大きく寄与する一方、Agについては家庭排水の寄与が大きい可能性が示唆された。
尾崎 宏和*; 林 誠二*; 吉村 和也; 片寄 優二*; 松本 卓巳*; 朝岡 良浩*
no journal, ,
本研究は、市街地下水道への人為起源汚染物質の流入に関し、特に知見の少ない元素のレベルを把握することを目的として、福島県郡山市の合流式下水道より試料を採取し、下水中重金属濃度を測定した。そして、下水中レベルに関して知見の多いCuとZn、既往知見の少ないMo, Ag, Sb, Ba, Biに着目して検討した。非降雨時における下水中重金属濃度は24時間の中で変動し、その変動には生活リズムの関与が考えられた。また、既報で知られるCuやZnに加え、懸濁態において知見の少ないMo, Ag, Sb, Ba, Biの下水道への流入が示された。