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保坂 勇志*; 大山 智子; 大島 明博*; 榎本 智至*; 鷲尾 方一*; 田川 精一*
Journal of Photopolymer Science and Technology, 26(6), p.745 - 750, 2013/12
被引用回数:11 パーセンタイル:35.05(Polymer Science)ポジ型塩素系電子線レジストZEP520Aは高感度・高分解能・高エッチング耐性を持つレジストとして知られている。本研究では大阪大学Lバンドライナックのパルス電子ビーム(エネルギー28MeV)を用い、ジクロロメタンおよびテトラヒドロフラン(THF)溶液中のナノ秒パルスラジオリシス法によって反応機構を調査した。その結果、解離性電子付着による塩素の脱離と電荷移動錯体の生成による複数の主鎖切断経路が存在することが確認され、主鎖切断のG値が約8と高い理由が明らかになった。また、THFに溶かした高濃度溶液を用いた実験ではZEP520Aの直接イオン化による生成物が確認された。このことから、固体レジスト中(微細加工時の状態)での放射線化学反応の初期過程が、溶液を用いた実験でシミュレートできることが分かった。