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中嶋 洋輔*; 武田 寿人*; 市村 和也*; 細井 克洋*; 大木 健輔*; 坂本 瑞樹*; 平田 真史*; 市村 真*; 池添 竜也*; 今井 剛*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 463, p.537 - 540, 2015/08
被引用回数:18 パーセンタイル:82.74(Materials Science, Multidisciplinary)A divertor simulation experimental module (D-module) with a V-shaped divertor target is installed in the west end-sell in GAMMA 10 large tandem mirror device, and a hydrogen plasma irradiation experiment to the target have been started to investigate radiation cooling mechanism on the target. A gas injection system is installed in the D-module and Langmuir probe and calorie meter array are mounted on the target plate. During the plasma irradiation, the highest electron density of 2.4 10 m and a significant reduction of the electron temperature from a few tens of eV to 2 eV are achieved on the target plate by hydrogen and noble gas injection into the D-module.
中嶋 洋輔*; 坂本 瑞樹*; 吉川 正志*; 大木 健輔*; 武田 寿人*; 市村 和也*; 細井 克洋*; 平田 真史*; 市村 真*; 池添 竜也*; et al.
Proceedings of 25th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2014) (CD-ROM), 8 Pages, 2014/10
In the large tandem mirror device GAMMA 10/PDX, a divertor simulation experimental module (D-module) with a V-shaped divertor target have been installed in the end-mirror. A massive gas injection of hydrogen and noble gases (argon and xenon) into the D-module during hydrogen plasma irradiation onto the target was performed, and plasma detachment from the target was investigated. Electron temperature measured by Langmuir probe array on the target was significantly reduced from a few tens of eV to 3 eV, and particle flux was also reduced. A bright H emission in the upstream region of the D-module and strong reduction near the target were observed by a two-dimensional image of H emission in the target observed with a high-speed camera. Molecular activated recombination (MAR) process is expected to contribute to the reduction of the electron temperature and the particle flux.
城 昭典*; 松浦 博孝*; 石崎 隼郎*; 瀬古 典明; 植木 悠二
JAEA-Review 2011-043, JAEA Takasaki Annual Report 2010, P. 54, 2012/01
木材,藁などの植物細胞中に存在するキシロースは、糖尿病患者用甘味料(ブドウ糖代替品)あるいはキシリトール前駆体として、製薬,食品加工等の分野において幅広く利用されている。キシロースは、ホウ酸が近接シス型ジオールと可逆的に環状エステルを形成することが知られており、ホウ酸を不溶性高分子基体に固定化できれば、キシロースを回収可能な吸着剤を得られるものと期待される。そこで本研究では、放射線グラフト重合法によるポリオール型キシロース吸着繊維の合成を試みた。その結果、ホウ酸を有する4-ビニルフェニルボロン酸(VPBA)と親水性付与剤(ノナエチレングリコールジメタクリレート(NEDM)、又は、メトキシノナエチレングリコールメタクリレート(MNEM))との共グラフト重合により、ポリオール型キシロース吸着繊維を合成することに成功した。最適グラフト重合条件下における、各吸着繊維の共グラフト率はVPBA-NEDM型では221%、VPBA-MNEM型では180%に達した(照射線量:200kGy,総モノマー濃度:80wt.%,モル比:VPBA/NEDM=3/1, VPBA/MNEM=3/1,反応温度:40C,反応時間:16時間)。また、本吸着繊維のキシロース吸着容量はVPBA-NEDM型では0.37mmol/g、VPBA-MNEM型では0.34mmol/gとなった。
柴田 良和*; 松浦 博孝*; 井原 敏博*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
クロロメチルスチレンをグラフトしたポリオレフィン繊維にスルホン酸とアミノメチルホスホン酸基を導入して得た二官能性キレート繊維(FNPS,酸容量5.97meq/g)のZn(II)吸着特性をカラム法で評価した。pH2に調整した 0.01M硝酸亜鉛水溶液の50-60Bed Volumes(BV)を、空間速度(SV)50, 100, 200並びに1000/hでカラムに通液して、Zn(II)の漏出挙動を評価した。いずれの通液速度においても、5%漏出点は13-15BVでほぼ一定であり、50BVで吸着平衡に到達した。5%漏出容量は0.73-0.88mmol/gであり、平衡吸着量は1.05-1.19mmol/gであった。漏出曲線の形状が通液速度に依存しないことから、FNPSがZn(II)を極めて迅速に吸着することがわかった。吸着された Zn(II)は1M塩酸で定量的に溶離され、FNPSの反復使用も可能であった。
森岡 佑介*; 松浦 博孝*; 井原 敏博*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
イミノ二酢酸を官能基とするキレート繊維(FCSI)は微酸性(pH56)溶液からPb(II)などの2価金属イオンを極めて迅速に吸着するが、Fe(III)など水酸化物沈殿を形成しやすい3価金属イオンは有効に吸着できない。本研究ではイミノ二酢酸基と強酸性基であるスルホン酸を導入した二官能性繊維(FCSIS)によるFe(III)などに対する吸着挙動を検討した。FCSIとFCSISを充填したカラムにpH1.5に調整した0.001M Fe(NO)溶液を通液しFe(III)の吸着挙動の差異について検討した。FCSIカラムに空間速度(SV)50hでFe(III)溶液を通液した場合、通液直後からFe(III)が漏出し、Fe(III)はほとんど吸着されなかった。これに対し、FCSIS充填カラムでは空間速度(SV)200hにおいても良好なFe(III)の吸着挙動を示した。これは、FCSISにおいてはスルホン酸が強酸性領域で解離するためにその負電荷間の反発によりグラフト鎖が伸長するため、Fe(III)の繊維内拡散が容易になるとともにイミノ二酢酸基との錯形成においても立体障害が減少するためと考えられる。
池上 文*; 松浦 博孝*; 井原 敏博*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
高速イオン吸着性のキレート繊維を得る目的でビニルベンジルグリシジルエーテルをグラフト重合した繊維(FGE)からイミノ二酢酸型キレート繊維(FGE)を合成し、カラム法により金属イオンの吸着挙動を評価した。FGEI充填カラムに20.7, 10, 5及び2.5ppmのPb(II)水溶液をSV500hで通液したとき、供給液濃度を低くするほど5%漏出点は大きい値となり、濃度が低い溶液ほど5%漏出点に達するまでに大量の溶液を通液することが可能になった。また、1ppmのPb(II)水溶液をSV1000hという高速で通液したところ、5%漏出点はさらに大きくなり、より多くの溶液を通液することができることがわかった。次に、Ca(II), Mg(II)が20ppm及び200ppmの濃度で共存する1ppmのPb(II)水溶液をSV1000hで通液した場合でもPb(II)を選択的に吸着することができた。以上の結果から、FGEIは低濃度の有害金属イオンであるPb(II)で汚染された大量の排水を高速で浄化処理するのに有効である。
郷 康弘*; 松浦 博孝*; 城 昭典*; 玉田 正男; 片貝 秋雄
no journal, ,
クロロメチルスチレンをグラフト重合したポリオレフィン繊維をエタノール中で、ジメチルアミノエタノールと反応させ陰イオン交換容量が2.3mmol/gの陰イオン交換繊維を得た。塩化物イオン形にしたジメチルアミノエタノール繊維のカラム法における硝酸イオンの吸着を行ったところ、空間速度2000hの場合、破過容量が約1.3mmol/gとなり、この陰イオン交換繊維は硝酸イオンを迅速に吸着することがわかった。
井上 真一*; 松浦 博孝*; 城 昭典*; 玉田 正男; 片貝 秋雄
no journal, ,
クロロメチルスチレンをグラフトしたポリオレフィン繊維へのホスホン酸とスルホン酸の導入においてはスルホン化剤種や官能基導入の順序によって繊維の切断が起こる場合がある。本研究では繊維の切断反応が軽減できる官能基導入の順序並びにスルホン化剤を探索した結果について報告する。
城 昭典*; 松浦 博孝*; 池上 文*; 玉田 正男; 片貝 秋雄
no journal, ,
キレート繊維に第二の官能基としてスルホン酸を導入すると酸性領域における金属イオン吸着特性が改善されるが、スルホン酸の導入においてはスルホン化剤種や官能基導入の順序によって繊維の切断が起こる場合がある。そこで、本研究では放射線を用いるスチレンスルホン酸イオンをグラフトする方法で得られた二官能性イミノ二酢酸型繊維の性質と金属イオン吸着特性を報告する。
井上 真一*; 松浦 博孝*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
ホスホン酸を有するイオン交換体は強酸性下ではホスホン酸の解離が抑制され、イオン吸着速度,容量が低下する。これを補うために、全pH領域で解離するスルホン酸を第二の官能基としてクロロメチルスチレン(CMS)をグラフトしたポリオレフィン繊維(FCMS)に導入するが、使用するスルホン化剤や官能基導入の順序により繊維が損傷を受ける場合がある。本研究ではホスホン酸とスルホン酸を有する二官能性イオン交換繊維(FCPS)の合成法の確立を目的として、繊維の損傷が軽減できる官能基導入の順序並びにスルホン化剤の探索を行った。ホスホン酸の導入は、FCMSと亜リン酸トリエチルを100Cで48h反応させた後、還流濃塩酸中で48h加熱する加水分解反応で行った。また、二段目のスルホン酸の導入は、30Cで24h、濃硫酸と反応させるか又は0Cで2h、5%クロロスルホン酸(CSA)と反応させた。繊維の損傷による顕著な重量の減少並びに官能基の脱離等が起こらずFCPSの合成を行うことができたのは、先にホスホン酸を導入した後スルホン化剤に濃硫酸を用いた場合あるいは、CSAとの反応で溶媒に1,1,2,2-テトラクロロエタン又はジクロロメタンを用いた場合であった。
城 昭典*; 松浦 博孝*; 池上 文*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
ビニルベンジルグリシジルエーテル(VBGE)をグラフトした繊維(PPPE-g-VBGE)から誘導されたイミノ二酢酸型繊維(FGEI)は、pH 5程度の弱酸性領域でPb(II)などの2価金属イオンを迅速かつ高容量で吸着するが、pH 2以下の強酸性領域ではFe(III)などに対して吸着容量が極めて小さい。FGEIにスルホン酸を導入すれば強酸性領域における金属イオン吸着特性が大幅に改善されるが、クロロスルホン酸などを用いたFGEIのスルホン化は困難である。本研究ではFGEIにビニルスルホン酸をグラフト重合し、イミノ二酢酸とスルホン酸を有する二官能性キレート繊維(FGEIS-1)を合成することを目的とした。PPPE-g-VBGEにイミノ二酢酸ジエチルを導入してエステル形FGEIを得た。エステル形FGEIを1MNaOHで100C、12h加熱しNa形FGEIを、さらにNa形FGEIを1M塩酸で処理してH形FGEIを得た。これらの繊維にスチレンスルホン酸ナトリウム(SSS)をグラフトした結果、SSS導入の反応速度はH形Na形エステル形の順となった。この中から反応が遅いエステル形を用いてSSSをグラフト後、加水分解,酸処理してH形のFGEIS-1を得た。カラム法によりFGEIとFGEIS-1のFe(III)吸着挙動を検討した結果、FGEIは空間速度(SV)50hで破過点がほとんど0に近いが、FGEIS-1ではSV 1000hで60とFGEIより格段に大きな破過点を示した。
松浦 博孝*; 森岡 佑介*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
クロロメチルスチレンとスチレンを共グラフトしたポリオレフィンから単官能性イミノ二酢酸型繊維(FCSI)及びイミノ二酢酸とスルホン酸を有する二官能性キレート繊維(FCSIS)を合成し、その金属イオン吸脱着特性を工業化学・環境化学・生化学などのさまざまな分野において重要な金属であるFe(III)についてカラム法により検討した。Fe(III)の動的吸脱着挙動を調べたところ、FCSIの方がFCSISよりFe(III)の漏出が早いことからFCSISの吸着特性の方が優れていることがわかった。次に、FCSISを用いてpH1.5の硝酸酸性溶液からのFe(III)吸着における流速依存性を検討した。空間速度(SV)を502000hと変化させて通液したところ、通液速度の増加とともに5%漏出点が少しずつ減少したが、通常のイオン交換樹脂カラムの200倍に相当するSV 2000hにおいても、5%漏出点までに0.178mmol/g-fiberの吸着量を示した。さらに、Ca(II), Mg(II), K(I)共存下におけるFe(III)の吸着について検討したところ、いずれの場合もFe(III)の吸着に対する阻害はほとんど認められず、Fe(III)の選択的な吸着が可能となった。Fe(III)の溶離は、6M HClを用いてSV 5hで行った。回収率は、ほぼ100%であり、FCSIS繊維がイオン交換体として反復使用が可能であることが明らかになった。以上の結果から、FCSIS繊維は微量金属分析において、迅速で効率的な濃縮法へ応用できることが示唆された。
郷 康弘*; 松浦 博孝*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
クロロメチルスチレンをグラフトしたポリオレフィン繊維にジメチルアミノエタノールを導入して強塩基性陰イオン交換繊維(FCSA、陰イオン交換容量2.3mmol/g)を合成し、その硝酸イオンの高速除去に関する検討をカラム法で行った。カラムに1M塩酸を通液後、カラムを水洗して硝酸ナトリウムの1mM水溶液を通液し、硝酸イオンの吸着を行い、溶離は1M塩酸で行った。流出液のイオン組成はイオンクロマトグラフ法で求めた。空間速度(SV)6463260hの範囲で通液して、硝酸イオンの破過曲線の速度依存性を検討した。硝酸イオンに対する破過容量は、カラムからの流出液中の硝酸イオン濃度(C)とカラムへの供給液中の硝酸イオン濃度(Co)の比(C/Co)が0.05となる5%破過点までに吸着された硝酸イオンのmmol/g(5%破過容量)として定義した。5%破過容量は、SV 646hで1.5mmol/gであったが、通液速度の増加とともに緩慢に減少したものの、SV 3260hの高速通液条件においても1.1mmol/gと、FCSAは迅速に硝酸イオンを吸着することがわかった。次に、天然水中の主要陰イオンである塩化物イオンと硫酸イオンの硝酸イオン吸着に及ぼす影響について検討した。硝酸イオンの5%破過点は共存陰イオンが存在しない場合、500mL程度であるが当量の塩化物イオン共存下では約250mLにまで減少した。共存陰イオンの妨害効果は硫酸イオンの方が大きかった。
松浦 博孝*; 谷岡 香奈絵*; 嘉数 功太郎*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
これまで、キレート形成基とスルホン酸基を有するさまざまな二官能性キレート繊維を開発し、金属イオンの吸脱着特性を調べた結果、高速度での金属イオンの吸着が可能であることから、これらの二官能性繊維は短時間で金属イオンを濃縮する手法として有用であると考え、本研究では、この二官能性繊維の微量金属分析への応用を目的とした前段濃縮について検討した。イミノ二酢酸基とスルホン酸基を有する二官能性キレート繊維(FCSIS)をカラムに充填し、空間速度(SV)10005000hでFe(III)の吸脱着挙動を調べた。また、Ca(II)やMg(II)の共存下での吸着挙動も併せて評価した。1ppmのFe(III)溶液をSV 1000, 2000, 5000hで通液したところ、いずれの場合もFe(III)は迅速に吸着され、漏出量の誤差は5%以内であった。次に、1ppmのCa(II)あるいはMg(II)を含む0.1ppmのFe(III)溶液を通液した結果、いずれの場合でも、Fe(III)の吸着に及ぼす共存イオンの影響はなく、Fe(III)を高速度で高選択的に吸着することが明らかになった。吸着されたFe(III)は6M塩酸によりほぼ定量的に溶離を行うことができ、最大で約500倍のFe(III)の濃縮が可能であった。以上のことから、FCSISは金属イオンの前段濃縮への応用に有効であることが示唆された。
大津 猛*; 松浦 博孝*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
ホスホン酸とスルホン酸を有する二官能性のイオン交換体(樹脂・繊維)の吸着性能は、両官能基のモル分率に比例する。今回は両官能基のモル分率が等しい二官能性陽イオン交換繊維(FCPS)の合成を目的として、クロロメチルスチレンをグラフトした繊維(FCMS)からFCPSを合成した。得られたFCPSのP含量は1.32mmol/g、S含量は1.53mmol/g、酸容量は4.35meq/gであり、これらの結果からホスホン酸基とスルホン酸基をほぼ等モル有する二官能性繊維の合成が可能となった。このFCPSをカラムに充填し、0.01M Ba(II)水溶液を空間速度(SV)503000hで通液してBa(II)の吸着挙動を評価した。0.01M Ba(II)水溶液をSV 50, 500, 1000, 3000 hで通液したところ、5%漏出点は14.616.8Bed Volumes(BV)で、5%漏出容量は0.4830.558mmol/gであった。SV 503000hでは漏出曲線の形状が通液速度に依存しないことから、Ba(II)を迅速に吸着することが明らかになり、両官能基を等モル有するFCPSの吸着特性が明らかになった。また、吸着されたBa(II)は2 M塩酸で定量的に溶離されることからFCPSの繰返し使用も可能であり、事実、吸着と溶離を8回以上繰り返したが、吸脱着による吸着特性の低下は認められなかった。
藤井 祐樹*; 松浦 博孝*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
二官能性キレート樹脂は希少金属の回収において有望であると考えられているが、吸着速度が遅いという問題がある。本研究では、吸着速度の改善を目的としてイミノ二酢酸基とスルホン酸基を有する二官能性キレート繊維(FIDA-g-SS)を合成し、In(III)の吸着試験を行った。クロロメチルスチレン(CMS)をグラフトした繊維にイミノ二酢酸ジエチルを付加し、アルカリ加水分解してイミノ二酢酸型単官能性繊維(FIDA)を合成した後、スチレンスルホン酸ナトリウム(SSS)をグラフトしてイミノ二酢酸基とスルホン酸基を持つFIDA-g-SSを合成した。得られたFIDA-g-SSのN含量は1.58mmol/g、S含量は1.5mmol/g、酸容量は4.41meq/gであり、これらの結果からイミノ二酢酸基とスルホン酸基をほぼ等モル有する二官能性繊維の合成が可能となった。FIDA-g-SSを充填したカラムへ1mM In(III)溶液(pH2.5塩酸酸性)を空間速度(SV)50hで通液して吸着実験を行った結果、5%破過容量は0.129mmol/gの値を示した。さらに、SV 500hで通液してもIn(III)の吸着性能は低下せず、二官能性キレート樹脂よりも高速で吸着できることがわかった。
松浦 博孝*; 藤井 祐樹*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
クロロメチルスチレン(CMS)をグラフトした繊維にイミノ二酢酸基とスルホン酸基を導入した二官能性キレート繊維(FIDA-g-SS)を用いて、希金属であり回収技術の開発が期待されているIn(III)のカラム法による吸脱着特性を調べた。合成したFIDA-g-SSのN含量は1.58mmol/g-F, S含量は1.50mmol/g-F, 酸容量は4.41meq/g-Fであり、イミノ二酢酸とスルホン酸がほぼ等モル導入された繊維が得られた。このFIDA-g-SS及び単官能性イミノ二酢酸繊維(FIDA)をカラムに充填し、In(III)の吸着試験を行った。空間速度(SV)500hで行った場合、FIDA-g-SS及びFIDAの5%漏出容量はそれぞれ0.428, 0.144mmol/g-Fであった。FIDA-g-SSは、通常のイオン交換樹脂の場合の100倍高速度であるSV1000hでも、5%漏出容量は変化せず、高い吸着能力を持つことが明らかになった。また、In(III)と同族元素であるAl(III)が4倍濃度で共存する場合でも、FIDA-g-SSは選択的にIn(III)を吸着することが明らかになった。
城 昭典*; 加藤 翔太*; 松浦 博孝*; 永田 和美*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
本研究は、活性エステルを有する樹脂と繊維を充填したカラムを用いて、アミド合成の処理速度に及ぼす活性エステル固定化樹脂と繊維との形状の影響を検討した。出発ポリマーとして-ブロモブチルスチレンとジビニルベンゼン(DVB)との球状共重合体(RC4B),クロロメチルスチレン(CMS)とDVBの球状共重合体(RCS)並びにCMSをポリオレフィンにグラフト重合して得た繊維(FCMS)を用いて、活性エステル固定化繊維を得た。ANを用いて活性エステル固定化ポリマーを充填したカラムに定容積の2-フェニルエチルアミンAN溶液を種々の流速で通液してアミドを合成した。アミドの確認は固体NMRスペクトルによった。RCSとRC4Bから得た活性エステル固定化樹脂を充填したカラムの場合、ともに通液速度12mL/hまでは目的アミドのみが得られたが14mL/hの流速ではアミンの流出が認められた。一方、FCMSから誘導した活性エステル固定化繊維を用いた場合、12, 16, 18, 20mL/hと流速を変えてアミンのAN溶液を通液したところ、18mL/hまではアミドのみが検出されたが20mL/hでアミンが検出された。以上の結果より、活性エステル固定化ポリマーにおいても、繊維状反応性高分子は速度論的に優れた特性を示すことがわかった。
松浦 博孝*; 柴田 良和*; 浜辺 裕子*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
近年、水棲生物の保全の観点から亜鉛イオンの排水基準値が5ppmから2ppmに強化されたことを考慮して、本研究では二官能性アミノメチルホスホン酸型繊維(FNPS)を用いたppmレベルの亜鉛含有水の高速浄化について検討した。FNPS繊維をカラムに充填し、0.1mM(6.5ppm)のZn(II)水溶液を空間速度(SV)1000hで通液し、吸着試験を行った。また、Ca(II)又はMg(II)共存下での吸着も同様に行った。共存イオンの濃度は、日本の主要な河川に含まれる平均な濃度、Ca(II)は10.5ppm, Mg(II)は2.9ppmとした。0.1mM及び比較のために1mM及び10mMと高濃度のZn(II)溶液を通液し、得られた破過曲線の比較から、低濃度であるほどZn(II)の吸着量が増加していることがわかった。0.1mMのZn(II)の場合、5%漏出点は2360mL/mL-fiberであった。一方、Mg(II)が共存するZn(II)溶液の場合でもZn(II)がFNPSに優先的に吸着することがわかった。Zn(II)の5%漏出点は、Mg(II)共存の場合1000mL/mL-fiber、Ca(II)共存の場合1500mL/mL-fiberとZn(II)単独の場合と比較すると56割に減少したが、日本の平均的な河川が排水基準の約3倍のZn(II)で汚染されることを想定した場合、FNPSを用いることによって短時間で浄化することが可能になった。
城 昭典*; 藤本 留理子*; 吉田 裕美*; 松浦 博孝*; 片貝 秋雄; 玉田 正男
no journal, ,
工業規模のカラムで用いるイオン交換樹脂の粒径は0.5mm前後と大きいため、吸着速度が遅く、最適通液速度は空間速度(SV)で20-40hである。本研究では硝酸イオンを高速で選択的に吸着する強塩基性陰イオン交換繊維の合成と硝酸イオン吸着特性の評価を行った。ポリエチレン被覆ポリプロピレン短繊維にクロロメチルスチレン(CMS)をグラフトした繊維にトリブチルアミン(TBA)又はトリアミルアミン(TAA)のエタノール溶液を80Cで5h反応させ、目的のトリブチルアミン(FTBA)とトリアミルアミン(FTAA)繊維を得、その陰イオン交換容量は1.4と1.2meq/gであった。各繊維をカラムに充填し、1.0mMの硝酸ナトリウム水溶液をSV 500, 1000及び3000hで通液し、硝酸イオンの破過曲線を求めた。その結果、破過曲線の形状がほぼ重なっていることからこの繊維の硝酸イオン吸着速度が極めて迅速であることがわかった。SV 3000hの通液速度はイオン交換樹脂充填カラムの場合の約100倍であり、吸着操作に要する時間が樹脂の場合の1/100となる。5%破過容量は約0.5meq/gで総吸着量は1.2meq/gであった。また、Cl並びにSOの硝酸イオンの吸着に及ぼす影響を検討したところ、アルキル鎖長の長いFTAAは、FTBAよりSOの妨害がかなり軽減されていることもわかった。