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柳 義彦*; 古作 泰雄; 秦野 歳久; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 秋場 真人
JAERI-Tech 2002-046, 45 Pages, 2002/05
ITER増殖ブランケットにおいて熱サイクルで誘起されるペブル充填層と増殖管との熱機械的相互作用を評価するため、模擬試験体を製作し熱サイクル試験を実施した。ペブル充填層の熱挙動は、ぺブル間ですべりを生じるなどの粒子充填層での複雑な機械挙動により、解析で予測するのは困難である。そのため、実機ITER のBIT(Breeder Inside Tube)設計を模擬した試験体を設計し、熱サイクルによる構造健全性を実証した。増殖材としてLiTiOぺブルを増殖管に充填し、中性子増倍材であるBe の模擬材としてAl ペブルを用いた。加熱試験では、増殖管の中心に配したヒータにて、増殖材LiTiOを加熱し外部を常温の水で冷却し、増殖材の温度はヒータの出力で制御した。昇温、降温を繰り返す熱サイクル試験の後、X 線-CT 装置を用いて試験体の断層寸法を観察した。試験の結果、ヒータの最高温度600Cで5 回の熱サイクル試験後においても充填率の顕著な変化は観察されなかった。また、管の膨れやペブルの割れも観察されなかった。以上の結果から、増殖管と増殖ペブル充填層の熱サイクルに対する機械的健全性を確認した。
古作 泰雄; 柳 義彦*; 榎枝 幹男; 秋場 真人
Fusion Science and Technology, 41(3), p.958 - 961, 2002/05
核融合原型炉用としての超臨界圧水冷却固体増殖ブランケットの設計では、リチウムセラミックスの微小球をトリチウム増殖材としてヘリウム流によりトリチウムを回収し、構造材に低放射化フェライト鋼を用いて、発電効率を上げるため圧力25Mpa,入口温度550K,出口温度780Kの超臨界圧水を冷却材としている。その条件では冷却管の温度が650Kから800Kと見積もられ、冷却水は直接発電系へ供給することから、冷却管でのトリチウム透過を安全上考慮する必要がある。今回は第一壁でのインプランテーションによる冷却水への透過量及び増殖域での冷却水への透過量を評価した。第一壁での透過量は粒子負荷がSSTR条件10cms(E=50eV)で68.3g/dayとなり、増殖域での透過量はパージガス中のトリチウム分圧が1Paとなるようにパージガス流量を設定した場合で75.3g/dayと、生産したトリチウムの20%が透過により冷却水に移行する結果となった。
榎枝 幹男; 小原 祥裕; 秋場 真人; 佐藤 聡; 秦野 歳久; 古作 泰雄; 黒田 敏公*; 菊池 茂人*; 柳 義彦*; 小西 哲之; et al.
JAERI-Tech 2001-078, 120 Pages, 2001/12
本報告書は、経済的競争力の強化と技術的な堅実さの維持を両立する原型炉ブランケットの概念構築を目的として行われた平成12年度の原型炉ブランケット設計会議での作業内容をとりまとめたものである。平成11年度の核融合会議戦略検討分科会の議論等から、原型炉の果たすべき使命に関して見直しがなされ、経済的な競合性を有する実用炉の原型であり、それと同じ材料と設計を使用して商業的に魅力ある動力炉の原型であるから、原型炉で、実用化に必要な技術はすべて開発し実証する、と結論付けられた。この見直しを受けて、過去数年にわたるプラズマ研究や炉工学技術開発の進展を勘案して、開発目標として再設定をし、原型炉としてA-SSTRで提案された超臨界水冷却方式の固体増殖ブランケットを目標とし、その概念検討を行った。本概念検討の結果、除熱,発電,燃料増殖,遮蔽などの基本的な性能に関して、超臨界水冷却固体増殖ブランケットの実現可能性が示された。また、電磁力に関する検討,超臨界水による腐食防止に関する予備調査,トリチウム生成挙動と回収方式の検討,冷却発電システムの検討,モジュール製作性の検討,遠隔保守着脱機構,交換計画の検討などを行い、今後解決するべき検討課題を明らかにした。
柳 義彦*; 佐藤 聡; 榎枝 幹男; 秦野 歳久; 菊池 茂人*; 黒田 敏公*; 古作 泰雄; 小原 祥裕
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(11), p.1014 - 1018, 2001/11
被引用回数:24 パーセンタイル:83.28(Nuclear Science & Technology)発電技術の実証を目指す核融合原型炉システムにおいて、熱効率向上の観点から固体増殖ブランケットの冷却材に超臨界圧水を用いた概念設計を進めている。固体増殖材(LiO)と中性子増倍材(Be)を層状に配し、各層の温度分布とトリチウム増殖比(TBR)を一次元の核熱解析コードを用いて計算した。典型的な例として、局所TBR,1.4を得た。これによりブランケットのカバレッジが70%以上あれば、正味TBRとして1.0以上が期待できることが示された。
市川 逵生; 柳澤 和章; 堂本 一成*; 横内 洋二*; 岩野 義彦*; 清野 赳*; 上野 信行; 渡海 和俊*; 近藤 吉明*; 寺西 智幸*
JAERI-M 84-031, 285 Pages, 1984/02
日本原子力研究所がOECDハルデン計画に参加して以来すでに17年が経過した。この間に原研のみならず共同研究を結んだ動燃事業団並びに民間原子力企業体がハルデン沸騰水型原子炉(HBWR:ノルウェー)にて照射試験を行った燃料集合体は36体に及んでおり、更に3体の照射が近いうちに予定されている。これら燃料体の照射試験は日本の軽水型原子炉の燃料研究と深く結びついたものであり、その成果は各社の燃料の研究開発に大きく貢献している。本報は第28回ハルデン委員会開催にあたり過去17年間の国産燃料体照射試験より得られた成果の概要を、ハルデン共同研究合同運営委員会委員がまとめたものであり、1部未解析の照射試験を除き殆んどのものが収録されている。
細川 隆徳*; 星 蔦雄; 柳原 敏; 岩村 公道; 折田 義彦*
JAERI-M 9140, 40 Pages, 1980/10
反応度事故条件での燃料破損挙動に及ぼすペレット形状の影響を調べるために、フラット及びディッシュペレット型燃料棒の照射実験を実施し、これまでのチャンファペレット型燃料棒の結果と比較した。実験の結果によると、ペレット形状の相違による被覆管表面温度挙動、照射後燃料棒の外観ならびに変形量等に差異は認められなかった。原因検討のために、有限要素法によりペレットの熱弾性解析を行なった結果、ペレット形状の相違によりペレットの変形量に大きな差異は認められず、このことからペレット形状の影響は小さいことが確認できた。
星 蔦雄; 岩村 公道; 柳原 敏; 折田 義彦; 細川 隆徳*
JAERI-M 7796, 85 Pages, 1978/08
NSRR標準型試験燃料の中心孔にW-5%Re/W-26%Re熱電対を挿入し、パルス照射時の燃料中心温度挙動を測定した。実験は3燃料体について、36~242cal/gUOの発熱量範囲内で、それぞれ4~6回繰り返し照射を行なった。実験の結果、燃料中心温度測定の再現性は良好で、冷却過程では燃料中心温度挙動は、被覆管表面熱伝達率に支配されることが確認された。繰り返し照射の影響については、燃料中心温度挙動は照射履歴の影響は少ないが、被覆管表面温度挙動は、DNBを越えると、繰り返し照射の影響をかなり受けることがわかった。また、繰り返し照射が破損しきい値におよぼす影響は、今回の実験に関する限り小さかった。