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三宅 通博*; 鈴木 喬*; 森川 日出貴*; 大野 英雄; 古川 和男
First Inter.Symp.on Molten Salt Chem.Technol.,J-207, p.354 - 357, 1983/00
溶融アルカリ硫酸塩RSO(R=Li,Na,K,CsおよびAg)の構造を、融点直上におけるX線解析法により考察した。これらすべての溶融塩において、結晶状態で存在するSO四面体が溶融状態においても存在することが明らかとなった。溶融NaSO,KSOおよびCsSOにおいては、カチオンは主としてSO四面体の頂点あるいは面位置に存在する確率が高いことを示している。一方、溶融AgSOにおいては、カチオンの存在確率が高い位置はSO四面体の頂点あるいは積位置である。溶融NaSO,KSO,CsSOおよびAgSOにおけるイオンの長距離配列はCaF型に類似(Ca位置にSO、F位置にカチオン)しており、溶融LiSOの場合はTiO型配置に類似(いづれも=10以内における考察ではあるが)していることが明らかとなった。
森川 日出貴*; 高木 喜樹*; 大野 英雄
Journal of Non-Crystalline Solids, 53, p.173 - 182, 1982/00
被引用回数:54 パーセンタイル:92.4(Materials Science, Ceramics)PbO-SiO系ガラスは線遮蔽用として原子力分野においても有用なものであるが、学問的にもPbO濃度が90wt%近くまでガラス状態が存在する特異な系である。本研究では2PbO・SiOガラスの構造をX線解析法で求め、ガラス状態における鉛原子の分布について考察した。ほとんどの鉛原子は共有性結合の強いピラミッド状PbOの型で存在しているが、このピラミッド状PbOが作るジグザグした鎖状配列間をSiO,SiO,SiOあるいはイオン性PbO八面体がつなぎ、結晶のような規則性や対称性をもたない無規則に3次元的に連続して配列した網目構造を持っていると考えられる。得られた結果は、すでに発表されているラマン分光法あるいはNMR法の結果と矛盾しない。
森川 日出貴*; 三宅 通博*; 岩井 津一*; 古川 和男; A.Revcolevschi*
J.Chem.Soc.,Faraday Trans.,I, 77(2), p.361 - 367, 1981/00
VOは急冷によりガラス化される物質の一つであるが、急冷によりガラス化される酸化物中においては、陽イオンのまわりの陰イオン配位数は4以下であることが知られている。X線解析の結果、VO結晶ではV原子のまわりの原子数は5個であるが、液体状態では約4個に減少する。従ってVO融体の構造はVO四面体を基本単位にしたランダムな系であると考えられ、このため急冷によりガラス状態が実現されるものと思われる。
森川 日出貴*; 三宅 通博*; 岩井 津一*; 大野 英雄; 古川 和男
窯業協会誌, 88(1022), p.623 - 628, 1980/10
硫酸リチウム融体のX線構造解析は既に大野・古川によりなされ、短距離における原子配列について発表されている。本論分では新しい解析手法により、長距離における原子配列について考察し、次のような結論が得られた。SO四面性体基は6個のリチウム原子に囲まれ、そのうち2個のリチウム原子は四面体基との稜共有席を占め、4個は頂点共有席を占める。1個のLiSOは約4.2離れた2個のLiSOと約5.1離れた8個のLiSOに囲まれているような乱れた動的構造を持つものと考えられる。