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國分 陽子; 安田 健一郎; 間柄 正明; 宮本 ユタカ; 桜井 聡; 臼田 重和; 山崎 秀夫*; 吉川 周作*; 長岡 信治*; 三田村 宗樹*; et al.
Journal of Environmental Radioactivity, 99(1), p.211 - 217, 2008/01
被引用回数:18 パーセンタイル:40.59(Environmental Sciences)長崎西山貯水池堆積物中のPu/Pu比及びPu, Cs濃度の深度分布を調べ、Pu/Pu比からプルトニウムの起源を推定し、長崎原爆爆発直後に堆積したプルトニウム及びCsを含む堆積物を特定した。またその堆積物の下層から長崎原爆に起因するフォールアウトの蓄積の証拠となる微粒炭も検出した。本報告は長崎原爆直後から現在に至るまで西山貯水池堆積物に蓄積した長崎原爆由来のプルトニウム及びCsの全容を核実験由来の成分と区別して初めて明らかにしたものであり、今後のプルトニウムの長期環境挙動解析の指標となる。
桜井 淳; 山本 俊弘
日本原子力学会和文論文誌, 4(4), p.248 - 258, 2005/12
日本原子力研究所でモンテカルロセミナーが実施されている。それらは、(1)モンテカルロ基礎理論セミナー,(2)モンテカルロ法による核燃料サイクル施設の未臨界安全セミナー,(3)モンテカルロ法による遮蔽安全解析セミナー,(4)モンテカルロ法による中性子深層透過問題におけるウェイト下限値推定法セミナー,(5)MCNPXによる高エネルギー遮蔽安全解析セミナー,(6)モンテカルロ法によるストリーミングセミナー,(7)モンテカルロ法によるスカイシャインセミナー,(8)モンテカルロ法による線量評価セミナーである。基礎理論セミナーでは、筆者が考案したウェイト下限値やインポータンスを推定する新しい簡単な方法を取り入れた。未臨界セミナーでは、計算結果の信頼性を評価するために、筆者が実施した11種類のベンチマーク実験問題を組み込んだ。
桜井 淳; 山本 俊弘
日本原子力学会和文論文誌, 4(3), p.219 - 226, 2005/09
モンテカルロ法による中性子深層透過計算のような固定線源問題においては、分散低減法の適用は、効率的で信頼性の高い計算のために最も重要である。しかし、公開文献に記されたMCNP入力は最適解になっていない。最も懸念すべき事項は、ウェイトウインドウ法におけるウェイト下限値とポイントエスティメータの設定法である。文献には、ウェイト下限値の推定法として、経験による方法かMCNPウエイトウインドウ・ジェネレータによる方法が記されている。後者の場合、チューニング操作なしにそのまま利用されている。異常に大きなウェイト下限値が入力されると、多くの中性子がルシアンルーレットによって無意味に殺されてしまう。ウェイト下限値の推定法としては、今後、標準分散低減法として、随伴線束法を採用する必要がある。モンテカルロ計算は、これまでの経験による方法から随伴線束法のような科学的方法に方向転換する必要がある。
桜井 淳; 山本 俊弘
日本原子力学会和文論文誌, 4(2), p.172 - 176, 2005/06
MCNPデフォルト法,経験式法,単色中性子減衰曲線法,MCNP wwg法及び随伴線束法のような代表的なウェイト推定法について解説した。単色中性子減衰曲線法は著者が提案した方法である。経験式法と単色中性子減衰曲線法の推定精度を評価するために、同じ計算体系でMCNP wwg法でウェイト下限値を算出し、比較した。前者の方法は30cmの鉄深層透過でも1/10-1/100過小評価するが、後者は1mの鉄を透過後でも1/20程度と推定精度がよいことを確認した。
桜井 淳
モンテカルロ計算法高度化の現状; 第3回モンテカルロシミュレーション研究会報文集, p.233 - 244, 2004/12
平成16年6月7-8日に原研東海で開催された第3回モンテカルロシミュレーション研究会における研究発表の全体的評価と研究課題についてまとめたものである。
桜井 淳; 中沢 正治*
シミュレーション, 22(4), p.248 - 253, 2003/12
本解説では、連続エネルギーモンテカルロコードMCNPの概要及び基礎放射線シミュレーション法,分散低減法の代表例としてウェイトウインドウ法,応用例,研究課題について記述している。計算の相対誤差は、臨界固有値問題で0.1%、一般固定線源問題で2-3%である。
桜井 淳; 野尻 一郎*
JAERI-Conf 2003-019, p.855 - 857, 2003/10
本稿は日本における核燃料サイクル施設のモンテカルロ法による未臨界安全解析セミナーについてまとめたものである。連続エネルギーモンテカルロコードMCNP-4C2システムが参加者各自の持参したノート型パソコンに瞬時にインストールされ、計算演習に利用された。計算に先立ち炉物理及びモンテカルロシミュレーションの基礎理論の講義が行われた。このセミナーでは、JCO沈殿槽,JNCウラン溶液貯蔵施設,JNCプルトニウム溶液貯蔵施設,JAERI TCA炉心の実効中性子増倍率及び中性子スペクトルの計算を行った。臨界事故を防止するため、核燃料サイクル施設の安全管理の考え方も示した。
桜井 淳
日本原子力学会和文論文誌, 2(3), p.368 - 374, 2003/09
この論文は、JMTR,常陽,PWR及びBWRのモンテカルロ法による原子炉線量評価の典型的な問題を引用し、モンテカルロ法の有用性と効果性を論じている。JMTRのような照射専用炉では、ユーザーに提供する中性子にかかわる照射データは、モンテカルロ計算で対応できるレベルに対しており、実測はモンテカルロ法の精度確認のためのベンチマーク実験問題の作成のためのものに制限する必要がある。
桜井 淳; 久米 悦雄; 前川 藤夫; 野尻 一郎*
日本原子力学会和文論文誌, 2(2), p.196 - 201, 2003/06
セミナーで行った特徴的事項はつぎのとおりである。理論セミナーでは、独自に編集した連続エネルギーモンテカルロ教科書を採用し、実際の計算に役立つ講義内容とした。未臨界セミナーでは実際の核燃料サイクル施設の計算を実施した。遮蔽セミナーと高エネルギーセミナーではウェイト下限値の的確な評価法が身に付くように理論と計算演習を実施した。三つの計算セミナーの教材には、JENDL-3.2から編集した293Kの340核種の汎用中性子断面積ライブラリを採用し、一般的な計算にも対応できるようにした。三つの計算セミナーには、いずれもひとつずつ、研究に使用している世界でも代表的なベンチマーク実験問題を含め、計算法の検証が可能なようにした。三つの計算セミナーでは、モンテカルロ法をまったく知らない初心者でも、5時間の講義及び計算演習により、ひとりで的確な計算ができるようにすることができた。セミナー参加者との質疑応答をくり返し、講義や教材に含まれていた曖昧さを排除し、確実な内容に改善した。
桜井 淳; 山本 俊弘
日本原子力学会和文論文誌, 2(2), p.202 - 214, 2003/06
原研原子力コード研究委員会原子力コード評価専門部モンテカルロシミュレーションワーキンググループは、主にここ10年間の国内大型原子力施設のモンテカルロ計算例について、調査・検討した。調査した対象のうち、大部分は測定値との比較がなされておらず、厳密な確度・精度評価は、これからの課題であることがわかった。いまの状況からすれば、加圧水型原子炉や使用済み燃料輸送船,使用済み燃料中間貯蔵施設に対しては、意図すればいつでも測定値は得られる。高速増殖原型炉ではこれまでの炉物理特性試験で得られたデータからでも部分的に議論できる。ITERや核変換炉については、近い将来、測定値が得られ、計算値との比較も可能になる。モンテカルロ計算は、ベンチマーク実験解析の段階から、大型実施設の解析の段階に移行しており、一部の大型施設で測定値との厳密な比較がなされているものの、多くの大型施設ではこれからの課題である。これから測定値を得るための提案や計算値との比較評価を実施する研究プロジェクトを発足させる必要がある。そして将来的には実施設の解析においてモンテカルロ法を標準的な解析手法に位置付けられるようなデータベースの作成が必要である。
小林 捷平*; 井口 哲夫*; 岩崎 信*; 青山 卓史*; 島川 聡司; 池田 裕二郎; 小田野 直光; 桜井 淳; 柴田 恵一; 中川 庸雄; et al.
JAERI 1344, 133 Pages, 2002/01
中性子束及び中性子のエネルギースペクトルの決定に必要なJENDLドシメトリーファイル99(JENDL/D-99)を作成した。このドシメトリーファイルに収納したデータは47核種,67反応である。そのうち、主たるドシメトリー断面積の33反応と共分散データは同時に評価したが、残りの34反応データは主として初版のJENDL/D-91から引用した。評価作業にあたってはEXFORの実験データを参考にし、大部分の場合、これをGMAコードで処理した。データは、20MeV以下のエネルギー範囲において、ENDF-6フォーマットでpoint-wiseファイルとgroup-wiseファイルの二種類が与えられている。データの信頼性を確認するために、IRDF-90V2の評価値との比較,核分裂中性子場,高速/熱中性子炉の中性子場,DT中性子場及びLi(d,n)中性子場での平均断面積値との比較による積分テストを行った。本報告では、JENDL/D-99ファイルの内容と積分テストの結果について述べる。また、付録に当ドシメトリー断面積の図を載せる。
桜井 淳
日本原子力学会モンテカルロ法による粒子シミュレーションの現状と課題, p.61 - 64, 2002/01
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会は、1998.10-2000.09の2年間、モンテカルロ法に関わる現状調査及び研究課題の整理、モンテカルロ計算コード精度検証用ベンチマーク実験問題の検討、「モンテカルロ計算」夏季セミナーの開催、第2回モンテカルロシミュレーション研究会の開催準備等を実施した。その後、本委員会は2年間延長された。ここにこれまでの経緯と反省点、今後の課題及び方針(案)を示す。
桜井 淳
日本原子力学会誌, 43(11), P. 1113, 2001/11
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会は、臨界事故を防止すべく、モンテカルロ法による核燃料サイクル施設の未臨界安全セミナー初級コースを計画・実施した。これは実施報告であり、おもに講義内容と演習内容、それに研究課題等についてまとめた。今後の課題としては、初級コースだけでなく、中級コース,上級コースも設ける必要があり、そのための講義及び演習内容を具体的に検討しなければならない。
桜井 淳; 長家 康展; 山本 俊弘; 薮田 尚宏*
日本原子力学会誌, 43(9), p.26 - 27, 2001/09
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会主催の第2回「モンテカルロシミュレーション」研究会が2001年5月24-25日に東京・大手町の三菱総合研究所で開催された。本稿は研究会実施報告であり、全発表者の講演内容及び特徴,評価と課題が記されている。この研究会の特長は国内の研究者の発表だけでなく、アジア圏を含む準国際会議的側面を備えた研究会であること、発表内容が臨界・遮蔽から高エネルギー・宇宙被曝に至るなど多様なことである。
桜井 淳; 植木 紘太郎*
日本原子力学会誌, 43(4), p.351 - 352, 2001/04
モンテカルロ計算のここ四半世紀における発展の経緯をまとめた。特に核データ信頼性評価用ベンチマーク実験解析に携わった経験を通し、計算の精度が向上した経緯をまとめた。最近の臨界ベンチマーク実験解析では中性子増倍率が0.001の不確定を問題にしており、従来無視してきたU-234の考察が欠かせないことを指摘した。
桜井 淳; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 43(3), p.219 - 220, 2001/03
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会は、臨界事故を受けて、委員会で対応できる安全対策を検討した。その結果、核燃料サイクル施設従事者に対してパソコンに連続エネルギーモンテカルロコードMCNP-4Bをインストールして代表的体系を解析する臨界安全教育プログラムの有効性を確認した。本稿では考え方と計算例について解説した。
桜井 淳; 久米 悦雄; 谷田部 茂*; 前川 藤夫; 山本 俊弘; 長家 康展; 森 貴正; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
JAERI-Review 2000-034, 133 Pages, 2001/02
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会主催「モンテカルロ計算夏季セミナー」は、2000年7月26-28日に日本原子力研究所東海研究所で実施された。参加者は大学・研究機関・企業から111名にも及び盛況であった。初級コースではノート型パソコンにMCNP-4B2及び付属ライブラリ,入力例をインストールし、モンテカルロ法基礎理論から計算演習まで行った。このようなセミナーは日本では最初の試みであるため、ここに実施概要及び講義,インストール,計算演習の内容について報告する。
佐野 雄一; 新井 健太郎*; 桜井 孝二*; 柴田 淳広; 野村 和則; 青嶋 厚*
JNC TN8400 2000-032, 98 Pages, 2000/12
再処理プロセスへの晶析工程の導入時に必要となる高濃度U溶液の調製、さらにはその際の有効な手法の一つである粉体化燃料を対称とした溶解に関連し、U濃度が最大800g/Lまでの領域におけるUO2粉末の溶解挙動を明らかとすることを目的として、溶解挙動に及ぼす最終U濃度、溶解温度、初期硝酸濃度、粉末粒径及び燃料形態の影響について評価を行った。また、得られた結果をもとに高濃度溶解時における照射済MOX燃料の溶解挙動について評価を行い、晶析工程への高HM濃度溶液供給の可能性について検討を行った。試験の結果、最終U濃度、粉末粒径の増大及び溶解温度、初期硝酸濃度の減少に伴う溶解性の低下が認められた。さらに、UO粉末及びUOペレットの高濃度溶解時においても、最終U濃度が溶解度に対して十分低い(U濃度/溶解度 約0.8)溶解条件下では、fragmentationモデルに基づいた既報の評価式によりその溶解挙動の予測が可能であることを確認した。晶析工程への高HM濃度溶液(500g/L)供給の可能性については、従来の燃料剪断片を用いた溶解では、高HM濃度の溶液を得ることが困難(溶解時間が大幅に増加する)であるが、燃料を粉体化することにより速やかに高HM濃度溶液を得ることができるとの見通しを得た。粉体化した燃料の溶解時に懸念される溶解初期のオフガスの急激な発生は溶解条件を考慮することによりある程度回避できるものと考えられ、今後オスガス処理工程の最大処理能力を踏まえた上で溶解条件の最適化を進めることが重要となる。
桜井 淳; 久米 悦雄; 谷田部 茂*; 前川 藤夫; 山本 俊弘; 長家 康展; 森 貴正; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 42(10), p.1062 - 1065, 2000/10
日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会主催の「モンテカルロ計算夏季セミナー」を実施した。大学・研究機関・企業から計111名の参加者があった。本稿においては、開催主旨、ノート型パソコンへの連結エネルギーモンテカルロ計算コードのインストールの技術的問題検討、セミナープログラム、計算メカ、参加者からのアンケート、今後の課題についてまとめた。今回は最初の読みであったため、実施上のさまざまな問題が生じたが、今後のために役立てていきたい。
桜井 淳; 植木 紘太郎*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 42(10), p.1048 - 1049, 2000/10
モンテカルロ計算を計算科学の標準的手法にするため、新しい試みを行った。ここでは、おもに、1990年代半ば以降に原研及び日本原子力学会に設けた研究委員会や研究成果,モンテカルロ研究の課題等をまとめている。これらの成果をふまえ、日本でのモンテカルロ国際会議開催の必要性を提案している。