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永野 哲志; 長縄 弘親; 鈴木 英哉; 利光 正章*; 三田村 久吉*; 柳瀬 信之*; Grambow, B.
Analytical Sciences, 34(9), p.1099 - 1102, 2018/09
被引用回数:12 パーセンタイル:45.44(Chemistry, Analytical)大量のウラン廃液からウランを連続的に抽出するために、溶媒洗浄型のエマルションフロー(EF)システムを開発した。これまでのEFシステムは有機溶媒を洗浄する仕組みを持っていないために、大量廃液を処理する際には有機溶媒に目的元素が蓄積し抽出性能が劣化するという問題があった。そこで、目的元素の蓄積を抑制するために有機溶媒洗浄ユニットを備えたシステムを新たに開発しウラン廃液処理に適用したところ、抽出性能の劣化を起こすことなく連続処理ができることが分かった。
松永 武; 都築 克紀; 柳瀬 信之; 半澤 有希子; 長縄 弘親; 井上 隆信*; 山田 俊郎*; 宮田 章史*
Proceedings of International Symposium on Environmental Modeling and Radioecology, p.243 - 246, 2007/03
森林集水域の小河川において、土壌から河川への元素流出を研究した。2003年から2005年にかけて福島県の小田川並びに岐阜県の伊自良川において降雨時観測を行った。この結果、試験集水域において降雨により溶存形態の河川流出が常に促進される元素としてCu, Sb, Al, Tiそして希土類元素を特定した。他の元素の溶存濃度は、河川流量増加に対応して減少するか(Na, Mg等)、あるいは複雑な増減(Pb, Cs等)を示した。これら2つの元素の降雨時河川流出は、(1)流量と同期した、可動性の高い成分による早い流出と、(2)必ずしも流量と同期しない、より緩やかな増加と減少を示す流出の2つの流出形式から構成されることがわかった。Si・溶存有機物・水素同位体比を指標とした河川水の供給経路解析の結果、後者の流出形式は土壌の表層からの有機物に随伴した流出であることが示唆された。また、大気降下物についての文献検討から、そのCuとSbは相当程度、人為利用に由来することが推定された。以上の知見は、大気から森林集水域に沈着する人為由来金属元素の流出モデルの構築に有用と考えられる。
柳瀬 陽一*; 重城 貴信*; 野村 拓司; 池田 浩章*; 堀田 貴嗣; 山田 耕作*
Physics Reports; A Review Section of Physics Letters, 387(1-4), p.1 - 149, 2003/11
被引用回数:212 パーセンタイル:83.22(Physics, Multidisciplinary)強相関電子系の超伝導の本質的な性質について、統一的観点からのレビューを行う。具体的に取り上げる物質は、銅酸化物高温超伝導体、BEDT-TTF有機超伝導体、ルテニウム酸化物SrRuO、そして重い電子系超伝導体である。実験結果についてのレビューをした後、Dyson-Gor'kov方程式に基づいて超伝導の性質を議論するための理論形式を説明する。そして、銅酸化物、有機導体、ルテニウム酸化物、重い電子系の超伝導に対する理論的結果を順に紹介していく。
白鳥 紀一*; 石井 慶信; 森井 幸生; 舩橋 達*; 東堂 栄*; 柳瀬 章*
Journal of the Physical Society of Japan, 67(8), p.2818 - 2827, 1998/08
被引用回数:26 パーセンタイル:76.02(Physics, Multidisciplinary)マグネタイトは低温で磁気相変態を起こし、この相転移を境に、著しい電気伝導度の変化を示す。この現象は、マグネタイトの構成原子である2価の鉄イオンと3価のイオンの電荷配列によるものとして、これまで理解されていた。我々はこの相変態のメカニズムをより明白にするため、中性子散漫散乱実験を行った。測定は、良質のマグネタイト単結晶を用い、(001)(011)平面上で広範囲逆格子空間にわたって慎重に行われた。測定温度は、相転移温度より僅かに高い、125Kである。実験の結果、散漫散乱が明瞭に測定できた。測定した散漫散乱強度を格子力学、結晶の対称性、及び格子振動の観点から解析した。その結果、実験で得た散漫散乱強度を説明するには、これまで提唱されていた電荷配列モデルと異なり、ポーラロンの存在が非常に重要であることなどの新たな知見を得た。以上、マグネタイトの磁気相変態について重要な知見を得たので発表する。
白鳥 紀一*; 石井 慶信; 森井 幸生; 舩橋 達; 柳瀬 章*
Journal de Physique, IV, 7(1), p.585 - 586, 1997/00
マグネタイト(FeO)の相転移モデルは70年前に初めてフェルベイにより提案されて以来、数多くの研究が進められて来たものの、この相転移メカニズムについては未だ決着を見ていない。本論文は、良質なFeO単結晶を製作し、中性子散乱によりFeOの相転移温度より数度C高い、いわゆる高温相での散漫散乱強度を広い逆格子空間にわたって測定し、FeOの相転移は電子と格子の相互作用、即ち、ポーラロンと密接に関係していることを示した。