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梶谷 幹男
核燃料, -(-), 0 Pages, 1999/00
燃料材料部の 1施設経緯、2)これまでの29年間の業務の概要 、3)現状の業務内容を中心に、日本原子力学会要請により、核燃料部会会報「核燃料」へ紹介記事「関係機関だより」として発表する。内容は以下の概要である。イ)昭和43年以来の施設経緯 ロ)1971年以来の29年間の照射後試験 ハ)現在の燃料材料試験部の試験10項目等 ニ)現在の燃料材料試験部が取り組んでいる技術的課題 燃料集合体、燃料要素、燃料ペレット、炉心材料、MA等について説明を行う。
小山 真一; 大塚 優子; 今野 廣一; 三頭 聡明; 両角 勝文; 梶谷 幹男
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(6), 406 Pages, 1998/00
被引用回数:13 パーセンタイル:70.95(Nuclear Science & Technology)動燃における先進的核燃料リサイクル技術開発において、AGSではマイナ-アクチニド核種を含有するMOX燃料の基礎物性及び照射挙動研究を行っており、その評価のためには燃料中に存在するNpの定量分析技術の確立が不可欠となる。分析は、初めに標準試料を用いた基礎試験により最適な条件を把握し、それを実燃料に適用した。分離法としてイオン交換法を選択し、またイオン交換回収率を把握するため、Npの同位体であるNp-239をトレ-サ-として使用する方法を確立した。製造時にNpを含まず、最大120GWd/tまで照射したC型特殊燃料ピンを分析対象に選択し、その中に極微量含まれるNp-237含有率を分析し、広範囲な燃焼度依存性を求めた。
掛樋 勲; 白井 信行; 波多野 守; 梶谷 幹男; 米澤 重晃; 高橋 克郎
Proceedings of International Conference on Future Nuclear Systems (GLOBAL'97), 0 Pages, 1997/10
将来のあるべき核燃料リサイクルの姿を研究するため、炉(FBR)と核燃料リサイクルを一体として、日本のPUREX再処理システムおよびペレット加工システムを脱却した先進的核燃料リサイクルシステムの設計研究を行っている。この設計研究では、酸化物燃料を含めて、窒素物燃料、金属システムの構築と特徴を追求している。これらの研究成果について発表する。
小山 真一; 大塚 優子; 逢坂 正彦; 今野 廣一; 梶谷 幹男; 三頭 聡明
Proceedings of International Conference on Future Nuclear Systems (Global'97), Vol.2, 0 Pages, 1997/10
動燃では、照射済MOX燃料中のAmとCmの化学分離を行うため、(v)価のビスマスによるAm(III)のAm(VI)への酸化と、リン酸ビスマスによるCm(III)の共沈による迅速な分離法を研究した。そして、酸化及び共沈の最適条件を用いることによって、高速実験炉「常陽」で照射したMOX燃料に含まれるAm分離のための新しいフローを策定した。開発した手法は、Pu及びCmが混入しないAmを得ると同時に燃焼によるAmの同位体変化を分析するため役立つものである。
佐藤 勇*; 古屋 廣高*; 今野 廣一; 有馬 立身*; 山本 一也; 梶谷 幹男
PNC TY9606 97-001, 117 Pages, 1997/07
高速炉燃料の高燃焼度化で燃料内への多量の核分裂生成物(FP)の蓄積、余剰酸素の生成による酸素分圧の上昇等の現象が予想される。特に高収率で生成されるMo、Cs、Zr等のFPはその化学的性質から燃料内の諸現象において重要な役割をすることが知られている。本研究は、このような高燃焼度燃料内のFPの分布状態及び移動挙動とこれらの挙動に影響を及ぼすと考えられる酸素ポテンシャルに注目し、Mo、Cs、Zr等のFP挙動を総合的に評価することを目的として、九州大学と動燃事業団との3年間の共同研究として実施している。平成8年度は共同研究の初年度として下記のような3部構成で研究を実施し、Moの移動メカニズム解明のため1、2部を、酸素ポテンシャルに対する被覆管酸化の影響評価のために3部を実施し次のような結果を得た。第1部:Moの気相移動化学形の計算による評価・熱力学解析プログラムSOLGASMIX-PVを用いて、高燃焼度燃料内のMoの移動化学形を推測したところ、MoO3がもっとも安定に存在しうることがわかった。第2部:画像解析を用いた白色金属相の分布評価・金相写真から確認される白色金属析出物断面の面積を測定し、統計的手法を用いて析出物サイズの分布状態を把握する手法を検討した。第3部:改良型SUS316の酸化挙動・比較的高酸素ポテンシャルを制御した系で改良型SUS316の酸化試験を行った。その結果、酸化速度は放物線則を示すことが分かった。低酸素ポテンシャル下の酸化、腐食試験のデータが必要であることが分かった。次年度以降は、MoO3による気相移動モデルの構築、照射後試験による白色金属相分布データの評価、第3部で課題になった酸素ポテンシャル中の腐食試験を実施する予定である。
小山 真一; 逢坂 正彦; 三頭 聡明; 今野 廣一; 梶谷 幹男
PNC TN9410 97-054, 44 Pages, 1997/04
極微量のAmを分析するには、化学的特性の類似するCmとの分離が必要である。AmとCmの化学分離方法として、(V)価のビスマスによるAmの酸化と、それに続くリン酸ビスマスによるCmの共沈を利用し、Pu富化度約30wt%、初期Am含有量0.9wt%で、最大で26.2GWd/tまで高速実験炉常陽にて照射したMOX燃料中のAmを分析した。本試験は、照射済燃料中からCmを含まないAmを取得し、その同位体組成比を求め、照射による組成比の変化を評価することを目的として行った。得られた結果は以下の通りである。(1)MOX燃料に含まれるAmを単離し、その同位体組成比(Am、Am、Am)を求めることができた。また、Am、Amの同位体比組成比は、最大で26.2GWd/tまでの燃焼度において、それぞれ0.62at%、0.82at%まで増加した。(2)照射によるAm同位体組成の変化を観察するため、燃焼度で整理し、その依存性を明らかにした。燃焼に伴うAm同位体組成比の変化、即ちAmの減少、Am、Amの増加は、燃焼度に対して直線的であることが確認された。
梶谷 幹男; 西野入 賢治; 阿部 和幸; 逢坂 正彦; 今野 廣一; 廣沢 孝志; 小山 真一
PNC TN9440 97-004, 186 Pages, 1997/02
平成9年2月7日に照射燃料試験施設(AGF)ホットイン25周年記念成果報告会を開催した。AGFは1971年(昭和46年)10月1日に放射化材料試験ループを使用してのホットイン、引き続き12月から常陽燃料仕様燃料ピンの定常照射試験(DFR332/2燃料ピン)の照射後試験を開始して25年を迎え、その記念行事としてOBに対する施設見学会、記念成果報告会及び懇親会を開催したものである。本報告書は、この記念成果報告会で発表したOHP原稿を取りまとめたものである。発表内容は、 1.AGF25年の歴史と経緯及び西暦2000年に向けての取り組み 2.AGF25年間の施設、設備およびマニプレータの保守実績 3.AGFでの物性測定(融点、熱伝導度、X線回折)の最近の成果 4.核分裂生成物放出挙動試験装置の開発経緯とコールド試験の結果 5.照射燃料集合体試験施設の金相試験セルを利用した燃料挙動のこれまでの成果 6.照射済MOX燃料中のMA(Np,Am,Cm)分析手法の開発状況 7.MA含有燃料作製設備の整備状況と各装置の概略仕様の紹介である。
掛樋 勲; 波多野 守; 米澤 重晃; 河村 文雄; 白井 信行; 梶谷 幹男; 川合 努
PNC TN9410 97-015, 382 Pages, 1996/12
社会の多様なニ-ズに対応できる技術の可能性を追求する先進的核燃料リサイクルシステムを構築することを目的として設計研究を行っている。本報告書は、先進的核燃料リサイクルシステムの概念検討について、経過報告をまとめたものである。概念検討では、先進的核燃料リサイクルシステムの概念構築とシステム構築に必要な研究開発課題を検討している。システムの基本となる概念は、従来のPUREX再処理法、ペレット加工法の概念を脱却する溶融塩を用いたリサイクルシステムである。検討した内容は、主に以下のことである。1)窒化物プロセス(Cd陰極法利用の成立性) 2)低融点溶融塩(ALCL3+有機塩の適用性) 3)脱被覆法(乾式熱処理法の利点) 4)電解中核種挙動(ヨウ素の挙動、FP塩化物の揮発性、塩素化・電解中の核種挙動) 5)溶融塩電解槽の臨界計算 6)オフガス処理系統図の作成 7)機器概念図の作成(カソードプロセッサ、振動充填) 8)高レベル廃棄物量の算定 9)燃料の品質(リサイクル燃料のFP混入量) 10)ロボットハンドリングシステムの概念検討 11)先進的核燃料リサイクルシステムの意義についてまとめた。今後、システム概念の提案、研究開発課題の摘出、実行プログラム(案)の作成を行ってまとめる予定である。
逢坂 正彦; 小山 真一; 大塚 優子; 三頭 聡明; 今野 廣一; 梶谷 幹男
PNC TN9410 96-297, 79 Pages, 1996/11
Np, Am, Cm等のMA核種を含有するMOX燃料の照射挙動とMA核種の燃焼特製評価の研究の一環として,燃料中に含まれるMA核種定量分析技術の開発を行っている。本研究では線計測を用いたNpの分析法を引き続き、Am及びCm分析法の確立のためにAmとCmの相互分離手法の検討を行った。Am及びCmには照射済燃料中に極微量しか含まれていない同位体が存在し、これらは放射線計測では検出限界以下の量であり、また同位体種類が多くかつ互いに線エネルギーが接近していることから放射線計測を用いたAm, Cmの核種分析が困難であるという問題点 を有する。このため燃料中の極微量なAm, Cmの同位体を,質量分析法を用いて 分析することでAm, Cmの全量の定量分析を行うことを目的に、標準試料を用いてビスマス酸ナトリウムによるAmの酸化及びリン酸ビスマスによるCmの共沈によるAm/Cm相互分離手法の開発を行った。また本手法の照射済燃料への適用性についての検討を行った。結果は以下の通り。Am/Cm相互分離条件把握試験を行い、Am, Cmそれぞれについて最適な分離条件を求めた。AmについてはCmを共沈させたリン酸ビスマス沈殿の洗浄に水を用いることによってCmを一切含まないAmを取得することができ、CmについてはAm残存比(Am/Cmの放射能の分離前に対する比)を1/10以下に低減出来た。照射済燃料へ適用した結果,標準試料を用いた試験と同等のAm, Cm残存比及び回収率が得られ,種々の照 射済MOX燃料に対しても本手法が適用出来る見通しを得た。Amフラクションに対して質量分析を行い,放射線分析では検出限界以下で定量が不可能であった微量のAmの同位体比を測定した。その値はAm:nAm:Am=98.55%:0.62%:0.83%である。また本分析結果より質量数240及び244の同位体存在比が0であることを測定し、AmフラクションへのCmの混入が無いことを確認した。
小山 真一; 逢坂 正彦; 大塚 優子; 今野 廣一; 梶谷 幹男; 三頭 聡明
PNC TN9410 96-301, 61 Pages, 1996/10
動燃における先進的核燃料リサイクル技術開発において,照射燃料試験室では,マイナーアクチニド(MA)核種を含有するMOX燃料の照射挙動とMA核種の燃焼挙動評価の研究を行っている。その一つとして,「常陽」で照射した,約0.9wt%のAmを含有したMOX燃料ピン(B8-HAMピン)のAm含有量を分析し,その燃焼度依存性を評価した。その結果,B8-HAMピンに含まれるAm含有量の燃焼度依存性は観察されず,最大燃焼度26.2GWd/tまでの範囲において,約1%程度のほぼ一定の値を示した。これは,ORIGEN2による計算値との比較等から,「常陽」での照射中の消滅と(各サイクル間の)冷却期間におけるPuからの生成が均衡していることによるものと考えられる。
佐藤 勇; 山本 一也; 梶谷 幹男
PNC TN9410 96-251, 82 Pages, 1996/06
燃料のO/M比は燃料物性全般に影響するが,特に高燃焼度における物性の変化を予測するために高燃焼度照射済み燃料ピン内のO/M比径方向分布を評価することが重要である。そこで,本研究ではFBR燃料内のO/M比径方向分布を測定評価した。測定試料は「常陽」で照射された燃料で最も燃焼度が高い燃料(約13at%)である。本研究では燃料径方向のO/M比分布を得るため,Moの酸化還元法を利用した間接法を用いた。この方法は燃料内に核分裂生成物として存在するMoの酸化還元状態を測定して燃料内の酸素ポテンシャルを決定する方法である。燃料内の温度分布とMo分布の測定結果から燃料内の酸素ポテンシャル分布を算出した。この酸素ポテンシャル分布からCatlowの理論をもとにO/M比の径方向分布を評価した。測定から得られたO/M比分布と燃料内の酸素の移動を説明するAitkenモデルから得られたものとを比較した。その結果,高燃焼度燃料内の酸素移動機構はAitkenモデルが提案している機構と異なる可能性があり,このモデルの酸素の熱拡散の輸送熱の部分に燃焼度効果を考慮するなど修正が必要であることを示した。
梶谷 幹男; 大内 与志郎; 平尾 盛博; 佐藤 光弘
PNC TN8520 92-003, 399 Pages, 1992/11
プルトニウム転換施設に於ける各工程に関する工程分析、計量分析、各種測定法についてマニュアル化したものである。内容は、プルトニウム転換工程及び廃気・廃液処理工程試料中のウラン、プルトニウム、T-アルファ、T-ベータ、T-ガンマ、アメリシウム、放射能核種、遊離酸、水酸基、鉄、クロム、ニッケル、窒素、フッ素、塩素の分析操作手順及び、水分、O/M、比表面積、平均粒子径、カサ・タップ密度、不純物の測定操作手順と各種試薬の調整、査察収去試料の前処理方法等について記述した。
小泉 益通; 横内 洋二*; 山口 俊弘; 古屋 広高; 梶谷 幹男*; 宮坂 靖彦*
PNC TN841 75-02, 59 Pages, 1975/01
1971年4月1日-1974年5月1日までの約3年間に渡り,照射計画,照射試料製造,照射,照射後試験,解析と行なってきたが,今回は第3報として,照射後試験結果と解析結果を報告する。照射後試験は原研ホットラボで,昭和48年8月10月の間行なった。カプセル外観,燃料ピン外観に異常はみられなかった。またガンマスキャニングからも,燃料ピンのスランピング現象はみられなかった。燃料内組織変化は,IT-1カプセル(M-1ピン)に比較し,IT-2(M-3ピン)の方が線出力は低いにもかかわらず,大きいことが観察された。これは被覆管-燃料間のギャップ幅の違いにより.IT-2(M-3ピン)の方が高温になったために燃料内組織変化が大きくなったものと思われる。燃料中心が溶融を起したか,起さなかったかは金相写真からは判断できなかった。しかし,計算結果や被覆管表面温度測定結果から推察すると,照射初期には,少領域の溶融があったと思われる。
小泉 益通; 古屋 広高; 横内 洋二*; 立花 利道; 梶谷 幹男*; 水田 浩; 大竹 俊英*; 桂川 正巳
PNC TN841 74-25, 145 Pages, 1974/08
昭和46年2月より47年10月まで,燃焼度,約45,000MWD/Tまで照射したDFR-332/5燃料ピン3本(S121,S122,S123)の非破壊試験結果を解析した。破損したS122燃料ピンの破損原因を中心として,解析を進めた。製造履歴,外国での燃料ピン破損例から検討を始め,PIPER,LIFEコードにより全般的燃料ピン挙動を,MAMUSYコードにより熱水力的解析を,TAC-2D,PLASTICコードにより被覆管局部加熱と応力解析を行なった。この結果,S122燃料ピンの破損は,冷却材中のバブルの被覆管への付着被覆管の局部加熱破損ピン内圧減少ナトリウムの侵入ナトリウムと燃料の反応スウェリング他部の破損の過程を経て,生じたと考えることができた。
小泉 益通; 横内 洋二*; 山口 俊弘; 梶谷 幹男*; 古屋 広高; 小松 純治*
PNC TN841 74-05, 180 Pages, 1974/01
プレナム内ガス圧測定用の燃料ピンは2本,ギャップコンダクタンス測定用に3本,低密度焼結ペレット照射用に3本の合計8本が製造され照射された。計装には,熱電対が各カプセルに装入され,プレナム用ガス圧測定用カプセル内には圧力センサーが組込まれている。照射は昭和44年から昭和46年の間に各ピン共,1リアクタサイクル行なわれた。照射後試験は,原研(東海)ホットラボで行なわれ,金相試験を主に行なった。低密度ペレット照射については,金相写真をもとに中心空孔,柱状晶および等軸晶の各領域の組織変化について解析,検討を行なった。ギャップコンダクタンス測定照射試験は,各熱電対の指示により燃料表面温度,被覆管内面温度を求めギャップコンダクタンスを求めた。プレナム内ガス圧測定は,圧力センサーが照射効果により測定不能になり失敗した。
小泉 益通; 古屋 広高; 横内 洋二*; 立花 利道; 梶谷 幹男*; 川又 博*; 照沼 俊弘*; 加納 清道*
PNC TN843 73-07, 16 Pages, 1973/06
これまで,数年にわたり,高速炉燃料の設計および燃料挙動解析のため,核燃料に関する物性データを集積評価してきた。本報告は,その続編として,1972年4月から1973年3月までの物性データを,混合酸化物燃料を中心に,集積整理したものである。前回までの報告書は,下記のとおりである。SN843-70-13(1970,3月以降)SN843-70-14(1970,41970,9)SN843-71-08(1970,101971,4)N843-72-02(1971,51972,3)
小泉 益通; 小松 純治*; 横内 洋二*; 梶谷 幹男*; 照沼 俊弘*; 宮坂 靖彦*
PNC TN841 73-01, 71 Pages, 1973/01
JRR-2円筒燃料要素を使用し,照射カプセルによる照射を行い,燃料の高出力照射およびこれに伴う中心溶融時の燃料挙動を把握する。実験で求めたデータを,今後の燃料設計,挙動解析に役だてる。実験に使用した試料は,濃縮度5.9%,理論密度95%である。この燃料を2本のカプセルに計装して(IT-1,IT-2)照射実験を行った。 この報告書は,(1)試料,(2)核熱計算,(3)安全解析計算,(4)燃料ペレットの金相,化学分析値および被覆管等のデータ,(5)カプセル計装加工に必要な項目とデータ,(6)カプセル照射条件をできるだけ詳細な点までまとめた。
小泉 益通; 小松 純治*; 笹尾 信之*; 横沢 直樹; 川又 博*; 立花 利道; 梶谷 幹男*; 照沼 俊弘*
PNC TN841 72-39, 68 Pages, 1972/11
塩素の入った「常陽」炉心ピンが、ナトリウム流動試験や熱サイクル試験後に、その下部端栓付近で内部から破損した。熱サイクル試験前後のピンを試料とし、この破損原因を調べた。熱サイクル試験前にはクラックがみられず、試験後は応力腐食われ特有のクラックが発生し、ピン内面は塩素と反応していることが化学分析、電子顕微鏡解析で確認された。よってこの破損の原因は塩素をふんい気とした応力腐食われであると推定される。集合体に組み込む以前のピンには、応力腐食われに必要な応力は、非常に小さな確率でしか存在しないことが種々の応力測定からわかった。またピンを吊り下げて均一加熱試験してもクラックは観察されず、塩化マグネシウムによる応力腐食試験によってもまた、ピン本来は内面から応力腐食われが起こる確率は非常に小さいことがわかった。また応力腐食に敏感であるといわれる窒素については第1、第2端栓付近の有意差は認められなかった。水分等の不純ガスによる内圧は、ペレットと反応するために応力腐食われを起こすまでには到らないものと推定される。
小泉 益通; 小松 純治*; 横内 洋二*; 梶谷 幹男*; 照沼 俊弘*
PNC TN841 72-27, 117 Pages, 1972/08
原子炉の熱効率を上げる最大因子の一つに、燃料要素(ピン)の熱伝導の改良とそのはあくがある。また高燃焼度での燃料・材料の両立性、照射初期の組織変化を調べるための基礎照射試料作成とその問題点をここにまとめて報告する。カプセル照射に必要な核計算、燃料ペレット製造データ、その測定値、溶接加工記録、完成ピン検査データ、等をまとめた。また今回照射カプセルを実験目的に合わせ、計画設計し、燃料ピン加工組立の最終までのすべてのデータをのせ、照射燃料ピン製造工程とその各作業単位の位置付け、内容・問題点を記した。これらの製造工程は、どの一つを捉えてもそれぞれ独立して重要である。また現在、各工程検査基準の基礎背景もすべて実験的理論的に、完全なものでなく、今後取りくむ必要性も多い。このような点について"まとめ、あとがき"として加えた。
小泉 益通; 小松 純治*; 笹尾 信之*; 丸石 芳宏*; 立花 利道; 梶谷 幹男*; 川又 博*
PNC TN843 72-02, 47 Pages, 1972/03
最近の国内外の核燃料に関する物性データを集積評価し燃料設計,燃料挙動解析に役だてるため1971年5月から1972年3月までの混合酸化物燃料を中心にしたデータを集積,整理した。
山本 一也; 梶谷 幹男; 出光 一哉*; 有馬 立身*
化学熱力学国際会議, ,
高速炉燃料中に蓄積される固体FPのうち、燃料物性を左右する酸素との新和性が強いMoに着目し、その燃料内分布に対する温度及び燃料度の影響を、「常陽」照射燃料のEPMA分析データに基づいて熱力学的な解析を実施した。その結果、710at%の中燃焼度までは、これまでの低燃焼度に関する報告と一致しているが、13at%の高燃焼度では燃料中Mo濃度の低下が著しくなり、燃料ペレット/被覆管ギャップへの移行が認められた。このようなMoの挙動は熱力学的な拡散現象では説明できず、高燃焼度燃料では過去にKleykampやJohnsonが提案している気相輸送等によるモデルを考える必要がある。