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片渕 竜也*; 柳田 祥太郎*; 寺田 和司; 岩本 信之; 井頭 政之*
EPJ Web of Conferences, 93, p.02008_1 - 02008_2, 2015/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.16(Physics, Multidisciplinary)中性子魔法数をもつBaの中性子捕獲断面積はバリウムの安定同位体においては最も小さいので、その断面積は宇宙での元素合成において非常に興味が持たれている。Baの捕獲反応において宇宙での元素合成に係るエネルギー範囲は分離共鳴領域に対応しているため、信頼できる断面積を得るためには測定が必要となる。本研究では東京工業大学において飛行時間法により15から100keV中性子エネルギー領域におけるBaの中性子捕獲断面積を測定した。入射中性子はパルス化陽子ビームによるLi(p,n)反応によって作られた。捕獲断面積は波高スペクトルから波高重み法により導出し、得られた結果を以前の測定データ及び評価済データと比較した。また、波高スペクトルをアンフォールディングすることにより捕獲線スペクトルを導出し、その線スペクトルの形状が中性子エネルギーに強く依存していることを明らかにした。
岩本 信之; 柳田 祥太郎*
no journal, ,
評価済核データライブラリJENDL-4.0ではバリウム同位体に関する高速中性子領域の評価は行われず、1990年代前半の評価値のままであった。天然バリウムはBa (0.106%), Ba (0.101%), Ba (2.417%),Ba (6.592%), Ba (7.854%), Ba (11.232%), Ba (71.698%)の7つの同位体から構成されている。核医学利用の観点では、Ba()反応で生成されるXeがベータ崩壊により250keVの線を放出するので、画像診断用RIとして利用できる可能性がある。また、20MeV以下の中性子との反応により30日以上の半減期をもつRIが4核種生成され、これらによる放射化量をより高い精度で評価するために最新の測定値に基づいた核データ評価が必要である。本研究ではバリウム安定同位体について最新の測定値を用いて高速中性子に対する断面積評価計算を実施した。その結果、Ba()Xe反応の断面積に対してJENDL-4.0で見られた過小評価を改善した。また、JENDL-4.0に未収納の線データを評価し、測定値と良い一致を得た。