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大野 修司; 倉田 有司; 宮原 信哉; 桂 了英*; 吉田 茂*
Journal of Nuclear Science and Technology, 43(11), p.1359 - 1369, 2006/11
被引用回数:18 パーセンタイル:76.34(Nuclear Science & Technology)液体鉛ビスマス(LBE)冷却型原子炉システムにおいて生成・蓄積される放射性ポロニウム(Po)の平衡蒸発挙動に関する実験研究をトランスパイレーション法によって実施した。実験は2種類すなわち、同族元素テルル(Te)を対象とした予備的な蒸発実験及び中性子照射によってPoを蓄積させたLBEの蒸発実験から成る。LBE中のTeを対象とした蒸発実験から、Po試験技術・試験条件の妥当性を確認するための知見を得るとともに、気相中においてTeはPbTeの化学形態で存在するとの示唆を得た。LBE中Poの蒸発実験では、気相中のPoの蒸気濃度と蒸気分圧,LBE中のPoの熱力学的活量係数と気液平衡分配係数などの基礎データを取得し、450-750Cの温度範囲における実験相関式を導出した。また、得られた実験結果をもとに、典型的なLBE冷却原子炉システムの冷却材カバーガス空間におけるPoとBiの放射能蒸気濃度を見積もり、その結果からPoの蒸発挙動の重要性を示した。
大野 修司; 宮原 信哉; 倉田 有司; 桂 了英*; 吉田 茂*
Proceedings of 14th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-14) (CD-ROM), 7 Pages, 2006/07
液体鉛ビスマス共晶合金(LBE)中の放射性不純物の移行挙動を明らかにするために、LBE中のポロニウム(Po-210)及び希土類元素(Gd, Eu)を対象とした平衡蒸発実験を実施した。実験では、等温容器中に生成した飽和蒸気を不活性ガスで容器外へ移送・捕集する「トランスパイレーション法」を用いた。LBE及びLBE中テルルの蒸発挙動についてはICONE12-49111にて報告済みであるが、今回は液体LBE中に放射化生成物や核破砕生成物として蓄積されるPo-210と希土類元素に関する実験の概要と結果をまとめる。希土類元素の実験では非放射性の同位体を使用した。LBEプールは質量約330670g、4cm14cmの表面積を有する。Po-210実験では小型の実験装置を使用し、Po-210は材料試験炉JMTRにおけるLBEの中性子照射で作成した。本実験研究を通じて、Po-210の蒸気濃度,蒸気分圧,LBE中の不純物の気液平衡分配係数などの基礎的かつ有益な蒸発データを450750Cの温度条件で取得した。Po-210実験では、PoはLBE中において保持され蒸発しにくくなる特徴を有するが、その揮発性はLBE溶媒に比べれば高いことが明らかとなった。また、Eu実験の一部では、Poに匹敵する高い揮発性が示唆された。この傾向は、プール表面付近に溶質濃度の高い部分が形成されたことに起因するものと考えられるが、さらに調査が必要である。本実験研究で得られた結果は、LBE冷却型原子炉システムにおいて放射性物質がガス空間へ移行する挙動を評価するにあたり重要かつ不可欠なものである。