高速増殖原型炉「もんじゅ」の理解活動とトラブル事例集

柳澤 務; 田畑 広明; 森 将臣

保全学, 8(3), p.17 - 22, 2009/10

http://ci.nii.ac.jp/naid/40016856284

高速増殖原型炉もんじゅでは、1995年に発生したナトリウム漏えい事故後、失った信頼を回復するためさまざまな理解活動に取り組んできた。その中で、「もんじゅ」のプラント状況の進捗に応じて「想定される事故・トラブル等の事例とその対応」を取りまとめ、作成・配布し、運転再開に向けた理解活動を続けており、これらの取り組みについて紹介する。また、「もんじゅ」の概要・特徴などについても紹介するとともに、最近「もんじゅ」で発生したトラブルや国内外のトラブル事例も踏まえ、さらに、運転再開(性能試験開始)時に実施する炉心確認試験のときに想定されるトラブル事例と合わせて追補版として取りまとめており、これらの運転再開に向けた取り組みを紹介する。

原子炉設計基準と運転員の行動基準 : より安全な運転を目指して

森 将臣*; 原 広*; 田村 政昭*; 仲村 喬*; 谷山 洋*

PNC TN951 78-04, , 1978/04

PNC-TN951-78-04.pdf:2.24MB

本資料は、米国規格協会(ANSI)および米国原子力学会(ANS)が作成中の"Criteria for Safety-related Operator Actions"を翻訳したものである。 従来から原子炉施設の安全解析においては、運転員による手動操作には期待しないのが建前になっているが、本基準は原子炉施設内に常駐し、施設に最も精通している運転員の操作について改めて注目し、各プラントについて安全上の操作を時間試験を通じて分類し、それぞれの区分に応じて運転員の操作に期待しようとするものである。逆の見方からすれば、設計者は本基準を満足する場合は、運転員の操作を設計上期待してもよいとしている。 今後は本基準の思想を十分に理解し、「常陽」プラントの事故のケースについて検討を加えていく必要がある。 翻訳にあたって、design base evevt を「設計基準イベント」としたのは、「設計基準事故」と訳すとdesign base accident(DBA)と間違うこと、またrequired operator action を「必要とされる運転員の操作」としたのは、requiredが各プラントによって異なると考えられ、プラント安全上から必要とされるという意味を持つものと判断したことによる。