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星 陽崇*; Wei, Y.-Z.*; 熊谷 幹郎*; 朝倉 俊英; 森田 泰治
Journal of Alloys and Compounds, 444-445, p.663 - 667, 2007/10
被引用回数:4 パーセンタイル:33.26(Chemistry, Physical)核燃料サイクル開発において、再処理プロセスの経済性の向上は最も重要な課題の一つである。とりわけ将来の高速炉燃料再処理システムの確立には、現行のピュレックスシステムに比べ機器設備が少なく、廃棄物の発生量が少ない新規再処理プロセスの開発が望まれる。著者らは、使用済FBR-MOX燃料を対象とした新規の湿式再処理プロセス「ERIXプロセス」を提案している。本プロセスでは、アクチノイド元素の原子価をフロー型電解槽を用いて調整し、陰イオン交換体カラムを用いて高度に分離回収する。本報告では、高濃度硝酸中で電解還元されたプルトニウム,ネプツニウム及びテクネチウムの原子価を評価した。紫外・可視吸収スペクトル測定の結果、プルトニウムは3価に、ネプツニウムは4価に還元されることが明らかになった。また、陰イオン交換体カラムを用いた分析の結果、テクネチウムは4価又は2価に還元されることがわかった。還元したプルトニウムの再酸化に対する共存元素の影響を調べた結果、長期的にはテクネチウムにより定量的に再酸化されること、及び短期的にはルテニウムの影響が大きいことが明らかになった。
星 陽崇*; Wei, Y.*; 熊谷 幹郎*; 朝倉 俊英; 森田 泰治
Recent Advances in Actinide Science, p.596 - 598, 2006/06
近年、硫黄や窒素といったソフトドナー配位子を有する抽出剤が、ランタニド(Ln)に比べ三価のマイナーアクチニド(MA=Am, Cm)に対して抽出選択性を示すことが見いだされた。Koralikらは新規の窒素ドナー配位子2,6-bis(5,6-dialkyl-1,2,4-triazinie-3-yl)-pyridine(R-BTP)がMA(III)に対して高い選択性を有することを報告している。しかしながら、R-BTPはプロトネーションにより酸性溶液中に溶解しやすいため、長鎖のアルキル基あるいは分岐分子鎖を導入することで酸性溶液中の安定性を改良した。本試験では新規のR-BTP含浸吸着剤を用いて、硝酸溶液中からのMA(III)とLn(III)の分離を検討した。分岐分子鎖を導入したR-BTP吸着剤は濃度4Mまでの硝酸溶液でAmに対して高い吸着性能を示し、分配係数は10を超えた。
星 陽崇*; Wei, Y.*; 熊谷 幹郎*; 朝倉 俊英; 森田 泰治
Journal of Alloys and Compounds, 408-412, p.1274 - 1277, 2006/02
被引用回数:39 パーセンタイル:84.47(Chemistry, Physical)先進的湿式再処理プロセスの開発において、マイナーアクチニド(MA=Am, Cm)の分離は最も重要な課題の一つである。MAは長半減期の放射性元素であるため、核分裂生成物と分離する必要がある。しかしながら、その化学的類似性からMAとランタニド(Ln)の分離は非常に困難である。近年、SやN等のソフトな配位子を含む抽出剤がMA(III)に対して選択性を有することが見いだされた。KoralikらはN-ドナー配位子を持つ2,6-bis(5,6-dialkyl-1,2,4-triazine-3-yl)-pyridine(R-BTP)がMA(III)に対し高い選択性があることを報告している。しかし、相互に分離するには多段の分離手法が必要である。抽出クロマトグラフィーは少量の物質を処理する手段としては最も有望な分離技術の一つである。新規に粒径50のポーラスシリカにスチレン-ジビニルベンゼンポリマー添着した担体にR-BTP抽出剤を含浸させて吸着剤を調製した。本吸着剤は吸脱着速度が速く、また、膨潤しにくいため抽出クロマトグラフィーへの利用に適している。Ln(III)とトレーサー量のAm(III)を含む模擬高レベル廃液の分離を検討した。R-BTP吸着剤を充填したカラムにより、Am(III)とLn(III)は相互に分離された。Amに対して極めて高い除染係数(10)が得られ、全元素が定量的に回収された。
星 陽崇*; Wei, Y.*; 熊谷 幹郎*; 朝倉 俊英; 森田 泰治
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
核燃料サイクルの開発において、再処理プロセスの経済性及び効率性の向上は最も重要な課題の一つである。特に将来の高速増殖炉システムの確立には、現行のPurexプロセスに比べコンパクトで放射性廃棄物量の少ない再処理プロセスの開発が強く望まれている。著者らは使用済みFBR-MOX燃料の再処理プロセスとして、新規湿式再処理プロセス「ERIXプロセス」を提案している。本プロセスは(1)陰イオン交換体によるPd除去工程,(2)電解還元による原子価調整工程,(3)陰イオン交換体によるU, Pu, Npの回収工程,(4)マイナーアクチニド分離工程から構成される。本研究ではマイナーアクチニド分離工程について検討した。
星 陽崇*; Wei, Y.*; 熊谷 幹郎*; 朝倉 俊英; 森田 泰治
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 262(3), p.601 - 605, 2005/01
グラッシーカーボン電極を用い、硝酸溶液中でTc(VII)の電解還元試験を行った。電解還元は-300mV(vs. Ag/AgCl)の定電位で実施した。電解還元前後のTc濃度がほとんど変化しなかったことから、TcOやTc等が電極表面へ析出しないと考えられる。吸光スペクトル測定及び陰イオン交換体を用いた吸着バッチ試験の結果から、Tc(VII)はTc(IV)に還元されることが、明らかとなった。
濱田 一弥; 加藤 崇; 松井 邦浩; 辻 博史; 本田 忠明*; 西田 和彦*; 吉田 清; V.Kalinin*; M.Wykes*; 森 幹郎*; et al.
Proc. of 16th Int. Cryogenic Engineering Conf. /Int. Cryogenic Materials Conf., 0, p.131 - 134, 1996/00
原研はITER工学設計活動の一環として、ITER超電導コイル、構造体及び熱シールド等を冷却するクライオプラントを設計した。ITERは4.5Kで125kW、80Kで350kWの冷凍能力を必要とし、冷凍機は5~7台で構成される。さらに、超電導コイルは強制冷却方式であるために、原研が開発した極低温ヘリウム循環ポンプを採用する。設計では、ITER工学設計活動終了時点で製作可能な機器を熱効率、現地据え付けなどの観点から評価してシステムを構築した。その結果、現在の技術水準から十分建設は可能であるとの結論を得た。学会では、一連の設計結果について発表する。
加藤 崇; 三宅 明洋*; 檜山 忠雄; 河野 勝己; 岩本 収市*; 戎 秀樹*; 高橋 強*; 濱田 一弥; 辻 博史; 塚本 信行*; et al.
Cryogenics, 32(92 SUPPL), p.260 - 263, 1992/00
超臨界圧ヘリウムでは例の少ないプレート・フィン型熱交換器の伝熱特性について、実験及び数値解析を行ない、将来核融合炉超電導磁石冷却に用いられる本型式の熱交換器設計データ・ベースを得た。実験結果として、超臨界圧ヘリウムと液体ヘリウムの本熱交換器における熱伝達特性を明らかとし、また、パルス的熱負荷応答に対する特性についてもデータを得た。数値解析では、液体ヘリウム側の流動様式を区別する手法により得られたデータを良く近似できることがわかった。
星 陽崇*; Wei, Y.*; 熊谷 幹郎*; 朝倉 俊英; 森田 泰治
no journal, ,
核燃料サイクル開発において、再処理プロセスの経済性の向上は最も重要な課題の一つである。とりわけ将来の高速炉(FBR)サイクルの確立には、現行のPurexシステムに比べ機器設備が少なく、廃棄物の発生が少ない新規再処理プロセスの開発が望まれる。著者らは使用済みFBR-MOX燃料を対象とした、新規の湿式再処理プロセス「ERIXプロセス(The Electrolytic Reduction and Ion Exchange Process for Reprocessing Spent FBR-MOX Fuel)」を提案している。本プロセスは(1)陰イオン交換体によるPdの選択的除去,(2)電解還元によるアクチニド(U, Pu, Np)、及び核分裂生成物(Tc, Ru)の原子価調整,(3)陰イオン交換体AR-01によるU, Pu及びNpの分離回収,(4)抽出クロマトグラフィーによる長半減期のマイナーアクチニド(MA=Am, Cm)の分離回収から構成される。MA分離は二段の分離カラムを使用する。はじめに、TODGA(N,N,N',N'-tetraoctyl-3- oxapentane-1,5-diamide)吸着剤を充填した第一カラムで、高濃度硝酸溶液の高レベル廃液からMA(III)とランタニド(Ln(III))を他の核分裂生成物(FP)と分離する。続いて、R-BTP(2,6-bis-(5,6- di-n-alkyl-1,2,4-triazin-3-yl)pyridine)吸着剤を充填した第二カラムでMA(III)とLn(III)を相互分離する。長期に及ぶ放射能リスク及びHLLWの管理の負荷を低減するために、HLLWからのMA分離が望まれており、本研究ではR-BTP吸着剤を用いたMA分離について検討した。