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西村 元彦; 上出 英樹; 林 謙二; 桃井 一光
Nuclear Engineering and Design, 200, p.157 - 175, 2000/00
被引用回数:28 パーセンタイル:84.32(Nuclear Science & Technology)自然循環崩壊熱除去の過渡現象における、集合体間熱移行、流量再配分およびインターラッパーフロー(IWF)を伴う炉心部熱流動挙動の解明を目的とした実験研究を行い崩壊熱除去に及ぼす影響を明らかにした。実験はナトリウム試験装置PLANDTL-DHXにより実施した。IWFを伴わない冷却条件下では、ピーキングファクタはグラスホフ数/レイノルズ数による浮力パラメータに依存することを明らかにした。かかる事象を多次元熱流動解析により評価可能とするために、複数領域メッシュを具備するAQUAコードに、サブチャンネル解析において多くの実績を持つ、ミキシング係数モデルを組み込み、実験解析による検討を行った。その結果、解析は実験と良く一致し、これにより本解析手法が、集合体間熱移行および流量再配分を伴う自然循環崩壊熱除去熱過渡事象に十分適用できることを示した。また、IWFについては、主一次冷却系流量が定格時の1%を下回る条件下で、ラ
木村 暢之; 西村 元彦; 桃井 一光; 林 謙二; 上出 英樹
PNC TN9410 97-046, 69 Pages, 1997/04
高速炉の信頼性、安全性を向上させるために、固有の性質を利用することが重要である。そこで、ポンプ等の動的機器に依存しない自然循環により崩壊熱を除去することが考えられている。特に、DRACS(Direct Reactor Auxiliary Cooling System)を採用した場合、炉内冷却器からの低温ナトリウムが集合体間ギャップへ潜り込むインターラッパーフロー(IWF)現象が炉心槽内で発生し得る。また、崩壊熱除去系、二次主冷却系等の冷却系統間での熱的相互作用が、一次主冷却系自然循環流量へ影響を与え、それに伴い、炉心部熱流動挙動も変化すると考えられる。そこで、当室では、自然循環時のシステム間相互作用の影響を把握することを目的として、DRACSおよびPRACS(Primary Reactor Auxiliary Cooling System)を模擬しているPLANDTL-DHX試験装置を用いた試験を実施し、炉心部熱流動現象に与える崩壊熱除去系および二次主冷却系の運転条件の影響を検討してきた。本報では、定常自然循環時の熱流動現象について、一次元ネットワークコードLEDHERを用い、IWFに相当する流路とラッパー管との熱伝達を考慮した解析モデルを作成し、解析手法の妥当性を評価した。解析は、IWFを考慮したモデルと、IWFを考慮しないモデルを作成し、一次主冷却系自然循環流量と炉心部熱流動現象について試験と解析の比較を行った。PRACSおよび中間熱交換器にて除熱したケースでは、IWFが発生しておらず、両モデルとも自然循環流量、炉心部温度分布および各機器(PRACS用冷却コイル、中間熱交換器)の出入口温度をほぼ模擬できた。DRACSにて除熱したケースにおいて、IWFを考慮しないモデルは、自然循環流量が実験よりも12%程度大きくなり、集合体間ギャップ温度分布も実験で見られた中性子遮蔽体領域での温度低下を模擬することが出来なかった。一方、IWFを考慮したモデルでは、自然循環流量は実験と比較し、3%以内の差で一致し、集合体間ギャップ等の炉内温度分布も模擬することが出来た。集合体間ギャップの温度分布が解析と実験で一致していることから、流動場についても本解析は、ほぼ実験を模擬できていると判断される。DRACSにて除熱したケースのIWFによる除熱の寄与は、模擬炉心出力が実機定格2%の時、IWFを考慮したモデルと考慮しないモデルでの集合体内流体の温度差から、模擬炉心出力の36%程度であることがわかった。
桃井 一光; 林 謙二; 上出 英樹; 西村 元彦; 小柿 信寿
PNC TN9410 97-047, 93 Pages, 1997/03
高速炉の崩壊熱除去系として原子炉容器の上部プレナム内に冷却器(DHX)を設けるDRACS(Direct Reactor Auxiliary Cooling System)を採用した場合、DHXからの低温ナトリウムが炉心部の集合体間ギャップに潜り込み自然対流するインターラッパーフロー(IWF)が発生し、集合体内部をギャップ側から冷却し、炉心最高温度を低下させる効果が期待できる。その反面、DHXからの低温ナトリウムが上部プレナム底部に成層化し、更にIWFによる冷却で炉心部上部非発熱部の温度低下により、自然循環流量が減少して炉心部温度を上昇させることも考えられる。DRACSを採用する上では、IWFの冷却特性を把握しその有効性を明確にする必要がある。本報では、IWFの炉心冷却特性を自然循環状態下で把握する為、PLADTL-DHX装置による自然循環定常ナトリウム試験を実施した。熱出力および一次系ループの流動抵抗を主弁開度で変化させ、DRACS除熱でIWFを発生させたケースとPRACS(冷却器をIHX上部に内蔵する方式:Primary Reactor Auxiliary CoolingSystem)除熱でIWFが発生しないケースの自然循環流量および模擬炉心部温度を比較した。PRACSで除熱した場合に対するDRACSで除熱した場合の自然循環流量の低下は、周辺集合体通過流量で大きく現れ、中心集合体通過流量では小さい。これは、IWFによる冷却が中心集合体よりも周辺集合体で強く作用し、浮力ヘッドの違いから集合体間で流量が再配分されたと考えられる。また、一次系ループの主弁開度を15%以下にしてDRACSで除熱したケースでは、一部の周辺集合体で逆流が発生した。DRACSで除熱した場合には、自然循環流量の熱輸送による除熱の他に、IWFによるギャップ部からの冷却と逆流の発生により温度が低下した周辺集合体からの冷却が中心集合体に対して径方向から作用する。径方向からの冷却効果は自然循環流量が1.5%(実機定格比率)以下になってから顕著に作用し、中心集合体最高温度を低下させる。DRACSを用いた場合では、循環流量による除熱が期待できない様な自然循環流量が極めて少ない場合の炉心冷却に対して、IWFを含む炉内自然対流による径方向からの冷却効果が有効に作用することを確認した。
林 謙二; 桃井 一光; 西村 元彦; 上出 英樹
PNC TN9410 97-045, 68 Pages, 1997/03
高速炉の自然循環崩壊熱除去時では、1次主冷却系の温度分布が自然循環ヘッドを介して炉心通過流量と相互に影響を及ぼし合う関係にある。このとき、1次主冷却系の温度分布は崩壊熱除去系、2次主冷却系による除熱の影響をうけるため、1次主冷却系の自然循環状態は各系統の自然循環状態と密接な関係にある。このような各冷却系統間の相互作用を明らかにするためにナトリウム試験装置であるプラント過渡応答試験施設を用いた定常自然循環試験を実施した。試験は中心に1体、その周囲に6体の計7体の模擬燃料集合体を炉心部として有する試験体を用い、大型炉の定格比2%相当の炉心発熱条件で1次主冷却系に自然循環を発生させ、崩壊熱除去系の型式および2次主冷却系の運転条件をパラメータとして実施した。本試験により、炉容器上部プレナム内に冷却器を有するDRACSを崩壊熱除去系として用いる体系について以下の点を明らかにした。DRACSと2次主冷却系での自然循環を模擬し、これらを併用して除熱した場合には、DRACSの除熱分担が多いほど上部プレナムに負の自然循環ヘッドが形成され、1次主冷却系の自然循環流量が少なくなる。したがって実機評価において2次系の状態を考慮することが必須となる。DRACSと炉心との間では、DRACSで冷却された上部プレナム内低温ナトリウムが集合体間ギャップ領域を対流するインターラッパーフローが生じる。インターラッパーフローは集合体の上部遮蔽体領域で顕著な除熱効果を有する。中心集合体の発熱部に対するインターラッパーフローの直接的除熱効果は小さいが、除熱量の大きい周辺集合体との間で生じる集合体間流量再配分を介して最高温度を抑制することを確認した。IHXの上部に冷却コイルを有するPRACSを崩壊熱除去系として用いる体系では、IHX全体が低温となり自然循環ヘッドが大きくなるため、炉心通過流量は2次主冷却系のみで除熱する場合よりも約10%、DRACSのみで除熱する場合よりも約20%多くなることがわかった。
西村 元彦; 上出 英樹; 林 謙二; 桃井 一光
Proceedings of 8th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics (NURETH-8), Vo.2, p.903 - 913, 1997/00
自然循環崩壊熱除去の過渡現象における、集合体管熱移行および流量再配分を伴う炉心部熱流動の解明を目的とした実験研究を行い、当事象に対する解析評価手法を開発した。実験は100万kW級大型炉の熱過渡を、7集合体ナトリウム試験装置PLANDTL-DHXにより模擬して実施した。その結果、中心から周辺集合への熱移行による冷却材温度の低下は、集合体出口のみならず、発熱部上端断面においても生じていることがわかった。また、中心集合体最高温度のピーキングファクターは、流量再配分の効果により、定常時(12%流量)1.2から、熱過渡の最高温度発生時には1.1に低下した。さらに,ピーキングファクタはグラスホフ数/レイノイズ数による浮力パラメータに依存することを明らかにした。かかる事象を多次元熱流動解析により評価可能とするために、複数領域メッシュを具備するAQUAコードにサブチャンネル解析において多くの実績を持つ、ミキシング係数
桃井 一光; 林 謙二; 西村 元彦; 上出 英樹
PNC TN9410 96-280, 146 Pages, 1996/10
高速炉における自然循環崩壊熱除去時の炉心部では強制循環時とは異なる複雑な熱流動現象が発生する。特に,冷却器を上部プレナム内に浸漬する方式の崩壊熱除去系DRACS(Direct Reactor Auxiliary Cooling System)を採用する場合は,炉内冷却器からの低温ナトリウムが炉心部の集合体間ギャップに潜り込み自然対流するインターラッパーフロー(IWF)現象などが炉心部で発生する。また,一次冷却系と中間熱交換器(IHX)二次系などの冷却系統間の熱的相互作用により一次系自然循環流量が変化する為,炉心部熱流動現象もその影響を受ける。本報では,自然循環時の炉心部熱流動現象に与えるシステム間の相互作用の影響を把握することを目的に,100万kW級大型炉のスクラム過渡から自然循環への過渡現象を模擬したシステム過渡試験を実施した。試験では崩壊熱除去系としてDRACSおよびPRACS(冷却器をIHXの上部に内蔵させる方式:Primary Reactor Auxiliary Cooling System)を模擬できるPLANDTL-DHX試験装置を用い,炉心部熱流動現象に与える崩壊熱除去系およびIHX二次系の運転条件の影響を検討した。DRACSを用いた場合では,一次系自然循環流量に対するDRACS運転および起動遅れの影響は小さく,IHX二次系自然循環による除熱が大きく影響した。IHX二次系自然循環を停止すると,IHX出口の温度上昇と伴に一次系流量は低下し,炉心部の温度が上昇した。また,一部の周辺集合体で逆流が発生した。逆流発生以降,集合体間熱移行およびIWFによる経方向からの冷却効果で炉心部の温度上昇巾が低下した。IHX二次系自然循環を継続した場合は,一次系流量として実機定格の約1%相当が確保された。この時,IWFによる冷却効果,逆流現象は顕著に現れず,一次系流量により炉心が冷却された。すなわち,DRACSを用いた場合には,一次系流量が低下してもIWFを含む炉内自然体流が付加的除熱パスとして機能し,炉心を冷却することが可能である。PRACSを用いた場合では,PRACSの運転条件が一次系自然循環に大きく影響し,IHK二次系の一次系自然循環への影響はDRACSに比べ小さいことがわかった。炉心部ではDRACSを用いた場合に見られるIWFなど径方向からの冷却効果は作用せず,主に一次自然循環流量による熱輸送が支配的となる。
上出 英樹; 西村 元彦; 林 謙二; 桃井 一光; 三宅 康洋*
PNC TN9410 96-268, 79 Pages, 1996/09
高速増殖炉の信頼性,安全性をさらに高める上で,スクラム後の崩壊熱除去に自然循環を活用することは大きな効果がある。すなわち,自然循環はポンプ等の動力源を必要とする動的機器に依存しないことから,除熱量が要求を満たせば崩壊熱除去機能の信頼性を高めることができる。自然循環時の炉心部の熱流動現象は,浮力と慣性力が影響しあう混合対流条件下におかれているため,炉心部の最高温度等を評価する上で,浮力の影響を考慮する必要がある。すなわち,集合体内の流量再配分による温度分布の平坦化,炉心部径方向温度分布に伴う集合体間の熱移行,等により強制循環時に比べて炉心内の温度分布は平坦化する。自然循環による崩壊熱除去を実現する上で、このような効果を考慮した炉心部の熱流動現象の評価手法を開発することが重要である。本報告では,自然循環時の集合体間熱移行の影響を含めた集合体内熱流動現象を解析できる手法としてAQUAコードを用い,複数の集合体を一括して解析する手法を開発し,実験解析に適用した結果について述べる。本手法では各集合体についてサブチャンネル毎に1個のコントロールボリュームをx-y-z3次元メッシュ体系の中で割り当てるメッシュ分割方式を採用し,サブチャンネル解析コード用に開発された軸方向流動抵抗などの相関式を直接持ち込んでいる。また,各集合体を独立した計算領域としてメッシュ分割する多領域モデルにより表現し,伝熱構造体モデルにより熱的に結合する。本手法を用いた解析結果を実験と比較することにより,集合体間に熱移行が存在する条件で,これにともなう集合体内の流量配分,再循環流などを合理的に解析できるとともに,集合体内温度分布,最高温度を評価できることを示して,開発した手法の検証を行った。
上出 英樹; 林 謙二; 桃井 一光
International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics, Vol. 2, ,
高速炉の自然循環による崩壊熱除去時の炉心健全性を評価する上で、炉心部の熱流動現象を把握することは非常に重要である。特に、崩壊熱除去系として原子炉容器の上部プレナム内に冷却器を設ける体系では、冷却器からの低温ナトリウムが炉心部の集合体間ギャップに流入し、ギャップ内を自然対流する、インターラッパーフロー現象が生じることが考えられる。この現象は自然循環除熱時の炉心部熱流動に大きな影響があると予測される。そこで、7体の模擬集合体と集合体間ギャップからなる炉心部、炉内冷却器を有する上部プレナム等からなるPLANDTL-DHX試験装置を用い、定常並びに自然循環へ移行する過渡ナトリウム試験を実施し、インターラッパーフロー現象が集合体内熱流動および1次系自然循環へ与える影響を把握した。その結果、自然循環流量が極度に低下した条件においてインターラッパーフロー現象が炉心を冷却する効果をもつことを明らかにした。
上出 英樹; 林 謙二; 磯崎 正; 桃井 一光
Proceedings of 2nd International Topical Meeting on Advanced Reactors Safety (ARS '97), Vol.2, ,
高速炉の自然循環による崩壊熱除去時の炉心健全性を評価する上で、炉心部の熱流動現象を把握することは非常に重要である。特に、崩壊熱除去系として原子炉容器の上部プレナム内に冷却器を設ける体系では、冷却器からの低温ナトリウムが炉心部の集合体間ギャップに流入し、ギャップ内を自然対流する、インターラッパフロー現象が生じることが考えられる。この現象は自然循環除熱時の炉心部熱流動に大きな影響があると予測され、その現象を解明し、予測評価手法を確率する必要がある。そこで、7体の模擬集合体と集合体内間ギャップからなる炉心部、炉内冷却器を有する上部プレナム等からなるPLANDTL-DHX試験装置を用い、集合体出力、集合体通過流量をパラメータとする定常並びに過渡ナトリウム試験を実施し、インターラッパフロー現象を解明するとともに、集合体内熱流動への影響を把握した。