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論文

New design of vacuum chambers for radiation shield installation at beam injection area of J-PARC RCS

神谷 潤一郎; 古徳 博文; 菖蒲田 義博; 高柳 智弘; 山本 風海; 柳橋 亨*; 堀野 光喜*; 三木 信晴*

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012172_1 - 012172_7, 2019/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.06

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)における一つの課題はビーム入射部における高放射線レベルである。これはビームが荷電変換膜により散乱され、周辺機器が放射化されることが原因である。入射部での作業時の被ばくを低減するために放射線遮蔽体が必要であるが、現在の入射部では遮蔽体を設置する場所が非常に限られている。そのため、ビーム入射点のチタン製真空容器および周辺のシフトバンプ電磁石, セラミックス製ビームパイプを新しく設計し、有効な遮蔽体が設置できる空間を確保する検討を進めている。ビーム入射点の真空容器は断面を円型から矩形へ変更し、ビーム方向の長さを長くする設計とした。大気圧による真空容器の内部応力解析を行い、材料強度に対して十分に低い応力であることを明らかにした。セラミックスビームパイプは、抵抗を有したRFシールドを設置することでパルス磁場による誘起電圧をダンピングできる設計とした。これにより、新しい入射部の系では非対称となるバンプ電磁石による誘起電圧のビームへの悪影響を取り除くことができる。本報告では入射部遮蔽体設置に関わるこれらの真空機器の改造について発表する。

論文

Activation in injection area of J-PARC 3-GeV rapid cycling synchrotron and its countermeasures

山本 風海; 山川 恵美*; 高柳 智弘; 三木 信晴*; 神谷 潤一郎; Saha, P. K.; 吉本 政弘; 柳橋 亨*; 堀野 光喜*; 仲野谷 孝充; et al.

ANS RPSD 2018; 20th Topical Meeting of the Radiation Protection and Shielding Division of ANS (CD-ROM), 9 Pages, 2018/08

J-PARC 3GeVシンクロトロンは1MWのビーム出力を中性子ターゲットおよび主リングシンクロトロンに供給するためにビーム調整を進めている。現在は最大500kWの出力で運転を行っているが、現状最も放射化し線量が高い箇所はリニアックからのビーム軌道をシンクロトロンに合流させる入射部である。この放射化はビーム入射に使用する荷電変換フォイルとビームの相互作用によるものであるが、フォイルを使う限り必ず発生するため、周辺作業者への被ばくを低減するための遮蔽体を設置できる新しい入射システムの検討を行った。フォイル周辺は入射用電磁石からの漏れ磁場で金属内に渦電流が流れ、発熱することがこれまでの経験から判っているため、その対策として金属の遮蔽体を層状に分け、その間に絶縁体を挟む構造を考案した。遮蔽計算の結果から、9mmのステンレスの間に1mmの絶縁体を挟んでも遮蔽性能は5%程度しか低下しないことがわかった。

論文

RCSビーム入射部における低放射化・保守性向上のための真空容器のアップグレード

神谷 潤一郎; 山本 風海; 柳橋 亨*; 佐藤 篤*; 三木 信晴*

Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.645 - 648, 2018/08

J-PARC 3GeVシンクロトロン(Rapid Cycling Synchrotron: RCS)のビーム入射部は、リニアックからの負水素イオンを陽子へ荷電変換する薄膜によるビーム散乱のため、真空ダクト等が放射化し残留放射線量が高いエリアである。加えて、パルス電磁石であるシフトバンプ電磁石の漏洩磁場で真空ダクトのフランジ温度が100度近くになるため、熱膨張により真空リークが発生しやすい箇所である。今後1MWのビーム出力に向けて安定運転をしていくうえで、このような状況の改善は、保守時の被ばくを低減するという観点で必須である。残留放射線量低減を目的として遮蔽体を常設するために、入射点の真空容器の構造を改良する。フランジの発熱によるリークの問題は、フランジ材料を現在の純チタン2種(耐力:約220MPa)から高強度材料であるTi-6Al-4V(耐力:約920MPa)に変更することで、高トルクでの締め付けにも耐えうるようにする。本会では、これらのアップグレードの状況について報告する。

論文

J-PARC RCS入射ビーム荷電変換用薄膜の昇温脱離特性

神谷 潤一郎; 金正 倫計; 山崎 良雄; 吉本 政弘; 柳橋 亨*

Journal of the Vacuum Society of Japan, 60(12), p.484 - 489, 2017/12

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおいては、入射ビームと周回ビームのマッチングをとるためにマルチターンH$$^{-}$$入射方式を用いている。この方式は、リニアックからのH$$^{-}$$ビームの2つの電子を入射点の薄膜を通過することでストリップし、残った陽子を周回させ次のバンチと合わせることでビームの大強度化を図るものである。入射点にはカーボン薄膜があり、ビームのエネルギーロスによりフォイルは発熱し、放出ガスを発生する。そのためこの薄膜の放出ガス特性を調査することは、ビームラインを超高真空に保ちビームと残留ガスによるビーム損失を低減することにつながるため、加速器の安定運転維持に必須である。本調査では、フォイル発熱時の放出ガスを昇温脱離分析により測定した。試料として実際に3GeVシンクロトロンで用いているもしくは候補である数種のフォイルを用いた。その結果、PVD蒸着薄膜は多層グラフェン薄膜に比べ放出ガスが多く、特に低温での水蒸気成分が多いことがわかった。講演では、各種カーボンフォイルの昇温脱離分析結果及び加速器安定運転のための実機フォイルの脱ガス処理の展望について述べる。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンビームコリメータの故障原因究明作業

岡部 晃大; 山本 風海; 神谷 潤一郎; 高柳 智弘; 山本 昌亘; 吉本 政弘; 竹田 修*; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 柳橋 亨*; et al.

Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.853 - 857, 2017/12

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)には、ビーム損失を局所化し、機器の放射化を抑制するためにビームコリメータが設置されている。RCSにて加速中に広がったビームハローは、すべてコリメータ散乱体によって散乱され、吸収体部にて回収される。2016年4月のコリメータ保守作業時に吸収体部の1つで大規模な真空漏れが発生したため、代替の真空ダクトを設置することで応急的な対処を行い、ビーム利用運転を継続した。取り外したコリメータの故障原因を特定するためには、遮蔽体を解体し、駆動部分をあらわにする必要がある。しかし、故障したコリメータ吸収体部は機能上非常に高く放射化しており、ビームが直接当たる真空ダクト内コリメータ本体では40mSv/hという非常に高い表面線量が測定された。したがって、作業員の被ばく線量管理、及び被ばく線量の低減措置をしながら解体作業を行い、故障したコリメータ吸収体の真空リーク箇所の特定に成功した。本発表では、今回の一連の作業及び、コリメータの故障原因について報告する。

論文

Improvements of vacuum system in J-PARC 3 GeV synchrotron

神谷 潤一郎; 引地 裕輔*; 滑川 裕矢*; 武石 健一; 柳橋 亨*; 金正 倫計; 山本 風海

Proceedings of 8th International Particle Accelerator Conference (IPAC '17) (Internet), p.3408 - 3411, 2017/06

J-PARC RCSにおける真空システムは、システム完成以来、ビームロスの低減と装置の安定運転という加速器の高度化に寄与するべく、より良い質の真空および真空装置の安定性能の向上を目標に性能向上を進めてきた。真空の質の向上については、(1)H$$^{-}$$の想定外の荷電変換によるビームロスの低減を目的とした入射ビームラインの圧力の改善、(2)パルス磁場による発熱を原因とした真空ダクトの熱膨張によるリークへの対策、(3)放出ガス源であるキッカー電磁石のin-situでの脱ガスを行い、良好な結果を得た。真空装置の安定化については、(1)ゴム系真空シールによりリークを止めていた箇所を、低いばね定数のベローズと超軽量化クランプの開発により金属シールへ変更、(2)長尺ケーブル対応のターボ分子ポンプコントローラーの開発により、電気ノイズによるコントローラーのトラブルを撲滅、(3)複数台のターボ分子ポンプの増設による、システムの信頼性向上、を行ってきた。本発表では、このようなRCS真空システムの高度化について総括的に報告する。

論文

ビームラインにおけるキッカー電磁石エリアの真空性能向上

神谷 潤一郎; 柳橋 亨; 荻原 徳男; 金正 倫計

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1193 - 1196, 2016/11

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおいて最も放出ガスの大きい装置であるキッカー電磁石をビームラインに設置した状態で脱ガスするためには、真空容器の温度上昇を抑えて熱膨張を最小限にし、容器内のキッカー電磁石だけを昇温する必要がある。そのために、熱源及び熱遮蔽板を真空容器内に導入する手法を考案し実証試験を行った。結果、真空容器の温度上昇を20度以下に抑えた上で、キッカー電磁石の放出ガス速度を脱ガスをしない場合の1/10まで低減できることを実証した。発表では実証試験の結果及び実機に適用するヒーター及び反射板の設計について述べる。さらに加速器のキッカー電磁石エリアに対し本脱ガス系の適用と排気速度増加を行うことで、同エリアの圧力を1/15程度まで低減できる見通しが立ったので併せて報告する。

論文

${{it In situ}}$ baking method for degassing of a kicker magnet in accelerator beam line

神谷 潤一郎; 荻原 徳男; 柳橋 亨*; 金正 倫計; 安田 裕一*

Journal of Vacuum Science and Technology A, 34(2), p.021604_1 - 021604_10, 2016/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:15.07(Materials Science, Coatings & Films)

J-PARC RCSビーム出射用キッカー電磁石の脱ガスを加速器のビームライン上で、すなわち${{it in situ}}$で行うため手法を開発した。その手法とはヒーターと熱輻射遮蔽板をキッカー電磁石と真空容器間に設置し、熱束の多くをキッカー電磁石へ向けることで、真空容器の熱膨張を発生させずにキッカー電磁石を昇温、脱ガスする手法である。フェライトを120$$^{circ}$$C以上へ昇温すること、及び真空容器の温度上昇を30$$^{circ}$$C以下へ抑えることを目標としてヒーター導入式の脱ガス手法の開発を行った。まず、原理実験を行い、本手法で真空内のキッカー電磁石を昇温できることを確認した。その後、実機への適応を見据え、ヒーターの選択、昇温試験を行い良好な結果を得た。

論文

Degassing of kicker magnet by in-situ bake-out method

神谷 潤一郎; 荻原 徳男; 引地 裕輔; 金正 倫計; 三木 信晴*; 柳橋 亨*

Proceedings of 6th International Particle Accelerator Conference (IPAC '15) (Internet), p.2911 - 2913, 2015/06

RCSキッカー電磁石はフェライト及びアルミ電極板等で構成されている。フェライトは多孔質の材料であり放出ガスが多く、アルミ電極板は超高真空対応の表面処理を行っているが、表面積が大きいので全放出ガス量が無視できない。このようなキッカー電磁石からの放出ガスはビームライン圧力の悪化に直結する。よって加速器を安定に運転するためには、キッカー電磁石の脱ガスを行うことが必須である。これまでわれわれは真空容器中の構造物を脱ガスする新しい方法として、ヒーターを真空容器内部へ導入し、熱源と真空容器の間を熱遮蔽することで、熱流量を構造物へ向けて構造物を昇温するという手法の研究開発を行ってきた。この手法を用いれば、真空容器を熱膨張させずに内部構造物を脱ガスできるため、キッカー電磁石をビームラインに設置された状態で(すなわちin-situで)昇温し、放出ガスを低減することが可能である。課題は保守性の良いヒーターの設計であった。今回、グラファイトをヒーター材料に選定することで、ポートから脱着できるようヒーターを小型化した。発表において、本ヒーターの設計思想について報告する。また、本ヒーターを用いて昇温試験及び脱ガス試験を行い、良好な温度分布を得、結果として放出ガスの低減に成功したので報告する。

論文

J-PARC RCSキッカー電磁石のin-situでの脱ガス

神谷 潤一郎; 荻原 徳男; 引地 裕輔; 柳橋 亨; 金正 倫計

Journal of the Vacuum Society of Japan, 58(4), p.134 - 139, 2015/04

真空容器中の構造物を脱ガスする際は、真空容器の大気側に設置したヒーターで真空容器を加熱し、容器からの輻射や伝導で構造物を昇温する手法が一般的である。しかしこの手法では真空容器の熱伸びが発生するため、適用できる環境が制限される。特に加速器では、真空容器が隣のビームラインと締結されているため、この手法がとれない場合がある。真空容器を加熱することなく、内部構造物のみを昇温することができれば、そのような問題は解決できる。そのためには、ヒーターを真空容器内部へ導入し、熱源と真空容器の間を熱遮蔽し、熱流量を構造物へ向ければよい。われわれはこのヒーター導入式の手法を、J-PARC RCSビーム出射用キッカー電磁石の脱ガスに適用した。キッカー電磁石はフェライトをコアとして用いている。フェライトは多孔質であり気孔に水が吸着するため放出ガスが多い。キッカー電磁石をビームラインに設置した状態で(すなわちin-situで)昇温し、フェライトや他の構成部品からの放出ガスを低減することが目的である。フェライトを100$$^{circ}$$C以上へ昇温すること、及び真空容器の温度上昇を30$$^{circ}$$C以下へ抑えることを目標としてヒーター導入式の脱ガス手法の開発を行った。まず、原理実験を行い、本手法で真空内のキッカー電磁石を昇温できることを確認した。その後、実機への適応を見据え、ヒーターの選択、昇温試験を行ったので報告する。

論文

Development of a turbo-molecular pump with a magnetic shield function

荻原 徳男; 柳橋 亨; 引地 裕輔; 西川 雅章; 神谷 潤一郎; 和田 薫*

Vacuum, 98, p.18 - 21, 2013/12

 被引用回数:6 パーセンタイル:30.83(Materials Science, Multidisciplinary)

In order to safely use turbo-molecular pumps (TMPs) in a magnetic field, it is necessary to reduce the eddy current induced on the rotating rotor. Usually, a magnetic shield facility is added to a normal TMP available in the market. In this study, we have developed a TMP with a magnetic shield function by replacing the housing materials with a ferromagnetic substrate, SUS430. Before and after machining, SUS430 was vacuum-fired at 700$$^{circ}$$C for 10 h in order to have good vacuum quality and to recover high magnetic permeability. The magnetic shield efficiency of a housing made of SUS430 was examined. When the vertical magnetic field of 0.009 T was applied, the field inside of the TMP was reduced to less than 0.0003 T. We then confirmed that the developed TMP shows a good performance in achieving an ultrahigh vacuum in magnetic fields of up to 0.009 T.

論文

Vacuum chamber made of soft magnetic material with high permeability

神谷 潤一郎; 荻原 徳男; 西川 雅章; 引地 裕輔; 柳橋 亨; 金正 倫計

Vacuum, 98, p.12 - 17, 2013/12

 被引用回数:9 パーセンタイル:38.1(Materials Science, Multidisciplinary)

ビームパワーの大強度化が進む粒子加速器や、核融合における一つの課題は不必要な磁場をいかにして遮蔽し、安定したビーム軌道を得られるかということである。ビームに対して不必要な磁場を最も効果的に遮蔽をすることは、最もビームに近い場所でビームの周りを磁性材料で完全に覆うことである。ビームの存在する真空容器を磁性材料化することが、完全な磁場遮蔽であるといえる。われわれは、現在漏洩磁場によりビーム軌道に影響がでているJ-PARC 3GeVシンクロトロン出射部の真空容器に対し、磁性材料化を適用することとした。しかしながら、磁気性能及び真空性能を併せ持つ真空容器の実績はない。そこで必要な磁気性能及び真空性能を満たすための課題を洗い出し、それらに対し実測に基づき検証を行った。その結果、磁気遮蔽性能及び真空性能の非常に優れた強磁性体材料製真空容器を開発することに成功したので報告する。本開発結果により、ビームを安定な軌道で運転でき、ビームロスを低減することが期待されるため、加速器をより安定に運転することが可能となる。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトンにおけるキッカー電磁石フェライトコアの脱ガス処理

荻原 徳男; 菅沼 和明; 引地 裕輔; 西川 雅章; 柳橋 亨; 神谷 潤一郎; 金正 倫計

Journal of the Vacuum Society of Japan, 56(5), p.159 - 162, 2013/05

Kicker magnets are used to kick out the accelerated beam to the transport lines in the RCS of the J-PARC. A high voltage is applied to kickers for a short period, so they must be installed in a vacuum to prevent discharge. Therefore, it is important to reduce the outgassing of water vapor from the ferrite cores. This time, we have decided to construct the reserve magnets with very low outgassing at high-voltage discharge. First of all, the thermal desorption behavior of the ferrite was investigated by thermal desorption spectroscopy (TDS). TDS spectra show two peaks of water vapor: at 150$$^{circ}$$C and 300$$^{circ}$$C. Carbon dioxide is rather largely emitted with the peak around 275$$^{circ}$$C and then decreases with the temperature. From these results, the ferrite cores were vacuum-fired at 450$$^{circ}$$C for 48 h. Then the good properties for the magnetic cores were confirmed. And now the performances of the kicker magnet are examined.

論文

Status of the vacuum system in J-PARC RCS

神谷 潤一郎; 荻原 徳男; 西川 雅章; 引地 裕輔; 柳橋 亨; 金正 倫計

Proceedings of 3rd International Particle Accelerator Conference (IPAC '12) (Internet), p.2522 - 2524, 2012/05

加速器において、ビームと真空の相互作用はビームラインの圧力上昇という形で観測される。J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、ビームパワー300kWというかつてない大強度ビーム運転を行い、陽子ビームと真空の相互作用が観測され始めている。これまで、圧力上昇の原因は、(1)高エネルギービームによる真空壁表面からの気体の脱離、(2)残留ガスがビームとの散乱により作られるイオン(or電子)による真空壁表面からの気体の脱離、(3)化学反応による真空壁表面からの気体の脱離、等が考えられてきた。今回の報告では、ビームロスとの相関,長期ビーム運転による圧力上昇の変化等を調べることでこれらの原因を探ることを目的とする。また、2011年3月の東日本大震災時の真空システムの挙動,被害状況,復旧方法、その後の真空システム状況についても合わせて報告する。

論文

Reduction of outgassing from the ferrite cores in the kicker magnet of J-PARC RCS

荻原 徳男; 菅沼 和明; 引地 裕輔; 西川 雅章; 柳橋 亨; 神谷 潤一郎; 金正 倫計

Proceedings of 3rd International Particle Accelerator Conference (IPAC '12) (Internet), p.487 - 489, 2012/05

Kicker magnets are used to kick out the accelerated beam to the beam transport lines in the RCS of the J-PARC. A high voltage is applied to kickers for a short period, so they must be installed in a vacuum to prevent discharge. Therefore, it is important to reduce the outgassing of water vapor from the ferrite cores. After bake-out at 200$$^{circ}$$C for 300 hours, the outgassing rate decreased to less than 1$$times$$10$$^{-7}$$ Pam/s. However, the small amount of water vapor and carbon monoxide were emitted from the ferrite cores at charging voltage of 80 kV. This time, we have decided to construct the reserve magnets with very low outgassing at high-voltage discharge. First of all, the thermal desorption behavior of the ferrite was investigated. Water vapor has two peaks: at about 150$$^{circ}$$C and 350$$^{circ}$$C. Carbon monoxide is rather largely emitted around 400$$^{circ}$$C and then decreases with the temperature. From these results, the ferrite cores were vacuum-fired at 450$$^{circ}$$C for 48 h. Then the good properties for the magnetic cores were confirmed. And now the assembling of the kicker magnet is undertaken.

論文

キッカー電磁石に組込まれたフェライトのin situでの脱ガス処理

神谷 潤一郎; 荻原 徳男; 西川 雅章; 引地 裕輔; 柳橋 亨; 菅沼 和明

Journal of the Vacuum Society of Japan, 55(4), p.156 - 159, 2012/04

真空容器中の大型構造物を脱ガスする際は、大気側に設置した熱源で真空容器を昇温しその輻射や伝導で構造物を昇温することは一般的に行われる手法である。しかしこの手法には膨大な容量の熱源が必要となる。また、容器の熱のびがあるため使用できる環境が制限される。真空容器を加熱することなく内部の構造物だけを昇温する手法こそが、省エネルギーで最も効率が良い手法といえる。そのためには、熱源を真空容器内部に持ち込み、熱源と真空容器の間を断熱し、構造物への輻射の熱流量を真空容器への熱流量よりも大きくすればよい。加速器においても真空容器内の構造物のみを脱ガスしたいという要求は多々ある。われわれは前述の手法をJ-PARC 3GeVシンクロトロンビーム出射用キッカー電磁石プロトタイプの脱ガスに適用した。電磁石のコアであるフェライトは多孔質な材料であり、気孔に水が吸着し続ける。そのためキッカー電磁石の放出ガスの主成分は水である。このフェライトをin situで水が脱離する温度まで昇温することが重要となる。そこで熱源を真空中に持ち込む手法をキッカー電磁石の脱ガスに適用し、検証実験を行ったので報告する。

口頭

Simulation of eddy current on the turbo-molecular pump in a magnetic field

荻原 徳男; 金澤 謙一郎; 柳橋 亨

no journal, , 

In order to use turbo-molecular pumps (TMPs) in the quasi-static magnetic field often employed in nuclear fusion devices and particle accelerators, we have attempted to establish a standard procedure for determining the influence of magnetic field on TMPs. This time, the computer simulation was carried out to compare with the experimental results reported elsewhere and revise more finely the semi-empirical (semi-infinite conductor) model for the eddy current. As a result, experimental results related to the dependence of the eddy current loss not only on the direction of the magnetic field but also on the revolution frequency of the rotor are confirmed with the simulation.

口頭

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおけるビームライン圧力の改善

神谷 潤一郎; 能代谷 彰二; 滑川 裕矢; 引地 裕輔; 佐藤 篤; 金正 倫計; 柳橋 亨*

no journal, , 

J-PARC 3GeVシンクロトロンの真空システムは、大気圧から超高真空への排気を迅速に行うこと、及び大表面積による大きな放出ガスを定常的に排気するために、ターボ分子ポンプを主排気系として構成している。真空システムにおいては、ビームラインの残留ガスが原因でビームロスが発生している箇所や、真空中に設置されている電磁石からの多量な放出ガスが存在している箇所等にターボ分子ポンプを増設し、ビームライン圧力の改善を行ってきた。また、真空システム建設時期にリークがとまらずやむを得ずOリングを使用していた箇所を金属シールへかえることでもビームライン圧力の改善を行った。一方で、電磁石の運転による発熱、振動等で想定外のリークが発生した箇所もある。また、ビーム出力の増加に伴い、ビームライン圧力とビームとの相関が系統的に見えてきた。今回はこれまでのビームライン圧力の改善、加速器運転により発生した課題と改善策、及びビームとビームライン圧力の相関について発表を行う。

口頭

カーボンフォイルの放出ガス特性と脱ガス

神谷 潤一郎; 柳橋 亨; 金正 倫計; 山崎 良雄; 山本 風海; 吉本 政弘

no journal, , 

大強度陽子シンクロトロンにおいては入射ビームと周回ビームのマッチングをとるために、マルチターンH-入射方式をとることが多い。この方式においてはリニアックからのH-ビームの2つの電子は、シンクロトロン入射点に設置される薄膜を通過することでストリップされ、残った陽子がシンクロトロンを周回し、入射点のマッチングが得られる。J-PARC 3GeVシンクロトロンにおいても本入射方式が採用されている。入射点には約300 ug/cm$$^{2}$$のカーボンフォイルがあり、入射ビームのカーボンフォイルでのエネルギーロスによりフォイルは発熱し、放出ガスを発生する。この放出ガス特性を調べ、効果的な脱ガス条件を調査することはビーム入射部を超高真空に保ち、ビームと残留ガスによるビーム損失を低減するために重要である。フォイル発熱時の放出ガスは昇温脱離分析により測定した。実際に3GeVシンクロトロンで用いている数種のフォイルについて測定した。結果、水蒸気成分が比較的低い温度で急激に上昇しピークを持つことがわかった。このことは低温での脱ガスが可能であることを示唆している。発表では各種カーボンフォイルの昇温脱離分析結果及びそこから導かれる、実機フォイルの脱ガス処理の展望について述べる。

口頭

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおけるビーム運転時の動的圧力の分析

神谷 潤一郎; 山本 風海; 高野 一弘; 古徳 博文; 和田 薫*; 柳橋 亨*; 黒澤 俊太*

no journal, , 

J-PARC 3GeVシンクロトロン(Rapid Cycling Synchrotron: RCS)は2007年に最初のビーム加速・取り出しに成功して以来、継続してユーザーへのビーム供給を行ってきている。その間、ビームコミッショニングチームによるビーム調整と機器の運転維持・高度化を実施することでビーム強度を徐々に上げてきた。これまでユーザー運転としては、物質生命科学実験施設へは出力ビーム強度600kWでのユーザー運転の実績がある。また1MWでの試験も何度が行った。そのような大強度ビーム運転において、ビームライン圧力が数桁も上昇する場合があることがわかってきた。本報告では、ビームロスに直接つながるビームライン圧力増加を低減することを目的とし、これまでの大強度ビーム運転時の動的圧力の挙動を整理し、解析的計算を用いて、圧力上昇に決定的なパラメーターを解明し、実際の真空システムの改善へつなげること目的とする。

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